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扉
扉から(エドワード)
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早朝、朝食を終えてから、予定通り扉を確認するために、地上から扉まで伸びている階段を上がっていく。
確認できる行くのは、私とアルホンス殿。そして、ディアブロと騎士団と魔術師の数名。
魔術師は剣も使えるため、魔剣士とも魔剣師とも呼ばれている精鋭だ。
もしもの時に備えて、防戦する必要性があるかも知れないからな。
あの時見た映像。
いつあの映像のように扉が開くかわからない。
今かもしれないし、次かも知れない。
映像では今と同じように確認作業中に突如開いたものもあれば、会議中に上空で開いたと報告があっての対応もあったのだ。
開き掛けで皆んなで力を合わせて締め切るのがベストであるが、なぜかその映像はなかった。
理由はわからないが…
地上では沙也加とユウリが見守っている。
側でシルバー達がついているから、多分大丈夫だろう。いざという時は、自分達が駆けつけて…などと悠長に考えていたのが不味かったのかも知れない。
後わずかで上り切り、扉に手が…というところで悪寒がした。
物凄く嫌な予感が…
すると、地上で待機している沙也加が叫び声を上げた。
「危ないから、離れて~~~!!!!!」
思わず下を振り向くと、真っ青な顔色でふらつきユウリに支えられる沙也加の姿。
彼女の元に掛け戻ろうとした時に、それは起こった。
バーンと大きな爆発音と共に扉が開ききり、そこから無数の腕と思われる物が伸びていく。
太いものもあれば、枝のように細いものも。
ある腕は扉を掴み、体を這い出して出ようとし、ある腕は何かを掴もうと伸びていく。
その無数の腕の隙間から小さな黒くグロテスクなものが飛び出していった。
急いで剣を抜き応戦する。
剣に魔力を込めて薙ぎ倒すなどしてだ。
側についていたディアブロは、防御魔法を駆使しながら応戦していた。
かなりの足場も悪く不利な状況だが、だからと言って、何もしないわけにはいかない。
扉を開けたままでは次々と…
とにかく、これを押さえ込まなくては…
次々と隙間から出てきた小さな小悪魔どもが飛び出して、近くの騎士達に襲いかかっていく。
この映像は確か…
なら、どうするべか…どうなるのか…
ユウリと沙也加の力が必要なのは理解できるが、だが…
「ユーリ、私と一緒に来て。あれを締めないと。」
「閉めるってどうやって~~~」
応戦しながらも、わずかな隙間で見入る彼女達の行動。
沙也加が妹のユウリの腕を掴み、駆け足で階段を登って来る。
「この世界の二神。お願いだから扉の所まで無事に行かせて!!」
この世界の二神に祈りを捧げてこちらに向かってくる。
彼女達を光が包み込む。
あれは光と闇の二神の加護か?
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神リーミエと銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神カーミエの…
だが、それだけでないのが何となく感じる。
二つの別の力を…
一つが彼女達に近づき助力し、もう一つが妨害しようと…
あれは多分例のアルメルア神とシルメール神。
アルメルア神の力で扉までの道が開いたように感じる。
シルメール神が扉に何か力を…
応戦している自分達の間に、二人が駆け上がれるぐらいにの隙間が作られた。
そこを二人が駆け抜ける。
手を伸ばして彼女達を守ろうと思うが、それは叶わない。
だが、たった一人、ディアブロだけが何かを知っているようだった。
彼女達に続いてシルバーも駆け上がって、敵を切り伏せていたので、どうにかなりそうだとも思えた。
なぜそう思えるのか…
あの時見たあの映像…
なら、沙也加…
彼女達を視線で追う。
扉に近づくと、不思議と伸び出してきていた手が引っ込んでいった。
一部、少し暴れているようにも見えるが…
既に出てきてしまっている異様な物達。
小悪魔達は、我らを襲うが、なぜか彼女達にに関しては興味を持たなかった。
いつのまにかディアブロは応戦から離脱し、シルバーと共に彼女達を見守っている。
という事は、あの二人が小悪魔達を寄せ付けないようにしているのだろう。
完全では無いようだが…虫程の小さいものは、彼女達に微かにあたっていたようだが…
いつのまにか、伸びてきていた手が扉の内側に戻ったところで、二人で扉を閉めようと頑張ってた。
勢いよく開いたのに、閉める時はかなりの抵抗があるようで、なかなか上手くはいかないようだ。
ディアブロ達が手伝えば良いと思ったが、そうはいかない何か理由でもあるのか、二人の苦悩する表情が見てとれた。
助力したいのに、出来ないのか!?
扉を閉めていく二人の身体がふらつき始めた。もしかして自分達の魔力が奪われいる?
それによる脱力感?
確認できる行くのは、私とアルホンス殿。そして、ディアブロと騎士団と魔術師の数名。
魔術師は剣も使えるため、魔剣士とも魔剣師とも呼ばれている精鋭だ。
もしもの時に備えて、防戦する必要性があるかも知れないからな。
あの時見た映像。
いつあの映像のように扉が開くかわからない。
今かもしれないし、次かも知れない。
映像では今と同じように確認作業中に突如開いたものもあれば、会議中に上空で開いたと報告があっての対応もあったのだ。
開き掛けで皆んなで力を合わせて締め切るのがベストであるが、なぜかその映像はなかった。
理由はわからないが…
地上では沙也加とユウリが見守っている。
側でシルバー達がついているから、多分大丈夫だろう。いざという時は、自分達が駆けつけて…などと悠長に考えていたのが不味かったのかも知れない。
後わずかで上り切り、扉に手が…というところで悪寒がした。
物凄く嫌な予感が…
すると、地上で待機している沙也加が叫び声を上げた。
「危ないから、離れて~~~!!!!!」
思わず下を振り向くと、真っ青な顔色でふらつきユウリに支えられる沙也加の姿。
彼女の元に掛け戻ろうとした時に、それは起こった。
バーンと大きな爆発音と共に扉が開ききり、そこから無数の腕と思われる物が伸びていく。
太いものもあれば、枝のように細いものも。
ある腕は扉を掴み、体を這い出して出ようとし、ある腕は何かを掴もうと伸びていく。
その無数の腕の隙間から小さな黒くグロテスクなものが飛び出していった。
急いで剣を抜き応戦する。
剣に魔力を込めて薙ぎ倒すなどしてだ。
側についていたディアブロは、防御魔法を駆使しながら応戦していた。
かなりの足場も悪く不利な状況だが、だからと言って、何もしないわけにはいかない。
扉を開けたままでは次々と…
とにかく、これを押さえ込まなくては…
次々と隙間から出てきた小さな小悪魔どもが飛び出して、近くの騎士達に襲いかかっていく。
この映像は確か…
なら、どうするべか…どうなるのか…
ユウリと沙也加の力が必要なのは理解できるが、だが…
「ユーリ、私と一緒に来て。あれを締めないと。」
「閉めるってどうやって~~~」
応戦しながらも、わずかな隙間で見入る彼女達の行動。
沙也加が妹のユウリの腕を掴み、駆け足で階段を登って来る。
「この世界の二神。お願いだから扉の所まで無事に行かせて!!」
この世界の二神に祈りを捧げてこちらに向かってくる。
彼女達を光が包み込む。
あれは光と闇の二神の加護か?
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神リーミエと銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神カーミエの…
だが、それだけでないのが何となく感じる。
二つの別の力を…
一つが彼女達に近づき助力し、もう一つが妨害しようと…
あれは多分例のアルメルア神とシルメール神。
アルメルア神の力で扉までの道が開いたように感じる。
シルメール神が扉に何か力を…
応戦している自分達の間に、二人が駆け上がれるぐらいにの隙間が作られた。
そこを二人が駆け抜ける。
手を伸ばして彼女達を守ろうと思うが、それは叶わない。
だが、たった一人、ディアブロだけが何かを知っているようだった。
彼女達に続いてシルバーも駆け上がって、敵を切り伏せていたので、どうにかなりそうだとも思えた。
なぜそう思えるのか…
あの時見たあの映像…
なら、沙也加…
彼女達を視線で追う。
扉に近づくと、不思議と伸び出してきていた手が引っ込んでいった。
一部、少し暴れているようにも見えるが…
既に出てきてしまっている異様な物達。
小悪魔達は、我らを襲うが、なぜか彼女達にに関しては興味を持たなかった。
いつのまにかディアブロは応戦から離脱し、シルバーと共に彼女達を見守っている。
という事は、あの二人が小悪魔達を寄せ付けないようにしているのだろう。
完全では無いようだが…虫程の小さいものは、彼女達に微かにあたっていたようだが…
いつのまにか、伸びてきていた手が扉の内側に戻ったところで、二人で扉を閉めようと頑張ってた。
勢いよく開いたのに、閉める時はかなりの抵抗があるようで、なかなか上手くはいかないようだ。
ディアブロ達が手伝えば良いと思ったが、そうはいかない何か理由でもあるのか、二人の苦悩する表情が見てとれた。
助力したいのに、出来ないのか!?
扉を閉めていく二人の身体がふらつき始めた。もしかして自分達の魔力が奪われいる?
それによる脱力感?
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