14 / 155
おじさん♡溺愛されます②
しおりを挟む
セス♡
α種族である我々と他種族の習性とその感性は異質である。
同じ人類であっても本質的に違うのだ。
特にα種とβ種においては長い歴史をお互いに隔てあってきた。
αにはαの歴史があり、βにはβの歴史がある。
α種は完全なる階級社会を営んでいきた。
己の身の程を知りその事に揺るがない。
平静と調和を好む性質であり粛々と生きる。
我々とは異なり、β種には戦乱があり恐慌があった。
彼らは初期にこそ我々に習い階級制を採用していた。
近代にはどの様な素質にも力量にも限らず、平等であることを模索しているようだ。
彼らのこういった変化を求める気質は、我々の不変を重んじる傾向と相反する。
彼らは満足することを知らず右往左往しては、時に世界を揺るがす騒動を巻き起こす。
全く理解し難いことだが、種の違いとはその様なものだ。
我々はそんなふうに彼らを黙認してきた。
しかし昨今では彼らの方から干渉したがる向きがあり、閉口している。
なぜお互いの違いがこれ程に明確であるのに敢えて交わろうとするのか。
彼らは我々を困惑させる。
とはいえここまで大した接点を持たずして共存できていたのだ。
世界はそんなふうに概ね調和していた。
それぞれが棲み分けあって干渉をしない。
この意向は主に我々α種のものでβ種にはまた違った意見があった。
彼らは異種と交わることを厭わず、むしろ交流を望む傾向がある。
だが社会通念やその概念が全く違っているため、意思の疎通が難しい。
α種はこれ程の差異があり、共生する意義に乏しい種族間での交流に必要性を感じない。
しかしβ種には我々の身体能力や形態が優性に映る様で、執拗に交流を望むのだった。
しばしば交渉を挑んできたがこれまで我々は構わなかった。
だが、彼らは機会を得た。
我々は望まぬ変化に見舞われている…
1000年程前からΩ種族の減少が見られていた。
この数百年に至っては大陸でΩ種が出現する事は皆無だった。
その結果α種の血統を正しく継承する事が難しくなり、種の保存に行き詰まった。
そして新たな活路を模索するため、一時…
β種との交流を図ったのだ。
しかし、種族間の隔たりは大き過ぎた。
β種にはα種に理解し難い感情の揺らぎがある。
またβ種にはα種は酷薄に映るようだった。
我々はしばしば誤解された。
時に彼らは敵愾心も露に攻撃も辞さない。
私も彼の国に過ごした経験からその事を思い知っている。
それでもΩ種が絶滅に瀕している現状がα種を鼓舞した。
耐え忍び彼らと共に在ろうとした。
しかし望んだ結果は得られないままα種はβ種によって望まぬ変化に晒された。
これはα種には耐え難い事だった。
その結果開放した扉をまたもや固く閉じるに至った。
けれど一度開いた扉は閉じ切ることなく薄く開かれていた。
その隙間から射す光には望みがあった。
その先にある希望の放つ微かな光を頼りに私は捨て身で飛び込んだのだ!
そしてリリィを見つけた。
私の希望であり、α種の希望だ。
君という希望を守るために、必要な事は何でもする。
何だって出来る。
その力に満ち溢れている。
それは君によって与えられたものだ。
Ωの恩恵は凄まじい。
私は君を得て人並みのαでは到達できない高みがある事を知った。
君によって自身の内にもそれが有ると初めてわかった。
私はα種の上位者だがΩの血が遠い。
自国では400年前に最後の「リリィ」を亡くしてから一人のΩも迎えていない。
そのせいで我々の一族はαの血を正しく継承出来ずにいた。
私とマックスは現在の一族では上位者にある、優れたαだ。
それは自他ともに認めるもので、私達は明らかに優秀である。
それでも本来の能力ではなかったのだ!
リリィの愛の恩恵を受けてそれが解った。
私達は持てる力の半分も発揮しておらず、祖先から受け継いでいた己の器の大きさすらもわかっていなかった。
リリィが全てを教えてくれた。
そして全てを与えてくれた。
妻の身体が、体液が、私達を強くする。
その香りを感じるだけで、力が湧いてくる。
αにとってΩがどれ程にかけがえの無い存在なのかを思い知った。
この存在を得ずにαでは有り得ない!
Ωを失くしたままでよくもαを誇っていられたものだと呆れるくらいだ。
君を愛する程に私は高まっていく。
ありがとう。
君は私を完璧なαにしてくれる。
だから、私は既存のα種の矜持も捨てよう。
君という愛する妻のために…
君のために、私は生きたい。
君なくして、私はない。
けれど私は愛するということに疎い。
だから君を困惑させ時に落胆させてしまう。
なのに慈悲深く謙虚で可愛い我らが妻は夫の無知な振る舞いを責めもせず許してしまう。
これではいけない。
私は君を幸せにしたい。
この手でそうしたい。
私は必ず君と最上の愛を成すのだ。
\\\٩(๑`^´๑)۶////
α種族である我々と他種族の習性とその感性は異質である。
同じ人類であっても本質的に違うのだ。
特にα種とβ種においては長い歴史をお互いに隔てあってきた。
αにはαの歴史があり、βにはβの歴史がある。
α種は完全なる階級社会を営んでいきた。
己の身の程を知りその事に揺るがない。
平静と調和を好む性質であり粛々と生きる。
我々とは異なり、β種には戦乱があり恐慌があった。
彼らは初期にこそ我々に習い階級制を採用していた。
近代にはどの様な素質にも力量にも限らず、平等であることを模索しているようだ。
彼らのこういった変化を求める気質は、我々の不変を重んじる傾向と相反する。
彼らは満足することを知らず右往左往しては、時に世界を揺るがす騒動を巻き起こす。
全く理解し難いことだが、種の違いとはその様なものだ。
我々はそんなふうに彼らを黙認してきた。
しかし昨今では彼らの方から干渉したがる向きがあり、閉口している。
なぜお互いの違いがこれ程に明確であるのに敢えて交わろうとするのか。
彼らは我々を困惑させる。
とはいえここまで大した接点を持たずして共存できていたのだ。
世界はそんなふうに概ね調和していた。
それぞれが棲み分けあって干渉をしない。
この意向は主に我々α種のものでβ種にはまた違った意見があった。
彼らは異種と交わることを厭わず、むしろ交流を望む傾向がある。
だが社会通念やその概念が全く違っているため、意思の疎通が難しい。
α種はこれ程の差異があり、共生する意義に乏しい種族間での交流に必要性を感じない。
しかしβ種には我々の身体能力や形態が優性に映る様で、執拗に交流を望むのだった。
しばしば交渉を挑んできたがこれまで我々は構わなかった。
だが、彼らは機会を得た。
我々は望まぬ変化に見舞われている…
1000年程前からΩ種族の減少が見られていた。
この数百年に至っては大陸でΩ種が出現する事は皆無だった。
その結果α種の血統を正しく継承する事が難しくなり、種の保存に行き詰まった。
そして新たな活路を模索するため、一時…
β種との交流を図ったのだ。
しかし、種族間の隔たりは大き過ぎた。
β種にはα種に理解し難い感情の揺らぎがある。
またβ種にはα種は酷薄に映るようだった。
我々はしばしば誤解された。
時に彼らは敵愾心も露に攻撃も辞さない。
私も彼の国に過ごした経験からその事を思い知っている。
それでもΩ種が絶滅に瀕している現状がα種を鼓舞した。
耐え忍び彼らと共に在ろうとした。
しかし望んだ結果は得られないままα種はβ種によって望まぬ変化に晒された。
これはα種には耐え難い事だった。
その結果開放した扉をまたもや固く閉じるに至った。
けれど一度開いた扉は閉じ切ることなく薄く開かれていた。
その隙間から射す光には望みがあった。
その先にある希望の放つ微かな光を頼りに私は捨て身で飛び込んだのだ!
そしてリリィを見つけた。
私の希望であり、α種の希望だ。
君という希望を守るために、必要な事は何でもする。
何だって出来る。
その力に満ち溢れている。
それは君によって与えられたものだ。
Ωの恩恵は凄まじい。
私は君を得て人並みのαでは到達できない高みがある事を知った。
君によって自身の内にもそれが有ると初めてわかった。
私はα種の上位者だがΩの血が遠い。
自国では400年前に最後の「リリィ」を亡くしてから一人のΩも迎えていない。
そのせいで我々の一族はαの血を正しく継承出来ずにいた。
私とマックスは現在の一族では上位者にある、優れたαだ。
それは自他ともに認めるもので、私達は明らかに優秀である。
それでも本来の能力ではなかったのだ!
リリィの愛の恩恵を受けてそれが解った。
私達は持てる力の半分も発揮しておらず、祖先から受け継いでいた己の器の大きさすらもわかっていなかった。
リリィが全てを教えてくれた。
そして全てを与えてくれた。
妻の身体が、体液が、私達を強くする。
その香りを感じるだけで、力が湧いてくる。
αにとってΩがどれ程にかけがえの無い存在なのかを思い知った。
この存在を得ずにαでは有り得ない!
Ωを失くしたままでよくもαを誇っていられたものだと呆れるくらいだ。
君を愛する程に私は高まっていく。
ありがとう。
君は私を完璧なαにしてくれる。
だから、私は既存のα種の矜持も捨てよう。
君という愛する妻のために…
君のために、私は生きたい。
君なくして、私はない。
けれど私は愛するということに疎い。
だから君を困惑させ時に落胆させてしまう。
なのに慈悲深く謙虚で可愛い我らが妻は夫の無知な振る舞いを責めもせず許してしまう。
これではいけない。
私は君を幸せにしたい。
この手でそうしたい。
私は必ず君と最上の愛を成すのだ。
\\\٩(๑`^´๑)۶////
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる