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時は過ぎ
会いたい
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子供達も元々良い子達で、慣れてきたのもあり、屋敷内は明るい声が響き渡っていた。
スクスクと育ち、学園にも通いだし、寂しい時間んもあるが、見ていて幸せを感じていた。
子供達の施設運営も順調に進んでいる。
カイルと共に舞踏会に呼ばれるときは、少しヒヤヒヤするが、常にカイルが側にいるから安心もできる。
「何か悩み事ですか?」
年月が経過するごとに、束縛は緩められて入るが、求められるのは変わらず、家族も十分理解してくれている。
飽きられているかもしれないけれど……
「この世界に来て、戸惑いは多かったです。まさかこんなに順応するとは思えませんでした。」
異世界に飛ばされて、助けられ、護られ愛される。
しかも男同士……
妹達が見たらどう思うだろう。
「私はアキがこの世界に、私の元に来てくれて幸せですよ。逃すつもりも、離すつもりもありませんが……」
そう言って抱きしめられる。
もう慣れてしまった行為だから、逃げることもしない。
ただ、時と場所さえ考えてくれたら……だが……
「そう言えば、いつも書いている模様の様なもの、そろそろ教えてくれても?」
時間があれば書いている日記のことか?日本語で書いているから、この世界の者達にとっては模様に見える様だ。声を出しながら書いているわけではないから、なおさらなのかもしれないが……
「あれは駄目ですよ。秘密です。またいつか自分と同じ異世界から来た人がいれば参考にと書いてるのです。いきなり異世界にきたなんて、混乱するだろうから、私の様な者もいたと知れば安心するかもしれないでしょ?」
「内容は知りたいですが、その考えも一理ありますね。」
そう言って、それ以上の追求はなかった。
月日は過ぎていき、子供達はそれぞれ家庭を持つ様になった。
孫もでき、良い年になったなぁ……なんて思っていた。
カイルは相変わらずだが……
そうこうすると、長男からの手紙で驚いた。
我がシュナイゼル皇国を犯そうとアルテカ帝国の進軍
アルテカ帝国を撃退すべく第二皇子であるナディル殿下が軍を率いていると
あのきな臭い国は好戦的で、次々と他国に進軍し飲み込んでいるらしい。
カイルも時々呼ばれていたし、子供達もそれの対応で忙しそうだった。
ナディル殿下も確か魔力が強いとかカイルが言っていた様な……番が見つからず、力が暴走しそうだとか……
手紙を読み進めると、そこには信じられないことが書いてあった。
戦闘時、ナディル殿下は番と出会い、力の暴走を起こす事なく勝利を収めたと……
それはいい。その後の文章に、番とされて助けられた女性………
『アキコ・モリ』と名乗る女性だとか……
もしや………いゃ、人違いかも……でも………
いても立ってもおられず、カイル を探す
もしかしたら………違っても同じ日本人だろう。会いたい……
カイルの書斎のドアを叩く。
カイル自身も、私の動揺を感じ取ったのか
ドアを開けると同時にぶつかった。
倒れるかと思ったが、抱き留められる。
「アキ?」
「カイル、私を城に連れて行って欲しい。この女性に会わせて欲しい、お願いです!!」
カイルに握りしめていた手紙を見せる。
手紙を受け取り、じっと文字を追う。
「このアキコという女性に………ですか?」
「あぁ、同じ世界から来た人かもしれない……そして、妹と同じ名前なんだ。年齢を考えるとありえないかもしれないが……気になるんです。お願いです」
カイルにすがる。今すぐのでも会いにいきたい……亜希子……お前なのか?別人でもいい……会いたい!!
「わかりました。直ぐに手紙を書きましょう。戦が終わったばかりなら、戦後処理で少し時間がかかるかもしれませんが……それまでは待ってくださいね。無理な行動は駄目ですよ」
カイルにそう促された。カイルがそう言うなら、きっと叶えてくれるだろう。
モヤモヤするが、そこは我慢できる。
そう考えて、息子に返事を書いた。
城に行くときはそちらにもよるからと添えて………
スクスクと育ち、学園にも通いだし、寂しい時間んもあるが、見ていて幸せを感じていた。
子供達の施設運営も順調に進んでいる。
カイルと共に舞踏会に呼ばれるときは、少しヒヤヒヤするが、常にカイルが側にいるから安心もできる。
「何か悩み事ですか?」
年月が経過するごとに、束縛は緩められて入るが、求められるのは変わらず、家族も十分理解してくれている。
飽きられているかもしれないけれど……
「この世界に来て、戸惑いは多かったです。まさかこんなに順応するとは思えませんでした。」
異世界に飛ばされて、助けられ、護られ愛される。
しかも男同士……
妹達が見たらどう思うだろう。
「私はアキがこの世界に、私の元に来てくれて幸せですよ。逃すつもりも、離すつもりもありませんが……」
そう言って抱きしめられる。
もう慣れてしまった行為だから、逃げることもしない。
ただ、時と場所さえ考えてくれたら……だが……
「そう言えば、いつも書いている模様の様なもの、そろそろ教えてくれても?」
時間があれば書いている日記のことか?日本語で書いているから、この世界の者達にとっては模様に見える様だ。声を出しながら書いているわけではないから、なおさらなのかもしれないが……
「あれは駄目ですよ。秘密です。またいつか自分と同じ異世界から来た人がいれば参考にと書いてるのです。いきなり異世界にきたなんて、混乱するだろうから、私の様な者もいたと知れば安心するかもしれないでしょ?」
「内容は知りたいですが、その考えも一理ありますね。」
そう言って、それ以上の追求はなかった。
月日は過ぎていき、子供達はそれぞれ家庭を持つ様になった。
孫もでき、良い年になったなぁ……なんて思っていた。
カイルは相変わらずだが……
そうこうすると、長男からの手紙で驚いた。
我がシュナイゼル皇国を犯そうとアルテカ帝国の進軍
アルテカ帝国を撃退すべく第二皇子であるナディル殿下が軍を率いていると
あのきな臭い国は好戦的で、次々と他国に進軍し飲み込んでいるらしい。
カイルも時々呼ばれていたし、子供達もそれの対応で忙しそうだった。
ナディル殿下も確か魔力が強いとかカイルが言っていた様な……番が見つからず、力が暴走しそうだとか……
手紙を読み進めると、そこには信じられないことが書いてあった。
戦闘時、ナディル殿下は番と出会い、力の暴走を起こす事なく勝利を収めたと……
それはいい。その後の文章に、番とされて助けられた女性………
『アキコ・モリ』と名乗る女性だとか……
もしや………いゃ、人違いかも……でも………
いても立ってもおられず、カイル を探す
もしかしたら………違っても同じ日本人だろう。会いたい……
カイルの書斎のドアを叩く。
カイル自身も、私の動揺を感じ取ったのか
ドアを開けると同時にぶつかった。
倒れるかと思ったが、抱き留められる。
「アキ?」
「カイル、私を城に連れて行って欲しい。この女性に会わせて欲しい、お願いです!!」
カイルに握りしめていた手紙を見せる。
手紙を受け取り、じっと文字を追う。
「このアキコという女性に………ですか?」
「あぁ、同じ世界から来た人かもしれない……そして、妹と同じ名前なんだ。年齢を考えるとありえないかもしれないが……気になるんです。お願いです」
カイルにすがる。今すぐのでも会いにいきたい……亜希子……お前なのか?別人でもいい……会いたい!!
「わかりました。直ぐに手紙を書きましょう。戦が終わったばかりなら、戦後処理で少し時間がかかるかもしれませんが……それまでは待ってくださいね。無理な行動は駄目ですよ」
カイルにそう促された。カイルがそう言うなら、きっと叶えてくれるだろう。
モヤモヤするが、そこは我慢できる。
そう考えて、息子に返事を書いた。
城に行くときはそちらにもよるからと添えて………
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