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おじさん♡激愛されます②
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セスが君を見つけた奇跡の時まで…
俺はαらしからぬ模索に囚われていた。
俺は誇りを捨て意、にそぐわない迎合に明け暮れていたのだ。
徒労に終わる事を予感していたが何とか食らいついていた。
もう万策が尽きていた。
もはや捨て身だった。
それ程に追い詰められていた。
ほとんど投げ槍だった。
苦渋の選択を前に俺は望まぬ未来を選んだ。
それが変化の道だ。
それはセスが行く道とは全く異なる。
近代におけるα種の深刻な継承者の減少は、止むことがない。
我々の誇り高い始祖は異種との交わりを拒み続けてきた。
長い歴史の中でも変わる事などなかった。
困難は数限りなくあった。
だが臆することなどなかった。
それが我々の本道だ。
セスはその道を行く。
だが俺はαの誇りを捨て別の道を行く。
俺自身がそのように仕向けた。
…この道をセスに進ませたくなかった。
彼には正統であって欲しい。
その高潔な純粋さを俺は愛している。
αの愛とはこのようなものだ。
感情に起因しない。
衝動とは無縁の心情だ。
セスは俺よりもαらしい男なのだ。
より優れた方が尊重されなくてはならない。
そして俺は犠牲になった。
俺が自信を投げ打ってβ種との共存を選んだのは他の道がすべからず閉ざされたからだ。
一縷の望みはあった。
だがそれは!
限りなく絶望に近い希望だった。
セスはその賭けに見事に勝利した。
しかし、大抵は夢破れて悲劇に終わる賭けなのだ。
俺は奇跡に運命を任せる道を選ばなかった。
叶わない希望より未来ある絶望を、俺は選んだ。
大抵のαはβと交わる事に難儀していた。
β種はとにかく感情的な生き物だ。
特に愛欲に対しての盲目さや貪欲さは我々には奇抜に映る。
俺は彼らの愛がどんなにか不可解なものかを知り、さらに困惑させられた。
とはいえ理解し難くとも、受け入れねばならぬ。
そうで無くては彼らと向き合う事が出来ない。
彼らの中心はいつもそれだった。
愛のために人生はあると信じている。
全く自分の意思にそぐわないが、俺は受け入れようとした。
それは焦燥と無力感に晒された日々だった。
度重なる心労と諦観せざるおえないやるせ無さが俺の中で渦巻いていた。
いつしか本来の自分を見失っていった。
頑健な筈のαの灯火が揺らいだ。
けれどそのせいで、徐々に事態に順応し始めた。
それは本来の自分を偽る事だがβと共に在る為には必要だった。
いつしか俺は理性の栓を開き開放した。
大切に重んじてきた固定概念を壊したのだ。
そうやって俺の中にゆらぐβの心情を受け入れる余地を作った。
すると初めて彼らに共感できた。
αらしからぬ感情だった。
それはαの理性をβの感性で侵されたようなものだ。
自分を損なった事で、俺は以前の俺を永遠に失った。
俺は酷く絶望した。
それでも不可解で不快だった物事に免疫を得て、β社会との共存が現実味を増した。
絶望とも希望ともつかないが未来が拓けた。
滅びゆく種の末裔としてすべき事をしたまでだ!
俺は感情で物事を見るようになった。
世界が少しずつ変わって見えてきた。
βの見方が変わると自身のα性を他者の目でもって見つめるようになった。
そして我々がβの人々に冷血種といわれている意味をら初めて理解した。
愛が故の不条理は尊く美しく感動に値する。
αに無い感情だがこれこそがβの真理だ。
とはいえ理解しつつも実感は出来ない。
だからどこか半信半疑で腑に落ちずにいた。
それでもβと親しくあれば否応なく、それは身近に起こる事だった。
悲喜こもごもがβの人生の醍醐味なのだ。
いつしか俺は彼らが羨ましく思えた。
あんなふうに愛し合えたなら、世界がどんなふうに見えるだろう。
彼らは愛のために生きる人たちだ。
これが愛だと信じたら、破滅も厭わない。
酷く辛くて苦しくて…
堪らないと嘆く癖に、決して愛する事をやめない。
彼らの流儀によると、愛の悦びは苦しみと表裏一体でなくてはならないようだった。
この事が妻を得た俺を我儘にした。
俺が知るβの愛とは求め合う事だ。
以前は自分自身が誰かを激しく求める事など想像もつかなかった。
でも実際に起こってみたら魅了された。
自制が効かないとはこの事かと思い知る。
君が欲しくてたまらない。
信じられないくらい、君が好きなんだ!
君も同じように、俺に欲情して欲しい。
ああ、こんな強欲な望みを抱く自分が心地いい。
\\\٩(๑`^´๑)۶////
セスが君を見つけた奇跡の時まで…
俺はαらしからぬ模索に囚われていた。
俺は誇りを捨て意、にそぐわない迎合に明け暮れていたのだ。
徒労に終わる事を予感していたが何とか食らいついていた。
もう万策が尽きていた。
もはや捨て身だった。
それ程に追い詰められていた。
ほとんど投げ槍だった。
苦渋の選択を前に俺は望まぬ未来を選んだ。
それが変化の道だ。
それはセスが行く道とは全く異なる。
近代におけるα種の深刻な継承者の減少は、止むことがない。
我々の誇り高い始祖は異種との交わりを拒み続けてきた。
長い歴史の中でも変わる事などなかった。
困難は数限りなくあった。
だが臆することなどなかった。
それが我々の本道だ。
セスはその道を行く。
だが俺はαの誇りを捨て別の道を行く。
俺自身がそのように仕向けた。
…この道をセスに進ませたくなかった。
彼には正統であって欲しい。
その高潔な純粋さを俺は愛している。
αの愛とはこのようなものだ。
感情に起因しない。
衝動とは無縁の心情だ。
セスは俺よりもαらしい男なのだ。
より優れた方が尊重されなくてはならない。
そして俺は犠牲になった。
俺が自信を投げ打ってβ種との共存を選んだのは他の道がすべからず閉ざされたからだ。
一縷の望みはあった。
だがそれは!
限りなく絶望に近い希望だった。
セスはその賭けに見事に勝利した。
しかし、大抵は夢破れて悲劇に終わる賭けなのだ。
俺は奇跡に運命を任せる道を選ばなかった。
叶わない希望より未来ある絶望を、俺は選んだ。
大抵のαはβと交わる事に難儀していた。
β種はとにかく感情的な生き物だ。
特に愛欲に対しての盲目さや貪欲さは我々には奇抜に映る。
俺は彼らの愛がどんなにか不可解なものかを知り、さらに困惑させられた。
とはいえ理解し難くとも、受け入れねばならぬ。
そうで無くては彼らと向き合う事が出来ない。
彼らの中心はいつもそれだった。
愛のために人生はあると信じている。
全く自分の意思にそぐわないが、俺は受け入れようとした。
それは焦燥と無力感に晒された日々だった。
度重なる心労と諦観せざるおえないやるせ無さが俺の中で渦巻いていた。
いつしか本来の自分を見失っていった。
頑健な筈のαの灯火が揺らいだ。
けれどそのせいで、徐々に事態に順応し始めた。
それは本来の自分を偽る事だがβと共に在る為には必要だった。
いつしか俺は理性の栓を開き開放した。
大切に重んじてきた固定概念を壊したのだ。
そうやって俺の中にゆらぐβの心情を受け入れる余地を作った。
すると初めて彼らに共感できた。
αらしからぬ感情だった。
それはαの理性をβの感性で侵されたようなものだ。
自分を損なった事で、俺は以前の俺を永遠に失った。
俺は酷く絶望した。
それでも不可解で不快だった物事に免疫を得て、β社会との共存が現実味を増した。
絶望とも希望ともつかないが未来が拓けた。
滅びゆく種の末裔としてすべき事をしたまでだ!
俺は感情で物事を見るようになった。
世界が少しずつ変わって見えてきた。
βの見方が変わると自身のα性を他者の目でもって見つめるようになった。
そして我々がβの人々に冷血種といわれている意味をら初めて理解した。
愛が故の不条理は尊く美しく感動に値する。
αに無い感情だがこれこそがβの真理だ。
とはいえ理解しつつも実感は出来ない。
だからどこか半信半疑で腑に落ちずにいた。
それでもβと親しくあれば否応なく、それは身近に起こる事だった。
悲喜こもごもがβの人生の醍醐味なのだ。
いつしか俺は彼らが羨ましく思えた。
あんなふうに愛し合えたなら、世界がどんなふうに見えるだろう。
彼らは愛のために生きる人たちだ。
これが愛だと信じたら、破滅も厭わない。
酷く辛くて苦しくて…
堪らないと嘆く癖に、決して愛する事をやめない。
彼らの流儀によると、愛の悦びは苦しみと表裏一体でなくてはならないようだった。
この事が妻を得た俺を我儘にした。
俺が知るβの愛とは求め合う事だ。
以前は自分自身が誰かを激しく求める事など想像もつかなかった。
でも実際に起こってみたら魅了された。
自制が効かないとはこの事かと思い知る。
君が欲しくてたまらない。
信じられないくらい、君が好きなんだ!
君も同じように、俺に欲情して欲しい。
ああ、こんな強欲な望みを抱く自分が心地いい。
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