95 / 356
4.絶賛、文化祭準備中
4-7
しおりを挟む
いつの間にか寝てしまっていた。
ガラッと保健室の扉が開く音が聞こえたけど、意識が朦朧としてて起きたくない、そう思って寝返りを打った。
「うぉっ!!!」
反対に寝返りを打ったはずなのに目の前に有太が座っていた。
「よぉ……」
気まずそうに小さく手を挙げた有太は、視線をそらしたまま「お前、大丈夫か?」 って……なんだよそれ。
最近全然話し掛けてこなかった奴が。
「大丈夫、ちょっと腹壊しただけ、薬もらって寝てたら落ちついたから、次の授業は出られる」
「そっか。珍しいな。お前が腹下すなんて」
有太はそれだけ言って保健室を出て行こうとした。
「有太っ」
ここに来てから目を合わせてくれない。
「なに」
「あ、え、っと……」
チラッとこっちに顔を向けた有太は「もう、行くよ。様子見に来ただけだから」そう言って出て行った。
「なんっ……」
夏休みは夏期講習と、こっそり始めた短期のバイトとで、有太とろくに遊ぶことがなかったせいか、微妙な溝が出来た気がする。
休み時間になっても、こっちに来ることが少なくなったし、帰りも三年になって部活ももうないはずなのに、部活行ってくると言って、一緒に帰らない。
有太がいないと、本格的に一人になる。
静かでいいけど、少し調子が狂う。
なんで俺が、こんな気分になるんだ。
おかしい。
髪の毛を掻き毟りながら「あぁぁ!!」って叫んでみても、全然頭から離れていかない。
有太と一緒に過ごさない日々なんてなかったのに、あの休日の一件があってから、余計とぎくしゃくしていると思う。
ちゃんと話をしていれば、もしかしたらこんな事にはならなかったかもしれないけど、話す場を作らせてもらえないのが正直なところ。
完全に今俺は、有太に避けられてる。 視線すら合わせてもらえないんだ。
あぁ、もぉーなんかもやもやするな。 こんな状況いつまで続くんだよ。
このまま卒業とか絶対に嫌だ。 有太とは、親友でいたいのに。
俺が勝手にそう思ってるだけかな。
ガラッと保健室の扉が開く音が聞こえたけど、意識が朦朧としてて起きたくない、そう思って寝返りを打った。
「うぉっ!!!」
反対に寝返りを打ったはずなのに目の前に有太が座っていた。
「よぉ……」
気まずそうに小さく手を挙げた有太は、視線をそらしたまま「お前、大丈夫か?」 って……なんだよそれ。
最近全然話し掛けてこなかった奴が。
「大丈夫、ちょっと腹壊しただけ、薬もらって寝てたら落ちついたから、次の授業は出られる」
「そっか。珍しいな。お前が腹下すなんて」
有太はそれだけ言って保健室を出て行こうとした。
「有太っ」
ここに来てから目を合わせてくれない。
「なに」
「あ、え、っと……」
チラッとこっちに顔を向けた有太は「もう、行くよ。様子見に来ただけだから」そう言って出て行った。
「なんっ……」
夏休みは夏期講習と、こっそり始めた短期のバイトとで、有太とろくに遊ぶことがなかったせいか、微妙な溝が出来た気がする。
休み時間になっても、こっちに来ることが少なくなったし、帰りも三年になって部活ももうないはずなのに、部活行ってくると言って、一緒に帰らない。
有太がいないと、本格的に一人になる。
静かでいいけど、少し調子が狂う。
なんで俺が、こんな気分になるんだ。
おかしい。
髪の毛を掻き毟りながら「あぁぁ!!」って叫んでみても、全然頭から離れていかない。
有太と一緒に過ごさない日々なんてなかったのに、あの休日の一件があってから、余計とぎくしゃくしていると思う。
ちゃんと話をしていれば、もしかしたらこんな事にはならなかったかもしれないけど、話す場を作らせてもらえないのが正直なところ。
完全に今俺は、有太に避けられてる。 視線すら合わせてもらえないんだ。
あぁ、もぉーなんかもやもやするな。 こんな状況いつまで続くんだよ。
このまま卒業とか絶対に嫌だ。 有太とは、親友でいたいのに。
俺が勝手にそう思ってるだけかな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる