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すれ違う思い③
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「あの……あの祭りの夜、エリオットの気に障るような真似をしてしまったのかな」
「……えっ?」
ユフィが真剣な面持ちで軽く身を屈める。一瞬、軽く唇を噛んだのが見えた。
「今日も随分帰りを急いでいるようだし、仕事を休んでいたのも、私に会いたくなかったからなのかな、なんて……」
ユフィは言いにくそうに口をまごつかせている。エリオットは動揺のあまり言葉が出てこなかった。
彼を避けていたことは確かだ。けれど、まさかすぐに気取られてしまうほどあからさまに態度に出ていただなんて、自身の演技力の無さにショックを受けた。そして、何一つ悪くないユフィに気を遣わせてしまったことにも、指先の血の気が失せるほどの罪悪感がこみ上げてきてしまった。
今度は分かりやすく沈痛な表情をしてしまったのだろう、ユフィが慌てたように言葉を重ねる。
「疑っているわけではないんだ! いや、そうとしか受け取れないかもしれないけれど……責めようだとか、問い質そうだとかそういうつもりではないんだよ。ただ、私が何かしてしまったのなら、謝らなければいけないと思って……」
「いえ……こちらこそごめんなさい、ユフィ様は何も悪くないんです」
エリオットは精いっぱいの微笑を浮かべて、明るく声を張る。
――実際、悪いのは勝手に話を盗み聞きして、ショックを受けた僕自身だし。
ユフィは不安げに視線を彷徨わせつつ、「そうか」と呟いた。少なくとも表面上は納得してくれたらしい。
「すまない、本人を前に答えづらいことを尋ねてしまって。だめだな、焦るあまりそんなことにすら気づけなかった」
「そんなこと! 誤解させてしまったのは僕ですから」
「ありがとう、エリオット。けれど、もし本当に何か私に至らないところがあると感じたら、すぐに教えてほしい。私に直接でなくても構わない、シェ……他の神官たち、とか。お菓子の量が多すぎて困るだとか、紅茶がぬるいだとか、焚き染めた香木の匂いが気に入らないだとか、本当に些細なことでも構わないから」
「ええ⁉ そんな……あ、そっか……わかりました。とはいっても、ユフィ様はいつも完璧なお方ですから、僕にご指摘できることなんてないと思いますけれど」
きっと、この反省点を想い人との逢瀬に生かそうというのだろう。努力家なユフィらしい申し出だ。本当にその方のことが好きで、本当に必死なのだなあ、と寂しさより先に感心が湧く。冷めた紅茶は飲みやすくて好きだし、香木はどれもいい匂いがして、日替わりに違う匂いを嗅ぐのが楽しい。ユフィの全てを受け入れてしまうエリオットに言えることは何もないだろうが、彼のために気に留めておくことにしよう。
「……完璧? 私が?」
「? はい。綺麗で、清く正しくて、出来ないことも克服(こくふく)しようと努力なさっていて……ユフィ様のためにあるような言葉だと思います」
そんなに意外そうな顔をするような話題だったろうか――きょとんとしたユフィの顔を見上げていると、途端に、その頬がふわりと綻ぶ。まるで森の奥深く、年に一日しか咲かない花が朝靄の中でひっそりと花開いたように、密やかに、妖艶に。
「っ、君にそんなふうに思ってもらえていただなんて……」
「へ? そんな、きっと僕だけじゃありません。皆、ユフィ様のことを尊敬していると」
みなまで言うより先に、ユフィがエリオットの右手を取った。そして捧げるように持ち上げると、自身の頬にそっと押し付けて、うっとりと目を細める。
エリオットは心臓が破裂しそうな思いがして、言葉を続けられなくなる。
「他はどうでもいいんだよ。大事なのはエリオットがそう思ってくれているということだ」
あまりに蠱惑的(こわくてき)な光景と台詞に、上手く呼吸が出来なくなる。訳が分からなかった。そんな中でも、エリオットはその言葉の真意を理解すべく必死に思考を回転させる。
まず勘違いをしてはいけない。ユフィはエリオットを子供扱いしているからこそ、こんな君だけが特別だと口説くような台詞が吐けるだけだ。ではそんな相手に評価されたことの何が嬉しいのか。
――そう言えば僕、あまりに恐れ多くて、面と向かってユフィ様を褒めたりしたことなかったかも。
ユフィが美しくて素晴らしい人間だということなど公然の事実である。わざわざ口に出すまでもなく当人は理解しているだろうし、そんな安易な言葉をかけられすぎてうんざりしているかもしれないと思ったのだ。
皆がエリオットのような考えを抱いていたとしたら、彼が直に称賛される機会は少なかったに違いない。つまり褒められることに飢えていたのだろう。そんな中で古なじみのエリオットが印象を口にしたから、ただの市民に聞くよりも嬉しいと言いたかったのだ。
そうだ、それだけに違いない。そう言い聞かせるのに、愚かにも心臓の高鳴りが止む気配はない。
「良かった……」
羞恥に頬を染めたエリオットの顔を覗き込んだユフィが、とろけたように甘ったるい声で言う。エリオットは息を呑んだ。
――気のせい、気のせい、僕がどきどきしてるからそう聞こえちゃうだけで、ユフィ様は、いつも通り……。
「な、なにが、よかったのでしょう」
「何もかも。今日の君とのやり取り、すべて。エリオットに嫌われることだけは、耐えられないから」
「っ……」
今の言葉も、深い意味なんてない。そもそも『嫌われることだけは』なんて聞き間違いだったのかもしれない。それか言葉のあやだろう。もっと辛いことなんてたくさんあるはずなのだ。たとえば、想い人に嫌われてしまうことに比べたら些末な問題と化すに決まっている。
わかっているのに、この場限りであろうと特別な存在として扱ってもらえることがどうしようもなく嬉しい。
「そ、そんなこと! ユフィ様を嫌うだなんて、あり得るはずないじゃないですか」
「――じゃあ、好き?」
ひゅ、と息が詰まった。
真っすぐにこちらを見つめてくるユフィの口元には、微かな微笑が浮かんでいた。その余裕は崩れない。エリオットのように、右往左往するほど心を乱されているわけではない。きっと彼にとっては普通の、揶揄の混じった雑談でしかないのだ。ただ、少し魔性なだけで。
それでも、そうとわかっていても、痛感させられてしまった。
――ああ……僕は、ユフィ様のことが、恋愛の対象として好きなんだ。
これまでずっと、そんなことが合ってはいけないと押し殺してきた感情。気づいてはいけないと、その本心から目を背け続けてきた。
けれど、こんな風に尋ねられてしまったらもう駄目だった。
エリオットは唇を引き結んだり、噛んだりを繰り返して――ようやく、心を決める。
「……はい。大好きです」
口にした瞬間、思いが溢れて止まらなくなる。
――好き、好きなんだ僕は、身分違いでも、身の程知らずでも、ユフィ様のことが……。
「――…………!」
本人が尋ねたから素直に本心を吐露したのに、当のユフィは軽く眼を見開いて、唖然としている。
どうしたのだろう、適当にあしらうことを望まれていたのだろうか。エリオットが狼狽えて目をぱちくりさせると、ユフィが慌てたように口を開く。
「エリオット……? どうして、泣いて」
問われた瞬間、頬をつうっと何かが伝い落ちる感触に、エリオットははっとした、
弾かれたようにユフィから身を引き、そっと頬をなぞる。袖にシミができて、そこでやっと無自覚の内に落涙していたことを知った。
「あ……え……これ、は、ちが……」
見上げたユフィは、伸ばした手を宙に浮かせたまま困惑している。
失敗した。エリオットは顔面蒼白になる。
――ちがう、こんなの、また誤解させてしまうのに……!
どう受け取られるにしても、その結果が最悪なものに変わりはない。彼を困らせるか、傷つけるかのどちらかだ。
「っ……、ごめ、んなさい……!」
エリオットは混乱して、ユフィの静止も聞かずに駆け出していた。
「……えっ?」
ユフィが真剣な面持ちで軽く身を屈める。一瞬、軽く唇を噛んだのが見えた。
「今日も随分帰りを急いでいるようだし、仕事を休んでいたのも、私に会いたくなかったからなのかな、なんて……」
ユフィは言いにくそうに口をまごつかせている。エリオットは動揺のあまり言葉が出てこなかった。
彼を避けていたことは確かだ。けれど、まさかすぐに気取られてしまうほどあからさまに態度に出ていただなんて、自身の演技力の無さにショックを受けた。そして、何一つ悪くないユフィに気を遣わせてしまったことにも、指先の血の気が失せるほどの罪悪感がこみ上げてきてしまった。
今度は分かりやすく沈痛な表情をしてしまったのだろう、ユフィが慌てたように言葉を重ねる。
「疑っているわけではないんだ! いや、そうとしか受け取れないかもしれないけれど……責めようだとか、問い質そうだとかそういうつもりではないんだよ。ただ、私が何かしてしまったのなら、謝らなければいけないと思って……」
「いえ……こちらこそごめんなさい、ユフィ様は何も悪くないんです」
エリオットは精いっぱいの微笑を浮かべて、明るく声を張る。
――実際、悪いのは勝手に話を盗み聞きして、ショックを受けた僕自身だし。
ユフィは不安げに視線を彷徨わせつつ、「そうか」と呟いた。少なくとも表面上は納得してくれたらしい。
「すまない、本人を前に答えづらいことを尋ねてしまって。だめだな、焦るあまりそんなことにすら気づけなかった」
「そんなこと! 誤解させてしまったのは僕ですから」
「ありがとう、エリオット。けれど、もし本当に何か私に至らないところがあると感じたら、すぐに教えてほしい。私に直接でなくても構わない、シェ……他の神官たち、とか。お菓子の量が多すぎて困るだとか、紅茶がぬるいだとか、焚き染めた香木の匂いが気に入らないだとか、本当に些細なことでも構わないから」
「ええ⁉ そんな……あ、そっか……わかりました。とはいっても、ユフィ様はいつも完璧なお方ですから、僕にご指摘できることなんてないと思いますけれど」
きっと、この反省点を想い人との逢瀬に生かそうというのだろう。努力家なユフィらしい申し出だ。本当にその方のことが好きで、本当に必死なのだなあ、と寂しさより先に感心が湧く。冷めた紅茶は飲みやすくて好きだし、香木はどれもいい匂いがして、日替わりに違う匂いを嗅ぐのが楽しい。ユフィの全てを受け入れてしまうエリオットに言えることは何もないだろうが、彼のために気に留めておくことにしよう。
「……完璧? 私が?」
「? はい。綺麗で、清く正しくて、出来ないことも克服(こくふく)しようと努力なさっていて……ユフィ様のためにあるような言葉だと思います」
そんなに意外そうな顔をするような話題だったろうか――きょとんとしたユフィの顔を見上げていると、途端に、その頬がふわりと綻ぶ。まるで森の奥深く、年に一日しか咲かない花が朝靄の中でひっそりと花開いたように、密やかに、妖艶に。
「っ、君にそんなふうに思ってもらえていただなんて……」
「へ? そんな、きっと僕だけじゃありません。皆、ユフィ様のことを尊敬していると」
みなまで言うより先に、ユフィがエリオットの右手を取った。そして捧げるように持ち上げると、自身の頬にそっと押し付けて、うっとりと目を細める。
エリオットは心臓が破裂しそうな思いがして、言葉を続けられなくなる。
「他はどうでもいいんだよ。大事なのはエリオットがそう思ってくれているということだ」
あまりに蠱惑的(こわくてき)な光景と台詞に、上手く呼吸が出来なくなる。訳が分からなかった。そんな中でも、エリオットはその言葉の真意を理解すべく必死に思考を回転させる。
まず勘違いをしてはいけない。ユフィはエリオットを子供扱いしているからこそ、こんな君だけが特別だと口説くような台詞が吐けるだけだ。ではそんな相手に評価されたことの何が嬉しいのか。
――そう言えば僕、あまりに恐れ多くて、面と向かってユフィ様を褒めたりしたことなかったかも。
ユフィが美しくて素晴らしい人間だということなど公然の事実である。わざわざ口に出すまでもなく当人は理解しているだろうし、そんな安易な言葉をかけられすぎてうんざりしているかもしれないと思ったのだ。
皆がエリオットのような考えを抱いていたとしたら、彼が直に称賛される機会は少なかったに違いない。つまり褒められることに飢えていたのだろう。そんな中で古なじみのエリオットが印象を口にしたから、ただの市民に聞くよりも嬉しいと言いたかったのだ。
そうだ、それだけに違いない。そう言い聞かせるのに、愚かにも心臓の高鳴りが止む気配はない。
「良かった……」
羞恥に頬を染めたエリオットの顔を覗き込んだユフィが、とろけたように甘ったるい声で言う。エリオットは息を呑んだ。
――気のせい、気のせい、僕がどきどきしてるからそう聞こえちゃうだけで、ユフィ様は、いつも通り……。
「な、なにが、よかったのでしょう」
「何もかも。今日の君とのやり取り、すべて。エリオットに嫌われることだけは、耐えられないから」
「っ……」
今の言葉も、深い意味なんてない。そもそも『嫌われることだけは』なんて聞き間違いだったのかもしれない。それか言葉のあやだろう。もっと辛いことなんてたくさんあるはずなのだ。たとえば、想い人に嫌われてしまうことに比べたら些末な問題と化すに決まっている。
わかっているのに、この場限りであろうと特別な存在として扱ってもらえることがどうしようもなく嬉しい。
「そ、そんなこと! ユフィ様を嫌うだなんて、あり得るはずないじゃないですか」
「――じゃあ、好き?」
ひゅ、と息が詰まった。
真っすぐにこちらを見つめてくるユフィの口元には、微かな微笑が浮かんでいた。その余裕は崩れない。エリオットのように、右往左往するほど心を乱されているわけではない。きっと彼にとっては普通の、揶揄の混じった雑談でしかないのだ。ただ、少し魔性なだけで。
それでも、そうとわかっていても、痛感させられてしまった。
――ああ……僕は、ユフィ様のことが、恋愛の対象として好きなんだ。
これまでずっと、そんなことが合ってはいけないと押し殺してきた感情。気づいてはいけないと、その本心から目を背け続けてきた。
けれど、こんな風に尋ねられてしまったらもう駄目だった。
エリオットは唇を引き結んだり、噛んだりを繰り返して――ようやく、心を決める。
「……はい。大好きです」
口にした瞬間、思いが溢れて止まらなくなる。
――好き、好きなんだ僕は、身分違いでも、身の程知らずでも、ユフィ様のことが……。
「――…………!」
本人が尋ねたから素直に本心を吐露したのに、当のユフィは軽く眼を見開いて、唖然としている。
どうしたのだろう、適当にあしらうことを望まれていたのだろうか。エリオットが狼狽えて目をぱちくりさせると、ユフィが慌てたように口を開く。
「エリオット……? どうして、泣いて」
問われた瞬間、頬をつうっと何かが伝い落ちる感触に、エリオットははっとした、
弾かれたようにユフィから身を引き、そっと頬をなぞる。袖にシミができて、そこでやっと無自覚の内に落涙していたことを知った。
「あ……え……これ、は、ちが……」
見上げたユフィは、伸ばした手を宙に浮かせたまま困惑している。
失敗した。エリオットは顔面蒼白になる。
――ちがう、こんなの、また誤解させてしまうのに……!
どう受け取られるにしても、その結果が最悪なものに変わりはない。彼を困らせるか、傷つけるかのどちらかだ。
「っ……、ごめ、んなさい……!」
エリオットは混乱して、ユフィの静止も聞かずに駆け出していた。
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