±の成り上がり 〜無能と蔑まれる前に気付けた俺の最強卑怯な世渡り術〜

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2 王国から帝国へ

街に戻れたのは閉門ギリギリであった。

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 ランデルとの初仕事の最中、宿賃代わりに女達の病魔を取り除く提案をアウディーは示した。ランデルは回らぬ頭で逡巡したが、事体験を得てからの決断は早かった。

「坊やを取られちまうのは惜しいけどね。働けない女を抱えるのも大変なのさ」

 治療院には定期的に通わせていると言うが、ほとんどが自己申告のみであるそうだ。服薬や魔法治療は安くない金が掛かる。生活に困窮している者には惜しい金なのだ。

 アウディーはその日から娼館の女達を3日掛けて全員抱いた。【恩恵】を使い、病魔と毒素を消滅させ、体力も増やした。だが年齢だけは減らさなかった。体力を増やすだけで十分魅力的な体に戻るし、歳を変えるのは痛みを伴うからだ。なので彼はその事だけは秘密にした。それでも女達は若返った体に喜び、アウディーの腰へ股を開いた。最後に抱いた女は齢50を過ぎていたが、施術を終えた体の具合は20代に近かった。正直やり過ぎた感はあるが、彼は我慢をしなかった。

「さあ坊や。もっとおっぱい吸っとくれ。約束だかンね」

「メイラママのおっぱい、おっきくて大好き」

 最後の女の前で、アウディーはすっかり子供になっていた。メイラとは、金を稼いだらおっぱいをしゃぶらせてくれると約束をした女であり、彼は一目見た時からその大きさに目を離せなくなっていた。メイラもそれに気付いてそんな約束をしたのだが、金より良いモノを手に入れられた彼女は完全にアウディーの母になり切ってしまった。もちろん彼も、母と男女の関係になるのを喜んだ。

─長居し過ぎだな…。かなり惜しいが、そろそろ追い付くかも知れん─

 全員を抱いて30日。その間1日休みをもらって冒険者ランクを3に上げたが、それ以外はずっと誰かと致していた。酷い客を排除する事もあり、見えない用心棒としても働いて多少の金銭的ボーナスも出たが、若い彼にとってはコチラの方が断然嬉しい報酬であった。

「そうかい、出てっちまうんだね」

「凄く惜しい。凄く、惜しい」

 ランデルは残念がるが、アウディーがもっと惜しく感じている事を、彼女は最初から察していた。

「アタシ等もさ。坊や、また遊びに来てくれるンだろ?」

「また仕事させてもらいに来るよ」

「アタシがババァになる前に来な」

─その時は…─

 きっと我慢出来るだろう。アウディーはそう信じた。

 33日もの間ディクストプンに滞在していたが、耳聰い女達からはマットロア隊の到着を聞かなかった。隠密行動なだけあって、行軍速度は鈍いようだ。それでも一足先に帝都に着いておきたいので移動の足を早める。もしかしたら街には寄らず、先行を許しているかも知れないからだ。アウディーは街に着く度に1泊し、18日目の朝、ホールブレン帝国の帝都トルゴンスタンに到着した。その間マットロア隊とは合流出来ていないので、あちらが先着していなければこちらが先着した事になる。アウディーは冒険者ギルドで宿の場所を聞くと、まだ朝方であるのに関わらず宿へ向かった。

「悪いけどまだ部屋の準備が出来てないんだよ。午後にでもまた来ておくれ?」

 案の定、部屋の支度が終わってないと門前払いを食ってしまった。だが部屋が空いている事を知るのが彼の目的であり、金を払って部屋の取り置きを頼むと女将は快く承諾してくれた。

 ─久しぶりに、やるか─

 アウディーは宿を出るとそのまま帝都から離れ、ギルドで魔物がいると聞いた森へと向かう。ソロ冒険者が狩りにでも行くのだろう。門番はそう考えていたに違いない。だが彼は森の奥に分け入ると、太い木に登って安全を確かめる。そして枝に乗ると幹を切り、枝やロープを使って1人横になって休める床を作り出す。森の木なら勝手に切っても咎められる事はない。

─俺から、年齢以外の数値を増やせ─

 アウディーは床に横になると【恩恵】を使う。その度に動きの確認と休憩を挟み、その数値は2000を超えた。










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