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波乱の影
いきなりの求婚と…
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ミシュル領の北側には山脈や山地が広がり、その北側にあるロドスタ帝国がある。
あの時脅威に感じたあの帝国。
そこから訪れた者達が入城した。
父上達からの伝達で、謁見室に向かう。
中央には両親。そして兄達が配置し、少し後ろ側に自分が位置した。
「お初にお目にかかる。急な来訪、心より歓迎していただき感謝する」
尊大な物言いの訪問者。
あれは……
赤い髪、金の瞳……
夢の中に現れたあの男だ…
一瞬目眩がおこるも、醜態を晒すわけには行かず、踏ん張る。
何故あの男が自ら来る。
それとも……
父と兄が訪問者である者達に声をかけて、会話をしているが、耳にはとまらなかった。
視線を感じる。何だ?
訪問者である男が、愛おしそうにこちらを見ている。
どう言うことだ。
夢ではまるで舐める様に見られ、身震いしたが、何故そんな目で見る。
視線をはずせずにいると、向こうから視線を外された。
ホッとする。
明らかにホッとするのは失礼にあたるが……
「実は、私は日夜恋焦がれている方がおりまして、是非とも我が国、我妻として迎えたいと望んでいます。是非とも叶えていただきたい。お互いの国においても良い関係が築けるきっかけにもなりましょう。」
「貴方様が訪れられたのは、求婚でしたか。それは我が国に置いても願ってもないこと。その様に思われる者はどの者でしょう?」
すくっと立ち上がり、歩く足音が聞こえる。
カツカツと床を鳴らして歩いている様だ。
私はただ、足元を見ていた………
怖いのだ。
いろんな意味で、あの夢が正夢になるのが…
いくらクロさんと番いになったとしても、以前シロさんの部屋で見た文献を知っているから…
コツコツと鳴り響く足音が止まり、見つめた先に……
いきなり手を取られ、口づけされる。
「我が愛しい方。私は日夜貴方に恋焦がれる者。是非とも我が国に来られ、我妻となり、共に帝都の民を導いていただきたい。」
「…………」
「私はロドスタ帝国皇帝を賜っているルイス・カイエン・ロドスタ。ぜひ我が望みを叶えていただきたい。ウィルバーン・ルゼリア殿」
「私は……」
拒否の言葉を告げようとした矢先、いきなり左手を取られ、薬指に指輪をはめられた。
「ん……………」
左手が熱い……
クロさんとの紋様が薄れだし、消えていく……
後方に控えていたクロさんも、左手を抑えている。
もしや……まさか……
「ルイス・カイエン殿。これは一体どう言うことか。我が息子に何を!!」
周りに配置された騎士が刀を鞘から抜いて近づこうとする。
ダメだ……ここで……戦争のきっかけになる…
「落ち着いてください。私は大丈夫ですから。ルイス殿。急な求婚には驚きましたが、この様な…」
「それは求婚の指輪です。我が一族の宝物の一つでもありますが、それで直ぐに拒否する事も出来ないでしょう?」
クスクスと笑いながら、愛おしそうに私の指を絡めとるように撫でる。
まるで恋人を寵愛する様な行為だ……
あの時脅威に感じたあの帝国。
そこから訪れた者達が入城した。
父上達からの伝達で、謁見室に向かう。
中央には両親。そして兄達が配置し、少し後ろ側に自分が位置した。
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尊大な物言いの訪問者。
あれは……
赤い髪、金の瞳……
夢の中に現れたあの男だ…
一瞬目眩がおこるも、醜態を晒すわけには行かず、踏ん張る。
何故あの男が自ら来る。
それとも……
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視線を感じる。何だ?
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どう言うことだ。
夢ではまるで舐める様に見られ、身震いしたが、何故そんな目で見る。
視線をはずせずにいると、向こうから視線を外された。
ホッとする。
明らかにホッとするのは失礼にあたるが……
「実は、私は日夜恋焦がれている方がおりまして、是非とも我が国、我妻として迎えたいと望んでいます。是非とも叶えていただきたい。お互いの国においても良い関係が築けるきっかけにもなりましょう。」
「貴方様が訪れられたのは、求婚でしたか。それは我が国に置いても願ってもないこと。その様に思われる者はどの者でしょう?」
すくっと立ち上がり、歩く足音が聞こえる。
カツカツと床を鳴らして歩いている様だ。
私はただ、足元を見ていた………
怖いのだ。
いろんな意味で、あの夢が正夢になるのが…
いくらクロさんと番いになったとしても、以前シロさんの部屋で見た文献を知っているから…
コツコツと鳴り響く足音が止まり、見つめた先に……
いきなり手を取られ、口づけされる。
「我が愛しい方。私は日夜貴方に恋焦がれる者。是非とも我が国に来られ、我妻となり、共に帝都の民を導いていただきたい。」
「…………」
「私はロドスタ帝国皇帝を賜っているルイス・カイエン・ロドスタ。ぜひ我が望みを叶えていただきたい。ウィルバーン・ルゼリア殿」
「私は……」
拒否の言葉を告げようとした矢先、いきなり左手を取られ、薬指に指輪をはめられた。
「ん……………」
左手が熱い……
クロさんとの紋様が薄れだし、消えていく……
後方に控えていたクロさんも、左手を抑えている。
もしや……まさか……
「ルイス・カイエン殿。これは一体どう言うことか。我が息子に何を!!」
周りに配置された騎士が刀を鞘から抜いて近づこうとする。
ダメだ……ここで……戦争のきっかけになる…
「落ち着いてください。私は大丈夫ですから。ルイス殿。急な求婚には驚きましたが、この様な…」
「それは求婚の指輪です。我が一族の宝物の一つでもありますが、それで直ぐに拒否する事も出来ないでしょう?」
クスクスと笑いながら、愛おしそうに私の指を絡めとるように撫でる。
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