番になんてなりたくない!

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怪しい気配

まずは……

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「これは?」

多くの荷物は収納しているから、仰々しい団体に見えない私達の目の前に映るこの光景は?
クロランス領に入り、領主屋敷に向かう道端に座り込んでいる大人の者達や子供達がよろよろと馬車を囲むように寄ってくる。

まるで物乞いに囲まれていくようだ。
それを慌てて止めに入り、牽制するように領内の騎士達が駆けつけてきた。
この街の住民であろう者達は、家の窓からこの光景を眺めて見ているか、慌てて隠れるようにしていた。

「ええぃ!散れ!!」

そう、怒号のように叫び、剣を振り回している騎士達。
物乞いのようにふらふらと近寄って来ようとした者達は散り散りにされ、元の場所に戻って行った。

これほど酷い現状が起こっているのか?
いったい、何が…………


騎士達の誘導で、クロランス領主の元を訪れる。
領主屋敷敷地内に入ると、先ほぼの光景が嘘のように、ほのぼのとした光景が見えた。
どういう事だ?何故?

疑問ばかりが募る。

馬車を降りると、優雅な衣装に身を包み、微笑もながら出迎えられる。

「これはこれは、殿下方、ようこそクロランス領へ」
「お疲れでございましょう。お部屋にご案内させていただきますわ。どうぞお寛ぎください」
「ありがとうございます。急な訪問をお許しください」

そう挨拶を交わし、部屋へ案内される。
私とリリィは別々の部屋ではあるが、隣の部屋にしてくれていたので助かった。
もし離れていたら、何かと不便だからね。

今、リリィ達は部屋で着替えをし、私の客間に来ている。
シロさんが結界を張ってくれたようで、少し力を抜いた。
これがあるのとないのでは大違いだ。

例え間者が忍び込んでも、この結界内には入れないし、会話がそのまま聞き取られることもない。
全ての会話を聞き取れないようにするのは可能で、簡単らしいけど、それでは怪しまれるからと、実際の会話と違う内容で、しかも当たり障りのない会話が結界外に聞こえるようにあえてしているらしい。高度の技術らしいけど……
シロさん、相変わらず器用だね~~~~

「クロさん、お願い出来る?」
「シロさん、クロさんのフォローよろしく」

とりあえず、正確な情報を収集しないとね………

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