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22章
587話 ルール無用と言うルール
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「……幾ら始まらないからって気を抜きすぎではないか?」
「んなわけないでしょ……だあ!外れたあ!」
目の前のスロット台にパンチを繰り出しつつぶーぶーと文句を垂れる。さっきから結構回しているって言うのに全然当たる気配がない。
「クソ台よ、クソ台!」
「……ギャンブルにのめり込む性質だったか……」
もう何度か叩いてから少しだけ気が晴れたので思い切り息を吐きだして休憩。タッチ決算も出来るのって時代だよね。めちゃめちゃオーソドックスなスロット台だってのに。
「それにしてもどういう事するんだろうな」
もしゃもしゃと髭を弄りながら考え事をしているのを横目にスロットがちゃがちゃ。大体こういう事をするって事は、賭け事関係なんだろうけど……それにしては私を呼んだ意味が分からない。そもそも私のやる事は大半の場合が荒事なわけだから。
「あんまり穏やかにってユーザーイベントじゃないでしょ」
「まあ、確かに……基本的にここの運営はやばい案件じゃない限り出張ってこないしな」
「ギルド爆破くらいしないとなー」
「……うん?」
運営、仕事してない……いや、仕事はしてるな、ちょいちょいアップデート入って細かい修正は多い。バグらしいバグもちゃんと潰しているから、オンラインゲームの運営にしてはかなりちゃんとしている。
「プレイヤー同士のいざこざもリアル犯罪くらいまで発展するような奴じゃないと動かないって言うしねえ」
なんて事を言っていればスロットが当たるのでじゃらじゃらとコインが落ちて消えていく。視覚としてちゃんと判断でき、カードの方の数値が増えていくのでちゃんと稼げてるのが分かる。何でもかんでもスマートにやってるってのもありだが、こういう演出って大事。
「んふーふー……まあ、正直な話、切った張ったした方が私としては向いてるんだけど」
「その辺はスマートじゃないな」
「うっさいわよ」
増える残高を見ながら葉巻をすぱーっと。
「……儂、いらんのでは?」
「なんか和風なギャンブルは得意そうだけど」
「……此処にはなさそうだが」
この感じ、多分だけど結構遊んでるみたい。煙草はしないけど、酒とギャンブルはするって感じなのかな。
「いやあ、此処まで本格的なカジノだとあると思うよ?」
何て不毛な事を言って考えているとアナウンスが一つ。
『皆様、お待たせいたしました。開始時刻になりましたのでこれよりカジノロワイヤルを開始させていただきます。ルールは一つ、お持ちのカードの残高を増やす事です。それでは皆様のご健闘をお祈りしております』
そのアナウンスが終わると共に、さっきよりも音が大きくなったのか、怒号やら歓声やら、音が一回り大きくなった。
「……して、作戦は?」
「なーんも考えてないかな」
「カード残高を増やす事、か」
「チーム戦なのは多分そうなんだけど、チーム間で残高移せたりするのかしら?」
使っていたカードを手に取り、髭親父のを出させてから重ねてみる。が、特に反応はしない。
「流石に接触だけで移ったりはしないか……なんか条件でもあるんかな?」
「ふむ……もう一度カードを確認してみるか」
そう言いながら髭親父がカードを手に取りまじまじと見つつ、確認中。
「条件はあるはずなんだが……何が関係あるんだろうか」
「流石に賭けだけではやらんと思うのよねえ、だったら私が呼ばれた意味が分からんし」
こういう頭を使ったり直観勝負になると、どちらかと言えばバトルジャンキーの方が向いている。変な所で頭が回る奴なのでこの手の勝負は強い……はず。他の連中は何となくだけど、ギャンブルを完全にやらないか、思いっきりドツボにはまってぐにやってる奴しかいない気がする。
「何でもいいって言うなら、他のプレイヤーのカードを手に入れて、私のだって主張しても良いよね」
「問題はそれをどうやるかだが……」
「そうねー……流石の私もプレイヤー相手に不意打ちかつ至近距離でショットガンはぶっ放した事ないから……」
そう言いつつジャケットの裏からショットガンを取り出し。
「やってみたら分かるんじゃない?」
丁度二つ隣にいたプレイヤーの頭にずどんと一発。
ばたんと大きく倒れる音を響かせつつ、ポリゴン状になって消えていくプレイヤーを暫く眺めていると、消えた所に残ったカードが1枚。
「ほら、拾って拾って」
「全く、もうちょっと手段をだな……」
そう言いながらカードを拾い、まじまじと見つめてからタッチ決算のようにカードを重ねると、拾った方が消えていく。
「ふむ、増えたな……」
「うんうん、やることは良ーくわかった」
ショットガンを仕舞い、葉巻を一息。
「稼いでる奴が良いところで油断したら頭吹っ飛ばして横からかっさらう」
「……それの護衛か、こっちは」
ああ、楽しくなってきた。
「んなわけないでしょ……だあ!外れたあ!」
目の前のスロット台にパンチを繰り出しつつぶーぶーと文句を垂れる。さっきから結構回しているって言うのに全然当たる気配がない。
「クソ台よ、クソ台!」
「……ギャンブルにのめり込む性質だったか……」
もう何度か叩いてから少しだけ気が晴れたので思い切り息を吐きだして休憩。タッチ決算も出来るのって時代だよね。めちゃめちゃオーソドックスなスロット台だってのに。
「それにしてもどういう事するんだろうな」
もしゃもしゃと髭を弄りながら考え事をしているのを横目にスロットがちゃがちゃ。大体こういう事をするって事は、賭け事関係なんだろうけど……それにしては私を呼んだ意味が分からない。そもそも私のやる事は大半の場合が荒事なわけだから。
「あんまり穏やかにってユーザーイベントじゃないでしょ」
「まあ、確かに……基本的にここの運営はやばい案件じゃない限り出張ってこないしな」
「ギルド爆破くらいしないとなー」
「……うん?」
運営、仕事してない……いや、仕事はしてるな、ちょいちょいアップデート入って細かい修正は多い。バグらしいバグもちゃんと潰しているから、オンラインゲームの運営にしてはかなりちゃんとしている。
「プレイヤー同士のいざこざもリアル犯罪くらいまで発展するような奴じゃないと動かないって言うしねえ」
なんて事を言っていればスロットが当たるのでじゃらじゃらとコインが落ちて消えていく。視覚としてちゃんと判断でき、カードの方の数値が増えていくのでちゃんと稼げてるのが分かる。何でもかんでもスマートにやってるってのもありだが、こういう演出って大事。
「んふーふー……まあ、正直な話、切った張ったした方が私としては向いてるんだけど」
「その辺はスマートじゃないな」
「うっさいわよ」
増える残高を見ながら葉巻をすぱーっと。
「……儂、いらんのでは?」
「なんか和風なギャンブルは得意そうだけど」
「……此処にはなさそうだが」
この感じ、多分だけど結構遊んでるみたい。煙草はしないけど、酒とギャンブルはするって感じなのかな。
「いやあ、此処まで本格的なカジノだとあると思うよ?」
何て不毛な事を言って考えているとアナウンスが一つ。
『皆様、お待たせいたしました。開始時刻になりましたのでこれよりカジノロワイヤルを開始させていただきます。ルールは一つ、お持ちのカードの残高を増やす事です。それでは皆様のご健闘をお祈りしております』
そのアナウンスが終わると共に、さっきよりも音が大きくなったのか、怒号やら歓声やら、音が一回り大きくなった。
「……して、作戦は?」
「なーんも考えてないかな」
「カード残高を増やす事、か」
「チーム戦なのは多分そうなんだけど、チーム間で残高移せたりするのかしら?」
使っていたカードを手に取り、髭親父のを出させてから重ねてみる。が、特に反応はしない。
「流石に接触だけで移ったりはしないか……なんか条件でもあるんかな?」
「ふむ……もう一度カードを確認してみるか」
そう言いながら髭親父がカードを手に取りまじまじと見つつ、確認中。
「条件はあるはずなんだが……何が関係あるんだろうか」
「流石に賭けだけではやらんと思うのよねえ、だったら私が呼ばれた意味が分からんし」
こういう頭を使ったり直観勝負になると、どちらかと言えばバトルジャンキーの方が向いている。変な所で頭が回る奴なのでこの手の勝負は強い……はず。他の連中は何となくだけど、ギャンブルを完全にやらないか、思いっきりドツボにはまってぐにやってる奴しかいない気がする。
「何でもいいって言うなら、他のプレイヤーのカードを手に入れて、私のだって主張しても良いよね」
「問題はそれをどうやるかだが……」
「そうねー……流石の私もプレイヤー相手に不意打ちかつ至近距離でショットガンはぶっ放した事ないから……」
そう言いつつジャケットの裏からショットガンを取り出し。
「やってみたら分かるんじゃない?」
丁度二つ隣にいたプレイヤーの頭にずどんと一発。
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「ほら、拾って拾って」
「全く、もうちょっと手段をだな……」
そう言いながらカードを拾い、まじまじと見つめてからタッチ決算のようにカードを重ねると、拾った方が消えていく。
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「うんうん、やることは良ーくわかった」
ショットガンを仕舞い、葉巻を一息。
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「……それの護衛か、こっちは」
ああ、楽しくなってきた。
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