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22章
588話 あの手この手
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「して、策は?」
「ちまちま稼いでるプレイヤーを潰しても、勝てないって理由は何だと思う?」
「……儂らと一緒で組んでる相手、しかも大勢でだな。稼ぎ方も向こうの方が派手だ」
「じゃあ、私らがその大勢の相手をするにはどうしたらいいでしょうか」
目の前に転がるサイコロの結果を見てから台パン。やっぱり私って賭け事に向いてなさすぎる。他のゲームじゃそこまでドはまりすることはなかったのに、VRMMOって所だからか?
「そうだなあ……小粒なのを潰してもしょうがない、一気に頭を潰すってのはどうだ」
「たまに思うけど、私よりよっぽど好戦的よね」
「褒めてもなんも出ないぞ」
「そういうお茶目な所、すきよ」
とは言え、小粒な奴がいきなりトップの奴らに食い込むってのは無理な話だ。だからこっちもこっちで別の手段で稼がないといけないわけで。
「やっぱこういう事になったらマフィアに返り咲きしよっか」
「そういう所が気に入っている」
にんまりと笑う髭親父を見ながら、今一度ルールの確認をしてから、懐かしのヴェンガンズを復活……って訳にも行かないし、別の名前で立ち上げようか。
「ま、流石にクランを立ち上げてって事にはならない、一時的なパーティだけど」
「後はどういう面子を集めるか、か」
転がるサイコロを眺めつつ、手元にあるチップを指で転がす。こういう時、仲間になると言えば、戦闘職と言うよりは頭の回る奴だったり、盗める奴やら技術職だったり……映画の見過ぎかな?
「集めるなら11人くらいが良いかなあ」
「……儂は13人が良いな」
個人的には8人も良いんだけど、そんな人数をさくっと集めることは難しいので、大体4、5人が良い所だろう。
「現実見たらあと3人くらいは欲しいねぇ……1人は候補がいるから後2人?」
「組んでないで、ソロで遊んでる上に、お前と気が合う奴なんてそうそういないと思うが」
「だからって手当たり次第に銃ぶっ放して勝てるもんでもないでしょー?」
大きくため息を吐き出して椅子から降りる。かっぱらったというか、試しに撃ち殺した数人分のクレジットがあっという間に消えていった。
「正攻法じゃ厳しいな」
「元手が少ないから倍々ゲームでもしんどいわな」
ふいーっともう一度息を吐きだしてから伸び一つ。
「とりあえずその目ぼしい奴をスカウトって事で良いんじゃないか?」
「ん-、そうねえ……」
何とも便利と言うか、わかりやすい所から動かないのでそっちの方に歩き出しつつ、どう勧誘するかを考える。まだどうするかを考えてないから、行き当たりばったりでやるしかないだろう。
「……それで、私の所に来たわけですか?」
「そうそう、別にルール上問題ないんでしょ?」
受付と換金所が兼用になっているカウンターの前にいる、スーツ姿のディーラーを口説き始める。こういうのはやっぱり内部の人を抱き込むに限る。
「……ええ、はい……」
「何、なんか問題でもあるわけ?」
「いえ、こういう勧誘を受けたのは初めてでして」
明らかに困り顔を浮かべ、どうしようといった感じで顎に手を当てて唸っている。そりゃ運営側の人間を抱き込もうって人はそうそういないだろうし、普通に考えたらやらない。
「私は構わないのですが、ん-、どうでしょう、良いと言えば良い、悪いと言えば悪い……」
「私としてはあんまりここをぶっ壊すような事はしたくないんだけどねえ?」
受付にもたれかかりながらごそごそと胸元から筒を一つ取り出し、ことりとカウンターの上に置く。
「アカメ、それはどうなんだ……?」
「脅迫じゃなくて、協力の要請だよん」
筒の上部に付いているリングを指でひっかけ、それを軽く引っ張ったりしながら相手の様子を見る。
「……ええと、それは?」
「このカジノ、ぼんぼん爆破したくないじゃん?」
「そんな事をしなくても協力しますよ」
リングを引っ張っていた指を外され、折角の手榴弾をぱっと奪われる。ものの数秒、目に見えないほどの早業ともいえる。
「受付の奥の方が金があると踏んで、そっちに突っ込むかと思ったぞ」
「いやいや、そこまで野蛮じゃないって」
けらけら笑いながらパーティの要請、受理を確認。その後手榴弾を返されるのでまた胸元に仕舞い込む。
「野蛮人って言われません?」
「やーねえ、こんなにいい女なのに」
「ちまちま稼いでるプレイヤーを潰しても、勝てないって理由は何だと思う?」
「……儂らと一緒で組んでる相手、しかも大勢でだな。稼ぎ方も向こうの方が派手だ」
「じゃあ、私らがその大勢の相手をするにはどうしたらいいでしょうか」
目の前に転がるサイコロの結果を見てから台パン。やっぱり私って賭け事に向いてなさすぎる。他のゲームじゃそこまでドはまりすることはなかったのに、VRMMOって所だからか?
「そうだなあ……小粒なのを潰してもしょうがない、一気に頭を潰すってのはどうだ」
「たまに思うけど、私よりよっぽど好戦的よね」
「褒めてもなんも出ないぞ」
「そういうお茶目な所、すきよ」
とは言え、小粒な奴がいきなりトップの奴らに食い込むってのは無理な話だ。だからこっちもこっちで別の手段で稼がないといけないわけで。
「やっぱこういう事になったらマフィアに返り咲きしよっか」
「そういう所が気に入っている」
にんまりと笑う髭親父を見ながら、今一度ルールの確認をしてから、懐かしのヴェンガンズを復活……って訳にも行かないし、別の名前で立ち上げようか。
「ま、流石にクランを立ち上げてって事にはならない、一時的なパーティだけど」
「後はどういう面子を集めるか、か」
転がるサイコロを眺めつつ、手元にあるチップを指で転がす。こういう時、仲間になると言えば、戦闘職と言うよりは頭の回る奴だったり、盗める奴やら技術職だったり……映画の見過ぎかな?
「集めるなら11人くらいが良いかなあ」
「……儂は13人が良いな」
個人的には8人も良いんだけど、そんな人数をさくっと集めることは難しいので、大体4、5人が良い所だろう。
「現実見たらあと3人くらいは欲しいねぇ……1人は候補がいるから後2人?」
「組んでないで、ソロで遊んでる上に、お前と気が合う奴なんてそうそういないと思うが」
「だからって手当たり次第に銃ぶっ放して勝てるもんでもないでしょー?」
大きくため息を吐き出して椅子から降りる。かっぱらったというか、試しに撃ち殺した数人分のクレジットがあっという間に消えていった。
「正攻法じゃ厳しいな」
「元手が少ないから倍々ゲームでもしんどいわな」
ふいーっともう一度息を吐きだしてから伸び一つ。
「とりあえずその目ぼしい奴をスカウトって事で良いんじゃないか?」
「ん-、そうねえ……」
何とも便利と言うか、わかりやすい所から動かないのでそっちの方に歩き出しつつ、どう勧誘するかを考える。まだどうするかを考えてないから、行き当たりばったりでやるしかないだろう。
「……それで、私の所に来たわけですか?」
「そうそう、別にルール上問題ないんでしょ?」
受付と換金所が兼用になっているカウンターの前にいる、スーツ姿のディーラーを口説き始める。こういうのはやっぱり内部の人を抱き込むに限る。
「……ええ、はい……」
「何、なんか問題でもあるわけ?」
「いえ、こういう勧誘を受けたのは初めてでして」
明らかに困り顔を浮かべ、どうしようといった感じで顎に手を当てて唸っている。そりゃ運営側の人間を抱き込もうって人はそうそういないだろうし、普通に考えたらやらない。
「私は構わないのですが、ん-、どうでしょう、良いと言えば良い、悪いと言えば悪い……」
「私としてはあんまりここをぶっ壊すような事はしたくないんだけどねえ?」
受付にもたれかかりながらごそごそと胸元から筒を一つ取り出し、ことりとカウンターの上に置く。
「アカメ、それはどうなんだ……?」
「脅迫じゃなくて、協力の要請だよん」
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「……ええと、それは?」
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「いやいや、そこまで野蛮じゃないって」
けらけら笑いながらパーティの要請、受理を確認。その後手榴弾を返されるのでまた胸元に仕舞い込む。
「野蛮人って言われません?」
「やーねえ、こんなにいい女なのに」
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