もふもふの世界に落っこちて、気がついたら離してくれなくなった件

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お勤め

仕事初め

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「アイリ、本当に行くのか?」
「無理しなくても、生活面とかは……」

そう言って、今朝も朝食時少しだけ揉めた。でも、最終的には『仕方ないですね』と言ってもらえて、一緒に出勤です。お城で使用人用のお部屋を頂いて仕事をしようと思ったんだけど、それは却下されました。
勝手に出ていくものなら、監禁しますと脅されて………

「アイリ、他の男性には近づいたらダメですからね。」
「アイリ、困ったことがあったら、私達の所に逃げてくるんですよ。」

そういいながら、2人からアクセサリーを付けられた。
ブレスレットとネックレス。

「今からお仕事なのに?」

不思議に思い、2人に尋ねる。

「これには、我が家の家紋が彫られていてね。見せるとスムーズに私達に会えるんだよ」
「なら、一つで良いんじゃ?」
「特殊な護りが付いてるんだ。それに、この二つはセットなんだよ」
「そうなんですね」
「うん、似合ってる。そうそう、これ、勝手に外せないから」

思わず渋面になる。外せないとは、どういう事だろう。

「無くすと大変だから、特殊なんだ。ここについている石が僕達のピアスと同じ石でね、何か困ったときに通信機としても使える優れものなんだ。だから、安心だろ?」
「触ったら使えるんですか?」
「念じたら使えるよ。危機的なら、触る事もできないかもしれないしね。」
「なるほど……使わないに越したことありませんね」

そう言って、笑顔で頷いて見せる。

「「そうだね」」

そう言って笑っている二人。怪しく感じてしまうの何故でしょうか?

そうこうしたら、お城につき、2人と別れて職場に向かう。
侍女見習いだから、華美でなければ普段着で良いと言われていたので、着替える事もなく、侍女頭の後をついていく。

「おはようございます。今日からお世話になるアイリと申します。よろしくお願いします。」

そう言って、他の方々に挨拶した。
挨拶は大事です。ただ、頭を下げての挨拶に、数人の戸惑っておられました。
『渡り人』がよく挨拶などで頭を下げたりするのはご存知だったみたいなのですが、実際に見たのは初めてで、戸惑ったとのこと。
この世界では、握手をしたり、ハグしたり、場合によっては、親愛のキスを頬にするとか……
まるで、海外の方々の挨拶のようです。
私には……少し敷居が高いです。

「アイリ様のお国とは少し違って、戸惑われることが多いとは思いますが、そこは皆んなでフォローしますので、大丈夫ですよ」

そう言って貰えて、思いっきりホッとした。
だけど、頼りっきりは良くないので、勿論頑張って身につけますとも!!

初日はお城の中の案内と、仕事内容の説明。
そして、アルテーシア様のお話相手で終わった。

お城の中はまるで迷路のようで、迷子になりそうだけど、必要な場所だけはなんとか覚えたから、少しずつ他の場所も覚えておこう。知らず知らずに立ち入り禁止の場所に入り込んだらダメだものね……

頑張るぞ!!
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