294 / 316
第1章
第294話 慈悲の銃口
しおりを挟む
シュンによって一方的に斃されていく無数の宵闇の女神達・・。
そのまま延々と続いて根比べになるのかと思って見ていたら、いきなりシュンが動かなくなった。
それは、ユアとユナが初めて目にする光景だった。
シュンが無抵抗のまま一方的に斬られ、刺されて、闘技場の床を転がった。
血を流したシュンを見たのは、パーティを組んだ最初の頃以来だ。
いつだって、相手より上手をいくシュンが、人形のように身動きをせず、女神の長剣で刺され、破壊光で灼かれていた。
輪廻の女神が引き留めなければ、ユアとユナは闘技場に飛び降りてシュンの援護に行っていただろう。
『まだ、大丈夫よ』
輪廻の女神が打ち転がされるシュンを見ながら言った。
「で、でもっ!」
「なんか、おかしい!」
ユアとユナは泣きそうな顔で場内に飛び降りようとする。
それを、輪廻の女神が抱き止めて引き戻した。
『大丈夫なのに2人が行ったりしたら、使徒シュンの負けになっちゃうでしょう?』
「・・女神様?」
「・・本当に大丈夫?」
『ええ・・大丈夫よ。今は、宵闇の呪いの檻に閉じ込められているだけ』
「檻?」
「呪いの?」
『そう。でも、もうシュンが呪いを解き始めているわ。あんなに強い宵闇は初めて見たけれど・・もう、間に合わないわね』
「えっ? 女神様?」
「間に合わない?」
『宵闇は仕留めきれなかった。使徒シュンが呪いの檻を出るわ』
輪廻の女神に言われて、ユアとユナが闘技場を見た。石床の上に仰向けに倒れたシュンの上に馬乗りになり、宵闇の女神が細身の長剣を握って何度も突き刺していた。
『応援しなさい。ユア、ユナ・・名前を呼ぶのよ。覚醒が早まるわ』
そう言うと、輪廻の女神が2人から離れて、マーブル主神の傍らへと戻って行った。
ユアとユナは、互いに顔を見合わせて大きく頷いた。
「シュンさーーん!」
「シュンさーーん!」
喉を振り絞るように叫ぶ2人の声が闘技場内に響き渡った。
破壊光でシュンが跳ね飛び、反対側の防壁近くに転がる。
ユアとユナは大急ぎで走った。とにかくシュンの近くへ行って声を掛けたかった。
「起きてっ! シュンさん!」
「シュンさん、起きてーー!」
観覧席を回り込み、縁石ぎりぎりに身を乗り出して、遙か下方に倒れているシュンを見ながらユアとユナが叫び続ける。
その声に焦ったのか、宵闇の女神が遮二無二斬りつけ始めた。
直後、
ギィィィィーーン・・
激しい金属音と共に火花が散って、宵闇の女神が弾け飛んだ。
まだシュンは仰向けに倒れたままだったが、その手に短刀が握られている。
「シュンさん、起きてっ!」
「シュンさん、しっかりしてっ!」
ユアとユナがここぞとばかりに声を張り上げる。
その声に応えるように、シュンが上体を起こした。開いたままだった傷口がみるみる癒えていく様子が見て取れる。シュンに、いつのも再生力が戻っていた。
見守っていると、シュンの近くにジェルミーが姿を現し、ユアとユナの居る観覧席へと飛び上がって来た。
「ジェルちゃん、もう大丈夫?」
「シュンさん、大丈夫よね?」
ユアとユナは、不安顔のまま傍らの女剣士を見上げた。
「大丈夫です。相手の勝ち筋は完全に消えました」
ジェルミーが生真面目に答えた。
「・・あんなに斬られてたんだよ?」
「・・滅茶苦茶に刺されてたし」
ユアとユナは場内のシュンを見下ろした。
「もう、大丈夫だ」
シュンが、ユアとユナを見上げて手を振っていた。
「だって・・そんなになって、何があったの?」
「シュンさん、どうしたの? 何かの術?」
ジェルミーに引き留められながら、ユアとユナが観覧席から身を乗り出して訊ねた。
ここで助けに入ったり、回復魔法を使ってしまうと負けになる。
「挨拶をしてきた」
シュンが意味不明の事を言っていた。
ユアとユナは、なおも身を乗り出して何かを訊こうとして、ふと口を噤んで静かになった。
「・・あれ?」
「・・あれれ?」
2人は、そうっとジェルミーを振り返った。
ジェルミーが喋ったような気がしたのだ。
「ジェルちゃん?」
「もしかして?」
ユアとユナの大きな瞳に見つめられて、ジェルミーが微笑を返した。
「声が出せるの?」
「喋れるようになった?」
「はい」
ジェルミーが頷いた時、場内で閃光が爆ぜた。宵闇の女神が放つ破壊光だ。
ユアとユナが場内を振り返った時、宵闇の女神が放った破壊光を、シュンが片手で受け止め、そして掻き消した。
思わず体に力を入れ、拳を握ったユアとユナだったが、ほっと息をついて体の力を抜いた。
どうやら本調子に戻った。
いつものシュンに戻ってくれた。
「場内に入ってはいけません」
ユアとユナの上着の襟首を、ジェルミーが掴む。
「えへへ・・もう大丈夫ですよ~」
「えへへ・・もう暴れませんよ~」
ユアとユナは、小さく舌を出しながら、最寄りの座席に腰を下ろした。
その間も場内では破壊光が輝き、激しい殴打音が鳴っていたが・・。
(もう大丈夫)
(もういつも通り)
ユアとユナは腕組みをして目を閉じた。
ドシィィィッ・・
殴打音と共に、宵闇の女神は闘技場の反対側の壁まで飛ばされた。
直後に、使徒に片足を掴んで持ち上げられ、床めがけて叩きつけられた。真上から腹部に拳を叩き込まれた。顔面を踏み抜かれた。
宵闇の女神は呪陣による効果で、開始直後とは別格の、龍人などより遙かに高い身体強度になっていた。再生速度も速い。
故に、死が訪れなかった。
使徒に殴られ、床に叩き付けられても死ぬことなく即座に回復し、宵闇の女神は生き続けた。ただ生き続けただけだった。
宵闇の女神は抵抗できなかった。
すでに、心が絶望してしまっていた。
今回の神前試合において考え得る最上の条件を呑ませた。宵闇の女神にとって、これ以上無いほど有利な条件だった。
その上で、呪法具"鬼王蜂の毒棘"による呪怨の法円を完成させ、呪いの呪縛で使徒を拘束できた。
あらゆる防御力を失った無防備な使徒を、持てる全ての力を使って攻撃した。
戦前に、こうなってくれればと夢想した最上の状況に持ち込めたのだ。
だが、完全に無防備になった使徒を、あれほど懸命に攻撃しながら仕留めきる事が出来なかった。振り下ろす手の方が痛くなるくらいに剣を振った。破壊光を全力で撃った。殺傷能力の高い魔法を、何度も何度も使った。
なのに・・。
死なないのだ。どうやっても、使徒が死んでくれなかったのだ。
そして、使徒が呪縛から脱け出てしまった。
呪詛によって無防備だった使徒の体に、防御の力が戻り、凄まじい再生力によって肉体が復元していった。
・・もう駄目だ。
宵闇の女神だけでなく、観覧している皆が確信しただろう。
宵闇の女神に無惨な死が訪れることを・・。
もう宵闇の女神に分体は残っていない。使徒を討ち果たすために、すべての分体を結集し、在らん限りの力を振り絞っていたのだ。
ドシッ・・
軽い殴打で、吹き飛んだ宵闇の女神が床の上に倒れたまま動かなくなった。
「解体して喰ってもいいが・・」
見下ろして呟く使徒を、虚ろな眼差しで見上げながら、宵闇の女神は弱々しく首を振った。食べられるのは嫌だった。
「・・楽にしてやる。そこを動くな」
静かな声でそう告げて、使徒が離れていった。
宵闇の女神はゆっくりと首を捻って使徒の後ろ姿を目で追った。
少し離れた位置で使徒が振り返り、銃器を手に片膝を突いた。黒光りする銃口が宵闇の女神に向けられる。
宵闇の女神は目を閉じて、その時を待った。
「ビリオン・フィアー」
使徒がそう呟いたようだった。
そのまま延々と続いて根比べになるのかと思って見ていたら、いきなりシュンが動かなくなった。
それは、ユアとユナが初めて目にする光景だった。
シュンが無抵抗のまま一方的に斬られ、刺されて、闘技場の床を転がった。
血を流したシュンを見たのは、パーティを組んだ最初の頃以来だ。
いつだって、相手より上手をいくシュンが、人形のように身動きをせず、女神の長剣で刺され、破壊光で灼かれていた。
輪廻の女神が引き留めなければ、ユアとユナは闘技場に飛び降りてシュンの援護に行っていただろう。
『まだ、大丈夫よ』
輪廻の女神が打ち転がされるシュンを見ながら言った。
「で、でもっ!」
「なんか、おかしい!」
ユアとユナは泣きそうな顔で場内に飛び降りようとする。
それを、輪廻の女神が抱き止めて引き戻した。
『大丈夫なのに2人が行ったりしたら、使徒シュンの負けになっちゃうでしょう?』
「・・女神様?」
「・・本当に大丈夫?」
『ええ・・大丈夫よ。今は、宵闇の呪いの檻に閉じ込められているだけ』
「檻?」
「呪いの?」
『そう。でも、もうシュンが呪いを解き始めているわ。あんなに強い宵闇は初めて見たけれど・・もう、間に合わないわね』
「えっ? 女神様?」
「間に合わない?」
『宵闇は仕留めきれなかった。使徒シュンが呪いの檻を出るわ』
輪廻の女神に言われて、ユアとユナが闘技場を見た。石床の上に仰向けに倒れたシュンの上に馬乗りになり、宵闇の女神が細身の長剣を握って何度も突き刺していた。
『応援しなさい。ユア、ユナ・・名前を呼ぶのよ。覚醒が早まるわ』
そう言うと、輪廻の女神が2人から離れて、マーブル主神の傍らへと戻って行った。
ユアとユナは、互いに顔を見合わせて大きく頷いた。
「シュンさーーん!」
「シュンさーーん!」
喉を振り絞るように叫ぶ2人の声が闘技場内に響き渡った。
破壊光でシュンが跳ね飛び、反対側の防壁近くに転がる。
ユアとユナは大急ぎで走った。とにかくシュンの近くへ行って声を掛けたかった。
「起きてっ! シュンさん!」
「シュンさん、起きてーー!」
観覧席を回り込み、縁石ぎりぎりに身を乗り出して、遙か下方に倒れているシュンを見ながらユアとユナが叫び続ける。
その声に焦ったのか、宵闇の女神が遮二無二斬りつけ始めた。
直後、
ギィィィィーーン・・
激しい金属音と共に火花が散って、宵闇の女神が弾け飛んだ。
まだシュンは仰向けに倒れたままだったが、その手に短刀が握られている。
「シュンさん、起きてっ!」
「シュンさん、しっかりしてっ!」
ユアとユナがここぞとばかりに声を張り上げる。
その声に応えるように、シュンが上体を起こした。開いたままだった傷口がみるみる癒えていく様子が見て取れる。シュンに、いつのも再生力が戻っていた。
見守っていると、シュンの近くにジェルミーが姿を現し、ユアとユナの居る観覧席へと飛び上がって来た。
「ジェルちゃん、もう大丈夫?」
「シュンさん、大丈夫よね?」
ユアとユナは、不安顔のまま傍らの女剣士を見上げた。
「大丈夫です。相手の勝ち筋は完全に消えました」
ジェルミーが生真面目に答えた。
「・・あんなに斬られてたんだよ?」
「・・滅茶苦茶に刺されてたし」
ユアとユナは場内のシュンを見下ろした。
「もう、大丈夫だ」
シュンが、ユアとユナを見上げて手を振っていた。
「だって・・そんなになって、何があったの?」
「シュンさん、どうしたの? 何かの術?」
ジェルミーに引き留められながら、ユアとユナが観覧席から身を乗り出して訊ねた。
ここで助けに入ったり、回復魔法を使ってしまうと負けになる。
「挨拶をしてきた」
シュンが意味不明の事を言っていた。
ユアとユナは、なおも身を乗り出して何かを訊こうとして、ふと口を噤んで静かになった。
「・・あれ?」
「・・あれれ?」
2人は、そうっとジェルミーを振り返った。
ジェルミーが喋ったような気がしたのだ。
「ジェルちゃん?」
「もしかして?」
ユアとユナの大きな瞳に見つめられて、ジェルミーが微笑を返した。
「声が出せるの?」
「喋れるようになった?」
「はい」
ジェルミーが頷いた時、場内で閃光が爆ぜた。宵闇の女神が放つ破壊光だ。
ユアとユナが場内を振り返った時、宵闇の女神が放った破壊光を、シュンが片手で受け止め、そして掻き消した。
思わず体に力を入れ、拳を握ったユアとユナだったが、ほっと息をついて体の力を抜いた。
どうやら本調子に戻った。
いつものシュンに戻ってくれた。
「場内に入ってはいけません」
ユアとユナの上着の襟首を、ジェルミーが掴む。
「えへへ・・もう大丈夫ですよ~」
「えへへ・・もう暴れませんよ~」
ユアとユナは、小さく舌を出しながら、最寄りの座席に腰を下ろした。
その間も場内では破壊光が輝き、激しい殴打音が鳴っていたが・・。
(もう大丈夫)
(もういつも通り)
ユアとユナは腕組みをして目を閉じた。
ドシィィィッ・・
殴打音と共に、宵闇の女神は闘技場の反対側の壁まで飛ばされた。
直後に、使徒に片足を掴んで持ち上げられ、床めがけて叩きつけられた。真上から腹部に拳を叩き込まれた。顔面を踏み抜かれた。
宵闇の女神は呪陣による効果で、開始直後とは別格の、龍人などより遙かに高い身体強度になっていた。再生速度も速い。
故に、死が訪れなかった。
使徒に殴られ、床に叩き付けられても死ぬことなく即座に回復し、宵闇の女神は生き続けた。ただ生き続けただけだった。
宵闇の女神は抵抗できなかった。
すでに、心が絶望してしまっていた。
今回の神前試合において考え得る最上の条件を呑ませた。宵闇の女神にとって、これ以上無いほど有利な条件だった。
その上で、呪法具"鬼王蜂の毒棘"による呪怨の法円を完成させ、呪いの呪縛で使徒を拘束できた。
あらゆる防御力を失った無防備な使徒を、持てる全ての力を使って攻撃した。
戦前に、こうなってくれればと夢想した最上の状況に持ち込めたのだ。
だが、完全に無防備になった使徒を、あれほど懸命に攻撃しながら仕留めきる事が出来なかった。振り下ろす手の方が痛くなるくらいに剣を振った。破壊光を全力で撃った。殺傷能力の高い魔法を、何度も何度も使った。
なのに・・。
死なないのだ。どうやっても、使徒が死んでくれなかったのだ。
そして、使徒が呪縛から脱け出てしまった。
呪詛によって無防備だった使徒の体に、防御の力が戻り、凄まじい再生力によって肉体が復元していった。
・・もう駄目だ。
宵闇の女神だけでなく、観覧している皆が確信しただろう。
宵闇の女神に無惨な死が訪れることを・・。
もう宵闇の女神に分体は残っていない。使徒を討ち果たすために、すべての分体を結集し、在らん限りの力を振り絞っていたのだ。
ドシッ・・
軽い殴打で、吹き飛んだ宵闇の女神が床の上に倒れたまま動かなくなった。
「解体して喰ってもいいが・・」
見下ろして呟く使徒を、虚ろな眼差しで見上げながら、宵闇の女神は弱々しく首を振った。食べられるのは嫌だった。
「・・楽にしてやる。そこを動くな」
静かな声でそう告げて、使徒が離れていった。
宵闇の女神はゆっくりと首を捻って使徒の後ろ姿を目で追った。
少し離れた位置で使徒が振り返り、銃器を手に片膝を突いた。黒光りする銃口が宵闇の女神に向けられる。
宵闇の女神は目を閉じて、その時を待った。
「ビリオン・フィアー」
使徒がそう呟いたようだった。
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活
アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。
妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。
貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。
しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。
小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる