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披露宴③
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「あ…食べるか?」
「えっ」
ケーキを手に持っ黒髪の男性が声をかけてくるとは思わなかったアリスは、口が開いたまま見上げていた。
「…半分食べるか?」
「ええっ!?」
小皿にケーキを乗せフォークで切り、サクッと刺して切ったケーキをアリスの口に向けた。
「ほらっ」
「!?」
「あーん」
「あ、あーん…んんっ!?」
口を開けたアリスにケーキを口の中へ入れ黒髪の男性は残りのケーキを半分食べた。
「ん!旨いな。悪かったな半分で」
「???」
モグモグと口を動かすアリスは、何も言えず笑顔で側を離れる黒髪の男性にアリスは混乱していた。
「ち、ちょっとアリス、今の人誰?どうして私に紹介してくれないの」
「…ん…ごほっ…し、知らない人…」
「え?」
「知らない人なんだけど…」
「え?ええっ!?し…知らない人って、でもケーキをアリスの口の中に…ええっ?」
コリンは驚いた顔で、黒髪の男性が人混みの中を歩くのを茫然とした顔で見ていた。
アリスは、今頃顔が熱くなりドキドキと心臓の音が煩くパタパタと手で顔を扇いでいた。
(な…何…さっきの人…ルイスにも半分食べ合いなんてした事がないのに…こんな所をルイスに見られたら…)
アリスは、もしかしたら黒髪の男性と一緒にいた所を見ていたかもと心配になり、ルイスとキャロラインが踊っていた場所を見た。
「……」
ダンスを踊り終えたルイスとキャロラインは、飲み物を手に持ち会話を楽しむ二人をアリスはただ見ているだけだった。
「…どうして…誘いに来ないの…」
アリスは、泣きたいのを我慢していた。
「…アリス、ルイス君を誘ったら?アリスが行けばルイス君も踊るわよ」
「…そうかな…」
「あ!二人がこっちに来るわよ。ほらっ、ムスッとした顔で踊らないの」
「う…」
アリスは、複雑な気持ちでルイスとキャロラインが来る姿を見てルイスがダンスを誘って声をかけるのを待った。
「踊った後はお腹が空いたよ。どれも美味しそうだな何がいい?取ってあげるよ」
「あ、私は…これを」
ルイスは、キャロラインに料理を乗せたお皿を渡し二人はアリスが見ている側で料理を楽しんでいた。
「ルイスさんはダンスが上手なんですね」
「君の足を踏まないように踊っていました」
「まあっ、ふふふ」
ルイスとキャロラインの会話を近くで聞いていたアリスは逃げ出したかった。
「……」
「…アリス…っ」
カッカッとルイスとキャロラインの前に親友のコリンが声を上げた。
「ちょっと、ルイス君いい加減にしてよね!」
「コ、コリン!?」
「えっ!?…あ!」
ルイスは、コリンが目の前に来てアリスが側にいる事に今頃気がついた。
「えっ」
ケーキを手に持っ黒髪の男性が声をかけてくるとは思わなかったアリスは、口が開いたまま見上げていた。
「…半分食べるか?」
「ええっ!?」
小皿にケーキを乗せフォークで切り、サクッと刺して切ったケーキをアリスの口に向けた。
「ほらっ」
「!?」
「あーん」
「あ、あーん…んんっ!?」
口を開けたアリスにケーキを口の中へ入れ黒髪の男性は残りのケーキを半分食べた。
「ん!旨いな。悪かったな半分で」
「???」
モグモグと口を動かすアリスは、何も言えず笑顔で側を離れる黒髪の男性にアリスは混乱していた。
「ち、ちょっとアリス、今の人誰?どうして私に紹介してくれないの」
「…ん…ごほっ…し、知らない人…」
「え?」
「知らない人なんだけど…」
「え?ええっ!?し…知らない人って、でもケーキをアリスの口の中に…ええっ?」
コリンは驚いた顔で、黒髪の男性が人混みの中を歩くのを茫然とした顔で見ていた。
アリスは、今頃顔が熱くなりドキドキと心臓の音が煩くパタパタと手で顔を扇いでいた。
(な…何…さっきの人…ルイスにも半分食べ合いなんてした事がないのに…こんな所をルイスに見られたら…)
アリスは、もしかしたら黒髪の男性と一緒にいた所を見ていたかもと心配になり、ルイスとキャロラインが踊っていた場所を見た。
「……」
ダンスを踊り終えたルイスとキャロラインは、飲み物を手に持ち会話を楽しむ二人をアリスはただ見ているだけだった。
「…どうして…誘いに来ないの…」
アリスは、泣きたいのを我慢していた。
「…アリス、ルイス君を誘ったら?アリスが行けばルイス君も踊るわよ」
「…そうかな…」
「あ!二人がこっちに来るわよ。ほらっ、ムスッとした顔で踊らないの」
「う…」
アリスは、複雑な気持ちでルイスとキャロラインが来る姿を見てルイスがダンスを誘って声をかけるのを待った。
「踊った後はお腹が空いたよ。どれも美味しそうだな何がいい?取ってあげるよ」
「あ、私は…これを」
ルイスは、キャロラインに料理を乗せたお皿を渡し二人はアリスが見ている側で料理を楽しんでいた。
「ルイスさんはダンスが上手なんですね」
「君の足を踏まないように踊っていました」
「まあっ、ふふふ」
ルイスとキャロラインの会話を近くで聞いていたアリスは逃げ出したかった。
「……」
「…アリス…っ」
カッカッとルイスとキャロラインの前に親友のコリンが声を上げた。
「ちょっと、ルイス君いい加減にしてよね!」
「コ、コリン!?」
「えっ!?…あ!」
ルイスは、コリンが目の前に来てアリスが側にいる事に今頃気がついた。
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