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第17話 数百年ぶりの目覚めと混乱
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「…………どなた、ですの……?」
鈴を転がすような、か細くも芯のある声。
数百年の時を超えて紡がれたその第一声に、俺は完全に硬直していた。目の前には、さっきまで冷たい石像だったはずの、生身のエルフの少女が立っている。月光を編み込んだかのようなプラチナブロンドの髪、湖のように澄んだ翠色の瞳。非現実的なまでの美しさが、俺の語彙力と思考能力を根こそぎ奪い去っていく。
「あ、いや……俺は、その……」
何か答えなければ。そう思うのに、口から出てくるのは意味をなさない言葉の切れ端だけだ。どう説明すればいい?「通りすがりの者です。あなたの呪いを、好奇心で解いてしまいました」なんて、言えるわけがない。
俺がしどろもどろになっている間にも、少女はゆっくりと状況を把握しようとしているようだった。彼女は自分の手を見つめ、そっと頬に触れ、そして、信じられないといった表情で、再び俺に視線を向けた。その翠の瞳が、驚きに見開かれていく。
「わたくしの、石化の呪いが……解けている……? まさか……あなたが?」
「え、ええと……たぶん、そう、なるのか……な?」
もはや、ごまかしようがなかった。俺は観念して、気まずく頷く。
すると、少女の表情が、一瞬で険しいものに変わった。
「いったい、何者ですの!? わたくしにかけられた『永劫の石化』は、並大抵の解呪魔法で解けるものではございません! もしや……魔王軍の残党、ですの!?」
魔王軍!?
いきなり物騒な単語が飛び出してきて、俺は慌てて両手を振った。
「ち、違う違う! 俺はただの人間だ! 冒険者をクビになった、しがない男で……」
「では、どうやってこの呪いを……?」
少女は鋭い視線で俺を問い詰める。その瞳には、警戒と不審の色が色濃く浮かんでいた。無理もない。いきなり見知らぬ男に数百年の眠りから覚まされたのだ。混乱するのも当然だろう。
「それは……俺のスキルが、その……【状態異常無効】で……」
「状態異常、無効……?」
少女は眉をひそめ、その言葉を繰り返した。彼女の知識の中には、そんなスキルは存在しないのかもしれない。
俺がどう説明したものかと頭を悩ませている、その時だった。
ふらり、と。
少女の体が、糸が切れた人形のように、大きく傾いだ。
「うわっ、危ない!」
俺は咄嗟に駆け寄り、倒れそうになる彼女の華奢な体を抱きとめた。腕の中に収まった体は、驚くほど軽く、そして冷え切っていた。長い間石になっていた影響で、体力も筋力も、ほとんど失われているのだろう。
「だ、大丈夫か!?」
「……はい。少し、立ちくらみがしただけですわ。……ありがとうございます」
少女は俺の腕の中で、か細い声で礼を言った。その頬が、ほんのりと赤く染まっているように見えたのは、気のせいだろうか。彼女から、花の蜜のような、甘く清らかな香りがふわりと漂ってきて、俺の心臓がどくんと大きく跳ねた。
俺は慌てて彼女から体を離し、近くにあった苔むした岩に座るように促した。
「無理するな。ずっと動いてなかったんだから、当然だ。少し休んだ方がいい」
「……はい。ご親切に、どうも」
少女は素直に頷き、岩に腰を下ろした。だが、その視線は、依然として俺から外されることはない。警戒心は、まだ解けていないようだった。
気まずい沈黙が、二人の間に流れる。
このままでは埒が明かない。俺は意を決して、正直に話すことにした。
「俺はルイン。ルイン・アークライトだ。元は冒険者パーティにいたんだが、色々あって追放されて……今は、この森で一人で暮らしている」
「追放……? この、魔瘴の森で?」
少女は驚いたように目を見開いた。彼女も、この森が人間にとってどれほど危険な場所か、知っているらしい。
「ああ。俺のスキルは、毒とか呪いとか、そういうのが全部効かないんだ。だから、俺にとっては、この森は安全で……むしろ、快適な場所なんだよ」
「毒も、呪いも……すべて効かない……?」
少女は信じられないといった表情で俺を見つめる。
「あなたが、さっきわたくしの手に触れた時……わたくしの体を縛り付けていた、あの忌まわしい呪いの力が、まるで砂のように、さらさらと消えていくのを感じました。あれは、あなたのスキルによるものだったのですのね」
「たぶん、そうだと思う。俺も、自分のスキルが他人に影響するなんて、初めて知ったんだ」
俺の説明を聞いて、少女の表情から、少しずつ険しさが消えていくのがわかった。彼女はゆっくりと息を吐き、そして、深く、深く、頭を下げた。
「……わたくしの名前は、エリナ、と申します。あなた様が魔王軍の手先などと、とんだ疑いをかけてしまい、大変失礼いたしました。どうか、お許しください」
「い、いや、いいんだ。気にしないでくれ。いきなり起こされたら、誰だって驚くよ」
俺は慌てて彼女に頭を上げるように促した。
「それよりも、エリナ。君は、どうしてあんな状態で……?」
俺がそう尋ねると、エリナの翠の瞳に、再び深い悲しみの色がよぎった。彼女は俯き、自分のドレスの裾を、きゅっと強く握りしめた。
「わたくしは……古代に、この国を治めていたエルフの王族の末裔です」
「王族!?」
予想だにしなかった言葉に、俺は思わず声を上げた。どうりで、ただならぬ気品があるわけだ。
「当時、わたくしたちは、この地に封印されようとしていた、ある邪悪な存在……『世界の歪み』と、激しい戦いを繰り広げておりました。戦いは熾烈を極め、多くの同胞が命を落としました」
彼女の声は、遠い過去を懐かしむように、静かに震えていた。
「わたくしも、敵の将が放った、逃れることのできない石化の呪いを受け……。仲間たちは、せめてわたくしの魂だけは守ろうと、この地に結界を張り、わたくしを永い眠りにつかせたのです。いつか、この呪いを解く者が現れることを、信じて……」
それが、数百年前の出来事だという。
俺は言葉を失った。俺が解いてしまったのは、ただの呪いではなかった。それは、仲間たちの願いと、長い年月が込められた、悲しい封印そのものだったのだ。
「……そうか。俺は、余計なことをしてしまったのかもしれないな」
俺がそう言うと、エリナは静かに首を横に振った。
「いいえ。あなたは、わたくしを絶望の石牢から救い出してくださった、命の恩人です。どれだけ感謝してもしきれません」
彼女は再び俺をまっすぐに見つめた。その瞳には、もう警戒の色はなく、ただ、澄み切った感謝と、そして、尊敬にも似た強い光が宿っていた。
「わたくしは、この御恩に報いるため、わたくしのすべてを懸けて、あなた様にお仕えいたします。我が主(あるじ)、ルイン様」
「あるじ!? いやいやいや、待ってくれ!」
突然の主従宣言に、俺は再び狼狽した。
「俺は君を助けたかったとか、そんな大層な気持ちでやったわけじゃないんだ! ただの好奇心で……!」
「それでも、結果として、あなたはわたくしを救ってくださいました。その事実は、決して揺らぎません」
エリナの意思は、驚くほど固かった。彼女は岩から立ち上がると、まだ少しおぼつかない足取りで、俺の前に進み出た。そして、騎士が王に誓いを立てるかのように、優雅に片膝をつき、俺の手を取った。
「わたくしの命は、今日この瞬間より、ルイン様のために。どうか、このエルフ、エリナを、あなたのそばに置いてくださいませ」
柔らかな彼女の指が、俺の手に絡む。
その真摯な翠の瞳に見つめられ、俺は、もはや「ノー」と言う選択肢を完全に失っていることに気づいた。
俺の完璧だったソロライフは、どうやら本当に、終わりを告げたらしい。
そして、目の前の美しすぎるエルフと、これから一緒に暮らしていくことになるという、あまりにも非現実的な未来が、有無を言わさず俺の目の前に突きつけられていた。
いったい、どうしてこうなった。
俺は、これから始まるであろう、波乱に満ちた新生活を思い、遠い目をして天を仰ぐことしかできなかった。
空は、今日も変わらず、不気味な紫色に染まっていた。
鈴を転がすような、か細くも芯のある声。
数百年の時を超えて紡がれたその第一声に、俺は完全に硬直していた。目の前には、さっきまで冷たい石像だったはずの、生身のエルフの少女が立っている。月光を編み込んだかのようなプラチナブロンドの髪、湖のように澄んだ翠色の瞳。非現実的なまでの美しさが、俺の語彙力と思考能力を根こそぎ奪い去っていく。
「あ、いや……俺は、その……」
何か答えなければ。そう思うのに、口から出てくるのは意味をなさない言葉の切れ端だけだ。どう説明すればいい?「通りすがりの者です。あなたの呪いを、好奇心で解いてしまいました」なんて、言えるわけがない。
俺がしどろもどろになっている間にも、少女はゆっくりと状況を把握しようとしているようだった。彼女は自分の手を見つめ、そっと頬に触れ、そして、信じられないといった表情で、再び俺に視線を向けた。その翠の瞳が、驚きに見開かれていく。
「わたくしの、石化の呪いが……解けている……? まさか……あなたが?」
「え、ええと……たぶん、そう、なるのか……な?」
もはや、ごまかしようがなかった。俺は観念して、気まずく頷く。
すると、少女の表情が、一瞬で険しいものに変わった。
「いったい、何者ですの!? わたくしにかけられた『永劫の石化』は、並大抵の解呪魔法で解けるものではございません! もしや……魔王軍の残党、ですの!?」
魔王軍!?
いきなり物騒な単語が飛び出してきて、俺は慌てて両手を振った。
「ち、違う違う! 俺はただの人間だ! 冒険者をクビになった、しがない男で……」
「では、どうやってこの呪いを……?」
少女は鋭い視線で俺を問い詰める。その瞳には、警戒と不審の色が色濃く浮かんでいた。無理もない。いきなり見知らぬ男に数百年の眠りから覚まされたのだ。混乱するのも当然だろう。
「それは……俺のスキルが、その……【状態異常無効】で……」
「状態異常、無効……?」
少女は眉をひそめ、その言葉を繰り返した。彼女の知識の中には、そんなスキルは存在しないのかもしれない。
俺がどう説明したものかと頭を悩ませている、その時だった。
ふらり、と。
少女の体が、糸が切れた人形のように、大きく傾いだ。
「うわっ、危ない!」
俺は咄嗟に駆け寄り、倒れそうになる彼女の華奢な体を抱きとめた。腕の中に収まった体は、驚くほど軽く、そして冷え切っていた。長い間石になっていた影響で、体力も筋力も、ほとんど失われているのだろう。
「だ、大丈夫か!?」
「……はい。少し、立ちくらみがしただけですわ。……ありがとうございます」
少女は俺の腕の中で、か細い声で礼を言った。その頬が、ほんのりと赤く染まっているように見えたのは、気のせいだろうか。彼女から、花の蜜のような、甘く清らかな香りがふわりと漂ってきて、俺の心臓がどくんと大きく跳ねた。
俺は慌てて彼女から体を離し、近くにあった苔むした岩に座るように促した。
「無理するな。ずっと動いてなかったんだから、当然だ。少し休んだ方がいい」
「……はい。ご親切に、どうも」
少女は素直に頷き、岩に腰を下ろした。だが、その視線は、依然として俺から外されることはない。警戒心は、まだ解けていないようだった。
気まずい沈黙が、二人の間に流れる。
このままでは埒が明かない。俺は意を決して、正直に話すことにした。
「俺はルイン。ルイン・アークライトだ。元は冒険者パーティにいたんだが、色々あって追放されて……今は、この森で一人で暮らしている」
「追放……? この、魔瘴の森で?」
少女は驚いたように目を見開いた。彼女も、この森が人間にとってどれほど危険な場所か、知っているらしい。
「ああ。俺のスキルは、毒とか呪いとか、そういうのが全部効かないんだ。だから、俺にとっては、この森は安全で……むしろ、快適な場所なんだよ」
「毒も、呪いも……すべて効かない……?」
少女は信じられないといった表情で俺を見つめる。
「あなたが、さっきわたくしの手に触れた時……わたくしの体を縛り付けていた、あの忌まわしい呪いの力が、まるで砂のように、さらさらと消えていくのを感じました。あれは、あなたのスキルによるものだったのですのね」
「たぶん、そうだと思う。俺も、自分のスキルが他人に影響するなんて、初めて知ったんだ」
俺の説明を聞いて、少女の表情から、少しずつ険しさが消えていくのがわかった。彼女はゆっくりと息を吐き、そして、深く、深く、頭を下げた。
「……わたくしの名前は、エリナ、と申します。あなた様が魔王軍の手先などと、とんだ疑いをかけてしまい、大変失礼いたしました。どうか、お許しください」
「い、いや、いいんだ。気にしないでくれ。いきなり起こされたら、誰だって驚くよ」
俺は慌てて彼女に頭を上げるように促した。
「それよりも、エリナ。君は、どうしてあんな状態で……?」
俺がそう尋ねると、エリナの翠の瞳に、再び深い悲しみの色がよぎった。彼女は俯き、自分のドレスの裾を、きゅっと強く握りしめた。
「わたくしは……古代に、この国を治めていたエルフの王族の末裔です」
「王族!?」
予想だにしなかった言葉に、俺は思わず声を上げた。どうりで、ただならぬ気品があるわけだ。
「当時、わたくしたちは、この地に封印されようとしていた、ある邪悪な存在……『世界の歪み』と、激しい戦いを繰り広げておりました。戦いは熾烈を極め、多くの同胞が命を落としました」
彼女の声は、遠い過去を懐かしむように、静かに震えていた。
「わたくしも、敵の将が放った、逃れることのできない石化の呪いを受け……。仲間たちは、せめてわたくしの魂だけは守ろうと、この地に結界を張り、わたくしを永い眠りにつかせたのです。いつか、この呪いを解く者が現れることを、信じて……」
それが、数百年前の出来事だという。
俺は言葉を失った。俺が解いてしまったのは、ただの呪いではなかった。それは、仲間たちの願いと、長い年月が込められた、悲しい封印そのものだったのだ。
「……そうか。俺は、余計なことをしてしまったのかもしれないな」
俺がそう言うと、エリナは静かに首を横に振った。
「いいえ。あなたは、わたくしを絶望の石牢から救い出してくださった、命の恩人です。どれだけ感謝してもしきれません」
彼女は再び俺をまっすぐに見つめた。その瞳には、もう警戒の色はなく、ただ、澄み切った感謝と、そして、尊敬にも似た強い光が宿っていた。
「わたくしは、この御恩に報いるため、わたくしのすべてを懸けて、あなた様にお仕えいたします。我が主(あるじ)、ルイン様」
「あるじ!? いやいやいや、待ってくれ!」
突然の主従宣言に、俺は再び狼狽した。
「俺は君を助けたかったとか、そんな大層な気持ちでやったわけじゃないんだ! ただの好奇心で……!」
「それでも、結果として、あなたはわたくしを救ってくださいました。その事実は、決して揺らぎません」
エリナの意思は、驚くほど固かった。彼女は岩から立ち上がると、まだ少しおぼつかない足取りで、俺の前に進み出た。そして、騎士が王に誓いを立てるかのように、優雅に片膝をつき、俺の手を取った。
「わたくしの命は、今日この瞬間より、ルイン様のために。どうか、このエルフ、エリナを、あなたのそばに置いてくださいませ」
柔らかな彼女の指が、俺の手に絡む。
その真摯な翠の瞳に見つめられ、俺は、もはや「ノー」と言う選択肢を完全に失っていることに気づいた。
俺の完璧だったソロライフは、どうやら本当に、終わりを告げたらしい。
そして、目の前の美しすぎるエルフと、これから一緒に暮らしていくことになるという、あまりにも非現実的な未来が、有無を言わさず俺の目の前に突きつけられていた。
いったい、どうしてこうなった。
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