21 / 43
FOURTH
4
しおりを挟む
「……ッん……、はぁ……」
冷えていた唇は熱を持ち、吐息は荒くなる。
愛しくて、貪るように環奈の唇を何度となく奪い続けていく。
そんな俺に応えるように、首に手を回してきた環奈もまた、俺を求めてくれた。
このままでは止められなくなる。
そう思った俺は一旦唇を離すと、
「環奈、車に戻ろう」
そう口にした俺の言葉に、息を整えながら頷く彼女の手を取り車まで戻って行く。
そして、車に戻って来た俺たちは、どちらからともなく互いを求めて深く口付けを交わす。
けど、車は借り物だし、こんなところでする訳にはいかない俺はまるで酔っているのかと思うくらいトロンとした瞳に頬を紅く染めた環奈の唇にもう一度口付けた後、指で撫で上げ、
「環奈、ここじゃあまずいから、ちょっと移動しよう」
それだけ言ってすぐに環奈と自身のシートベルトを締めると、急いで車を走らせ、来る時に目に入ったすぐ近くのラブホテルまで向かった。
五分と掛からず目的地に着くと、さっさと車を降りた俺たちは適当に部屋を選び、指定された階までエレベーターで向かう。
その間中、握った手は暖かくて、そこから温もりを感じ合う。キスをしたいけど、これ以上すると歯止めが効かないから、部屋に着くまでは我慢する。
そして、部屋に入った俺たちは扉が閉まる音を背に一目散にベッドへと向かい、余裕が無かった俺は少しだけ乱暴に環奈をベッドへと押し倒すと、その上に覆いかぶさり、再び深い口付けを交わしていく。
「……ばん、り…………さ、んっ」
「話してる余裕なんて、無くしてやる」
「――ッん」
唇から首筋、鎖骨へと口付ける中、欲情する環奈の表情を見るだけで、俺はイキそうになる。
それ程までに、彼女の存在が――愛おしい。
「……ッ、はぁ……ッんん、……ふぁ、ッ」
荒い吐息が混ざり合い、身体の奥が疼き、互いの熱で溶けていく。
余裕なんて、無い。
ようやく環奈が俺のモノになったんだ。
心も、身体も、全て俺だけのモノ。
名前を呼んで、求めてくれる唇も、
俺に触れてくる細くて長い、綺麗な指も、
温かくて心地良い、細くて華奢な身体も、
全て、俺のモノ。
誰にも、触れさせない。
奪わせない。
彼女の潤んだ綺麗な瞳には、俺だけしか、映してやらない――それくらい、独占したくて堪らなくなる。
「……環奈」
「……万里、さん……」
「悪ぃけど、今日は、優しく出来ねぇかもしれねぇ……余裕が、持てない……」
「……ッ、大丈夫、万里さんになら、何をされても……構わない……。貴方の事が……好きだから……」
「そんな事言われたら、ますます加減、出来ねぇかも――」
「――ッあ……」
環奈の身体を抱きながら一旦身体を起こすと、着ていた服を一枚ずつ脱がせていく。
「……あの、自分で……」
脱がされるのが恥ずかしいのか、俺の手を止めて自分で脱ぐと言うけど、
「駄目だ。俺が脱がす」
恥ずかしがっている彼女の姿が可愛くて、俺は環奈の制止を振り切ると、そのまま脱がせていく。
「……ッ」
そして、上下共に下着のみを纏った姿になった環奈は頬を紅く染めながら、俺から視線を逸らした。
そんな環奈をよそに、俺は自身の服を脱いでいき、彼女と同じように下着だけを纏った姿になる。
「――ほら、いつまでも恥ずかしがってんなよ。もう知らねぇ仲じゃねぇんだからさ」
「……ッあ、ん……」
ソワソワと落ち着きの無い環奈の身体を後ろから抱き締めた俺は、チュッとリップ音を立てながらうなじや耳朶に口付けを落とす。
「ん、……っや、……それ、くすぐったい……ッ」
「擽ったい? 気持ちイイの間違いじゃなくて?」
「っん、……」
環奈が声を漏らす度、身体を震わす度、もっと声が聞きたい、俺を意識して欲しいという思いからついつい虐めたくなる。
「ほら、ここはもうすっかり反応してるぜ? こんなに立たせて、気持ちいいって事だろ?」
「ッあぁん!」
ブラジャーを捲り上げた俺は固く尖っている胸の頂に指を這わせながら、環奈の身体を刺激していく。
「気持ちいい、だろ?」
「ん……ッ、きも、ち……いい……です」
「環奈――」
「――ッん、はぁ……」
顎を掬い上げ、唇を重ねた俺たちは再び貪るように口付けを交わす。
「ん、ん……ッ」
「……ッかんな……」
キスだけじゃ物足り無くなった俺は指を下腹部から下へと這わせ、下着の上から環奈の秘部をなぞるように触れると、
「ッあぁん、や……そこ、だめ……ッ」
布越しでも分かる程に濡れているから恥ずかしいのか、慌てて俺の手を掴んできた。
冷えていた唇は熱を持ち、吐息は荒くなる。
愛しくて、貪るように環奈の唇を何度となく奪い続けていく。
そんな俺に応えるように、首に手を回してきた環奈もまた、俺を求めてくれた。
このままでは止められなくなる。
そう思った俺は一旦唇を離すと、
「環奈、車に戻ろう」
そう口にした俺の言葉に、息を整えながら頷く彼女の手を取り車まで戻って行く。
そして、車に戻って来た俺たちは、どちらからともなく互いを求めて深く口付けを交わす。
けど、車は借り物だし、こんなところでする訳にはいかない俺はまるで酔っているのかと思うくらいトロンとした瞳に頬を紅く染めた環奈の唇にもう一度口付けた後、指で撫で上げ、
「環奈、ここじゃあまずいから、ちょっと移動しよう」
それだけ言ってすぐに環奈と自身のシートベルトを締めると、急いで車を走らせ、来る時に目に入ったすぐ近くのラブホテルまで向かった。
五分と掛からず目的地に着くと、さっさと車を降りた俺たちは適当に部屋を選び、指定された階までエレベーターで向かう。
その間中、握った手は暖かくて、そこから温もりを感じ合う。キスをしたいけど、これ以上すると歯止めが効かないから、部屋に着くまでは我慢する。
そして、部屋に入った俺たちは扉が閉まる音を背に一目散にベッドへと向かい、余裕が無かった俺は少しだけ乱暴に環奈をベッドへと押し倒すと、その上に覆いかぶさり、再び深い口付けを交わしていく。
「……ばん、り…………さ、んっ」
「話してる余裕なんて、無くしてやる」
「――ッん」
唇から首筋、鎖骨へと口付ける中、欲情する環奈の表情を見るだけで、俺はイキそうになる。
それ程までに、彼女の存在が――愛おしい。
「……ッ、はぁ……ッんん、……ふぁ、ッ」
荒い吐息が混ざり合い、身体の奥が疼き、互いの熱で溶けていく。
余裕なんて、無い。
ようやく環奈が俺のモノになったんだ。
心も、身体も、全て俺だけのモノ。
名前を呼んで、求めてくれる唇も、
俺に触れてくる細くて長い、綺麗な指も、
温かくて心地良い、細くて華奢な身体も、
全て、俺のモノ。
誰にも、触れさせない。
奪わせない。
彼女の潤んだ綺麗な瞳には、俺だけしか、映してやらない――それくらい、独占したくて堪らなくなる。
「……環奈」
「……万里、さん……」
「悪ぃけど、今日は、優しく出来ねぇかもしれねぇ……余裕が、持てない……」
「……ッ、大丈夫、万里さんになら、何をされても……構わない……。貴方の事が……好きだから……」
「そんな事言われたら、ますます加減、出来ねぇかも――」
「――ッあ……」
環奈の身体を抱きながら一旦身体を起こすと、着ていた服を一枚ずつ脱がせていく。
「……あの、自分で……」
脱がされるのが恥ずかしいのか、俺の手を止めて自分で脱ぐと言うけど、
「駄目だ。俺が脱がす」
恥ずかしがっている彼女の姿が可愛くて、俺は環奈の制止を振り切ると、そのまま脱がせていく。
「……ッ」
そして、上下共に下着のみを纏った姿になった環奈は頬を紅く染めながら、俺から視線を逸らした。
そんな環奈をよそに、俺は自身の服を脱いでいき、彼女と同じように下着だけを纏った姿になる。
「――ほら、いつまでも恥ずかしがってんなよ。もう知らねぇ仲じゃねぇんだからさ」
「……ッあ、ん……」
ソワソワと落ち着きの無い環奈の身体を後ろから抱き締めた俺は、チュッとリップ音を立てながらうなじや耳朶に口付けを落とす。
「ん、……っや、……それ、くすぐったい……ッ」
「擽ったい? 気持ちイイの間違いじゃなくて?」
「っん、……」
環奈が声を漏らす度、身体を震わす度、もっと声が聞きたい、俺を意識して欲しいという思いからついつい虐めたくなる。
「ほら、ここはもうすっかり反応してるぜ? こんなに立たせて、気持ちいいって事だろ?」
「ッあぁん!」
ブラジャーを捲り上げた俺は固く尖っている胸の頂に指を這わせながら、環奈の身体を刺激していく。
「気持ちいい、だろ?」
「ん……ッ、きも、ち……いい……です」
「環奈――」
「――ッん、はぁ……」
顎を掬い上げ、唇を重ねた俺たちは再び貪るように口付けを交わす。
「ん、ん……ッ」
「……ッかんな……」
キスだけじゃ物足り無くなった俺は指を下腹部から下へと這わせ、下着の上から環奈の秘部をなぞるように触れると、
「ッあぁん、や……そこ、だめ……ッ」
布越しでも分かる程に濡れているから恥ずかしいのか、慌てて俺の手を掴んできた。
0
あなたにおすすめの小説
鬼隊長は元お隣女子には敵わない~猪はひよこを愛でる~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「ひなちゃん。
俺と結婚、しよ?」
兄の結婚式で昔、お隣に住んでいた憧れのお兄ちゃん・猪狩に再会した雛乃。
昔話をしているうちに結婚を迫られ、冗談だと思ったものの。
それから猪狩の猛追撃が!?
相変わらず格好いい猪狩に次第に惹かれていく雛乃。
でも、彼のとある事情で結婚には踏み切れない。
そんな折り、雛乃の勤めている銀行で事件が……。
愛川雛乃 あいかわひなの 26
ごく普通の地方銀行員
某着せ替え人形のような見た目で可愛い
おかげで女性からは恨みを買いがちなのが悩み
真面目で努力家なのに、
なぜかよくない噂を立てられる苦労人
×
岡藤猪狩 おかふじいかり 36
警察官でSIT所属のエリート
泣く子も黙る突入部隊の鬼隊長
でも、雛乃には……?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました
せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~
救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。
どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。
乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。
受け取ろうとすると邪魔だと言われる。
そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。
医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。
最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇
作品はフィクションです。
本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる