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12章
316話 ファン感謝祭
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「なんでもできるからって変な物作りすぎですよ」
「だからこそ現実じゃ出来ないことをやるんでしょ」
そう言いながら焙烙玉を渡して投げろと言いつつ、ちんちくりんの頭に肘をついて体重を掛けてからあの辺がいいと指をさす。
「こうやって肘掛けにしてるのもですかー」
「丁度いいのよね、大きさ」
手渡しておいた焙烙玉に火を付けて、わざわざ投げさせ、派手な花火を打ち上げる。もうちょっと鉱石があれば色付けてもっと派手に出来るんだけど、所謂一般的なゲームで出てくる鉱石しか見つけられてないのがネックになっている。
「やっぱりいい火力出るわよね、私の爆弾って」
「そういえば初めて見たときは地面吹っ飛ばしてましたね」
「そんな事もあったなあ」
あの時は刻印銃と銃剣でよく立ちまわっていたもんだ。一か月前の話だけど、それでもなかなか昔のように感じるのは歳のせいかな。
「実は火炎瓶なんですけどアカメさんじゃない所から売りに来たんですよね」
「結構向こうの手が早いな……ちなみにどんなの?」
「えっとこれですね」
ちんちくりんのところのクラン員に前線を任せて、少し下がってからその売りきた火炎瓶を受け取り確認。この間見たものと一緒の0.2ℓ……ではないな0.1ℓ火炎瓶だ。消耗品は生産者の名前が表記されないので足が付かないってのも中々分かっているな。
「これ使ってみた?」
「中身が少ないんで動作のわりに、ですね。アカメさんが対人の時に使ってたものと比べるとお粗末にも程があります」
何て言うか、結構毒を平気で吐くようになってきたんだよなあ。まだまだゲーム初心者だったころの面影よりも、しっかりできる男になってきた気がする。
「中々言う様になってるじゃない」
「これでも大手クランのマスターなんですよ?」
ふふんとちょっと得意げな顔をするのでわしゃわしゃと撫でまわしてやる。私の気に障った事を恨むがいい。
「今どれくらい人数いるのよ」
「えーっと、132人ですね」
「100人超えてたら大手になるのか……うちなんて10人もいないのに」
「知ってるところだと1000人規模で、そこから副マスターが10人いて100人単位で管理してるって」
「うっわ、めんどくせえ……何かやらかしたら責任追及されんのトップじゃん」
人数が多いから管理しやすいように人数切って分けてるんだろうけど、そこまでして管理しなきゃいけないならソロでやってる方が楽だよ。確か150人くらいが人間覚えられる限界らしいから、其れ以上とかマジで無理。
「まあ、そう言う事は人数持ってる連中が悩めばいいから、今私の悩みは商売敵の話よ」
「ま、そうですね……まだ火炎瓶以外の物は持ってきてないですけど、数で責めてきてる感じです」
アルコール量を減らして数を揃えて儲けを出すって感じなのはちんちくりんも感じていたか。いや、確かに量を減らしてアルコール0.1ℓ当たりの値段を考えていくと数を増やして儲けを増やすってのは良い手段だな。
ただ、そのアイテムの信用度って部分を差し引かないと行けないのを考えると、儲けは出るけど次に続かない場合があるだろうに、その辺は全くもって考慮しないんだな。
「今回のイベントでとにかく人数の多い所を狙って売りまくる手法かあ……プレイヤーも多いし、大手回ったらダメージは少ないか」
「イベント後に使うか使わないかで言えば、使わないですかね、量の少ない奴は」
「売り逃げするのは儲けるって言う点で言えば正しいんだろうけど、うちは定期購入を狙ってるから」
とりあえず火炎瓶3ダース、焙烙玉1ダースを取り出してちんちくりんに投げておく。顔なじみって事だから今回に関しては試供品って事にしておいてやろう。
「良いんですか、こんなに」
「全部で100万くらいするけどまけといてやる」
「僕の頭は一生肘掛け扱いですね、これじゃあ」
でも、そんなに悪い気でもないってのは分かってる。これが真面目な相手だったら、本気で申し訳ないって思って金を用意したり、何だかんだと言ってくるだろう。
「丁度いいサイズなのよね、ドワーフって」
「ああ、もう……アカメさんくらいですよ、僕の頭を肘掛けにするの」
「そうかしらねえー?」
ふふっと笑いながら戦況を眺めて、ちんちくりんのクラン員を眺める。いつぞやの初心者組も向こうで頑張っているみたいだし、そろそろお暇するか。
『ボス、火炎瓶の値段いくら?』
『単品なら1.5kダースで12kだけど、幾つ出すんだ』
『えーっと、配信見てた人で、とりあえず1ダースかな』
ポンコツの配信使ったからポンコツに直接取引を持ち掛けるってのは当たり前の話だった。あいつにはもうちょっと火炎瓶持たせておけばよかった。細かいところで詰めが甘いのは悪い癖。
ちんちくりんに人差し指を立ててちょっと待てとジェスチャーしながらポンコツからどういう状況かを聞きながら、メモを取る。
『……分かった、もう少ししたら戻るわ』
『はやくしてー!』
「と、言う訳だからそろそろ戻る」
「アカメさんならその物量生かして襲撃イベントも上位狙えそうなのに、やらないんですか」
「勝てない勝負に乗るほど酔狂じゃないのよ、私って」
ヘルムのフェイスガードから出ているちんちくりんのデコにぺちんとでこぴん一発。「あた」っと小さい呻き声を漏らしてから食らった所を押さえてむすっとした顔で此方を向いてくる。何となくだが、納得いっていないような返答にむすっとしている。
あんたとやったイベントはまずグループ分けしていて人数の有利不利はなかったし、その200人の中で勝負だったから勝ち目があると思ったのよ……それでも個人じゃ結局負けたんだけどさ。
「ああ、そうそう、どっかでギャザラーいたら教えてくれない?」
「アカメさんの頼み事って大体めんど……厄介ですよね」
「誉め言葉として受け取っておくから」
ぷらぷらと手を振ってその場を後にし、ポンコツの所へと。
「あんた、結構有名人なのね」
南エリア3-2の一角、ポンコツピンクがもみくちゃにされている所にやってくる。
今日の主戦場は西側なのだが、ジャンキー組のピンクと紫は南側に出張中で、紫髪はモンスターの群れの中に突っ込んで行って音信不通だとか。
で、一応のバックアップとして後ろに控えていたポンコツは、この間の配信もあってファンに囲まれてもみくちゃにされているってわけよ。
「ボスのせいじゃんかぁ!」
「いいじゃない、結構貰ってるんでしょ」
わいわいと持ち上げられているポンコツを見ながらどれくらい必要かの目測を立ててインベントリの在庫を確認しておく、まあそんなに数は出ないだろうよ、ポンコツが慌ててるのを見て楽しむもんだし。
それはさておき、予め聞いておいた本数を用意し、人波かき分けてポンコツに渡して「お前がやれ」と言う感じににっこりと笑ってやってからその場を少し離れて様子を見る。
流石に私に直接取引を持ち掛けてくる奴は何人かしかいなかったが、やっぱりポンコツのファンって事で集まっているからあんまり私が口出すってのもな。
「んあー!助けてよ、ボスー!」
すっごいもみくちゃにされているポンコツピンクが助けてくれと言っているが、うん、傍から見てもあれはいっぱいいっぱいだな。
とりあえずインベントリからG4を取り出して空に向かって何発か撃ち、注目を此方に向けてから「お前ら、一列に並べ」とCHの銃口で線を引くように動かしてからにこっと笑ってやる……なんだ結構素直な連中じゃないか、ちゃんと並んで火炎瓶買ったり、握手したりしてるし。
「ファンと暴徒は紙一重なんだから、ちゃんとあんたが手綱握って制御しなさい?」
「わかってるよう!」
本当に分かってんのかね、こいつは。
「しっかり売ってうちの赤字を黒字にするのよ」
こんなに襲撃イベント中に余裕持って動いてる所なんてないだろうな。
「すいません、この火炎瓶って商人プレイヤーから買った物じゃないんですか?」
不意に貰った言葉に少しぽかんとした表情をしてしまったがすぐに持ち直し、心の中で冷静になるように徹してから葉巻を咥える。
「いや、うちのクランで作ったものだけど、その話どこから聞いたわけ?」
「自分のクランへ火炎瓶売りに来たプレイヤーがいて、ポンコツのクランが真似しているって」
「なるほどねぇ……それって容量幾らの物だった?」
「えっと0.4ℓでした」
これで0.1~0.4ℓ容量の火炎瓶をライバル会社が回しているって事だな。流石に同じ容量で安い物を……って方式はとってこないあたり、やっぱりこっちに狙い撃ちしている感じ。
「ちなみになんだけどこれはあった?」
焙烙玉一つ取り出して見せるが、流石にそれは首を横に振る。今でこそ安くなったけど、威力出すと結構な額突っ込まないと行けないからリスクは取らないわけか。ガンナーを囲って硝石やら確保して作らせるって手段もあると思うんだけど、その辺までは手を出していないのかな。
「ふむー……まあ、アイテムは使ってなんぼだし、うちで買ってくれるとポンコツのポンコツっぷりが見れるからそこが売りかしらね」
葉巻と焙烙玉に着火し、紫煙を吸い込みつつ、ポンコツに向けて焙烙玉を投げて一声。テンパった様子で投げた焙烙玉を蹴り飛ばしてモンスターの一団で爆破。
不意撃ちで投げたのもあって無理な体勢で蹴り飛ばしたってのもあって尻もちをついて怒るよりもぽかんとして周りのファンも驚いた顔でこっちを向くので口角を上げてギザ歯を見せる。
「よーし、お前ら……ポンコツと遊んでいけ」
インベントリから焙烙玉を取り出して火を付けるのを見せつつ、1人1人に指を指してもう一度にんまりと笑う。
「本気出して逃げないとマジでやってくるからボスって!」
折角のイベントなんだから楽しまないと損だろう?
「だからこそ現実じゃ出来ないことをやるんでしょ」
そう言いながら焙烙玉を渡して投げろと言いつつ、ちんちくりんの頭に肘をついて体重を掛けてからあの辺がいいと指をさす。
「こうやって肘掛けにしてるのもですかー」
「丁度いいのよね、大きさ」
手渡しておいた焙烙玉に火を付けて、わざわざ投げさせ、派手な花火を打ち上げる。もうちょっと鉱石があれば色付けてもっと派手に出来るんだけど、所謂一般的なゲームで出てくる鉱石しか見つけられてないのがネックになっている。
「やっぱりいい火力出るわよね、私の爆弾って」
「そういえば初めて見たときは地面吹っ飛ばしてましたね」
「そんな事もあったなあ」
あの時は刻印銃と銃剣でよく立ちまわっていたもんだ。一か月前の話だけど、それでもなかなか昔のように感じるのは歳のせいかな。
「実は火炎瓶なんですけどアカメさんじゃない所から売りに来たんですよね」
「結構向こうの手が早いな……ちなみにどんなの?」
「えっとこれですね」
ちんちくりんのところのクラン員に前線を任せて、少し下がってからその売りきた火炎瓶を受け取り確認。この間見たものと一緒の0.2ℓ……ではないな0.1ℓ火炎瓶だ。消耗品は生産者の名前が表記されないので足が付かないってのも中々分かっているな。
「これ使ってみた?」
「中身が少ないんで動作のわりに、ですね。アカメさんが対人の時に使ってたものと比べるとお粗末にも程があります」
何て言うか、結構毒を平気で吐くようになってきたんだよなあ。まだまだゲーム初心者だったころの面影よりも、しっかりできる男になってきた気がする。
「中々言う様になってるじゃない」
「これでも大手クランのマスターなんですよ?」
ふふんとちょっと得意げな顔をするのでわしゃわしゃと撫でまわしてやる。私の気に障った事を恨むがいい。
「今どれくらい人数いるのよ」
「えーっと、132人ですね」
「100人超えてたら大手になるのか……うちなんて10人もいないのに」
「知ってるところだと1000人規模で、そこから副マスターが10人いて100人単位で管理してるって」
「うっわ、めんどくせえ……何かやらかしたら責任追及されんのトップじゃん」
人数が多いから管理しやすいように人数切って分けてるんだろうけど、そこまでして管理しなきゃいけないならソロでやってる方が楽だよ。確か150人くらいが人間覚えられる限界らしいから、其れ以上とかマジで無理。
「まあ、そう言う事は人数持ってる連中が悩めばいいから、今私の悩みは商売敵の話よ」
「ま、そうですね……まだ火炎瓶以外の物は持ってきてないですけど、数で責めてきてる感じです」
アルコール量を減らして数を揃えて儲けを出すって感じなのはちんちくりんも感じていたか。いや、確かに量を減らしてアルコール0.1ℓ当たりの値段を考えていくと数を増やして儲けを増やすってのは良い手段だな。
ただ、そのアイテムの信用度って部分を差し引かないと行けないのを考えると、儲けは出るけど次に続かない場合があるだろうに、その辺は全くもって考慮しないんだな。
「今回のイベントでとにかく人数の多い所を狙って売りまくる手法かあ……プレイヤーも多いし、大手回ったらダメージは少ないか」
「イベント後に使うか使わないかで言えば、使わないですかね、量の少ない奴は」
「売り逃げするのは儲けるって言う点で言えば正しいんだろうけど、うちは定期購入を狙ってるから」
とりあえず火炎瓶3ダース、焙烙玉1ダースを取り出してちんちくりんに投げておく。顔なじみって事だから今回に関しては試供品って事にしておいてやろう。
「良いんですか、こんなに」
「全部で100万くらいするけどまけといてやる」
「僕の頭は一生肘掛け扱いですね、これじゃあ」
でも、そんなに悪い気でもないってのは分かってる。これが真面目な相手だったら、本気で申し訳ないって思って金を用意したり、何だかんだと言ってくるだろう。
「丁度いいサイズなのよね、ドワーフって」
「ああ、もう……アカメさんくらいですよ、僕の頭を肘掛けにするの」
「そうかしらねえー?」
ふふっと笑いながら戦況を眺めて、ちんちくりんのクラン員を眺める。いつぞやの初心者組も向こうで頑張っているみたいだし、そろそろお暇するか。
『ボス、火炎瓶の値段いくら?』
『単品なら1.5kダースで12kだけど、幾つ出すんだ』
『えーっと、配信見てた人で、とりあえず1ダースかな』
ポンコツの配信使ったからポンコツに直接取引を持ち掛けるってのは当たり前の話だった。あいつにはもうちょっと火炎瓶持たせておけばよかった。細かいところで詰めが甘いのは悪い癖。
ちんちくりんに人差し指を立ててちょっと待てとジェスチャーしながらポンコツからどういう状況かを聞きながら、メモを取る。
『……分かった、もう少ししたら戻るわ』
『はやくしてー!』
「と、言う訳だからそろそろ戻る」
「アカメさんならその物量生かして襲撃イベントも上位狙えそうなのに、やらないんですか」
「勝てない勝負に乗るほど酔狂じゃないのよ、私って」
ヘルムのフェイスガードから出ているちんちくりんのデコにぺちんとでこぴん一発。「あた」っと小さい呻き声を漏らしてから食らった所を押さえてむすっとした顔で此方を向いてくる。何となくだが、納得いっていないような返答にむすっとしている。
あんたとやったイベントはまずグループ分けしていて人数の有利不利はなかったし、その200人の中で勝負だったから勝ち目があると思ったのよ……それでも個人じゃ結局負けたんだけどさ。
「ああ、そうそう、どっかでギャザラーいたら教えてくれない?」
「アカメさんの頼み事って大体めんど……厄介ですよね」
「誉め言葉として受け取っておくから」
ぷらぷらと手を振ってその場を後にし、ポンコツの所へと。
「あんた、結構有名人なのね」
南エリア3-2の一角、ポンコツピンクがもみくちゃにされている所にやってくる。
今日の主戦場は西側なのだが、ジャンキー組のピンクと紫は南側に出張中で、紫髪はモンスターの群れの中に突っ込んで行って音信不通だとか。
で、一応のバックアップとして後ろに控えていたポンコツは、この間の配信もあってファンに囲まれてもみくちゃにされているってわけよ。
「ボスのせいじゃんかぁ!」
「いいじゃない、結構貰ってるんでしょ」
わいわいと持ち上げられているポンコツを見ながらどれくらい必要かの目測を立ててインベントリの在庫を確認しておく、まあそんなに数は出ないだろうよ、ポンコツが慌ててるのを見て楽しむもんだし。
それはさておき、予め聞いておいた本数を用意し、人波かき分けてポンコツに渡して「お前がやれ」と言う感じににっこりと笑ってやってからその場を少し離れて様子を見る。
流石に私に直接取引を持ち掛けてくる奴は何人かしかいなかったが、やっぱりポンコツのファンって事で集まっているからあんまり私が口出すってのもな。
「んあー!助けてよ、ボスー!」
すっごいもみくちゃにされているポンコツピンクが助けてくれと言っているが、うん、傍から見てもあれはいっぱいいっぱいだな。
とりあえずインベントリからG4を取り出して空に向かって何発か撃ち、注目を此方に向けてから「お前ら、一列に並べ」とCHの銃口で線を引くように動かしてからにこっと笑ってやる……なんだ結構素直な連中じゃないか、ちゃんと並んで火炎瓶買ったり、握手したりしてるし。
「ファンと暴徒は紙一重なんだから、ちゃんとあんたが手綱握って制御しなさい?」
「わかってるよう!」
本当に分かってんのかね、こいつは。
「しっかり売ってうちの赤字を黒字にするのよ」
こんなに襲撃イベント中に余裕持って動いてる所なんてないだろうな。
「すいません、この火炎瓶って商人プレイヤーから買った物じゃないんですか?」
不意に貰った言葉に少しぽかんとした表情をしてしまったがすぐに持ち直し、心の中で冷静になるように徹してから葉巻を咥える。
「いや、うちのクランで作ったものだけど、その話どこから聞いたわけ?」
「自分のクランへ火炎瓶売りに来たプレイヤーがいて、ポンコツのクランが真似しているって」
「なるほどねぇ……それって容量幾らの物だった?」
「えっと0.4ℓでした」
これで0.1~0.4ℓ容量の火炎瓶をライバル会社が回しているって事だな。流石に同じ容量で安い物を……って方式はとってこないあたり、やっぱりこっちに狙い撃ちしている感じ。
「ちなみになんだけどこれはあった?」
焙烙玉一つ取り出して見せるが、流石にそれは首を横に振る。今でこそ安くなったけど、威力出すと結構な額突っ込まないと行けないからリスクは取らないわけか。ガンナーを囲って硝石やら確保して作らせるって手段もあると思うんだけど、その辺までは手を出していないのかな。
「ふむー……まあ、アイテムは使ってなんぼだし、うちで買ってくれるとポンコツのポンコツっぷりが見れるからそこが売りかしらね」
葉巻と焙烙玉に着火し、紫煙を吸い込みつつ、ポンコツに向けて焙烙玉を投げて一声。テンパった様子で投げた焙烙玉を蹴り飛ばしてモンスターの一団で爆破。
不意撃ちで投げたのもあって無理な体勢で蹴り飛ばしたってのもあって尻もちをついて怒るよりもぽかんとして周りのファンも驚いた顔でこっちを向くので口角を上げてギザ歯を見せる。
「よーし、お前ら……ポンコツと遊んでいけ」
インベントリから焙烙玉を取り出して火を付けるのを見せつつ、1人1人に指を指してもう一度にんまりと笑う。
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