番になんてなりたくない！

冒険者

仕事依頼

3人でギルドに向かう。
ドアを開け、中に入る。

ちょうどギルド内には数人しかおらず、そのまま受付でスムーズに手続きができた。
依頼の物の引き渡しと換金。
そして、チームとしての再登録。

筆頭は……クロさんが「ウィル」と記載した。
受付嬢はかなり驚いていたが、側にいたナヴィルさんが『それで良いから、登録よろしく！』と口添えしたから、そうなってしまった。

そんなやりとりを聞いてか、ギルドマスターの部屋にまた呼ばれた。

ナヴィルさんそっくりのクロさんを見て驚いていたが、ナヴィルさんから、双子の兄だと紹介されて、乱舞のごとく喜んでいた。

「今晩は歓迎会やるぞ！！」

そう言って、近くの「月兎亭」を貸し切った。
そんなに嬉しかったんだ……

ギルドのメンバーには、事務所から連絡したと言っていた。
どうも、昨日から、そんな話があったらしい。
みんなどんだけ宴会ごとが好きなんだ？

楽しそうにしているから、まぁ良いけど…

そんな事を考えながら、仕事依頼の掲示板を覗く。

「ん？何か気になる仕事はあるか？」
「ん～～これかなぁ…難しそうだけど……」

そこには『魔物が村を襲って困っているから、どうにかして欲しい』と言う依頼。
『討伐して欲しい』ではなく、『どうにかして欲しい』という言葉が気になった。

ただ、私のような初心者でも出来るのか？？？と思い、少し躊躇する。

「ウィルが気になるなら、これにするか。」

そう言って、クロさんが、掲示板からその依頼書を剥がし、受付に持って行った。

「クロ？」

慌てて追いかけていくも、受理された。

「気になるんだろう？なら、依頼はこれだ。私もいるし、ナヴィルもいるから問題ない。ウィルの思うように解決したらいい。」
「それでいいの？」
「問題ない！」

そう言いきられてしまった。
まぁ、クロさんがついてくれてるなら、大丈夫か……
ナヴィルさんも実力者らしいし……

それなら、人助けで頑張ってみよう！！