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1.0歳編
82.イル兄様との再会①
しおりを挟むエリアーナSide
寝るまでたくさんお話をして、でも長旅で疲れていた子ども組は直ぐに夢の中ーーー。
セレ姉様は、物足りなさそうだったらしいけど、小声で父様たちと話しながら、私たちの寝顔を見ていたそう。
セレ姉様はオープンなシスコン&ブラコン。
しかも超のつくほどの家族、兄弟、姉妹大好きっ子なので、会えていなかった分爆発していたそうだ。
朝になり、目が覚めると父様が起きたところだった。
「父:おはよう、リア。起こしてしまったかい?」
ううんと首を振る。
「リア:なんとにゃく」
小声で会話する。
今日は、修了式のあとイル兄様も帰ってくる。
久しぶりに家族が揃う日ーーー。
楽しみだ!
みんなが起き出し、身支度をして食堂に向かう。
精霊様たちは、まだこっちの人間のことがわからないからと人前にはほとんど出てこず、見えるのは私とお祖母様だけ。
こっそり挨拶を交わすのが申し訳ない。
朝食を食べ、セレ姉様を見送り、お祖父様とお祖母様は王宮へ。
父様は仕事をして、母様は社交の準備。
シア姉様とヨシュ兄様は年末年始はお勉強がお休みなので、私と一緒に本を読んだり、お茶をしたり、剣の稽古をしたり、屋敷の探検をしたりする予定だ。
そんなこんなで、昼食を済ませそろそろイル兄様とシア姉様が帰ってくるのでお出迎えの準備だ。
お祖父様たちはまだ王宮から戻らないので、夜に家族全員で集まれる。
父様と母様も一緒に玄関ホールに移動する。
ガチャリと玄関の扉が開き、イル兄様とセレ姉様が帰ってきた。
「セレ姉様:兄様、久しぶりなんだから思いっきりどうぞ」
ウィンク付きでセレ姉様が言う。
すると、セレ姉様を一度見たイル兄様がこちらを向き、父様が頷くと小走りで父様と母様に抱きついた。
「イル兄様:お久しぶりです!お元気でしたか?」
「父:おかえり、イル。久しぶりだね」
「母:おかえり、イル。元気でしたよ。あなたは?」
父様と母様と嬉しそうに話すイル兄様。
長男でしっかり者だけど、まだ甘えたいお年頃。
そんなイル兄様を見て、うずうずし出す双子。
「「我慢だよ」」
イル兄様を思って我慢しているが、自分たちも飛びつきたいようだ。
セレ姉様もイル兄様の後ろで、うずうずしている。
「父:弟や妹たちもお待ちかねだよ」
父様に促され、私たちに歩み寄るイル兄様とセレ姉様。
ちなみに今日は、父様ではなくルナに抱かれて待機中だ。
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