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運命の出会い
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『だあれ……?』
水底を思わせる深蒼の瞳と視線がぶつかった瞬間、背筋を何かが駆け上がり、心臓が鷲掴みにされたようにどくんと跳ねた。
僅かに癖のあるほわほわした黒髪。大きく瞠られた眼は垂れ目がちで、頼りなげな愛らしさがある。桃果のようなふっくらした頬にはほわりと赤みが差し、本当の果実であったなら食べごろに違いない。
ユフィは戸惑った。年相応に愛らしい――のだが、当然、神の悪戯とまで囁かれた己の麗容には到底及ばない。それなのに、眼を逸らせない。こんなことは初めてだった。普段なら会話の主導権を握るのはユフィの方なのに、言葉が出てこないのだ。
『……もしかして、御使い様?』
『……いいや。私はユフィ。この屋敷の居候だよ。君は?』
『……エリオット』
そんな会話を終えてやっと、ユフィは冷静さを取り戻した。
聞けば、エリオットは屋敷で仕事がある母親とともにやってきたのだという。母が仕事をする間、メイドと遊んでいるよう指示されたが、メイドがいなくなってしまったため一人で花を摘んでいたそうだ。
話を聞いてやりながら、ユフィは不信感を募らせた。どう見ても平民の子だ。屋敷をうろつかせるなどいくら楽天的なアウレロイヤ家でもあり得ないし、そこにわざわざメイドをつけるというのはさらに奇妙なことだ。その待遇は貴賓の子女に対するものに相当する。
その時は、暇つぶしに持っていた本を読んでやった。既にジェスリンに組み込まれた小国の歴史書で子供には何の面白みもない代物だったが、エリオットは『難しい本が、字が読めるユフィさまがすごい』と喜んだ。
迎えに来た使用人と、母というには少々、年の行き過ぎた女性とともに屋敷を去る際、エリオットは、何度も名残惜しそうにこちらを振り返っていた。また相手をしてやってもいいな、と思った。
エリオットを放置して馬小屋で怠けていたメイドは、解雇された。馬に蹴られて働けなくなったのだった。
それから、エリオットは定期的にアウレロイヤ家を訪れるようになった。ユフィは必ず彼の遊び相手をした。薔薇を摘み、庭木でかくれんぼをして、馬にも乗せてやった。最初は興味本位で近づいただけだったけれど、その他愛もないひとときに安らぎを覚えるようになるのに、そう時間はかからなかった。
エリオットはユフィに何も求めない。裏表がない。仲良くしたいとは思っているだろうけれど、取り入ろうだなんて考えない。そして、弱くて脆い。これまで過剰なまでに庇護されてきたユフィも、エリオットの前では保護者側に回らなくてはならなくなる。これがまた楽しかった。屈託のない信頼を向けられ、それに答える――ユフィはこの時ようやく、他人と心を通わせる喜びを知ったのだった。
決定的なあの日のことを、今でも鮮明に覚えている。
あれはユフィの誕生日から数日が経過した日のこと。
ユフィが木陰で寝ころびながら読書をしていると、突如、エリオットがひょこりと覗き込んできたのだ。その彼の、何かを企んだような微笑。ユフィはそれに気づかないふりをして起き上がり、よく来たねと歓待した。
そんなユフィの頭に、エリオットが花冠を載せてふわりと笑う。
『お誕生日おめでとうございます。やっぱり、ユフィさまはきれい。青がとっても似合うね』
ブルーローズに、キキョウ、アイリス、そして名も知らぬような青の花々で飾り立てられた花冠をそっと手に取り、ユフィはまじまじと見つめた。
青という色が、あまり好きではなかった。
青い髪が、精霊に誓いを立てた王家に連なる者の証だからだ。白銀に近い自身の頭髪は、光に透かすと青みがかって見える。青みの強い兄弟とは異なり目を凝らさなければ気づかないような色味の変化ではあるが、ユフィにとっては自身の血統を証明し、時には枷となりうる鬱陶しい色だ。
それなのに、今この手の内にある花は、なんと清々しく心洗われるような色をしているのだろう。
糸を手繰り寄せるように連想したのは、先日の誕生日パーティーに参加してくれた、濃紺に淡青色の髪を持つ兄弟の姿。
――嬉しかったけれど、あそこにいるのがエリオットだったらよかったのに……ご馳走もあるし、きっと喜んでくれた。
どうして居てくれなかったのだろう。いや、責めるべきはアウレロイヤ家でもエリオットでもない、招待客さえろくに選べない自分の立場だ。
――あれ、私は王弟だよな。しかも利発で人望がある。叶わないことなど、何一つないはずじゃないか。
『……ユフィさま。ごめんなさい』
『えっ、なあに、どうしたの』
『あの、そんなものしか用意、できなかったから。ユフィさま、たくさん素敵なものをもらってるはずだってこと、わすれてました。つくることにいっしょうけんめいで……おいわい、したくて』
『⁉ ま、待って、違うよ! ありがとう、ありがとうエリオット。ごめんね、寝ぼけてぼうっとしていただけなんだ……っ』
エリオットがべそをかきながら花冠を取り上げてしまい、ユフィは慌ててそれを奪い返した。鋭い葉に皮膚を切り裂かれた気配があったが、これ以上エリオットを悲しませるわけにはいかない。エリオット自身に怪我はないようだし問題ない。これまで幾度となく他者を魅了してきたあの微笑を取り繕い、花冠を頭に乗せ直す。
『うちには無い花ばかりで嬉しいな。どう? 似合うかな』
『……うん! えへへ、よかったあ……』
エリオットは赤くなった目元を擦りながら、照れたように笑う。
――欲しい。
そんな感情が胸に湧いたかと思うと、空いていた窪みにすとんとおさまってしまった。
エリオットが、欲しい。どんな形でもいい。傍に置いておきたい。こみ上げた小さな望みがめきめきといやな音を立てて渇望へと膨張していくのを感じた。
すぐにアウレロイヤ領主へ掛け合った。あの子が欲しい。いずれは庭師か下男か馬番か、どんな形でもいいからこの家で召し抱えてほしい。
温厚で楽観的な領主が、ヒキガエルのような声とともに顔を青黒くしたことを覚えている。
『……それは、陛下に伺いませんと』
なるほど、まだ成人を迎えていない己の後見はあの兄が引き受けてくれているのだった。雇用期間内の賃金の支払いだとか、許可を得るべき事柄は多いのだろう。そう納得して手紙を出すと、なんと宮城に呼び出されていた。
そういえばしばらく城を訪れてはいなかった、この件を口実に母や甥と親交を深めよとでも言うのだろうと、これも何の疑念もなく参じた。
水底を思わせる深蒼の瞳と視線がぶつかった瞬間、背筋を何かが駆け上がり、心臓が鷲掴みにされたようにどくんと跳ねた。
僅かに癖のあるほわほわした黒髪。大きく瞠られた眼は垂れ目がちで、頼りなげな愛らしさがある。桃果のようなふっくらした頬にはほわりと赤みが差し、本当の果実であったなら食べごろに違いない。
ユフィは戸惑った。年相応に愛らしい――のだが、当然、神の悪戯とまで囁かれた己の麗容には到底及ばない。それなのに、眼を逸らせない。こんなことは初めてだった。普段なら会話の主導権を握るのはユフィの方なのに、言葉が出てこないのだ。
『……もしかして、御使い様?』
『……いいや。私はユフィ。この屋敷の居候だよ。君は?』
『……エリオット』
そんな会話を終えてやっと、ユフィは冷静さを取り戻した。
聞けば、エリオットは屋敷で仕事がある母親とともにやってきたのだという。母が仕事をする間、メイドと遊んでいるよう指示されたが、メイドがいなくなってしまったため一人で花を摘んでいたそうだ。
話を聞いてやりながら、ユフィは不信感を募らせた。どう見ても平民の子だ。屋敷をうろつかせるなどいくら楽天的なアウレロイヤ家でもあり得ないし、そこにわざわざメイドをつけるというのはさらに奇妙なことだ。その待遇は貴賓の子女に対するものに相当する。
その時は、暇つぶしに持っていた本を読んでやった。既にジェスリンに組み込まれた小国の歴史書で子供には何の面白みもない代物だったが、エリオットは『難しい本が、字が読めるユフィさまがすごい』と喜んだ。
迎えに来た使用人と、母というには少々、年の行き過ぎた女性とともに屋敷を去る際、エリオットは、何度も名残惜しそうにこちらを振り返っていた。また相手をしてやってもいいな、と思った。
エリオットを放置して馬小屋で怠けていたメイドは、解雇された。馬に蹴られて働けなくなったのだった。
それから、エリオットは定期的にアウレロイヤ家を訪れるようになった。ユフィは必ず彼の遊び相手をした。薔薇を摘み、庭木でかくれんぼをして、馬にも乗せてやった。最初は興味本位で近づいただけだったけれど、その他愛もないひとときに安らぎを覚えるようになるのに、そう時間はかからなかった。
エリオットはユフィに何も求めない。裏表がない。仲良くしたいとは思っているだろうけれど、取り入ろうだなんて考えない。そして、弱くて脆い。これまで過剰なまでに庇護されてきたユフィも、エリオットの前では保護者側に回らなくてはならなくなる。これがまた楽しかった。屈託のない信頼を向けられ、それに答える――ユフィはこの時ようやく、他人と心を通わせる喜びを知ったのだった。
決定的なあの日のことを、今でも鮮明に覚えている。
あれはユフィの誕生日から数日が経過した日のこと。
ユフィが木陰で寝ころびながら読書をしていると、突如、エリオットがひょこりと覗き込んできたのだ。その彼の、何かを企んだような微笑。ユフィはそれに気づかないふりをして起き上がり、よく来たねと歓待した。
そんなユフィの頭に、エリオットが花冠を載せてふわりと笑う。
『お誕生日おめでとうございます。やっぱり、ユフィさまはきれい。青がとっても似合うね』
ブルーローズに、キキョウ、アイリス、そして名も知らぬような青の花々で飾り立てられた花冠をそっと手に取り、ユフィはまじまじと見つめた。
青という色が、あまり好きではなかった。
青い髪が、精霊に誓いを立てた王家に連なる者の証だからだ。白銀に近い自身の頭髪は、光に透かすと青みがかって見える。青みの強い兄弟とは異なり目を凝らさなければ気づかないような色味の変化ではあるが、ユフィにとっては自身の血統を証明し、時には枷となりうる鬱陶しい色だ。
それなのに、今この手の内にある花は、なんと清々しく心洗われるような色をしているのだろう。
糸を手繰り寄せるように連想したのは、先日の誕生日パーティーに参加してくれた、濃紺に淡青色の髪を持つ兄弟の姿。
――嬉しかったけれど、あそこにいるのがエリオットだったらよかったのに……ご馳走もあるし、きっと喜んでくれた。
どうして居てくれなかったのだろう。いや、責めるべきはアウレロイヤ家でもエリオットでもない、招待客さえろくに選べない自分の立場だ。
――あれ、私は王弟だよな。しかも利発で人望がある。叶わないことなど、何一つないはずじゃないか。
『……ユフィさま。ごめんなさい』
『えっ、なあに、どうしたの』
『あの、そんなものしか用意、できなかったから。ユフィさま、たくさん素敵なものをもらってるはずだってこと、わすれてました。つくることにいっしょうけんめいで……おいわい、したくて』
『⁉ ま、待って、違うよ! ありがとう、ありがとうエリオット。ごめんね、寝ぼけてぼうっとしていただけなんだ……っ』
エリオットがべそをかきながら花冠を取り上げてしまい、ユフィは慌ててそれを奪い返した。鋭い葉に皮膚を切り裂かれた気配があったが、これ以上エリオットを悲しませるわけにはいかない。エリオット自身に怪我はないようだし問題ない。これまで幾度となく他者を魅了してきたあの微笑を取り繕い、花冠を頭に乗せ直す。
『うちには無い花ばかりで嬉しいな。どう? 似合うかな』
『……うん! えへへ、よかったあ……』
エリオットは赤くなった目元を擦りながら、照れたように笑う。
――欲しい。
そんな感情が胸に湧いたかと思うと、空いていた窪みにすとんとおさまってしまった。
エリオットが、欲しい。どんな形でもいい。傍に置いておきたい。こみ上げた小さな望みがめきめきといやな音を立てて渇望へと膨張していくのを感じた。
すぐにアウレロイヤ領主へ掛け合った。あの子が欲しい。いずれは庭師か下男か馬番か、どんな形でもいいからこの家で召し抱えてほしい。
温厚で楽観的な領主が、ヒキガエルのような声とともに顔を青黒くしたことを覚えている。
『……それは、陛下に伺いませんと』
なるほど、まだ成人を迎えていない己の後見はあの兄が引き受けてくれているのだった。雇用期間内の賃金の支払いだとか、許可を得るべき事柄は多いのだろう。そう納得して手紙を出すと、なんと宮城に呼び出されていた。
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