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飲み会
第十話
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◆◆◆
(小鳥遊side)
おい。こいつはレモンサワー一杯と、残りはウーロン茶しか飲まないんじゃなかったのか。
なぜ日本酒をガブガブ飲んでいるんだ。
「おい月見里……。お前、少し飲みすぎじゃないのか?」
「えー? そんなことないよ? おいしいよ、にほんしゅ」
だめだ。完全に酔っていやがる。
いつものお前ならそんなヘニャヘニャした笑顔を俺に向けないだろう。それに……お前は気付いていないのか? さっきから俺の肩にもたれかかっているぞ。力が入らないのだろう。日本酒はあとから効いてくるから……
月見里の酔いっぷりに、カトウさんとサトウさんも目を丸くしている。
「えー。月見里さんの酔ってるところはじめて見ました……。お酒弱かったんですね……」
「酔ってる月見里さん、いつもと全然違ってかわいいですね……。やばいです……」
「いつもケンカばっかりしてる小鳥遊さんによっかかってますよ……」
「あの……小鳥遊さん……三秒だけ席代わってもらえないですかね……?」
誰が代わるか。
「少し無理をさせすぎたな。二人とも、今日見たことは他言無用だぞ」
「もちろんです!」
「内緒にするんで、写真撮っていいですか……?」
ダメに決まっているだろう。
「サトウさん、撮るの禁止。月見里が潰れたことだし、そろそろ帰るぞ」
結局会計は俺がするハメになった。あとで月見里に請求するからな。
サトウさんとカトウさんをそれぞれタクシーに乗せてから、俺も月見里と一緒にタクシーに乗った。
「月見里。住所教えろ」
「え……なに……?」
「住所」
「住所……? 北海道……」
「実家じゃない。今住んでる住所だ」
「住所……? 住所……えっと……北海道……」
ダメだこいつ。
仕方がないので俺の家に連れ帰ることにした。他意はない。全くもって他意はない。
「どこ……行くの……」
「俺の家だ」
「静岡……?」
「なんで静岡だよ。なんのゆかりもないんだが」
「前……会ったとこ……実家……」
「神奈川だろうそれは」
「ああ……神奈川……」
酒に潰れたら人はこんなにアホになるのか。
タクシーに乗って三十分後、俺の住むマンションに到着した。
部屋に入るなり月見里が「うっ……」と呻く。
「気持ち悪い……は……吐きそう……」
「はあ!? ここではやめろよっ!? トイレ! トイレに行け!!」
「うぇ……動けない……」
「クソォッ!!」
俺に引きずられトイレまで辿りついた月見里は、便器に顔を突っ込んで盛大に吐いた。身の丈に合わない飲み方をするからだ阿呆。
「ケホッ……ケホッ……」
「おい。大丈夫か」
「おろろろろ……」
「まだ吐くのかよ!」
「吐きすぎて……のどっ……のどちぎれる……っ」
「……水持ってくるから、一人で吐いてろ」
「おろろろろ……」
俺はしばらく、月見里に水を飲ませては便器の水を流す係をした。
やっと吐き終わったのか、月見里がぐったりと倒れ込む。
俺は月見里の口を拭きたくったあと、ベッドで寝かせた。そして俺はシャワーを浴びてからソファで休むことにした。
二時間ほど経った頃だろうか、月見里がむっくりと起き上がる。
「……どうした?」
「お風呂……」
滑舌がままならない。少し酔いが冷めたようだが、まだ本調子ではなさそうだ。
「やめとけ。溺れ死ぬぞ」
「いやだ……ベッド汚れる……」
「構わん」
「俺が無理……汚いの無理……」
こいつの潔癖症なところは前々から鼻についていた。
「はあ……勝手にしろ……」
「ん……」
月見里はよろよろと立ち上がり、脱衣所で服を脱ぎ――
大きな音を立てて転んだ。
「ほらみろ言わんこっちゃない!!」
「シャワー浴びたいぃ……俺ゲロくさい……無理ぃ……」
「まあ……吐きまくってたしな……」
仕方がない。
「分かった。俺が洗ってやるよ」
他意はない。こいつがどうしてもシャワーを浴びたいと言うから、俺が洗ってやるだけだ。全くもって他意はない。
嫌がると思ったが、月見里は案外すんなり受け入れた。
俺は、椅子に座る月見里の髪を洗ってやり、背中を流した。
なんだこの世話の焼ける上司は。俺は一体何をさせられている。下っ端は上司の介護までしなければいけないのか。
「ほら。背中流してやったから、あとは自分で洗え」
そう言ってタオルを渡そうとしたのだが、月見里は受け取らなかった。
「前も……洗ってよ」
「……は?」
「前も小鳥遊が洗って……」
「……」
こいつ。タチが悪すぎるぞ。
「小鳥遊……はやく」
月見里が振り返り、俺の顔を見た。その目は熱っぽく、ほんのりと期待が滲んでいる。
「……あとでクレーム出すなよ」
「……」
俺は背後から手を回し、タオル越しに月見里の腹に触れた。できるだけ触り方がいやらしくならないように気を付けていたのだが……
へそ下を洗っていたとき、こつんと硬いものが当たった。
「……おい。なんだこれは」
「……」
「ここも俺が洗うのか?」
月見里は背を向けたまま小さく頷いた。
「……タオル、傷つくからやめて……」
つまり、手で握れということだ。
「……お前なあ……」
俺の身にもなれ。こんなことをさせられて、俺が何も思わないとでも?
「はやく……」
「チッ……」
泡をつけた手で月見里のペニスを握る。おい。ガチガチじゃないか。
適当に何度か上下に動かし、すぐに手を離した。
「はい。洗えました」
しかし、その手を掴まれる。
「もっと……」
「あのなあ……」
「お願い……キツい……」
つまり、射精するまでシゴけと。そういう課長代理サマからの命令ですね。はいはい分かりました。
再びペニスを握り、動かし始めると、月見里が甘い声を漏らす。
「あっ……ん……っ、ふ……」
「一人で気持ちよくなりやがって。良いご身分だなあ……」
「あっ、あっ……、~~……っ!!」
あっと言う間に、月見里は絶頂を迎えた。
これで終わりかと思ったのに、今度は「おしりも……」と言い出したので気が狂うかと思った。
(小鳥遊side)
おい。こいつはレモンサワー一杯と、残りはウーロン茶しか飲まないんじゃなかったのか。
なぜ日本酒をガブガブ飲んでいるんだ。
「おい月見里……。お前、少し飲みすぎじゃないのか?」
「えー? そんなことないよ? おいしいよ、にほんしゅ」
だめだ。完全に酔っていやがる。
いつものお前ならそんなヘニャヘニャした笑顔を俺に向けないだろう。それに……お前は気付いていないのか? さっきから俺の肩にもたれかかっているぞ。力が入らないのだろう。日本酒はあとから効いてくるから……
月見里の酔いっぷりに、カトウさんとサトウさんも目を丸くしている。
「えー。月見里さんの酔ってるところはじめて見ました……。お酒弱かったんですね……」
「酔ってる月見里さん、いつもと全然違ってかわいいですね……。やばいです……」
「いつもケンカばっかりしてる小鳥遊さんによっかかってますよ……」
「あの……小鳥遊さん……三秒だけ席代わってもらえないですかね……?」
誰が代わるか。
「少し無理をさせすぎたな。二人とも、今日見たことは他言無用だぞ」
「もちろんです!」
「内緒にするんで、写真撮っていいですか……?」
ダメに決まっているだろう。
「サトウさん、撮るの禁止。月見里が潰れたことだし、そろそろ帰るぞ」
結局会計は俺がするハメになった。あとで月見里に請求するからな。
サトウさんとカトウさんをそれぞれタクシーに乗せてから、俺も月見里と一緒にタクシーに乗った。
「月見里。住所教えろ」
「え……なに……?」
「住所」
「住所……? 北海道……」
「実家じゃない。今住んでる住所だ」
「住所……? 住所……えっと……北海道……」
ダメだこいつ。
仕方がないので俺の家に連れ帰ることにした。他意はない。全くもって他意はない。
「どこ……行くの……」
「俺の家だ」
「静岡……?」
「なんで静岡だよ。なんのゆかりもないんだが」
「前……会ったとこ……実家……」
「神奈川だろうそれは」
「ああ……神奈川……」
酒に潰れたら人はこんなにアホになるのか。
タクシーに乗って三十分後、俺の住むマンションに到着した。
部屋に入るなり月見里が「うっ……」と呻く。
「気持ち悪い……は……吐きそう……」
「はあ!? ここではやめろよっ!? トイレ! トイレに行け!!」
「うぇ……動けない……」
「クソォッ!!」
俺に引きずられトイレまで辿りついた月見里は、便器に顔を突っ込んで盛大に吐いた。身の丈に合わない飲み方をするからだ阿呆。
「ケホッ……ケホッ……」
「おい。大丈夫か」
「おろろろろ……」
「まだ吐くのかよ!」
「吐きすぎて……のどっ……のどちぎれる……っ」
「……水持ってくるから、一人で吐いてろ」
「おろろろろ……」
俺はしばらく、月見里に水を飲ませては便器の水を流す係をした。
やっと吐き終わったのか、月見里がぐったりと倒れ込む。
俺は月見里の口を拭きたくったあと、ベッドで寝かせた。そして俺はシャワーを浴びてからソファで休むことにした。
二時間ほど経った頃だろうか、月見里がむっくりと起き上がる。
「……どうした?」
「お風呂……」
滑舌がままならない。少し酔いが冷めたようだが、まだ本調子ではなさそうだ。
「やめとけ。溺れ死ぬぞ」
「いやだ……ベッド汚れる……」
「構わん」
「俺が無理……汚いの無理……」
こいつの潔癖症なところは前々から鼻についていた。
「はあ……勝手にしろ……」
「ん……」
月見里はよろよろと立ち上がり、脱衣所で服を脱ぎ――
大きな音を立てて転んだ。
「ほらみろ言わんこっちゃない!!」
「シャワー浴びたいぃ……俺ゲロくさい……無理ぃ……」
「まあ……吐きまくってたしな……」
仕方がない。
「分かった。俺が洗ってやるよ」
他意はない。こいつがどうしてもシャワーを浴びたいと言うから、俺が洗ってやるだけだ。全くもって他意はない。
嫌がると思ったが、月見里は案外すんなり受け入れた。
俺は、椅子に座る月見里の髪を洗ってやり、背中を流した。
なんだこの世話の焼ける上司は。俺は一体何をさせられている。下っ端は上司の介護までしなければいけないのか。
「ほら。背中流してやったから、あとは自分で洗え」
そう言ってタオルを渡そうとしたのだが、月見里は受け取らなかった。
「前も……洗ってよ」
「……は?」
「前も小鳥遊が洗って……」
「……」
こいつ。タチが悪すぎるぞ。
「小鳥遊……はやく」
月見里が振り返り、俺の顔を見た。その目は熱っぽく、ほんのりと期待が滲んでいる。
「……あとでクレーム出すなよ」
「……」
俺は背後から手を回し、タオル越しに月見里の腹に触れた。できるだけ触り方がいやらしくならないように気を付けていたのだが……
へそ下を洗っていたとき、こつんと硬いものが当たった。
「……おい。なんだこれは」
「……」
「ここも俺が洗うのか?」
月見里は背を向けたまま小さく頷いた。
「……タオル、傷つくからやめて……」
つまり、手で握れということだ。
「……お前なあ……」
俺の身にもなれ。こんなことをさせられて、俺が何も思わないとでも?
「はやく……」
「チッ……」
泡をつけた手で月見里のペニスを握る。おい。ガチガチじゃないか。
適当に何度か上下に動かし、すぐに手を離した。
「はい。洗えました」
しかし、その手を掴まれる。
「もっと……」
「あのなあ……」
「お願い……キツい……」
つまり、射精するまでシゴけと。そういう課長代理サマからの命令ですね。はいはい分かりました。
再びペニスを握り、動かし始めると、月見里が甘い声を漏らす。
「あっ……ん……っ、ふ……」
「一人で気持ちよくなりやがって。良いご身分だなあ……」
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