鎮守聖女を追放したせいで王国はあえなく崩壊するようですが、私は敵国でぬくぬく暮らしますね。

先祖代々に渡り王国の邪気を払い、凶悪な魔物や自然災害などを鎮めて守り続けきた「鎮守聖女」の現当主アオバは着る物や食事にも困るほどに窮していた。

それもそのはず、王国は「鎮守聖女」の力を世迷い言であると侮り、保護をせずに数代に渡って放置し続けていたからだ。

それでも、使命感の強いアオバの祖母や母は、真面目に勤めを果たしたのだが、アオバはとうとう堪忍袋の緒が切れてしまった。

そこで、王宮に出向き直接、王に問いただそうと試みるのだが……。

「――この国は我ら王族が治めているからこそ安泰なのだ!」

「ち、違います! 「鎮守聖女」が邪気を払うからこそです!」

「王を差し置いて、自分の手柄のように言うとは何たる傲慢! 本来ならば首をはねて晒してやりたいところだが、一応、今日までの勤めに免じて国外追放で許してやる! さっさとこの国から出ていくがよい!!」

「……そ、そんな!」

アオバは失意のままボロ屋敷に戻ると、ボロ屋敷は火に包まれていた。

どうやら王の命令によって火がつけられたらしい。

呆然とするアオバに、民は優しい言葉をかけるどころか笑ったり、石を投げてくるしまつ。

どうやら、王によってアオバを中傷するお触れが出されたらしく、民は普段からボロい身なりの「鎮守聖女」を侮っていたこともあり「やっぱりそうだったのか!」と信じてしまったらしい。

アオバは着の身着のままで国を追われてしまう。

メソメソと泣きながらあてもなく歩いていると、その一報を聞いた敵国の王子が興味を抱き、アオバを迎えに来たのだった。

「おい、お前、「鎮守聖女」なんだってな?」

「そ、そうですがなにか!」

「行くあてが無いのならば俺の国に来いよ。美味いもの食わしてやるぞ?」

「――ぜひ行きます!」

ほぼ、餌付けに近い状態で、アオバは敵国の王子に付いていくのだった。
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