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波濤(はとう)
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カエルムの村を出たラザールは、散歩と称して船を南へ向けた。
ラザールが乗って来たネーレウス号の乗組員は、もちろんリヴィエール出身の者たちばかりだったが、軍艦に乗り第一線に出るにはまだまだ若い見習いが多かった。
彼らは、ラザールや引退間近だという航海長にしょっちゅう怒られていたが、怒られるのがむしろ嬉しそうだった。
どうやら、勇猛で知られるラザールの船に乗っているというだけで、彼らにとっては無上の喜びらしい。
体調は大丈夫なのかと心配するメルリーナをよそに、ラザールは船乗りは潮風に吹かれると生き返るのだと言って、甲板を歩き回り、夜はメルリーナとチェスをして、今まで寝込んでいたのが嘘のように元気だった。
さすがに昔のように、一日中甲板に立っていることは無理だったが、朝昼晩と乗組員が交代するときには必ず労をねぎらい、注意を怠らないよう喝を入れるために甲板へ出て、陽光に輝く海を眺めて満足そうに笑っていた。
不慣れではあるが船長のラザールの指示に忠実な乗組員たちは、ネーレウス号を支障なく操って、アンテメール海を横切り、ものの三日でウィスバーデンへと辿り着いた。
「あの有様で、よく沈まずに辿り着いたな」
シーフブレムゼの沖合に停泊するヴァンガード号を見たラザールは、ブラッドフォードでなければとっくに沈んでいただろうと感心しながら無精髭を生やした顎を摩った。
「まぁ、修理にはだいぶかかるだろうがな……」
ヴァンガード号の船首の斜檣は折れ、ボロボロになった帆があらかた取り外されたマストはまるで枯れ木のようだった。
船尾に飾られていた像も欠け、何を象っていたのかわからない。
一見して船体に大きな損傷はないように見えるが、砲門はいくつか駄目になっているし、甲板にも大きな穴が開いているとラザールは指摘した。
みんな無事だろうかとメルリーナは不安になる。
ここにいるということは、海賊たちとの戦いには勝利したのだろうけれど、全員が無事とは限らない。
「この状態じゃ、大人しく港に引っ込んでいるしかないだろう」
ウィスバーデンも不穏な情勢にじっとしているだけでなく、陸ではリーフラントとの国境に軍を進め、そこからエナレスを狙っている。
海軍は、リヴィエール以上にでしゃばるつもりはないらしく、申し訳程度にアンテメールの東側をウロウロしているのだが、まったくもってウィスバーデンの海軍はブラッドフォード以外は間抜け揃いだとラザールは酷評した。
「しかし……これが海賊だったら、どうする気なのだ」
ラザールは、砲門を閉じているとはいえ、どこをどう見ても商船には見えない船が、あっさりシーフブレムゼに侵入を許されたことに呆れていた。
「で、でも、もしかしたらラザール様だってわかっていて……」
「それはないだろう。あの慌てぶりだ」
ラザールは、慌ててこちらへ向かって来るボートを示した。
そこには、見慣れた海兵隊員の制服を着た兵士たちがぎっしりと詰まっている。
「阿呆か、あいつらは。砲撃用意」
無造作に命ずるラザールにメルリーナは仰天した。
「ら、ラザール様っ!?」
「なに、ちょっと脅してやるだけだ」
にやりと笑うラザールに、メルリーナは慌てて首を振る。
「だ、駄目ですっ! も、もしかしたら、ヴァンガード号の人かもしれないし、も、もしかしたら……」
「ちょっと水飛沫を立てるだけ……」
「駄目ですっ!」
「……」
メルリーナの強硬な反対意見に不服そうな顔をするラザールは、ディオンにそっくりだ。
「砲門を閉じなければ、撃つぞっ!」
「どこの船だっ! 旗を見せろっ!」
わいわいとボートから喚く声が間近に聞こえ、ラザールは渋々リヴィエールの旗を揚げろと命じた。
「面白くないな……」
ぼそっと呟くのを聞きつけたメルリーナが目を剥くと、ついでに白旗を振ってやれと言い添えた。
「ああ……間抜け面をさらしていたのも、ブラッドフォードがいるからか」
ラザールの視線の先を追えば、停泊していたヴァンガード号の砲門が開き、こちらを狙っているのが見えた。
「動き回れないなら、おびき寄せる。それなりに頭は働くようだ」
縄梯子を投げ、海兵隊の指揮官に上って来るように伝えさせたラザールは、メルリーナをじっと見つめ妙なことを尋ねる。
「メルリーナは、ディオンでいいんだな?」
「……?」
一体何の話だと首を傾げれば、「うーん」と唸って天を仰いだ。
「マクシムの代わりとしては、メルリーナにはよりよい相手を選ばせてやりたいところだが、孫もカワイイ身としては、どうしてもなぁ……。あれは、ヒヨッコではあるが、まだまだ伸びしろはあるはずだし、そう悪い男にもならんだろうし、何よりメルリーナ以外目に入らないようだし……」
「あの、ラザール様?」
「別に、メルリーナを送り届けたのはそういうわけではないからな」
どういうわけだと目を瞬いていると聞き慣れた声で呼ばれた。
「メルっ!」
やっぱり乗っていたのかと、振り返ったメルリーナは予想通りに現れたゲイリーの姿を見つけて、微笑んだ。
「ゲイリーさん!」
ゲイリーは、いつものようにきっちり軍服を着込んでいたが、珍しく無精髭も生やしっぱなし、髪も乱れている。
いつもは優しい眼差しの緑の瞳はキラキラというよりギラギラと光り、王子様は王子様でも、海賊の王子様のようだ。
こっちの方が似合っている気がすると思ったメルリーナは、強張った表情のまま大股であっという間に目の前までやって来たゲイリーに捕まった。
「……っ!」
がっちりと両手で両腕を掴まれ、じっと見つめられる。
緑の瞳に、苛立ちや怒りといったゲイリーが普段見せない感情が渦巻いているのを見て、メルリーナは真っ先に伝えなくてはと思っていたことを口にした。
「……あ、あの……い、言いつけを守らなくて……ごめん、なさい」
「ああ、まったくだね」
冷ややかな声で言われ、ビクリと身体を強張らせると腕を掴んだ手に一層力が込められる。
とても怒っているようで、それはきっと心配してくれていたからで、全部自分が悪い。
「そ、その……し、心配、を……」
「メル。ちょっと黙っててくれるかな?」
とにかく謝ろうとしたけれど、ゲイリーに黙れと言われ、震えそうになる唇を引き結んだ。
じわり、と滲む涙が零れないよう瞬きしたとき、ゲイリーが大きく息を吐き、メルリーナの肩に額を乗せた。
「メル……もう、銃は手にしちゃ駄目だ」
「はい」
「海に落ちるのも、駄目だ」
「は……はい」
落ちたくて落ちたわけではないけれど、と思いながらもメルリーナは頷いた。
とにかく、ゲイリーには多大なる迷惑と心配をかけたのだから、その声から険しさが取れ、落ち着くまで逆らわないでおこうと思った。
「乗組員たちを助けるのに、危ない真似をするのも駄目だ。ヤツラは見捨てて構わない」
「は……い」
「ブラッドも含む」
「……は、はい……」
「エメリヒも」
「……はい」
「船室からは、極力出ないこと」
それは無理だと思ったけれど、「はい」と小さく頷いた。
ゲイリーは、メルリーナが逆らわないと気付いたのか、急にその声音を変えた。
「それから……ちょっと抱きしめてもいいかな?」
「は……っ!?」
それは話が違う、と思ったときにはもう抱きしめられていた。
ディオンよりも硬質で力強い腕にがっちりと抱えられ、一瞬硬直したけれど、頭上に落ちるゲイリーの吐息が震えていることに気が付いた。
「生きていてくれて……ありがとう」
小さな呟きが聞こえた一瞬の後、ゲイリーはあっさりメルリーナを解放した。
見上げたゲイリーは、柔らかな笑みを浮かべたいつものゲイリーだった。
「じゃあ、再会のキスを……」
「駄目です」
にやりと笑ったゲイリーに即答すれば、軽く声を上げて笑った。
「冗談だよ。とてもじゃないが、リヴィエール前公爵の前でそんな真似をするほど、命知らずじゃないからね。しっかし、どうやってメルを見つけたんです?」
「日頃の行いがいいと、幸運が転がり込んで来るのだ。メルリーナの用を足して、海賊どもの相手をしているディオンの尻を叩きに行く。大人しく言うことを聞くというのなら、おまえたちを乗せてやらんこともないぞ。……ただし、モタモタしている奴は置いて行く。さっさとメルリーナを待っている人物のところへ案内しろ」
ラザールの驚くべき提案にゲイリーは眉を引き上げるとにやりと笑い、敬礼した。
「了解! 船長」
ラザールが乗って来たネーレウス号の乗組員は、もちろんリヴィエール出身の者たちばかりだったが、軍艦に乗り第一線に出るにはまだまだ若い見習いが多かった。
彼らは、ラザールや引退間近だという航海長にしょっちゅう怒られていたが、怒られるのがむしろ嬉しそうだった。
どうやら、勇猛で知られるラザールの船に乗っているというだけで、彼らにとっては無上の喜びらしい。
体調は大丈夫なのかと心配するメルリーナをよそに、ラザールは船乗りは潮風に吹かれると生き返るのだと言って、甲板を歩き回り、夜はメルリーナとチェスをして、今まで寝込んでいたのが嘘のように元気だった。
さすがに昔のように、一日中甲板に立っていることは無理だったが、朝昼晩と乗組員が交代するときには必ず労をねぎらい、注意を怠らないよう喝を入れるために甲板へ出て、陽光に輝く海を眺めて満足そうに笑っていた。
不慣れではあるが船長のラザールの指示に忠実な乗組員たちは、ネーレウス号を支障なく操って、アンテメール海を横切り、ものの三日でウィスバーデンへと辿り着いた。
「あの有様で、よく沈まずに辿り着いたな」
シーフブレムゼの沖合に停泊するヴァンガード号を見たラザールは、ブラッドフォードでなければとっくに沈んでいただろうと感心しながら無精髭を生やした顎を摩った。
「まぁ、修理にはだいぶかかるだろうがな……」
ヴァンガード号の船首の斜檣は折れ、ボロボロになった帆があらかた取り外されたマストはまるで枯れ木のようだった。
船尾に飾られていた像も欠け、何を象っていたのかわからない。
一見して船体に大きな損傷はないように見えるが、砲門はいくつか駄目になっているし、甲板にも大きな穴が開いているとラザールは指摘した。
みんな無事だろうかとメルリーナは不安になる。
ここにいるということは、海賊たちとの戦いには勝利したのだろうけれど、全員が無事とは限らない。
「この状態じゃ、大人しく港に引っ込んでいるしかないだろう」
ウィスバーデンも不穏な情勢にじっとしているだけでなく、陸ではリーフラントとの国境に軍を進め、そこからエナレスを狙っている。
海軍は、リヴィエール以上にでしゃばるつもりはないらしく、申し訳程度にアンテメールの東側をウロウロしているのだが、まったくもってウィスバーデンの海軍はブラッドフォード以外は間抜け揃いだとラザールは酷評した。
「しかし……これが海賊だったら、どうする気なのだ」
ラザールは、砲門を閉じているとはいえ、どこをどう見ても商船には見えない船が、あっさりシーフブレムゼに侵入を許されたことに呆れていた。
「で、でも、もしかしたらラザール様だってわかっていて……」
「それはないだろう。あの慌てぶりだ」
ラザールは、慌ててこちらへ向かって来るボートを示した。
そこには、見慣れた海兵隊員の制服を着た兵士たちがぎっしりと詰まっている。
「阿呆か、あいつらは。砲撃用意」
無造作に命ずるラザールにメルリーナは仰天した。
「ら、ラザール様っ!?」
「なに、ちょっと脅してやるだけだ」
にやりと笑うラザールに、メルリーナは慌てて首を振る。
「だ、駄目ですっ! も、もしかしたら、ヴァンガード号の人かもしれないし、も、もしかしたら……」
「ちょっと水飛沫を立てるだけ……」
「駄目ですっ!」
「……」
メルリーナの強硬な反対意見に不服そうな顔をするラザールは、ディオンにそっくりだ。
「砲門を閉じなければ、撃つぞっ!」
「どこの船だっ! 旗を見せろっ!」
わいわいとボートから喚く声が間近に聞こえ、ラザールは渋々リヴィエールの旗を揚げろと命じた。
「面白くないな……」
ぼそっと呟くのを聞きつけたメルリーナが目を剥くと、ついでに白旗を振ってやれと言い添えた。
「ああ……間抜け面をさらしていたのも、ブラッドフォードがいるからか」
ラザールの視線の先を追えば、停泊していたヴァンガード号の砲門が開き、こちらを狙っているのが見えた。
「動き回れないなら、おびき寄せる。それなりに頭は働くようだ」
縄梯子を投げ、海兵隊の指揮官に上って来るように伝えさせたラザールは、メルリーナをじっと見つめ妙なことを尋ねる。
「メルリーナは、ディオンでいいんだな?」
「……?」
一体何の話だと首を傾げれば、「うーん」と唸って天を仰いだ。
「マクシムの代わりとしては、メルリーナにはよりよい相手を選ばせてやりたいところだが、孫もカワイイ身としては、どうしてもなぁ……。あれは、ヒヨッコではあるが、まだまだ伸びしろはあるはずだし、そう悪い男にもならんだろうし、何よりメルリーナ以外目に入らないようだし……」
「あの、ラザール様?」
「別に、メルリーナを送り届けたのはそういうわけではないからな」
どういうわけだと目を瞬いていると聞き慣れた声で呼ばれた。
「メルっ!」
やっぱり乗っていたのかと、振り返ったメルリーナは予想通りに現れたゲイリーの姿を見つけて、微笑んだ。
「ゲイリーさん!」
ゲイリーは、いつものようにきっちり軍服を着込んでいたが、珍しく無精髭も生やしっぱなし、髪も乱れている。
いつもは優しい眼差しの緑の瞳はキラキラというよりギラギラと光り、王子様は王子様でも、海賊の王子様のようだ。
こっちの方が似合っている気がすると思ったメルリーナは、強張った表情のまま大股であっという間に目の前までやって来たゲイリーに捕まった。
「……っ!」
がっちりと両手で両腕を掴まれ、じっと見つめられる。
緑の瞳に、苛立ちや怒りといったゲイリーが普段見せない感情が渦巻いているのを見て、メルリーナは真っ先に伝えなくてはと思っていたことを口にした。
「……あ、あの……い、言いつけを守らなくて……ごめん、なさい」
「ああ、まったくだね」
冷ややかな声で言われ、ビクリと身体を強張らせると腕を掴んだ手に一層力が込められる。
とても怒っているようで、それはきっと心配してくれていたからで、全部自分が悪い。
「そ、その……し、心配、を……」
「メル。ちょっと黙っててくれるかな?」
とにかく謝ろうとしたけれど、ゲイリーに黙れと言われ、震えそうになる唇を引き結んだ。
じわり、と滲む涙が零れないよう瞬きしたとき、ゲイリーが大きく息を吐き、メルリーナの肩に額を乗せた。
「メル……もう、銃は手にしちゃ駄目だ」
「はい」
「海に落ちるのも、駄目だ」
「は……はい」
落ちたくて落ちたわけではないけれど、と思いながらもメルリーナは頷いた。
とにかく、ゲイリーには多大なる迷惑と心配をかけたのだから、その声から険しさが取れ、落ち着くまで逆らわないでおこうと思った。
「乗組員たちを助けるのに、危ない真似をするのも駄目だ。ヤツラは見捨てて構わない」
「は……い」
「ブラッドも含む」
「……は、はい……」
「エメリヒも」
「……はい」
「船室からは、極力出ないこと」
それは無理だと思ったけれど、「はい」と小さく頷いた。
ゲイリーは、メルリーナが逆らわないと気付いたのか、急にその声音を変えた。
「それから……ちょっと抱きしめてもいいかな?」
「は……っ!?」
それは話が違う、と思ったときにはもう抱きしめられていた。
ディオンよりも硬質で力強い腕にがっちりと抱えられ、一瞬硬直したけれど、頭上に落ちるゲイリーの吐息が震えていることに気が付いた。
「生きていてくれて……ありがとう」
小さな呟きが聞こえた一瞬の後、ゲイリーはあっさりメルリーナを解放した。
見上げたゲイリーは、柔らかな笑みを浮かべたいつものゲイリーだった。
「じゃあ、再会のキスを……」
「駄目です」
にやりと笑ったゲイリーに即答すれば、軽く声を上げて笑った。
「冗談だよ。とてもじゃないが、リヴィエール前公爵の前でそんな真似をするほど、命知らずじゃないからね。しっかし、どうやってメルを見つけたんです?」
「日頃の行いがいいと、幸運が転がり込んで来るのだ。メルリーナの用を足して、海賊どもの相手をしているディオンの尻を叩きに行く。大人しく言うことを聞くというのなら、おまえたちを乗せてやらんこともないぞ。……ただし、モタモタしている奴は置いて行く。さっさとメルリーナを待っている人物のところへ案内しろ」
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「了解! 船長」
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