【完結】【R18BL】男泣かせの名器くん、犬猿の仲に泣かされる

ちゃっぷす

文字の大きさ
23 / 83
トラブル

第二十三話

しおりを挟む
「小鳥遊……俺、なんか……すげー興奮してきた」

 激しいキスのあと、俺は小鳥遊の腰の上にまたがった。

「月見里……?」
「ごめん、ちょっとちんこ借りるわ」
「っ!? んっ……!」

 小鳥遊の屹立したペニスをアナルに当て、一息に呑み込んだ。
 奥まで小鳥遊のペニスでいっぱいになり、襲い掛かる快感に身をのけぞらせる。

「んぁぁっ……!!」

 そのまま腰を動かし始めると、小鳥遊の動揺した声が聞こえてきた。

「やっ、月見里っ……! な、なな、何をしているっ……! んっ……、んんっ……!」
「うるさいな……っ。んっ、あっ、……あんま見んな。恥ずかしいだろ……っ」

 見るなと言ったのに、俺の乱れる姿に小鳥遊の目が釘付けになっている。

「はっ……あっ、んんっ……、あっ、気持ちい……っ」

 俺が自分本位に動くことなんてめったにない。そんな気があまり起きないというのもあるが、なによりこんなことをして耐えられるペニスが今までなかった。
 全く。こいつはどこまで俺を満たせば気が済むんだ。

 小鳥遊が俺の手首をがっしり掴む。

「やっ……月見里っ……激しい……っ、もっとゆっくり……っ!」
「お前は黙ってろっ……。あっ……んっ、は……、あっ……!」

 あっ、ここ。ここ好き。気持ちいい。もっと。もっと欲しい。

「あぁぁ……っ、気持ちいっ……っ、はっ、あぁっ……」
「月見里……っ! ちょっ、まっ……待てっ、一回止まれっ……!」
「無理っ……、やめたくない……っ」
「ダメだって……っ! じゃないと俺っ……、もっ……んんっ!!」
「んぁぁっ!?」

 唐突に中出しされて、俺は目をチカチカさせた。

「ちょっ……、なんで出た!? まだ五分くらいしか……っ」

 小鳥遊は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆っている。

「~~……。あのなっ、俺がなんの努力もせずに二十分も三十分も腰を振り続けているとでも思っていたのか!?」
「へっ!? 思ってたけど!? だってお前遅漏なんだろ!?」
「遅漏でもなっ、お前の中だと普通に腰振ってたらこのくらいだ!!」
「へ!?」

 小鳥遊は真っ赤な顔で俺を睨みつける。

「お、お前。時間かけて抱かれるのが好きなんだろう。だから毎回ノロノロやってたんだ。気付いてなかったのか」
「き、気付かなかった……」

 しかしそう言われてみれば……
 前回も前々回も、基本的にやたらとゆっくり動いていた。
 それに、途中で動くのをやめて俺の体を舐めたくるフェーズがあったのを思い出した。クールダウンの時間だったのか、あれ。
 こいつが激しく動くのは、面白がって一時的に俺をイジめるときか、射精するときくらいだった。

 俺はハァァ……とため息を吐いた。

「小鳥遊、お前なあ……」
「~~……」

 そんな恥ずかしそうな顔をするな。またお前が可愛く見えてしまうだろうが。

「どこまで俺のためのセックスしてんだよ、バカ」
「も、もういいだろう。ほら、そこをどけ。次は俺が動くから……」
「いや、まだ俺のターン」
「は? ……ぐっ!?」

 ダン、と激しく腰を打ち付けると、小鳥遊の体がのけぞった。
 そのまま俺は、再び腰を激しく振り始める。

「やっ……月見里!? お、おいっ、止まれっ、お、俺イッたばっか……!! ぐっ、うっ……んんっ……!!」
「今まで頑張ってきたご褒美やる」
「はっ……? ちょっ……まっ……、んんっ……やめろっ……、なんか変だからっ……!!」

 俺は腰を振ったまま、小鳥遊の耳元に顔を近づける。

「俺の中で潮吹かせてやるよ」
「はぁ!? やめろぉっ!! 止まれ月見里ぃぃぃっ……!! もっ、……んぐぅっ!!」
「――っ……」

 俺の中で、精液とは違う液体がピシャッと噴き出したのを感じた。

「あー……。……大丈夫か、小鳥遊。……小鳥遊?」

 小鳥遊から反応がない。放心状態になっていた。

「おーい。小鳥遊。生きてる?」
「……なんだ、今のは」
「潮だけど。この前お前も俺に吹かせてたじゃん」
「……こういうのは抱かれる側がするものだろう。なぜ俺が潮を吹かされた?」
「どうだった? 気持ちよかっただろう」
「……頭がおかしくなるかと思った」
「だろう。また吹かせてやるからな」

 頭を撫でてやると、小鳥遊はうわ言のように呟いた。

「なぜだ。俺が抱かれた気分だ……」
「ま、ケツで抱いたな」
「こんなこと、はじめてだ」

 はじめてと快感と、主導権を奪われたことへの悔しさ、そして潮吹きの恥ずかしさなどが相まってか、しばらく小鳥遊はぼんやりと天井を眺めていた。

 俺はそんな小鳥遊の隣に寝ころび、目を閉じた。

「……ん? 月見里、もう終わるのか?」
「うん。今日はこれでいい」
「お前、まだ一回も中でイッていないだろう」
「うん。でも今日はいいや。なんかすげー満足した」
「……俺、まだいけるぞ?」
「ううん。なんかもう充分」

 その代わり、と俺は続ける。

「また、さっきみたいなのさせてよ」
「……ふん」

 断らないということは、小鳥遊もちょっと気に入ったということだな。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

処理中です...