こっちを向いて、三條くん。

-あの、噂の三條くんですか?-


毎朝毎朝、ぎゅううって抱きつく。


暇さえ見つければ抱きつく。


でも君からされることは


棒読みの返事。


口癖は


「莫迦なの?」


顔を鷲掴みにされたり。


デコピンもされたし。


シッペもされた…


背負い投げもされたな。


だけどね、私たち


「二人で一組。」


これは同級生公認の、片想い。





……からの、両想い!


それは


たじたじして


ほのぼのして


ドキドキして


ムキー!ってして


そんな君との毎日。


とても幸せに思うよ。


-ねぇねぇ、三條くん。こっちを向いてよ。-





「ほら。」
「え?」

左掌を差し出す三條くん。

「おいで、大丈夫だから。」
「………。」

恐る恐る、指先まで熱い私の右手を伸ばすと、三條くんの手がキュッと優しく握った。
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