異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

扉

扉

昼過ぎまで話し込み、現場に向かうことになった。
私達は、とんぼ返りで向かう形だが、妹達はもともと、その現場に向かう予定であったのだから、既に出発準備は整っている。連れて来た者達を思いっきり待たせただけとも言えるよね。

私達は来た時と同様に、オーリスに乗って向かう。
キャラハンは、いざという時のために城で待機だと言っていた。
本人は行きたそうにしていたが、竜人族ではない為、私達を運ぶことができないからと、かなり残念がっていた。

妹達は私達が竜体で飛行移動するのであれば、自分達もと言うことになり、竜人族の者は竜体で、それ以外のものは馬車で追いかけていき、現地で合流となった。

妹を乗せるのは、もちろんあの男だ。
馬車で後から追いかけていくと言う案もあったが、彼が嫌がった。
『自分が守りながら連れて行けれるのに、別行動は嫌だ』と言ってだ。

竜人族の男性あるあるなのだとか。
もう、その辺りはお任せするに限る。

オーリス自身も、番は勿論だが、家族までしか背に乗せたくないのだそうだ。
よっぽどの場合は仕方なくと…
怪我人や小さな子供を運ぶとかかなぁ？
ここら辺も、竜人族のあるあるらしい。
深くは追求していない。

手で掴んで運ぶと言うのもありらしいが、力加減が難しいんだって。
まぁ、竜体だしね。爪もすごいしね…

そうこうしながら、滑空していく。乗せてもらいながらの移動は快適で、やっぱり下の景色が何とも言えなかった。
怖くないと言えば嘘だが、オーリスの魔法と安定した飛行。そして、エドワードと一緒という安心感の方が上回っていた。

上空から見る海面も、ずっと伸びている砂浜も。時には山や畑といった感じも見えて気分がいい。
背後をついて飛行してくる妹達も、それについて来る竜体も何とも言えなかった。

そうこうすると、前方に不気味な例の扉が見え始めた。

『そろそろ降りるぞ。』

そう言うと、下降し出した。
地面に降り立つ前にエドワードに抱き抱えられて飛び降りる。
ついでオーリスが人の姿に戻りながら地に足をついた。

次々と竜体から人の姿に戻りながら降り立つ騎士達。
妹は、しっかりと腕に抱かれたまま降り立っていた。