12 / 19
サヨナラ……
しおりを挟む
十二月十八日──手術日だ。
年内の手術は、今週と来週の残り二回。この日の手術件数は、ひどく多かった。
高瀬の個室の厳戒態勢は続いている。
意識は戻らないものの、敗血症とDICの兆候は峠を越えたらしかった。意識を取り戻すのも時間の問題だろう、という。
高弘は二週間、一度も帰宅していない。
相変わらず顔色は青くて、痩せこけた印象が強い。だが高瀬の容態に見通しがついたこともあってか表情は暗くなかった。
それでも高弘の執刀するオペは七件。過酷なことに変わりはなかった。
「カツー。平山さんの腹部CT、お願い」
「はい!」
高齢の平山は、車椅子での護送も困難だ。だからストレッチャーでの護送となった。
手術日で人手は不足している。勝司はひとりでストレッチャーを押して地下一階、放射線科のCT室へと向かった。
勝司には祖父母というものが、いない。
平山は手足が拘縮しているが意識は清明な老婆である。やや認知症の傾向があったが勝司のことを気に入ってくれている。
「平山さん、お腹の撮影です。終わったらすぐに、お昼ごはん温めますからね」
オレと一緒に食べましょうというと平山はうれしそうに、笑った。
看護師には食事介助をする余力のある者はいないだろう。
そう思いながら撮影の終わった平山を病棟へと護送していく。個室のベッドに平山を移乗して、食事を持ってきますと告げると、向かいの高瀬の個室から出てきた高弘に声をかけられた。
「カツ。悪いが『血ガス、至急』頼めるか」
「わかりました」
血液ガス分析──敗血症にともなう「代謝性アシドーシス」と「呼吸性アルカローシスの監視」だろうか。
闘いはまだ続いているのだ。勝司は早足で五階、検査科へと向かう。数分の検査を待ち、その場で印刷された書面を即座に高弘のもとへ届けてその場を去る。
そして戻るなり平山の昼食を温めながら、食事介助の準備を済ませておいた。
父親が重度のアルコール依存症で入院したのが、勝司の十歳の誕生日だった。
家から父が姿を消すなり、母の態度は豹変した──父の暴力の脅威が遠ざかったからだ。
『もう、お父さんは帰ってこないんだよ』
母親は心底、嬉しそうにいう。
『もう誰もおまえを助けてくれないんだ』
歪んだ笑顔には、陰惨なまでに濃密な狂気の影が。
『ざまあみろ』
勝司は子供なりに、救いなどというものはどこにもないことを知っていた。
見舞いに訪れた勝司と母に、父は手の届くところにあったものを投げつけてくる。
『どうして追いかけてきた。誰だキサマは!』
集中的な攻撃を浴びて母親が退室すると、父は態度を、不気味なほどに変容させた。
『ああ、かつじ。おとうさんのところにおいで──?』
勝司は足がすくんで動けない。
今にも、泣き出しそうだった。
『かつじ。おまえはいい子だったよなァ』
おまえは父さんのモノだ。絶対に誰にも渡さないからなァ……
いくつもの、呪詛の言葉。
そうして父親は呆気なく肝不全で死んだ。最期まで譫言のように息子の領有を宣言しながら。
それから母親の狂気は、更に闇を深くしていく。
『お父さんが死んだのはアンタのせいだ』
因果関係はわからなかったが、母親がそういうのなら自分のせいなのだろうと思う。
『アンタが誑かしたんだからね』
誑かすとは、どういうことだろう。
父親の行為のすべては、限りなく自分本位だったように勝司には思えたのだが。
『悪魔だ。悪魔なんだよアンタは』
悪魔の子は、人間の間に生まれるものなのか。
自分が悪魔なら、その親もまた悪魔なのでは。
『さぁ懺悔しなさい、神さまに』
神が悪魔を赦すとでもいうのか。
『あやまるの。あやまりなさいよ!』
このころには勝司は、母親を蔑視しつつも心はどこかで、なにもかもを諦めていた。
ただ母のなかの狂った信仰が、ただただ怖かった。
何度も打擲されて、勝司はそれを他人事のように、受け止めていた。
ついに乖離が始まったのだ。
罰を受ける役割の自分と、それを眺める役割の自分と。
解離性同一性障害。いわゆる多重人格への兆候そのものである。
学校は、差別と嘲弄の場だった。
頻繁に欠席しては、いつもどこか身体の見える場所にアザを作り、茫洋と窓を眺める子供──ただし、ひどく容姿の整った。
児童の親たちは勝司の父親の奇行と末路を知っていたから、それを知らされた子供にとって勝司は格好のエサとなった。
ただ幸いだったのは、担任が早いうちから勝司の欠席の多さや、外傷の多さを不審に思っていたことだった。児童相談所が動き出している。保護は時間の問題だった──だが、すべては遅すぎた。
ただしそれらの問題は、やがて突然に決着する。母親の上位の狂気がすべてを吹き払ったのだ。
最初は睡眠薬と安定剤だったのだろう。やがてクスリは種類を増して、本人さえも把握しきれないほどの量になっていた。母親は禁忌を犯していた──アルコールと薬物の併用。食事はまともに摂らない。
勝司ともども二人は病的に痩せていた。
胡乱な目で足腰も立たない様子の母親を、勝司は物陰からじっと監視していた。
捕まってはいけない。
捕まれば何をされるかわからない。いきなり熱湯で顔を洗うことを強要されることもあった。
だがこの日──勝司は最悪のタイミングで捕らわれることになる。
『かつじ。ここへおいで』
いつになく慈愛に満ちた声音に、心の弱りきった勝司は無防備にも姿を見せてしまった。
『いい子だ。おまえはわるくないんだよ』
そうして強く抱きしめられる。
『ごめんね。ごめんねェ……』
母は泣いているようだった──だが、どうして勝司の両足は縛られるのだろう。
『手をおなかのまえで組みなさい』
言われるまま組んだ両手はビニールテープで結束される──両足と同様に。
そして一切の抵抗ができなくなった勝司の着衣を裁ち鋏が切り裂いていく。
『悪魔を、追い出してやるからねェ?』
ハサミの先端は、肩甲骨の下部を横一線に切り裂いた──往復して、何度も何度も。
続いて背筋に沿って、縦に。
脊髄に達するほど深くはないが、ハサミが往復するたびに勝司の身体は跳ねた。
悲鳴は上げなかった。
ただ涙だけが落ち続けている。涙は痛みによるものではなかった。もちろん悲しいわけでもない。
これで何もかも終わりになるのなら。
それでいいんだと──勝司は願っていた。
作業を終えて、母親は救急車を呼んだ。そして自身はそのまま警察へ出頭する。
精神鑑定の結果、母の心神耗弱が認められた。
こうして勝司と親の縁は、二度とつながることはなかった。親類に縁の薄い勝司は、親戚中をたらい回しにされることになる。
高校にはあまり行かなかったが、ギリギリ留年しない程度の出席だけはしておいた。卒業だけはしておく。
そうしたら勝司は親戚の家を出て、東京でひとり生きていくことを決めていた。
母親が入院していた精神科の専門病院に、かつて勝司は一度だけ、見舞いに行ったことがある。
お見舞い、などというものではなかった。自身の安全が保障されているのを確認しに行っただけのことで。
やや角度を上げられたベッドに横たわり、母親は静かに笑んでいた。
心穏やかに病院にて「保護」されているのか──勝司の内心は、ただグチャグチャになるだけだった。
だが勝司を見るなり母の形相は変わった。
よく覚えている。幼いころからの、勝司を口汚く罵るあの表情だった。
『おまえさえいなければ、私はッ!!』
勝司は学生服の背を向けた。
『おまえのせいなんだ。ぜんぶ』
そして誰にも見えないようにして嗤う。
『汚らわしい子──消えてしまえ。おまえなんて要らないの、消えなさい』
これが母親との最後の対面となる。
母はその年末、病棟に食事を積載したカートが入る瞬間に栄養科スタッフを殴り倒して脱走。そのまま山に入り、二日後には凍死体で発見された。この事件は全国ニュースでテレビ放映されたが、勝司にとって幸運だったのはそれが卒業式の前日だったことだけである。
無論、卒業式は欠席した──だから勝司は高校の卒業証書を受け取っていない。
後に郵送されてきたそれを、勝司はライターで燃やした。
炎を見つめながら勝司は薄く、冷たくただ笑っていた。
年内の手術は、今週と来週の残り二回。この日の手術件数は、ひどく多かった。
高瀬の個室の厳戒態勢は続いている。
意識は戻らないものの、敗血症とDICの兆候は峠を越えたらしかった。意識を取り戻すのも時間の問題だろう、という。
高弘は二週間、一度も帰宅していない。
相変わらず顔色は青くて、痩せこけた印象が強い。だが高瀬の容態に見通しがついたこともあってか表情は暗くなかった。
それでも高弘の執刀するオペは七件。過酷なことに変わりはなかった。
「カツー。平山さんの腹部CT、お願い」
「はい!」
高齢の平山は、車椅子での護送も困難だ。だからストレッチャーでの護送となった。
手術日で人手は不足している。勝司はひとりでストレッチャーを押して地下一階、放射線科のCT室へと向かった。
勝司には祖父母というものが、いない。
平山は手足が拘縮しているが意識は清明な老婆である。やや認知症の傾向があったが勝司のことを気に入ってくれている。
「平山さん、お腹の撮影です。終わったらすぐに、お昼ごはん温めますからね」
オレと一緒に食べましょうというと平山はうれしそうに、笑った。
看護師には食事介助をする余力のある者はいないだろう。
そう思いながら撮影の終わった平山を病棟へと護送していく。個室のベッドに平山を移乗して、食事を持ってきますと告げると、向かいの高瀬の個室から出てきた高弘に声をかけられた。
「カツ。悪いが『血ガス、至急』頼めるか」
「わかりました」
血液ガス分析──敗血症にともなう「代謝性アシドーシス」と「呼吸性アルカローシスの監視」だろうか。
闘いはまだ続いているのだ。勝司は早足で五階、検査科へと向かう。数分の検査を待ち、その場で印刷された書面を即座に高弘のもとへ届けてその場を去る。
そして戻るなり平山の昼食を温めながら、食事介助の準備を済ませておいた。
父親が重度のアルコール依存症で入院したのが、勝司の十歳の誕生日だった。
家から父が姿を消すなり、母の態度は豹変した──父の暴力の脅威が遠ざかったからだ。
『もう、お父さんは帰ってこないんだよ』
母親は心底、嬉しそうにいう。
『もう誰もおまえを助けてくれないんだ』
歪んだ笑顔には、陰惨なまでに濃密な狂気の影が。
『ざまあみろ』
勝司は子供なりに、救いなどというものはどこにもないことを知っていた。
見舞いに訪れた勝司と母に、父は手の届くところにあったものを投げつけてくる。
『どうして追いかけてきた。誰だキサマは!』
集中的な攻撃を浴びて母親が退室すると、父は態度を、不気味なほどに変容させた。
『ああ、かつじ。おとうさんのところにおいで──?』
勝司は足がすくんで動けない。
今にも、泣き出しそうだった。
『かつじ。おまえはいい子だったよなァ』
おまえは父さんのモノだ。絶対に誰にも渡さないからなァ……
いくつもの、呪詛の言葉。
そうして父親は呆気なく肝不全で死んだ。最期まで譫言のように息子の領有を宣言しながら。
それから母親の狂気は、更に闇を深くしていく。
『お父さんが死んだのはアンタのせいだ』
因果関係はわからなかったが、母親がそういうのなら自分のせいなのだろうと思う。
『アンタが誑かしたんだからね』
誑かすとは、どういうことだろう。
父親の行為のすべては、限りなく自分本位だったように勝司には思えたのだが。
『悪魔だ。悪魔なんだよアンタは』
悪魔の子は、人間の間に生まれるものなのか。
自分が悪魔なら、その親もまた悪魔なのでは。
『さぁ懺悔しなさい、神さまに』
神が悪魔を赦すとでもいうのか。
『あやまるの。あやまりなさいよ!』
このころには勝司は、母親を蔑視しつつも心はどこかで、なにもかもを諦めていた。
ただ母のなかの狂った信仰が、ただただ怖かった。
何度も打擲されて、勝司はそれを他人事のように、受け止めていた。
ついに乖離が始まったのだ。
罰を受ける役割の自分と、それを眺める役割の自分と。
解離性同一性障害。いわゆる多重人格への兆候そのものである。
学校は、差別と嘲弄の場だった。
頻繁に欠席しては、いつもどこか身体の見える場所にアザを作り、茫洋と窓を眺める子供──ただし、ひどく容姿の整った。
児童の親たちは勝司の父親の奇行と末路を知っていたから、それを知らされた子供にとって勝司は格好のエサとなった。
ただ幸いだったのは、担任が早いうちから勝司の欠席の多さや、外傷の多さを不審に思っていたことだった。児童相談所が動き出している。保護は時間の問題だった──だが、すべては遅すぎた。
ただしそれらの問題は、やがて突然に決着する。母親の上位の狂気がすべてを吹き払ったのだ。
最初は睡眠薬と安定剤だったのだろう。やがてクスリは種類を増して、本人さえも把握しきれないほどの量になっていた。母親は禁忌を犯していた──アルコールと薬物の併用。食事はまともに摂らない。
勝司ともども二人は病的に痩せていた。
胡乱な目で足腰も立たない様子の母親を、勝司は物陰からじっと監視していた。
捕まってはいけない。
捕まれば何をされるかわからない。いきなり熱湯で顔を洗うことを強要されることもあった。
だがこの日──勝司は最悪のタイミングで捕らわれることになる。
『かつじ。ここへおいで』
いつになく慈愛に満ちた声音に、心の弱りきった勝司は無防備にも姿を見せてしまった。
『いい子だ。おまえはわるくないんだよ』
そうして強く抱きしめられる。
『ごめんね。ごめんねェ……』
母は泣いているようだった──だが、どうして勝司の両足は縛られるのだろう。
『手をおなかのまえで組みなさい』
言われるまま組んだ両手はビニールテープで結束される──両足と同様に。
そして一切の抵抗ができなくなった勝司の着衣を裁ち鋏が切り裂いていく。
『悪魔を、追い出してやるからねェ?』
ハサミの先端は、肩甲骨の下部を横一線に切り裂いた──往復して、何度も何度も。
続いて背筋に沿って、縦に。
脊髄に達するほど深くはないが、ハサミが往復するたびに勝司の身体は跳ねた。
悲鳴は上げなかった。
ただ涙だけが落ち続けている。涙は痛みによるものではなかった。もちろん悲しいわけでもない。
これで何もかも終わりになるのなら。
それでいいんだと──勝司は願っていた。
作業を終えて、母親は救急車を呼んだ。そして自身はそのまま警察へ出頭する。
精神鑑定の結果、母の心神耗弱が認められた。
こうして勝司と親の縁は、二度とつながることはなかった。親類に縁の薄い勝司は、親戚中をたらい回しにされることになる。
高校にはあまり行かなかったが、ギリギリ留年しない程度の出席だけはしておいた。卒業だけはしておく。
そうしたら勝司は親戚の家を出て、東京でひとり生きていくことを決めていた。
母親が入院していた精神科の専門病院に、かつて勝司は一度だけ、見舞いに行ったことがある。
お見舞い、などというものではなかった。自身の安全が保障されているのを確認しに行っただけのことで。
やや角度を上げられたベッドに横たわり、母親は静かに笑んでいた。
心穏やかに病院にて「保護」されているのか──勝司の内心は、ただグチャグチャになるだけだった。
だが勝司を見るなり母の形相は変わった。
よく覚えている。幼いころからの、勝司を口汚く罵るあの表情だった。
『おまえさえいなければ、私はッ!!』
勝司は学生服の背を向けた。
『おまえのせいなんだ。ぜんぶ』
そして誰にも見えないようにして嗤う。
『汚らわしい子──消えてしまえ。おまえなんて要らないの、消えなさい』
これが母親との最後の対面となる。
母はその年末、病棟に食事を積載したカートが入る瞬間に栄養科スタッフを殴り倒して脱走。そのまま山に入り、二日後には凍死体で発見された。この事件は全国ニュースでテレビ放映されたが、勝司にとって幸運だったのはそれが卒業式の前日だったことだけである。
無論、卒業式は欠席した──だから勝司は高校の卒業証書を受け取っていない。
後に郵送されてきたそれを、勝司はライターで燃やした。
炎を見つめながら勝司は薄く、冷たくただ笑っていた。
6
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる