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2章
55話 遺子を継ぐもの
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あれから数分だが、決定を押し切るというのが中々に苦悩した。
何だかんだで愛着はあったわけだし、銃を作るまでの間、私を守り続けてきたと言っても過言ではないからだ。しかしここでいつまでも足踏みをしていく訳にもいかない。
銃剣という部分だけのメリットしかない状態で持ち替えの手間を考えていけばしょうがない、効率を考えれば一つにするべきなんだ。いつの日か金属薬莢の銃弾を作れればその時戻せばいいだけさ。
『M2ラビットを分解しますか?』
勿論「Yes」だ。
名称:銃身(質5)
詳細:金属薬莢式銃 ライフリング 照準 ガス圧自動装填付き
:ベースパーツに使用するとM2ラビットが製造される
名称:銃床(質5)
詳細:木製の長銃用銃床 トリガー ストック付き
:ベースパーツに使用すると武器種「長銃」が製造される
『固定に使用していた金属パーツが消失しました』
レベルが上がればこの辺りのパーツとかも回収可能なのだろうか?どっちにしろ、ウサ銃を復元する時には針金を使わない方法を模索しないと行けない。が、今はそんな事よりも鉄パイプ銃身を新しく製造しなければならない。
ガンスミスのメニューを開いて使うパーツや材料を選択していく。今回使うのは鉄パイプ銃身にさっきばらしたウサ銃の銃床、固定部分は相変わらず針金を使うわけだが。これも命中率が低下する原因の一つだとは思う。ばらしたウサ銃の金属パーツがどんなものだったかもうちょっと調べておけばよかったか?
とにかく選択は終わり、製造処理が開始され、しばらくすると完了する。
流石にレンジの様に「チーン」とベル音が鳴ったりはしないが。
名称:パイプライフル 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX10
攻撃力:+15 命中:+0
効果:単発 命中時固定ダメージ25 装弾数1発 先込め式 火刻印
付属品:無し
詳細:自作の銃 使用パーツにより安定度が上昇 トリガー連動で刻印を発動可能
:使用している固定パーツの関係で一定確率で故障する
製作者:アカメ
銃床の部分で武器種が変わるというのはパーツにばらしたときに分かっていたが、これは良い情報だ。と言うか改めてウサ銃をばらしたのは良い選択だったかもしれない。新しい発見とパーツ流用という新しい技術もできるわけだし、消耗部分である固定に使う物は今後の課題だろうけど実りは多かった。
出来上がったパイプライフルを構える、左脇は開き過ぎない、右腋を締めてぶれない様に。ストックの底は肩にしっかりと当て、頭は斜めにならないようにしながら照準を真っすぐ確認する。と、まあ構え方はもっとしっかりあるわけだが、とりあえず形にはなっている。ついでに言えば撃って当たるなら何でもいいと思っている。
ついでにトリガーを何度か引いてみると一回引くたびにMPが3消費される。これ結構やばいかもしれない。流石に着火不良の不発って事はないだろうけど、うっかりトリガー何度も引いてMP枯渇なんてしたら銃撃なんて言ってられないぞ。
「……MP消費のライターみたいなもんだなあ……」
引きっぱなしでも連続発動はしないのだが、火薬の着火不良まで考えると2度は引いておきたい。一発MP6も使うのか……5回しか引けないっていうのに。かといってMPを増やすのはないな、INT1でMP2、LV3毎にMP1増えるが、最低でも2回ステ振らなきゃいけないわけだし、この辺はMPポーション用意しておくか。
後はこのパイプライフルをカスタマイズだ。ウサ銃と一緒でカスタマイズの画面を出し、アイテムを選択、今回はガサツエルフのナイフを使ってみる。銃身の下部に付くわけだが、ベースとしてウサ銃の銃床なのでいつもとあまり変わらない。
名称:カスタムパイプライフル 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX10
攻撃力:+15 命中:+0
効果:単発 命中時固定ダメージ25 装弾数1発 先込め式 火刻印
付属品:ナイフ改(効果:攻撃力+5 命中+5 固定ダメージ無効 一定確率で破損)
詳細:自作の銃 使用パーツにより安定度が上昇 トリガー連動で刻印を発動可能
:使用している固定パーツの関係で一定確率で故障する
製作者:アカメ
この情報量よ、このままいったらすげえ量になりそうだが、とりあえずイベント用としてはこの辺りが限界だろう、時間的にも材料的にも。
「とりあえず北エリア1で試射してから戻って、防具作り、硝石狩りでいいかな」
インベントリにパイプライフルを仕舞い、減っていた満腹度をMREで処理、ああ……まずい……。とにかく武器面での準備はこれでいいだろう、火薬部分だけは常に取りに行く必要があるわけだが、ついでにこのまま今持っている硝石も黒色火薬にしておく。合計で黒色火薬100gこれで33発分。
「これでリアルタイム1時間掛からないくらいか……大分時短にはなったな」
余裕のできた時間で裁縫タイムだ。先にアクセサリー類を揃えてガンベルトや火薬を一発毎に使い分けできるようなものを作るのもありかもしれない。とにかく一旦、このパイプライフルを確かめてみよう。
お馴染みの北エリア1。
そこそこ早く動き回るノンアクティブがいるおかげで、攻撃が当たらなければ普通に逃げれるという点も優れている。
手頃な相手を見つける前に火薬の小袋を取り出しパイプライフルに黒色火薬を3g、くず鉄玉を入れて詰める。これもいつも通り……なのだが短銃から長銃カテゴリになったせいか若干取り回しが大変になっている。この部分は単純に銃床の大きさと重量が増えたからだろう。
先込めのデメリットは湿気るというのもあるが、連射できないのがやはり一番大きい。戦闘中にこのもたつき装填はやってられないな、せめて犬野郎みたいな盾役がいないと無理だ。
「軽めの展開タワーシールドとかほしくなるわね……三脚《トライポッド》とか二脚《バイポッド》でもいいけど、輝き撃ち出来るのもいいかも」
実際は乗せてないあれだが、折角のライフルなら長距離射撃の装備も揃えておきたい。そんな事を考えつつ、装填を終えると手頃なラビットを見つけたので、大体15m程の距離を取った所で片膝をついて、さっきやった構え方をし狙いを付ける。
照準が付いたおかげかかなり狙いはつけやすくなった、案外できてるじゃん私。細かい手のブレや振動を感じながらもラビットを捉えた上で深く静かに息を吐き出し止める。時間にして数秒だが、それなりに長く感じるほどだ。
ゆっくりと引き金を絞り、絞り切ると1秒程度のタイムラグの後、爆発音と共に白煙と閃光が銃口から噴き出る。流石ゲーム、考えていた着火不良とかはなさそうだ。しっかりMPは3消費したが。
「びしっ」と音が鳴ると同時にラビットの悲痛な叫び声が北エリア1の一角で響く。うむ、しっかり命中したようだ、そして流石の攻撃力と固定ダメージ、一撃でポリゴン状になって消失していく。
懸念していた振動や衝撃に関しては何も無いときに比べて圧倒的に抑え込めるようになった。
「と、思ったけど、結構来るわ」
びりびりとした感覚が手に伝わってくるが、初代パイプ銃よりはぜんぜん大丈夫だ。やっぱり完成品のパーツを使っているだけあって安定度は高い。とは言え、一発の試射しか確認しなかったが、これなら申し分ないし、大丈夫だろう。
「銃剣も大丈夫そうだし、武器は十分だろう」
これで完成、イベントがどういう物かはいまだに不明だが、パイプ銃よりはマシさ。
さて、次は防具を作らないといけないな……1時間程度採取しまくってから裁縫ギルドに行ってやろう。
残り11時間。
何だかんだで愛着はあったわけだし、銃を作るまでの間、私を守り続けてきたと言っても過言ではないからだ。しかしここでいつまでも足踏みをしていく訳にもいかない。
銃剣という部分だけのメリットしかない状態で持ち替えの手間を考えていけばしょうがない、効率を考えれば一つにするべきなんだ。いつの日か金属薬莢の銃弾を作れればその時戻せばいいだけさ。
『M2ラビットを分解しますか?』
勿論「Yes」だ。
名称:銃身(質5)
詳細:金属薬莢式銃 ライフリング 照準 ガス圧自動装填付き
:ベースパーツに使用するとM2ラビットが製造される
名称:銃床(質5)
詳細:木製の長銃用銃床 トリガー ストック付き
:ベースパーツに使用すると武器種「長銃」が製造される
『固定に使用していた金属パーツが消失しました』
レベルが上がればこの辺りのパーツとかも回収可能なのだろうか?どっちにしろ、ウサ銃を復元する時には針金を使わない方法を模索しないと行けない。が、今はそんな事よりも鉄パイプ銃身を新しく製造しなければならない。
ガンスミスのメニューを開いて使うパーツや材料を選択していく。今回使うのは鉄パイプ銃身にさっきばらしたウサ銃の銃床、固定部分は相変わらず針金を使うわけだが。これも命中率が低下する原因の一つだとは思う。ばらしたウサ銃の金属パーツがどんなものだったかもうちょっと調べておけばよかったか?
とにかく選択は終わり、製造処理が開始され、しばらくすると完了する。
流石にレンジの様に「チーン」とベル音が鳴ったりはしないが。
名称:パイプライフル 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX10
攻撃力:+15 命中:+0
効果:単発 命中時固定ダメージ25 装弾数1発 先込め式 火刻印
付属品:無し
詳細:自作の銃 使用パーツにより安定度が上昇 トリガー連動で刻印を発動可能
:使用している固定パーツの関係で一定確率で故障する
製作者:アカメ
銃床の部分で武器種が変わるというのはパーツにばらしたときに分かっていたが、これは良い情報だ。と言うか改めてウサ銃をばらしたのは良い選択だったかもしれない。新しい発見とパーツ流用という新しい技術もできるわけだし、消耗部分である固定に使う物は今後の課題だろうけど実りは多かった。
出来上がったパイプライフルを構える、左脇は開き過ぎない、右腋を締めてぶれない様に。ストックの底は肩にしっかりと当て、頭は斜めにならないようにしながら照準を真っすぐ確認する。と、まあ構え方はもっとしっかりあるわけだが、とりあえず形にはなっている。ついでに言えば撃って当たるなら何でもいいと思っている。
ついでにトリガーを何度か引いてみると一回引くたびにMPが3消費される。これ結構やばいかもしれない。流石に着火不良の不発って事はないだろうけど、うっかりトリガー何度も引いてMP枯渇なんてしたら銃撃なんて言ってられないぞ。
「……MP消費のライターみたいなもんだなあ……」
引きっぱなしでも連続発動はしないのだが、火薬の着火不良まで考えると2度は引いておきたい。一発MP6も使うのか……5回しか引けないっていうのに。かといってMPを増やすのはないな、INT1でMP2、LV3毎にMP1増えるが、最低でも2回ステ振らなきゃいけないわけだし、この辺はMPポーション用意しておくか。
後はこのパイプライフルをカスタマイズだ。ウサ銃と一緒でカスタマイズの画面を出し、アイテムを選択、今回はガサツエルフのナイフを使ってみる。銃身の下部に付くわけだが、ベースとしてウサ銃の銃床なのでいつもとあまり変わらない。
名称:カスタムパイプライフル 武器種:長銃
必要ステータス:STR5 DEX10
攻撃力:+15 命中:+0
効果:単発 命中時固定ダメージ25 装弾数1発 先込め式 火刻印
付属品:ナイフ改(効果:攻撃力+5 命中+5 固定ダメージ無効 一定確率で破損)
詳細:自作の銃 使用パーツにより安定度が上昇 トリガー連動で刻印を発動可能
:使用している固定パーツの関係で一定確率で故障する
製作者:アカメ
この情報量よ、このままいったらすげえ量になりそうだが、とりあえずイベント用としてはこの辺りが限界だろう、時間的にも材料的にも。
「とりあえず北エリア1で試射してから戻って、防具作り、硝石狩りでいいかな」
インベントリにパイプライフルを仕舞い、減っていた満腹度をMREで処理、ああ……まずい……。とにかく武器面での準備はこれでいいだろう、火薬部分だけは常に取りに行く必要があるわけだが、ついでにこのまま今持っている硝石も黒色火薬にしておく。合計で黒色火薬100gこれで33発分。
「これでリアルタイム1時間掛からないくらいか……大分時短にはなったな」
余裕のできた時間で裁縫タイムだ。先にアクセサリー類を揃えてガンベルトや火薬を一発毎に使い分けできるようなものを作るのもありかもしれない。とにかく一旦、このパイプライフルを確かめてみよう。
お馴染みの北エリア1。
そこそこ早く動き回るノンアクティブがいるおかげで、攻撃が当たらなければ普通に逃げれるという点も優れている。
手頃な相手を見つける前に火薬の小袋を取り出しパイプライフルに黒色火薬を3g、くず鉄玉を入れて詰める。これもいつも通り……なのだが短銃から長銃カテゴリになったせいか若干取り回しが大変になっている。この部分は単純に銃床の大きさと重量が増えたからだろう。
先込めのデメリットは湿気るというのもあるが、連射できないのがやはり一番大きい。戦闘中にこのもたつき装填はやってられないな、せめて犬野郎みたいな盾役がいないと無理だ。
「軽めの展開タワーシールドとかほしくなるわね……三脚《トライポッド》とか二脚《バイポッド》でもいいけど、輝き撃ち出来るのもいいかも」
実際は乗せてないあれだが、折角のライフルなら長距離射撃の装備も揃えておきたい。そんな事を考えつつ、装填を終えると手頃なラビットを見つけたので、大体15m程の距離を取った所で片膝をついて、さっきやった構え方をし狙いを付ける。
照準が付いたおかげかかなり狙いはつけやすくなった、案外できてるじゃん私。細かい手のブレや振動を感じながらもラビットを捉えた上で深く静かに息を吐き出し止める。時間にして数秒だが、それなりに長く感じるほどだ。
ゆっくりと引き金を絞り、絞り切ると1秒程度のタイムラグの後、爆発音と共に白煙と閃光が銃口から噴き出る。流石ゲーム、考えていた着火不良とかはなさそうだ。しっかりMPは3消費したが。
「びしっ」と音が鳴ると同時にラビットの悲痛な叫び声が北エリア1の一角で響く。うむ、しっかり命中したようだ、そして流石の攻撃力と固定ダメージ、一撃でポリゴン状になって消失していく。
懸念していた振動や衝撃に関しては何も無いときに比べて圧倒的に抑え込めるようになった。
「と、思ったけど、結構来るわ」
びりびりとした感覚が手に伝わってくるが、初代パイプ銃よりはぜんぜん大丈夫だ。やっぱり完成品のパーツを使っているだけあって安定度は高い。とは言え、一発の試射しか確認しなかったが、これなら申し分ないし、大丈夫だろう。
「銃剣も大丈夫そうだし、武器は十分だろう」
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