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神官ユフィ②
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身廊の両側には、黒檀を用いて設えた五人掛けのベンチが五列、厳粛な空気を放ち並んでいる。祭日を除けば地元民と旅の巡礼者がぽつぽつと立ち寄るだけだが、小ぢんまりとしつつも風格が色あせることはない。
エリオットの花は、その祭壇にならぶ一対の大ぶりなガラスの花瓶に供えられる。
「失礼します」
祭壇まで歩み寄ったエリオットは、両眼を閉ざすと両手を組み、最早恒例となった祈りを捧げる。
ユフィ様が、これから先も健やかでいられますように。
自分ごときが願うには烏滸がましい内容かもしれない。分かっているけれど、エリオットにそれ以上の願いは存在しなかった。
祈り終えてから、花の挿し変え作業を開始する。花瓶の花束はまだ瑞々しく咲き誇っていた。花の魔女であるシェリーの魔法で、シェリーズの花は持ちがいいと評判なのだ。それでもこうして頻繁に取り換えるのは、魔法は自然の摂理に刃向かうものであるし、精霊様が見飽きてしまうかもしれないから、という祭殿側の心配りからである。
エリオットからすると精霊も魔法を使うのだから気にしないのではないかと感ずるところではあるが、人間が人理に逆らう魔法を使うだなんて身の程知らずだとか、何か教典に記載があるのだろう。凡人である自分等より数倍も頭の良い神官たちなのだ、思惑があるにきまっている。金銭的にも手間暇を鑑みてもわざわざ無駄なことをするはずがない。
そう、神官たちは多忙なのだ。本来であればこうしてエリオットに構っている暇などないのに、わざわざこうして作業を見守ってくれている。ユフィの貴重な時間を食いつぶすわけにはいかないと、エリオットは丁寧に、それでも彼なりに手早く花を取り換えていく。花瓶の水を取り替えることも忘れない。
途中、削ぎ残した棘を思い切り掴んだ。が、その鋭利な先端がエリオットの肌に刺さることはない。鋭利な葉が表皮を薄く切りつけることも同様である。これもきっとシェリーの魔法なのだ、いずれは彼女のようになりたいなと思う。
「どれもこれも綺麗な花だ、この百合の薫りなんてうっとりする、素晴らしい出来栄えだ。次はどんな子を選んでくれるのか楽しみで仕方がなくてね、エリオットが来るのを指折り数えて待ちわびていたんだよ」
「ありがとうございます……! 僕にはもったいないお言葉ですけれど、一生懸命手をかけて、すごく悩んで選んだ花たちなのでそう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね」
隣から手元を覗き込んでくるユフィに、エリオットは照れたように笑い返す。
――なんてことない、ユフィ様が待ってたのは僕じゃなくて、僕が育てた花の方。
そうやってどれだけ言い聞かせても、心が浮足立つのを止められそうもない。ユフィに必要としてもらえること以上の喜びなど、どこにも存在しないのだ。
あれはエリオットがようやく物心つきはじめた頃、自身がシェリーの養子だと知る前のことだった。
当時、エリオットはシェリーとともに幾度となく領主たるアウレロイヤ家を訪問していた。シェリーは領主と仕事の話があったようで、その間、エリオットは広い庭園で遊ぶことを許された。手の空いていた朴訥とした侍女とともに追いかけっこをしたり、花冠を作ったり、自由に遊ばせてもらっていたと思う。
そんな中で、アウレロイヤ家の末子であるユフィと出逢った。最初は警戒心を滲ませていたユフィだが、その人懐こさは当時から変わらず、すぐに心を開いてくれるようになった。
教師泣かせの物知りで、エリオットの無礼を許してくれるほど懐が深くて、笑顔が息をのむほど素敵で。エリオットにとって、彼が憧れの存在となるのに、そう時間はかからなかった。
『すごいね、エリオットが育てた花はいっそう綺麗に見えるよ。家が花屋さんなんだよね。じゃあ君が後を継いだあとも、必ず私が贔屓にしてあげる』
ユフィがそう言って咲き乱れるような笑顔を見せてくれたとき、エリオットは将来を決めていた。母のように立派な花屋になれば、ずっとユフィと一緒にいられる。それからはこれまで以上に仕事を手伝った。体力が無くては仕事が務まらないと聞けば、嫌いなニンジンだって食べられた。
だから、ユフィが神官となり町を離れると聞いた時には、目の前が真っ暗になった。応援すべきだと理解しているはずなのに、もう気軽には会えなくなること、約束が果たされることはないのだと幼いながらに絶望したものだ。
だから、今こういう形で約束を守り続けてくれているだけで幸せだった。もっとも、この品質を保ったままシェリーの後を継げるとは言い難い状況なのだが。
シェリーズの花が美しいのは、主人であるシェリーの魔法が素晴らしいからだ。エリオットも魔法を習いたいとは思っているけれど、曰くまだその時ではないらしい。成人して少し経たないと、魔法の素養の有無はわからない。それにより修行の内容も変わるため、今は心身ともに健康を保ちつつ待つしかないのだそうだ。
「エリオット? どうしたの、急に浮かない顔になって」
「いえ、はやく一人前になりたいなと思って……まだ、母さんの足元にも及ばないですから。手伝いだけではなくて、自分で色々やれるようにならなきゃな、って、ふと思いを強くしちゃっただけです」
「そうか、エリオットは頑張り屋だね」
えらいね、とユフィの大きな手が伸びてきて、優しく頭を撫でられる。嬉しさと気恥ずかしさで、ぶわりと全身の血液が逆流したようにそわそわした。
――子供扱いされてて、あんまり喜ばしいことじゃないはずなんだけど……でも、幸せ……。
髪を梳かれる感覚を楽しんでいたエリオットは、そこでやっと自分が作業を終えていたことを思いだして狼狽えた。
「あ……あの! お花の交換、終わりましたので」
「うん? ああ、ありがとう、ご苦労さま」
「はい……じゃあ、それでは」
「うん、じゃあ中庭に行こうか。美味しい菓子とお茶を用意してあるんだ」
そう微笑しつつ祭壇横の裏口を示され、エリオットは唖然とした。
――邪魔になるだろうから、すぐさま帰るつもり、だったんだけど。
普段ならば嬉々として頷いたところだけれど、今日は違う。気が乗らない以前に、ユフィは何かの作業を中断してわざわざかけつけてくれたようだった。
ユフィの厚意は有難いけれど不用意に迷惑はかけたくない。
何より、そのお茶も菓子も、自分のような年若い出入りの業者ではなく、祈りを捧げに訪れた敬虔な信徒や、ガタつく身体に鞭を打ち修理を終える大工に一口でも多く供されるべきものではないだろうか。
「いえ、せっかくですが、今日はもう下がらせていただこうかと。お気持ちだけいただきます」
恐縮したように笑みを返すと、なぜかユフィが軽く眼を瞠った。
「え……、何か大事な予定でもあるのかい?」
「い、いえ、祭殿に通うこと以上に大事な予定なんて何も! ただその、ユフィ様はお忙しいご様子だったので、また時間のある時にお願いできればな、って」
何事にも鷹揚と構えるユフィらしからぬ表情に、エリオットは慌てふためく。嵐の日、祭殿の真横に立つ古木に雷が落ちた時でさえ次の瞬間にはにこにこしていたユフィが、僅かに眉をひそめているのだ。
――失礼な言い方だったかな……? そんなことで怒るような方じゃないはずなんだけど……。
「そうか、私を気遣ってくれたのだね。やはりエリオットは優しいね」
ユフィは愁眉を開いたけれど、その表情はまだどこか晴れない。
「でも残念だな……せっかく昨日のうちから食器を磨いてクッキーとマドレーヌを焼いて、ティータイムを愉しめるよう準備しておいたんだけれど……」
「えっ、昨日から……?」
「うん。干したレーズンやアプリコットをたくさんいただいてね、エリオットは焼き菓子が好きでしょう? そのまま食べるのも味気ないし、張り切ったんだけれど……日持ちするものだし、次回まで取っておくね」
「あの、そこまでしていただいたのに、その、ごめんなさい……」
「ううん、いいんだ。……そうだよね、君にもわざわざ私に言うまでもない約束や予定のひとつやふたつ、あるよね」
「! 違います、本当にこの後は何も、シェリーズに帰って店じまいと夕食の支度をするぐらいで……!」
「……本当? でも、私と一杯のお茶を飲むだけの時間も惜しいのだよね……?」
「そんなことありません。お仕事の邪魔になるかと思っただけで……その、もし本当に余裕があるのだったら、ぜひ、一杯だけ……」
狼狽えつつ申し出ると、ユフィは途端にぱあっと花が綻ばんばかりの笑みを見せた。その変わり身の早さに安堵を覚える。ユフィの哀しむ顔なんて絶対に見たくない。
「うん、もちろん! さあ奥へ、すぐにお茶の用意をさせるよ」
「わ、はい、ではお言葉に甘えて……」
手を引かれながら、エリオットはおや、と思った。てっきり無人だと思っていたが、宿舎の方にはアウレロイヤ家の使用人か神官が控えているらしい。それならば、わざわざユフィが駆けつけるまでもなかったような気がするが。
――お茶も絶対に断ろう! と思ってたのに、何だかうまく乗せられちゃったような気がするけれど……。
まあ、ユフィが嬉しそうだからどうでもいいか。
行く、と口にしたからには深く考えてもどうしようもない。エリオットは、待ち受ける幸福なひとときに思いを馳せることにした。
エリオットの花は、その祭壇にならぶ一対の大ぶりなガラスの花瓶に供えられる。
「失礼します」
祭壇まで歩み寄ったエリオットは、両眼を閉ざすと両手を組み、最早恒例となった祈りを捧げる。
ユフィ様が、これから先も健やかでいられますように。
自分ごときが願うには烏滸がましい内容かもしれない。分かっているけれど、エリオットにそれ以上の願いは存在しなかった。
祈り終えてから、花の挿し変え作業を開始する。花瓶の花束はまだ瑞々しく咲き誇っていた。花の魔女であるシェリーの魔法で、シェリーズの花は持ちがいいと評判なのだ。それでもこうして頻繁に取り換えるのは、魔法は自然の摂理に刃向かうものであるし、精霊様が見飽きてしまうかもしれないから、という祭殿側の心配りからである。
エリオットからすると精霊も魔法を使うのだから気にしないのではないかと感ずるところではあるが、人間が人理に逆らう魔法を使うだなんて身の程知らずだとか、何か教典に記載があるのだろう。凡人である自分等より数倍も頭の良い神官たちなのだ、思惑があるにきまっている。金銭的にも手間暇を鑑みてもわざわざ無駄なことをするはずがない。
そう、神官たちは多忙なのだ。本来であればこうしてエリオットに構っている暇などないのに、わざわざこうして作業を見守ってくれている。ユフィの貴重な時間を食いつぶすわけにはいかないと、エリオットは丁寧に、それでも彼なりに手早く花を取り換えていく。花瓶の水を取り替えることも忘れない。
途中、削ぎ残した棘を思い切り掴んだ。が、その鋭利な先端がエリオットの肌に刺さることはない。鋭利な葉が表皮を薄く切りつけることも同様である。これもきっとシェリーの魔法なのだ、いずれは彼女のようになりたいなと思う。
「どれもこれも綺麗な花だ、この百合の薫りなんてうっとりする、素晴らしい出来栄えだ。次はどんな子を選んでくれるのか楽しみで仕方がなくてね、エリオットが来るのを指折り数えて待ちわびていたんだよ」
「ありがとうございます……! 僕にはもったいないお言葉ですけれど、一生懸命手をかけて、すごく悩んで選んだ花たちなのでそう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね」
隣から手元を覗き込んでくるユフィに、エリオットは照れたように笑い返す。
――なんてことない、ユフィ様が待ってたのは僕じゃなくて、僕が育てた花の方。
そうやってどれだけ言い聞かせても、心が浮足立つのを止められそうもない。ユフィに必要としてもらえること以上の喜びなど、どこにも存在しないのだ。
あれはエリオットがようやく物心つきはじめた頃、自身がシェリーの養子だと知る前のことだった。
当時、エリオットはシェリーとともに幾度となく領主たるアウレロイヤ家を訪問していた。シェリーは領主と仕事の話があったようで、その間、エリオットは広い庭園で遊ぶことを許された。手の空いていた朴訥とした侍女とともに追いかけっこをしたり、花冠を作ったり、自由に遊ばせてもらっていたと思う。
そんな中で、アウレロイヤ家の末子であるユフィと出逢った。最初は警戒心を滲ませていたユフィだが、その人懐こさは当時から変わらず、すぐに心を開いてくれるようになった。
教師泣かせの物知りで、エリオットの無礼を許してくれるほど懐が深くて、笑顔が息をのむほど素敵で。エリオットにとって、彼が憧れの存在となるのに、そう時間はかからなかった。
『すごいね、エリオットが育てた花はいっそう綺麗に見えるよ。家が花屋さんなんだよね。じゃあ君が後を継いだあとも、必ず私が贔屓にしてあげる』
ユフィがそう言って咲き乱れるような笑顔を見せてくれたとき、エリオットは将来を決めていた。母のように立派な花屋になれば、ずっとユフィと一緒にいられる。それからはこれまで以上に仕事を手伝った。体力が無くては仕事が務まらないと聞けば、嫌いなニンジンだって食べられた。
だから、ユフィが神官となり町を離れると聞いた時には、目の前が真っ暗になった。応援すべきだと理解しているはずなのに、もう気軽には会えなくなること、約束が果たされることはないのだと幼いながらに絶望したものだ。
だから、今こういう形で約束を守り続けてくれているだけで幸せだった。もっとも、この品質を保ったままシェリーの後を継げるとは言い難い状況なのだが。
シェリーズの花が美しいのは、主人であるシェリーの魔法が素晴らしいからだ。エリオットも魔法を習いたいとは思っているけれど、曰くまだその時ではないらしい。成人して少し経たないと、魔法の素養の有無はわからない。それにより修行の内容も変わるため、今は心身ともに健康を保ちつつ待つしかないのだそうだ。
「エリオット? どうしたの、急に浮かない顔になって」
「いえ、はやく一人前になりたいなと思って……まだ、母さんの足元にも及ばないですから。手伝いだけではなくて、自分で色々やれるようにならなきゃな、って、ふと思いを強くしちゃっただけです」
「そうか、エリオットは頑張り屋だね」
えらいね、とユフィの大きな手が伸びてきて、優しく頭を撫でられる。嬉しさと気恥ずかしさで、ぶわりと全身の血液が逆流したようにそわそわした。
――子供扱いされてて、あんまり喜ばしいことじゃないはずなんだけど……でも、幸せ……。
髪を梳かれる感覚を楽しんでいたエリオットは、そこでやっと自分が作業を終えていたことを思いだして狼狽えた。
「あ……あの! お花の交換、終わりましたので」
「うん? ああ、ありがとう、ご苦労さま」
「はい……じゃあ、それでは」
「うん、じゃあ中庭に行こうか。美味しい菓子とお茶を用意してあるんだ」
そう微笑しつつ祭壇横の裏口を示され、エリオットは唖然とした。
――邪魔になるだろうから、すぐさま帰るつもり、だったんだけど。
普段ならば嬉々として頷いたところだけれど、今日は違う。気が乗らない以前に、ユフィは何かの作業を中断してわざわざかけつけてくれたようだった。
ユフィの厚意は有難いけれど不用意に迷惑はかけたくない。
何より、そのお茶も菓子も、自分のような年若い出入りの業者ではなく、祈りを捧げに訪れた敬虔な信徒や、ガタつく身体に鞭を打ち修理を終える大工に一口でも多く供されるべきものではないだろうか。
「いえ、せっかくですが、今日はもう下がらせていただこうかと。お気持ちだけいただきます」
恐縮したように笑みを返すと、なぜかユフィが軽く眼を瞠った。
「え……、何か大事な予定でもあるのかい?」
「い、いえ、祭殿に通うこと以上に大事な予定なんて何も! ただその、ユフィ様はお忙しいご様子だったので、また時間のある時にお願いできればな、って」
何事にも鷹揚と構えるユフィらしからぬ表情に、エリオットは慌てふためく。嵐の日、祭殿の真横に立つ古木に雷が落ちた時でさえ次の瞬間にはにこにこしていたユフィが、僅かに眉をひそめているのだ。
――失礼な言い方だったかな……? そんなことで怒るような方じゃないはずなんだけど……。
「そうか、私を気遣ってくれたのだね。やはりエリオットは優しいね」
ユフィは愁眉を開いたけれど、その表情はまだどこか晴れない。
「でも残念だな……せっかく昨日のうちから食器を磨いてクッキーとマドレーヌを焼いて、ティータイムを愉しめるよう準備しておいたんだけれど……」
「えっ、昨日から……?」
「うん。干したレーズンやアプリコットをたくさんいただいてね、エリオットは焼き菓子が好きでしょう? そのまま食べるのも味気ないし、張り切ったんだけれど……日持ちするものだし、次回まで取っておくね」
「あの、そこまでしていただいたのに、その、ごめんなさい……」
「ううん、いいんだ。……そうだよね、君にもわざわざ私に言うまでもない約束や予定のひとつやふたつ、あるよね」
「! 違います、本当にこの後は何も、シェリーズに帰って店じまいと夕食の支度をするぐらいで……!」
「……本当? でも、私と一杯のお茶を飲むだけの時間も惜しいのだよね……?」
「そんなことありません。お仕事の邪魔になるかと思っただけで……その、もし本当に余裕があるのだったら、ぜひ、一杯だけ……」
狼狽えつつ申し出ると、ユフィは途端にぱあっと花が綻ばんばかりの笑みを見せた。その変わり身の早さに安堵を覚える。ユフィの哀しむ顔なんて絶対に見たくない。
「うん、もちろん! さあ奥へ、すぐにお茶の用意をさせるよ」
「わ、はい、ではお言葉に甘えて……」
手を引かれながら、エリオットはおや、と思った。てっきり無人だと思っていたが、宿舎の方にはアウレロイヤ家の使用人か神官が控えているらしい。それならば、わざわざユフィが駆けつけるまでもなかったような気がするが。
――お茶も絶対に断ろう! と思ってたのに、何だかうまく乗せられちゃったような気がするけれど……。
まあ、ユフィが嬉しそうだからどうでもいいか。
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