±の成り上がり 〜無能と蔑まれる前に気付けた俺の最強卑怯な世渡り術〜

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0 その【恩恵】、酷い物だと人は言う。

その【恩恵】、使い過ぎだと神は言う。

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 暖を取る間に、森に入る支度をする。食料は無いが武具は十分。後は敵と戦い、生き延びられるだけの身体だけだ。

名前:アウディ一
性別:男 年齢:15
肉体Lv:159new! 精神Lv:162new!
スキル:剣技(Lv147/∞)new! 乗馬(Lv146/∞)new! 基礎魔法(Lv100/-)new! 読み書き(Lv148/∞)new! 礼儀作法(Lv148/∞)new!
恩恵:±(Lv100/-)new!
称号:乱用者

±(Lv100/-):対象の数値をLv毎に100度増減、若しくはリセットして元の数値に戻す。増減値:100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100、
100、100、100、100、100、100、100、100、100、100

 基礎魔法と【±】のレベルが100を超えた所で100に固定された。基礎魔法は指先に小さな火を灯したり、鍋に水を張る程度の物だ。1も100も無いのだが、怖くて迂闊に使えない。【恩恵】については表記に100が並んで煩わしい。そして【乱用者】なる称号が付いた。

乱用者:過ぎたる行いには歯止めを掛ける。レベル上限のあるスキル及び恩恵は100が上限となる。

 称号を凝視して、神の傲慢さを知る。だが知った所でどうにもならんし、なった所で俺の知る所ではない。なるようしかならぬ。

 肉体Lv159。国の大将が3桁に届かずと聞いた事がある。一人で魔物の群れを駆逐した傑物だと聞くが、その者は齢40そこらだと言うし、100を見ぬまま引退する事になるだろう。自分は簡単に傑物になってしまったが、実際に動いて見るまでは安心出来ない。体を温めつつ移動を再開した。

─体は動くが…─

 森に入り、丈夫そうな木の枝へ跳び上がる。垂直跳びと手を使って5a程の高さの枝へ取り付いた。体が動き、頭では分かっていても、心では信じられない事が成せている。自分の限界を知っておいた方が良さそうだ。

 枝から枝へ跳び移り、向かうは南西の国境都市。追っ手が居るなら南が一番、二番三番は南西と東のいずれかであろう。俺が南へ向かわないのは船が丁度に動くか分からないからだ。追っ手側もソレは見越しているだろう。森を抜けているとまでは思っていないだろうが。

 夜になり、一番の問題は空腹だ。火が使えず、食べられそうな木の実も見付けられなかった俺は、空腹に耐えながら枝の上で身を縮める。街で食料を買えばと思えど、追跡の魔法が掛けられた金を使っては、外に出る前に足止めされるか、追跡されて今腹を鳴らしてはいなかっただろう。

─妥協してどこへなりに寄るか?……無いな─

 今木を降りるのは論外。夜が明けてどこかに寄るにも追っ手が触れ回っている可能性がある。今は一直線で国境都市に向かい、食料だけ買って国境を抜けてしまうのが一番敵距離を取れる。寝るには難い枝の上、下には餌を求めて魔物が蔓延る。追っ手はここには来てないが、先手を打とうと動いているハズだ。俺は動けず、ウトウトするのを我慢して朝になるのを待った。










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