異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

未来のために

そして…

安静生活という名の監禁範囲が室内から屋敷内。そして敷地内に変化していった。
妹の事は心配であったが、家族の者達が国内の事もしながら私の心配で見舞いに訪れてくれたりしてありがたく対応していた。
伝達魔法陣を使用して妹に飛ばして…

うん、妹の方も監禁生活になっていたようだった。
ただ、私に比べて症状が軽かったのか、監禁生活の解除は私よりも早い気がした。

それよりも、カルロスの方が重篤だったみたいで、それに関しては、アカリが伝えに来てくれた。
お互いカルロスの側にいて気心が知れていたから、私の事も心配はしてくれていたみたいだった。

その他の英霊達も、あの時復旧作業に従事して、落ち着けば直ぐに主人であるカルロスの側にいたらしい。
医師と大賢者であるアルスト、聖女アカリが常に診察時ついていたらしい。
部屋にはやはり竜人族だけあって、ジャディール殿下が陣取って『呼ぶまで入ってくるな』と威嚇していたとか…

夫は魔人族だから、そこまではなかったようなんだけどね…
種族の違いだろうか？

まぁ、私の意識が戻るまでは、待機中の医師がかなり大変だったみたいなんだけども…


妹の方も、旦那様があの竜人族だからな…
うん、想像してもね…

でも、とりあえず意識が戻ったみたいでよかった。
また体調が戻ったら会いにいっても良いよね。
会いに行かせてもらえるのだろうか？？

結婚生活中、余り行き来は出来ていなかったから…

「何を考えている？」

庭先でお茶を飲みながら考え事をしていた私に夫がそっと肩に触れて来た。
そのまま頬に唇を寄せて、チュッとキスがおくられる。

「ん？私も魔力枯渇で倒れたけど、妹達も倒れたでしょ？だから、大丈夫かなって思ったの。」
「あぁ、あの時は心臓が止まるかと思ったよ。だが、無事でよかった。」
「そういえば、お仕事は？」
「今日はもう終わりだ。少し風が出て冷えて来たから部屋に戻ろう。」


そう言うと、脚の裏に手をまわされて抱き上げられる。

「心配性なんだから。もう大丈夫なのに…」
「仕方ないだろ？君の身体を見守って来た時、そして今回だ。もう暫くは側を離れない。また何かあってはと思ってしまう。」

そう言いながら、頬に唇を寄せられる。
ベットにそっと降ろされて、髪が広がる。

そっと瞼を閉じると、唇を貪られてしまった。