最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

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9章

247話 脱出1ルート

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 謎解きって頭を使うって言うか発想をどう変えらえるかと言う話になる。
 柔軟にあれこれかんがえて問題を解いていくってのは分かるけど、それにしてもよ。


【問題2】
72+99→27+45→18+39→21+36→(?)+28→13+21→7
(?)の数字を埋めよ


 文章で見るとまた分かりにくいな、これは。
 いや、それでも問題としてはまだ分かりやすい計算系だから良いのか。これが文章問題や嘘つきを探す会話系の問題になってくると私は手が出ない気がする。

 とりあえず手元の端末に表示されている問題を見ながらその場に座って考え込む。
 そもそも72と99を足して何で27になるのかって所の答えを出したら後は簡単っぽいな。それを当てはめていくだけ?それとも数字の減少に規則性があるとか……。

 せめてこのマップ、考えられるようにベンチの一つくらい用意してくれてもいいってのになあ。
 ひとまず四則計算を全部当てはめて、それっぽい答えを導き出して、と。

「脳みそが疲れる」

 葉巻を唇で上下に揺らしながら辺りを紫煙で燻らせていく。
 しばらくその場で考え込み、他のプレイヤーの入退出を何回か見てから端末に答えを書き、ドアの前で認証。相変わらず間の抜けた正解音が響いてドアが開く。
 そういえば他の正解者に合わせて一緒にドアを通過しようとした不届き物がいたが、ペナルティを貰ってリタイア扱いされていた。この運営、不正や迷惑行為に関してすげえ厳しいのは好感が持てる。
 
 で、サクサクっと次の問題……って訳でもないか。
 それにしても、疑問なのだが、いくら増産してプレイヤーが増えたからっていきなりこのイベントはどうなんだろうな。
 新旧プレイヤー揃ってみんなで大型ボスを倒しましょう!ってものでも良かった気がするのだが、あれはあれで結局古参が幅を利かせるからやめたって事か。

「何にせよ、そこを考えるのは運営であって私の仕事ではないわな」

 ふいーっと一息ついてから次の問題に。
 何だかんだでそんなに時間掛からないで突破出来ているので非常にさくさく攻略。


 案外楽勝だと思いながら3個目の部屋に入ると、どこかで見たような、カラーリングの違うNPCが10人並んでいる。そしてすぐに端末に問題文のメールが届くのでそちらを確認する。


【問題3】
10人のNPCから正直者を探す。

10人中1人は「正直者」で、それ以外の9人は「気まぐれ」。
「正直者」はいつも本当のことを言う。
「気まぐれ」は気まぐれに本当のことを言ったり完全なウソをついたりする。

プレイヤーは10人の内1人に1度だけ質問が出来る。
なおNPCたちは互いの正体を知っている。

では、どういう質問をしたら正直者を探せるか?

(不正解の場合、正直者がランダムで入れ替わります)



「でたでた……こういう質問系の謎解き……算数してる方がまだ楽だったわ」

 しかも向こうが話して、嘘を見抜くっていうパターンじゃなくて、こっちから質問をして正解を当てるパターンの奴。
 さて、質問1回で1発勝負だが、どういう質問をしたら答えが出るかな。
 不正解ですぐにアウト退場じゃないので、適当に答えを書いて通るっていう謎解きなんてしったこっちゃねえって言う方法もあるにはあるのだが、そういうの含めてちゃんと正解してない答えだったり、屁理屈こねるってのは推理放棄してるから完全に負けだよな。

「さて、それを踏まえた上でどう質問するか」

 不正解でもペナルティが無いので手当たり次第に質問しまくっている奴もいるのだが、いまいち要領を掴めていないので正解には至っていない。うちの敏腕秘書なら、すぐに私ですって言ってくれるのになあ。
 とりあえず、どう正直者を探すかって話になるが……単純に質問してみたら案外あっさりと正解だったりするかもしれないな。

「失う物は時間だけだしな」

 NPCの前に行き、質問を1つ。
 質問したNPCが質問に対しての答えを言うのでそれを踏まえた上で、質問した内容を端末に書き入れてドアの前に行き認証……少しした後「ぶっぶー」とやはり間抜けな音をさせる。おかしいな、確かに正直者を見つけられた答えだったのだが、質問が違っていたか?
 
 もう一度先程した質問とは逆の質問でNPCに話しかけると、やはり答えを示してくれる。
 やっぱり正解自体は正しいっぽいので質問の仕方を間違えただけか。
 そう思い、もう1度答えの質問を書き込んだ端末をドアに認証させると、間抜けな正解音をさせて通過の許可が出る。

「やっぱ、私賢いわ」

 ふはーっと葉巻の煙を吐き出しながら4個目の部屋に進む。
 そういやこのドアって東西南北に一つずつ配置されているので、別のドアから他プレイヤーが同じ部屋に入るって場合もある。
 部屋の配置的には正方形の部屋を敷き詰めているんだろうけど、全体をみたらT2Wにおけるフィールドマップの構造ルールにもなるな。

 
 そんな事はさておき、サクッと進んで4個目の部屋。
 流石にプレイヤーがばらけているので私含めて数人しかいないのでゆっくり静かに物は考えられるだろう。


【問題4】
+-×÷()の6種類の記号の中から選んで左辺に使用し、等式を完成させましょう。
4 4 4 4=5


 おっと、純粋な計算か。文章問題と数学問題が入り混じっているのはいいんだが、頭の切り替えが大変過ぎるぞ。
 あー、こういう時に黒板やホワイトボード欲しくなる。そう言う事が出来そうな端末はそういう機能が無く、問題分と回答欄しかないのでまあ不便。
 こんな事なら文字を書く……ものはあるわ。

「そういやあったわ」

 端末の方ではなく、通常のメニューを開いてから、メモ帳を展開。
 わざわざ端末が別にあるって事はこういうマルチタスクが出来るって事だよな。
 で、この計算問題だが、ポイントは『()』の使い方と四則計算の基本って所か。最後が5になるって事だから、足し引き……いや、引き算は使わないな、えーっと、4の倍数からの割って……。

 そうして出した答えを端末に入れて認証。

「算数問題は基本が出来てないと突破できないんじゃないかしらねえ」

 間抜けな正解音を聞きながらふいーっと葉巻の紫煙を吐き出す。
 謎解きするたびに1~2本使うから、葉巻の消費量の方が問題になってきそうだ。


 5個目の部屋に入り、問題文を貰いつつ部屋を確認。
 どうにも殺風景な部屋を通り続けているが、そっちのほうで気が狂う奴とかいるんじゃないのか?

「ひたすら謎解きして、先進んでの繰り返しは中々の苦行」

 監獄にいた方がまだ健康的なゲームをしていたような気がするのだが、向こうは体の体操、こっちは頭の体操って所だな。
 よーしこい、5問目、私の脳みそはだいぶ削れているぞ。


【問題5】
100人乗りの飛行機がある。
100人の乗客たちは自分の座席番号が書かれたチケットを持っている。
だが、搭乗1人目の乗客はチケットを紛失したので、ランダムで選んだ席に勝手に座ってしまった。
2人目以降の乗客は、自分の席が空いているならそこに座り、空いていない場合には空席をランダムに選んで勝手に座る。
いま、最後の乗客(100人目)が飛行機に乗り込んだ。
この人物が自分のチケットの席に座れる確率は?


 チケット無くしてんじゃねえよばーか!搭乗券確認して乗るまでの間に無くしてんじゃねえよばーか!
 そういうのは答えじゃないって分かってるけど、無くしてんじゃねえよと言いたい。
 いや、謎解きの問題ってこういう、ツッコミ所の多い問題があるけど、それを突っ込んで答えを言うのはやっぱ無いな。
 
「最後の客が乗れる確率ってなあ……えーっと、ポイントは最後の客がちゃんと座れるかどうかって話で……」

 メモ帳と端末をだし、新しい葉巻を咥えて問題を考える。
 全員がちゃんと座れたか、それとも2~99人目が座れなかったかって話になるから、1人目と2~99人目が席を交換ってなら最後の客は乗れるから……あー……。


「多分こうだろ!」

 端末に解答を入れて認証。
 暫く待つと共に間抜けな正解音が聞こえると共に、大きく紫煙とため息を吐き出して一息つける。
 色々計算してたら結果的に30分くらい考えていたわ。こういうのって一回ハマると抜け出すの大変なんだよな。
 
 っていうか、あと何部屋でクリアするんだよ、このルートはよぉ!
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