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理想の相手
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――なんだろう、貴族が相手とはいえジンらしくないな……。
いや、貴族だからこそ礼儀を重んじるタイプだ。普段の彼であれば平身低頭で非礼を詫び、失礼しますと精いっぱいの敬意を表してその場を辞しただろう。
「――何をそんなに気にしているの、エリオット?」
「あ、いえ…………」
ジンの様子が気になったが、二人が知り合いだなんて聞いたことはないし、きっと思い過ごしだろう。
エリオットが気を取り直して振り返ると、困ったように眉尻を下げた麗人と視線がぶつかった。
「……彼と離れるのがそんなに名残惜しかったかな? ごめんね、私が居なければかっこいい彼と出歩く時間も得られただろうに。ランタンが飛ぶまでもう少しだし、そうしたら君を自由にしてやれる。それまでもう少し一緒に居てくれる?」
「あ、当たり前です! それに名残惜しいとかはないです、どうせ明日も明後日も、ジンには必ず朝会えますし、あと、ああいったけど、仕事中のジンも頑張っていてちゃんとかっこいいんですよ」
「…………ありがとう、そうなんだ」
「そうです! それに、かねてから約束していたユフィ様の案内の方が優先です。謝るだなんてやめてください」
「そう、君の言うとおりだよ、エリオット」
頭上から落ちたのは、穏やかで、けれどどこか咎めるような響きをふくんだ声だった。エリオットは思わず息を呑む。
街は暮れ始めていた。空で星々がきらめき、軒先の街灯が煌々と賑々しい街並みと行き交う人々を照らし出している。
そのライティングの所為だろう。穏やかな微笑に落ちた影が、ぞっとするような凄みを与えている。
「先に約束をしたのは、私。今、君と一緒に居るのも私。君の時間は私のもので、私の時間もきみのものだ。これから先の時間を過ごすのも、私であるべき。この先、ずっと。…………、そう、思ってくれているんだよね、エリオットは」
考えてみると、夜になってからユフィに会うのはこれが初めてのことかもしれない。
彼が浮かべた微笑の妖艶さに、エリオットはその問いの意味も深く考えず頷いていた。ずっと、という言葉にも他意はない。飛び去ったランタンが見えなくなるまで。あるいは、街灯の類がすべて消えるまでの間のことに違いない。
「ありがとう、それを確認できて安心したよ。さて、人の流れが変わったね。そろそろランタンを放つ時間かな」
「あ……、はい! あの、こちらです。広場と、城門を下った湖畔がメイン会場なので……!」
ユフィが今度こそ屈託のない笑みを浮かべたのを見て、ほっと胸を撫でおろす。何事もなかったかのように会場へ向かう人波に紛れ、エリオットは案内を再会することにした。
端々に垣間見える違和感から目を背け続けていることには、まだ気づかないふりを続けながら。
と、進み始めた拍子のことだった。空いた左手を後ろから掴まれていた。
労働に慣れていない、しなやかで大きな手だ。そんな人間、街には多くはない。すぐ誰なのか見当がつく。最低限の雑務はこなせるようになったけれど、習慣化はしていないユフィの手だ。
「うん? ああ、驚かせてしまった? ごめん、人に押し流されて、はぐれてしまいそうだったから」
「あ……! すみません、気づかずに」
「いや、はぐれずに済んだから良いんだよ。さあ、連れて行ってくれる?」
ユフィは平然と言ってのけた。その上で、するりとエリオットの指に指を絡めてくる。手のひらを包むように握りこまれた。けして離すまいとするような力強さだった。
わかっている、子供扱いされているだけだと、わかっている。けれど、意識せずにはいられない。触れた柔らかな肌と、その熱。手にいやな汗をかいてしまいそうで恥ずかしい。それだけではない、エリオットの指は水仕事で皮膚が厚く荒れている。こんなものを握らせて申し訳ないとさえ思ってしまう。
「は、い。あの、こちらです」
緊張で声が上擦ったことをどうか覚られませんように――顔をゆでだこのように真っ赤にして、エリオットは俯きがちに人々をかき分けて進んだ。頬が緩みかけているのを、誰にも見られたくなかった。
今日のことは、絶対に一生忘れない。
ユフィの貴重な庶民の扮装姿を見られたこと。その姿であろうと彼の美貌は微塵も霞まないこと。一緒に様々な露店を眺めたこと。シェリーズを紹介できたこと。燈燭に照らされた彼の横顔がとても美しいこと。
そして、こうして手を繋げたこと。
全部、この目と脳に焼き付けた。何もかも身に余り過ぎる光栄だった。
――まだ終わらない……けど、もうすぐ、お別れ。
宙に舞い上がる灯火を眺めたら、夢の終わり。楽しみなのに、その時がずっと来なければいいのにだなんて不埒なことを考えてしまう。
それからは特に会話もなく、東西南北を走る大通りの十字路部分へ位置する広場へ辿り着いた。もっとも、この喧騒の中ではろくな雑談などままならなかっただろう。
広場に特設された櫓のような檀上に、訪問中の王族とアウレロイヤ領主らが上り始めていたところだった。彼らが最初にランタンを飛ばし、その後に神官や信心深い貴族といった面々が続く。丘や湖畔、そしてこの広場から庶民の出番は一番最後のことだ。小さなひとつのランタンを、二人一組となって夜空へ放つ。エリオットとユフィにもまた、特殊な魔術により一時的に不燃性となった薄い紙製のランタンが配られる。
そうして、にわかに一瞬の静寂。
今回訪問したのは、継承権を持つ第二王子のようだ。彼が祝いの言葉を述べ終えると、領主とともにひとつめのランタンが空へと放たれた。
わっ、と歓声が上がり、次々に柔らかな光が空へと舞い上がっていく。
「わ、始まりましたよ!」
「なるほど、こういうイメージだったのか……私たちは丘の方や裏手に居ることが多かったから」
「はい、僕、会場だとここが一番好きなんです。照らされる建物が綺麗だし、王族の方たちのお言葉を聞くのも特別な感じがして、アウレロイヤじゃ滅多にお目にかかれない方たちだから。特に今年の王子様は、流石でしたね。声もよくとおって、本当に王子様って感じで見惚れてしまいました」
「……そう、そうかもね」
どこか冷めた声に、そっと隣のユフィの顔を覗き見た。彼は、ランタンの浮かぶ空ではなく檀上を見ていた。父であるアウレロイヤ領主の姿を追っているのだろうか、それにしては、どこか鋭い目つきをしているように思われたが。
エリオットの視線に気づいたユフィは、我に還ったようにこちらを向いてその薄い唇を開いた。
「――」
「えっとごめんなさい、もう一回言ってもらえますか」
「あ……いや。こんなに盛大な祭礼が催されるんだ、精霊も御子も、きっとお喜びに違いないよね、という話がしたかっただけなんだ。それにしても、御子様はいったいどこにいらっしゃるのだろうね」
「そ、そうですね……」
エリオットはようやく確信を持てた、やはり、ユフィは自身の正体を知らないのだ。そうでなければわざわざこんな風に話題に出すわけがない。御子の消息は秘匿されているのだ。それを自身からエリオットごときに明かすような真似をするわけがない。
「結婚前の子たちは皆、噂しているね。ぜひとも御子様に見初められる誉れにあずかりたいと。エリオットもやはりそうなのかな」
「ええっ! そんな、僕なんて、その、恐れ多い……!」
エリオットは蒼褪めかけながら首をぶんぶんと横に振った。それはつまり、ユフィの伴侶になりたいかという問いと同義だ。そんなの無理だ、文字通り恐れ多い。自分では務まらない。望んだって叶いっこないけれど、望むことさえ烏滸がましい。相応しくないに決まっている。
御子の伴侶となる――それ自体は、まるで博打で一儲けするのと同じようなノリで、「そうなったらいいなあ」と言い合う伝承のひとつだ。けして相対することのない貴族や王族相手に玉の輿を狙うより、この土地の庶民にとっては現実味がある。
エリオットは何も、御子様の伴侶だから気が引けるのではなかった。相手がユフィという、もっと素晴らしい人と結ばれるべきお方だからだ。
頑冥に拒否を示すエリオットに、なぜかユフィはゆったりと笑みを深める。
いや、貴族だからこそ礼儀を重んじるタイプだ。普段の彼であれば平身低頭で非礼を詫び、失礼しますと精いっぱいの敬意を表してその場を辞しただろう。
「――何をそんなに気にしているの、エリオット?」
「あ、いえ…………」
ジンの様子が気になったが、二人が知り合いだなんて聞いたことはないし、きっと思い過ごしだろう。
エリオットが気を取り直して振り返ると、困ったように眉尻を下げた麗人と視線がぶつかった。
「……彼と離れるのがそんなに名残惜しかったかな? ごめんね、私が居なければかっこいい彼と出歩く時間も得られただろうに。ランタンが飛ぶまでもう少しだし、そうしたら君を自由にしてやれる。それまでもう少し一緒に居てくれる?」
「あ、当たり前です! それに名残惜しいとかはないです、どうせ明日も明後日も、ジンには必ず朝会えますし、あと、ああいったけど、仕事中のジンも頑張っていてちゃんとかっこいいんですよ」
「…………ありがとう、そうなんだ」
「そうです! それに、かねてから約束していたユフィ様の案内の方が優先です。謝るだなんてやめてください」
「そう、君の言うとおりだよ、エリオット」
頭上から落ちたのは、穏やかで、けれどどこか咎めるような響きをふくんだ声だった。エリオットは思わず息を呑む。
街は暮れ始めていた。空で星々がきらめき、軒先の街灯が煌々と賑々しい街並みと行き交う人々を照らし出している。
そのライティングの所為だろう。穏やかな微笑に落ちた影が、ぞっとするような凄みを与えている。
「先に約束をしたのは、私。今、君と一緒に居るのも私。君の時間は私のもので、私の時間もきみのものだ。これから先の時間を過ごすのも、私であるべき。この先、ずっと。…………、そう、思ってくれているんだよね、エリオットは」
考えてみると、夜になってからユフィに会うのはこれが初めてのことかもしれない。
彼が浮かべた微笑の妖艶さに、エリオットはその問いの意味も深く考えず頷いていた。ずっと、という言葉にも他意はない。飛び去ったランタンが見えなくなるまで。あるいは、街灯の類がすべて消えるまでの間のことに違いない。
「ありがとう、それを確認できて安心したよ。さて、人の流れが変わったね。そろそろランタンを放つ時間かな」
「あ……、はい! あの、こちらです。広場と、城門を下った湖畔がメイン会場なので……!」
ユフィが今度こそ屈託のない笑みを浮かべたのを見て、ほっと胸を撫でおろす。何事もなかったかのように会場へ向かう人波に紛れ、エリオットは案内を再会することにした。
端々に垣間見える違和感から目を背け続けていることには、まだ気づかないふりを続けながら。
と、進み始めた拍子のことだった。空いた左手を後ろから掴まれていた。
労働に慣れていない、しなやかで大きな手だ。そんな人間、街には多くはない。すぐ誰なのか見当がつく。最低限の雑務はこなせるようになったけれど、習慣化はしていないユフィの手だ。
「うん? ああ、驚かせてしまった? ごめん、人に押し流されて、はぐれてしまいそうだったから」
「あ……! すみません、気づかずに」
「いや、はぐれずに済んだから良いんだよ。さあ、連れて行ってくれる?」
ユフィは平然と言ってのけた。その上で、するりとエリオットの指に指を絡めてくる。手のひらを包むように握りこまれた。けして離すまいとするような力強さだった。
わかっている、子供扱いされているだけだと、わかっている。けれど、意識せずにはいられない。触れた柔らかな肌と、その熱。手にいやな汗をかいてしまいそうで恥ずかしい。それだけではない、エリオットの指は水仕事で皮膚が厚く荒れている。こんなものを握らせて申し訳ないとさえ思ってしまう。
「は、い。あの、こちらです」
緊張で声が上擦ったことをどうか覚られませんように――顔をゆでだこのように真っ赤にして、エリオットは俯きがちに人々をかき分けて進んだ。頬が緩みかけているのを、誰にも見られたくなかった。
今日のことは、絶対に一生忘れない。
ユフィの貴重な庶民の扮装姿を見られたこと。その姿であろうと彼の美貌は微塵も霞まないこと。一緒に様々な露店を眺めたこと。シェリーズを紹介できたこと。燈燭に照らされた彼の横顔がとても美しいこと。
そして、こうして手を繋げたこと。
全部、この目と脳に焼き付けた。何もかも身に余り過ぎる光栄だった。
――まだ終わらない……けど、もうすぐ、お別れ。
宙に舞い上がる灯火を眺めたら、夢の終わり。楽しみなのに、その時がずっと来なければいいのにだなんて不埒なことを考えてしまう。
それからは特に会話もなく、東西南北を走る大通りの十字路部分へ位置する広場へ辿り着いた。もっとも、この喧騒の中ではろくな雑談などままならなかっただろう。
広場に特設された櫓のような檀上に、訪問中の王族とアウレロイヤ領主らが上り始めていたところだった。彼らが最初にランタンを飛ばし、その後に神官や信心深い貴族といった面々が続く。丘や湖畔、そしてこの広場から庶民の出番は一番最後のことだ。小さなひとつのランタンを、二人一組となって夜空へ放つ。エリオットとユフィにもまた、特殊な魔術により一時的に不燃性となった薄い紙製のランタンが配られる。
そうして、にわかに一瞬の静寂。
今回訪問したのは、継承権を持つ第二王子のようだ。彼が祝いの言葉を述べ終えると、領主とともにひとつめのランタンが空へと放たれた。
わっ、と歓声が上がり、次々に柔らかな光が空へと舞い上がっていく。
「わ、始まりましたよ!」
「なるほど、こういうイメージだったのか……私たちは丘の方や裏手に居ることが多かったから」
「はい、僕、会場だとここが一番好きなんです。照らされる建物が綺麗だし、王族の方たちのお言葉を聞くのも特別な感じがして、アウレロイヤじゃ滅多にお目にかかれない方たちだから。特に今年の王子様は、流石でしたね。声もよくとおって、本当に王子様って感じで見惚れてしまいました」
「……そう、そうかもね」
どこか冷めた声に、そっと隣のユフィの顔を覗き見た。彼は、ランタンの浮かぶ空ではなく檀上を見ていた。父であるアウレロイヤ領主の姿を追っているのだろうか、それにしては、どこか鋭い目つきをしているように思われたが。
エリオットの視線に気づいたユフィは、我に還ったようにこちらを向いてその薄い唇を開いた。
「――」
「えっとごめんなさい、もう一回言ってもらえますか」
「あ……いや。こんなに盛大な祭礼が催されるんだ、精霊も御子も、きっとお喜びに違いないよね、という話がしたかっただけなんだ。それにしても、御子様はいったいどこにいらっしゃるのだろうね」
「そ、そうですね……」
エリオットはようやく確信を持てた、やはり、ユフィは自身の正体を知らないのだ。そうでなければわざわざこんな風に話題に出すわけがない。御子の消息は秘匿されているのだ。それを自身からエリオットごときに明かすような真似をするわけがない。
「結婚前の子たちは皆、噂しているね。ぜひとも御子様に見初められる誉れにあずかりたいと。エリオットもやはりそうなのかな」
「ええっ! そんな、僕なんて、その、恐れ多い……!」
エリオットは蒼褪めかけながら首をぶんぶんと横に振った。それはつまり、ユフィの伴侶になりたいかという問いと同義だ。そんなの無理だ、文字通り恐れ多い。自分では務まらない。望んだって叶いっこないけれど、望むことさえ烏滸がましい。相応しくないに決まっている。
御子の伴侶となる――それ自体は、まるで博打で一儲けするのと同じようなノリで、「そうなったらいいなあ」と言い合う伝承のひとつだ。けして相対することのない貴族や王族相手に玉の輿を狙うより、この土地の庶民にとっては現実味がある。
エリオットは何も、御子様の伴侶だから気が引けるのではなかった。相手がユフィという、もっと素晴らしい人と結ばれるべきお方だからだ。
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