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鈍感なエリオット
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「ああ。ここの従神官やうちの使用人も、祭日中はそこかしこに駆り出されて、私を連れ歩く余裕がないんだ。一人で出歩けないわけではないけれど、街は広い。地図は頭に入っているんだけれどね、実際に歩いてみると目印にも気づけなかったりする。普段は馬車での移動がほとんどだから……迷わず効率的に見て回れるかどうか」
「それはそれは……」
日頃から余裕と自信に溢れたユフィ。彼がそのような弱音を吐いたことが、エリオットにとっては相当に意外だった。
――そんなに不安がらずとも、すぐ見つかりそうなものだけれど。
アウレロイヤ家や街中にある教会の伝手を頼れば一瞬な気がする。それともお忍びゆえにおおっぴらには募集をかけられないのか。そうだとしても、この祭殿にもアウレロイヤ家にも口の堅い出入りの商人や配達人がいるだろうし、使用人が無理ならその親戚筋から探せば一人や二人簡単に決まりそうなものだ。
――それにしても羨ましいな、ユフィ様とお祭りを巡れるだなんて。
ただの市民でしかないエリオットは、厳粛に儀式をこなすユフィを遠目に眺めることしかできない。自分だったらどこを案内するだろう。一度ぐらいはシェリーズに来てほしい気もする。ああ、いつユフィが訪れても問題ないよう、祭日中は例年以上に掃除とディスプレイに気を配らなくては。
「きっとすぐに見つかりますよ! 使用人がだめなら、その親戚はどうでしょう。メイドには小さな領地を持つ貴族家の方とか、商人上がりの家の出の方もいらっしゃいましたし」
「それも難しいんだ。アウレロイヤとその近郊を上げての行事だろう、どこも忙しくて人手が足りないほどらしくて」
「あ……では学生とか、仕事を抜けても大丈夫そうな、街の顔役やその家族とか」
「だめだった、地区長らも全滅」
「全滅……!」
ユフィが首を横に振るのを見て、なかなかに重大な事態であるらしいことをようやく思い知らされる。
どれもこれも試した後なのだろう、その顏には僅かに憔悴が滲んでいる。考えてみれば、エリオットが思いつくようなことをそれより遥かに優秀なユフィが試行しないわけがない。その上で困り果てているのだ。
――それにしても皆、結構融通が利かないんだな……相手は神官様でアウレロイヤ家の直系なのに。
あるいは欲が無いのだろうか。例えば今後のコネクションのために家業を二の次にしてでも案内役を買って出るとか、あるいは娘を案内役にして玉の輿を狙うだとか、強かな町人は真っ先に思いつきそうなものだが。
そんな話が舞い込むことなどないエリオットからすると、本当に羨ましくてもったいないなと思ってしまう。ただユフィと一緒に祭りに参加できるというだけでも、その後の人生の全てを投げ出してしまえるほど身に余る光栄に違いなかった。
――誰かいたかなあ……ああ、ジンなら街にも詳しいし、三軒隣のおじいちゃんは教会で学者をしてたぐらい凄いひとだったっけ。
「……その視察に出る日程はもう決まってらっしゃいますか?」
「! ああ、うん! 五日目の夕暮れから夜にかけてだよ」
五日目は、祭りの後半に行われるランタンイベントの初日だ。確かにどこも忙しい上に、既に友人や家族との参加が決定している者も多いだろう。
にわかに普段の明るさを取り戻したユフィが何かを期待する眼差しを向けてくることにも気づかず、エリオットは思案を続ける。
「案内人は、頭が良くないといけませんよね……? それと、年齢も上の方がいいのかな、きっと街の歴史とか色々なことを知っているし、あとは護衛のために力も強い方が」
「い、いや! 全くこだわりはないんだよ、雰囲気を人々と同じ目線で見たいというのが一番で……ともかく道案内をお願いできれば十分なんだ」
そこまで間口を広げても見つからなかったのかと、エリオットは眼を丸くした。それだけ祭りの運営から離れられない、身分の高い関係者が多いのか。ともかく、道案内ができればよいのならばあてはたくさんある。
エリオットが力強く頷くと、ユフィが僅かに身を乗り出した。
「わかりました、ユフィ様さえよろしければ、僕の方でも誰かいないか探してみます。例えばたまにお話していた隣の家のジンは配達屋で道に詳しいし、腕っぷしも強いので庶民ですが頼りになると思うんです」
「うん! ……、うん…………?」
ユフィは頷きを返してくれたが、すぐに思考停止したように両目をぱちくりさせる。何かを言いたそうな顔で言葉を探しているのが気になる。その肩がしゅんと落ちたような気がした。
「あの、やっぱり差し出がましかった、ですか?」
「い、いや! エリオットが力になってくれてとても嬉しいよ。……でも、そうか、君の周囲の人たちか……すぐにでも言い含めておかないと……」
「?」
ユフィが口にすることは、たまによくわからない。きっとエリオットの辿り着けない、何手も先を読んでいるのだろう。
「きっとみんな喜んで手を上げますよ、すぐに見つかります。候補が多くて選べなくなっちゃうかも」
「……そうかな、既にたくさん断られているから、自信がないな」
「ほんとう、お祭りの日って大変なんですね。でもユフィ様のお願いなのに……不思議というか……正直なところ声をかけられた方たちが羨ましいです。僕だったら絶対に断らないのに」
ユフィが軽く眼を瞠るのを見て、ああ余計なことまで口走ってしまった、と気づいた。心の底からの思いだったけれど、本人を前に恨みがましい言い方になってしまったかもしれない。
そんな大それたこと望んではいない。このまでは優しいユフィは。
「あの、エリオット、君は五日目にもう予定が入っている? もしやそのジンという男と遊びに行くとか、それともシェリーズは忙しいのかな」
ユフィがこちらの顔色を窺うように問いかけてくる。エリオットはやっぱり、と内心で頭を抱えた。
彼は優しく誠実な人だ。誰でもいい、と言いながらその対象にエリオットがいなかったことは事実だけれど、頼りにならないと判断されてしまうのも当然のことだ。そこに異論なんてない。だというのに、未練がましい言い方をして気に病ませてしまったかもしれない。
「ご、ごめんなさい! そういうつもりで言ったんじゃないんです。あの、本当にユフィ様とお祭りに行ける人が羨ましいなって、それだけで。もっと適任がいると思いますし……」
「そっか、やはり君も色々と忙しいんだね」
「あ、いえ。お花の飾りはお祭りの前日までに終えてしまいますし、あとは軒先でお花を売るだけなんです。それも期間中はハンナ姉さんが姪っ子たちを連れて帰ってくるから、僕はそのお守りついでに出かけたりするぐらいで」
狼狽えるあまり全てを正直に話すと、ユフィが困ったように目を伏せた。
「そうか……そうだよね……」
「……えと、何がでしょうか?」
「ああ、いや。その、ごめん……それだけ余裕があっても、私の案内はしたくないのだな、って考えたら寂しくなってしまって」
「……えっ⁉」
「いや、いいんだ! 女々しいことを言ってごめんね、エリオットは優しいから、さっきの羨ましいというのも私を哀れんでお世辞を言ってくれただけだったんだろう? あはは、出来ることなら私も、私と一緒に行きたいと言ってくれる人と回れたら嬉しいなと思ったんだけど、恥ずかしいな。早とちりで勘違いしてすまない」
「! 違います、お世辞なんかじゃありません! 本当に羨ましいなとは思っていますが、僕では力不足だろうから! 僕の方こそ、誘われるのを待つような言い方になってしまってすみません。気を遣わせてしまいましたよね、僕なら大丈夫ですから」
エリオットは余すところなく本心を打ち明けた。少しみじめな気もするけれど、ユフィが変に気に病まずに済むならそれでいい。
思惑通り、ユフィはほっと普段の穏やかな笑みを取り戻す。良かったと安心する反面、やはり気を遣わせていただけなのだと複雑な気分になった、が。
「よかった。それでは、私と祭りを出歩くのが嫌というわけではないんだね? 遠慮しているだけだと」
「はい。嫌だなんてありえません。遠慮というのも違って、僕じゃいけないのは分かっていますから、身の程を弁えているだけというか……」
「…………」
ユフィはふいに口と閉ざすと、何かを思案するように視線を彷徨わせた。
「本当に嫌でないならだけれど……エリオット、君に案内役をお願いできないかな?」
「それはそれは……」
日頃から余裕と自信に溢れたユフィ。彼がそのような弱音を吐いたことが、エリオットにとっては相当に意外だった。
――そんなに不安がらずとも、すぐ見つかりそうなものだけれど。
アウレロイヤ家や街中にある教会の伝手を頼れば一瞬な気がする。それともお忍びゆえにおおっぴらには募集をかけられないのか。そうだとしても、この祭殿にもアウレロイヤ家にも口の堅い出入りの商人や配達人がいるだろうし、使用人が無理ならその親戚筋から探せば一人や二人簡単に決まりそうなものだ。
――それにしても羨ましいな、ユフィ様とお祭りを巡れるだなんて。
ただの市民でしかないエリオットは、厳粛に儀式をこなすユフィを遠目に眺めることしかできない。自分だったらどこを案内するだろう。一度ぐらいはシェリーズに来てほしい気もする。ああ、いつユフィが訪れても問題ないよう、祭日中は例年以上に掃除とディスプレイに気を配らなくては。
「きっとすぐに見つかりますよ! 使用人がだめなら、その親戚はどうでしょう。メイドには小さな領地を持つ貴族家の方とか、商人上がりの家の出の方もいらっしゃいましたし」
「それも難しいんだ。アウレロイヤとその近郊を上げての行事だろう、どこも忙しくて人手が足りないほどらしくて」
「あ……では学生とか、仕事を抜けても大丈夫そうな、街の顔役やその家族とか」
「だめだった、地区長らも全滅」
「全滅……!」
ユフィが首を横に振るのを見て、なかなかに重大な事態であるらしいことをようやく思い知らされる。
どれもこれも試した後なのだろう、その顏には僅かに憔悴が滲んでいる。考えてみれば、エリオットが思いつくようなことをそれより遥かに優秀なユフィが試行しないわけがない。その上で困り果てているのだ。
――それにしても皆、結構融通が利かないんだな……相手は神官様でアウレロイヤ家の直系なのに。
あるいは欲が無いのだろうか。例えば今後のコネクションのために家業を二の次にしてでも案内役を買って出るとか、あるいは娘を案内役にして玉の輿を狙うだとか、強かな町人は真っ先に思いつきそうなものだが。
そんな話が舞い込むことなどないエリオットからすると、本当に羨ましくてもったいないなと思ってしまう。ただユフィと一緒に祭りに参加できるというだけでも、その後の人生の全てを投げ出してしまえるほど身に余る光栄に違いなかった。
――誰かいたかなあ……ああ、ジンなら街にも詳しいし、三軒隣のおじいちゃんは教会で学者をしてたぐらい凄いひとだったっけ。
「……その視察に出る日程はもう決まってらっしゃいますか?」
「! ああ、うん! 五日目の夕暮れから夜にかけてだよ」
五日目は、祭りの後半に行われるランタンイベントの初日だ。確かにどこも忙しい上に、既に友人や家族との参加が決定している者も多いだろう。
にわかに普段の明るさを取り戻したユフィが何かを期待する眼差しを向けてくることにも気づかず、エリオットは思案を続ける。
「案内人は、頭が良くないといけませんよね……? それと、年齢も上の方がいいのかな、きっと街の歴史とか色々なことを知っているし、あとは護衛のために力も強い方が」
「い、いや! 全くこだわりはないんだよ、雰囲気を人々と同じ目線で見たいというのが一番で……ともかく道案内をお願いできれば十分なんだ」
そこまで間口を広げても見つからなかったのかと、エリオットは眼を丸くした。それだけ祭りの運営から離れられない、身分の高い関係者が多いのか。ともかく、道案内ができればよいのならばあてはたくさんある。
エリオットが力強く頷くと、ユフィが僅かに身を乗り出した。
「わかりました、ユフィ様さえよろしければ、僕の方でも誰かいないか探してみます。例えばたまにお話していた隣の家のジンは配達屋で道に詳しいし、腕っぷしも強いので庶民ですが頼りになると思うんです」
「うん! ……、うん…………?」
ユフィは頷きを返してくれたが、すぐに思考停止したように両目をぱちくりさせる。何かを言いたそうな顔で言葉を探しているのが気になる。その肩がしゅんと落ちたような気がした。
「あの、やっぱり差し出がましかった、ですか?」
「い、いや! エリオットが力になってくれてとても嬉しいよ。……でも、そうか、君の周囲の人たちか……すぐにでも言い含めておかないと……」
「?」
ユフィが口にすることは、たまによくわからない。きっとエリオットの辿り着けない、何手も先を読んでいるのだろう。
「きっとみんな喜んで手を上げますよ、すぐに見つかります。候補が多くて選べなくなっちゃうかも」
「……そうかな、既にたくさん断られているから、自信がないな」
「ほんとう、お祭りの日って大変なんですね。でもユフィ様のお願いなのに……不思議というか……正直なところ声をかけられた方たちが羨ましいです。僕だったら絶対に断らないのに」
ユフィが軽く眼を瞠るのを見て、ああ余計なことまで口走ってしまった、と気づいた。心の底からの思いだったけれど、本人を前に恨みがましい言い方になってしまったかもしれない。
そんな大それたこと望んではいない。このまでは優しいユフィは。
「あの、エリオット、君は五日目にもう予定が入っている? もしやそのジンという男と遊びに行くとか、それともシェリーズは忙しいのかな」
ユフィがこちらの顔色を窺うように問いかけてくる。エリオットはやっぱり、と内心で頭を抱えた。
彼は優しく誠実な人だ。誰でもいい、と言いながらその対象にエリオットがいなかったことは事実だけれど、頼りにならないと判断されてしまうのも当然のことだ。そこに異論なんてない。だというのに、未練がましい言い方をして気に病ませてしまったかもしれない。
「ご、ごめんなさい! そういうつもりで言ったんじゃないんです。あの、本当にユフィ様とお祭りに行ける人が羨ましいなって、それだけで。もっと適任がいると思いますし……」
「そっか、やはり君も色々と忙しいんだね」
「あ、いえ。お花の飾りはお祭りの前日までに終えてしまいますし、あとは軒先でお花を売るだけなんです。それも期間中はハンナ姉さんが姪っ子たちを連れて帰ってくるから、僕はそのお守りついでに出かけたりするぐらいで」
狼狽えるあまり全てを正直に話すと、ユフィが困ったように目を伏せた。
「そうか……そうだよね……」
「……えと、何がでしょうか?」
「ああ、いや。その、ごめん……それだけ余裕があっても、私の案内はしたくないのだな、って考えたら寂しくなってしまって」
「……えっ⁉」
「いや、いいんだ! 女々しいことを言ってごめんね、エリオットは優しいから、さっきの羨ましいというのも私を哀れんでお世辞を言ってくれただけだったんだろう? あはは、出来ることなら私も、私と一緒に行きたいと言ってくれる人と回れたら嬉しいなと思ったんだけど、恥ずかしいな。早とちりで勘違いしてすまない」
「! 違います、お世辞なんかじゃありません! 本当に羨ましいなとは思っていますが、僕では力不足だろうから! 僕の方こそ、誘われるのを待つような言い方になってしまってすみません。気を遣わせてしまいましたよね、僕なら大丈夫ですから」
エリオットは余すところなく本心を打ち明けた。少しみじめな気もするけれど、ユフィが変に気に病まずに済むならそれでいい。
思惑通り、ユフィはほっと普段の穏やかな笑みを取り戻す。良かったと安心する反面、やはり気を遣わせていただけなのだと複雑な気分になった、が。
「よかった。それでは、私と祭りを出歩くのが嫌というわけではないんだね? 遠慮しているだけだと」
「はい。嫌だなんてありえません。遠慮というのも違って、僕じゃいけないのは分かっていますから、身の程を弁えているだけというか……」
「…………」
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