38 / 155
おじさん♡実家に帰ります②
しおりを挟む
栄ちゃん♡
お騒がせな元亭主に呼び出された。
あの野朗、心配させやがって!
と、息巻いて駆けつけたら…
とんでもない可愛い子ちゃんがいた。
とてつもなく、綺麗な子だ。
気持ち悪いくらいに、美しい子よ。
何これ、すごい。
これで私と同じ生き物なのかしら。
いや、ちょっと待って!
これは本当なの?
新手の3D?
まぼろし?
あまりにも現実味のない美々しさが、信じられない。
目をこすったりすがめたり、角度を変えて見てみた。
消えないし、歪まないし、透けもしない。
しかも、泣いている。
「…栄ちゃん…」
この子、私の名前を言ったわ。
「栄ちゃん、…ひ、ひっく、…うっ」
まぁ、どうしましょう。
どうしたのかしら…
あら、泣き顔も可愛いわ。
…いや、みぃくんはどこよ。
っていうか、この子は誰?
みぃくんが居るって聞いてきたんだけど。
まあ、多分聞いた話と重ね合わせると、この子は彼の嫁ね。
多分そうでしょう。
…だとしたら!
どんな奇跡が?
あの愛嬌しかない、もっさい薄毛のおじさんに!
一体全体、どんな驚愕の奇跡が起きたのよ!
やるじゃない!みぃくん!
「良かった来てくれて。つい家出しちゃったけど…もう、どうしていいか…」
家出?
逆玉婚なのよね?
じゃ、出た家って…
それってそもそもあなたの家よね?
…あの野朗!
何があったか知らないけど、みぃくんの癖に生意気じゃない!
冴えないおじさんの分際で何を勘違いしてんだか。
こんなめちゃくちゃに可愛い子を、こんなしゃくりあげるまで泣かすとは、許せん。
「ちょっと!みぃくん!どこに隠れてるの。逃げたって無駄よ」
あの人って肝心な時にやらかすんだから。
トイレでも行ってるのね。
…逃げ込んだのかも。
あのおじさんめ、絶対にグーパンで小突き回してやる。
…だから、可愛い子ちゃん、泣かないで。
可愛いお顔が台無しよ。
「何で泣かせたのよ、みぃくんのくせに」
居ても立っても居られなくて、可愛い子の手をとった。
…まあ、綺麗な手だこと。
あらぁ、この子ったら近くで見ても綺麗さに取りこぼしがない。
もはや凄みすら感じるわ!
生活感もないわね。
何食べたらこんな仕上がりになるの。
何もかも整いすぎてて鳥肌が立つ。
赤ちゃんのお尻みたいなほっぺして。
大きいお目々が涙で潤んでる。
なんだかこぼれて落ちてきそうで、怖いくらいよ。
あら、いやだ。
ついジロジロと観察しちゃったわ。
ところで、みぃくんは?
可愛い子ちゃんの方も怪訝な顔で、何故だか私の事をじっと見つめてくる。
…様子がおかしい。
やっぱり最新のCGとかAIだとかいう…
アレかしら?
何かしらの最先端の技術なんだわ、きっと!
「…栄ちゃん。僕だよ」
「は?」
「僕だよ、視作生です。」
?????
…え?
それってみぃくんの、名前よね。
…なるほど。
「私、なんかどこかで、観察されてるの?やぁだ!テレビに出ちゃうならそれとなく言ってよ。今日はかなり手抜きなんだから!」
それにしても、元夫が元妻をモニタリングって斬新ね。
「栄ちゃん、栄ちゃん!…聞いて。だから、本当に僕なんだよ!」
ずいぶん食い下がるじゃない。
「またまたぁ、ひつこいよ!みぃくんはどこよ。ねぇ、コレはいつから仕掛けてるの?」
ずいぶんと長いスパンで観察したもんね。
「…ダメだ、こりゃ」
可愛い子ちゃんがついに降参して、部屋から出て行った。
そして撮影隊と戻ってくるのね。
それにしても綺麗で可愛い子だった。
新人の女優さんかしらね。
イイね、あれは売れるわよ!
「失礼いたします」
やっぱり、戻ってきたわ。
…あら。
めちゃくちゃカッチリしてる、お役人みたいな人が入ってきた。
可愛い子ちゃんも一緒ね。
でも、みぃくんはいない。
訝しんでいると、お役人風のテレビマンが頭を下げて言った。
「私は外務省職員の大山田と申します」
え、ディレクターじゃなくて?
「今井様がお困りとの事で私の方からご説明させて頂きます。今回は突然の事で驚かれておいででしょう。無理もありません。あまり一般的に知られていない向きの特殊な案件ですので…」
私って、昔から落ち着きが無くて、はやとちりで、人の話しを最後まで聞かない、悪い癖がある。
でも、今回ばかりはちゃんと聞きました。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!」
「え、栄ちゃん!声が、おっきいってば」
この、美しい生き物が
あの、おじさんだって言うの。
何なのよそれ!
あり得ない!
えぇえええぇ♡
面白くなってきたじゃない♡
\\\٩(๑`^´๑)۶////
お騒がせな元亭主に呼び出された。
あの野朗、心配させやがって!
と、息巻いて駆けつけたら…
とんでもない可愛い子ちゃんがいた。
とてつもなく、綺麗な子だ。
気持ち悪いくらいに、美しい子よ。
何これ、すごい。
これで私と同じ生き物なのかしら。
いや、ちょっと待って!
これは本当なの?
新手の3D?
まぼろし?
あまりにも現実味のない美々しさが、信じられない。
目をこすったりすがめたり、角度を変えて見てみた。
消えないし、歪まないし、透けもしない。
しかも、泣いている。
「…栄ちゃん…」
この子、私の名前を言ったわ。
「栄ちゃん、…ひ、ひっく、…うっ」
まぁ、どうしましょう。
どうしたのかしら…
あら、泣き顔も可愛いわ。
…いや、みぃくんはどこよ。
っていうか、この子は誰?
みぃくんが居るって聞いてきたんだけど。
まあ、多分聞いた話と重ね合わせると、この子は彼の嫁ね。
多分そうでしょう。
…だとしたら!
どんな奇跡が?
あの愛嬌しかない、もっさい薄毛のおじさんに!
一体全体、どんな驚愕の奇跡が起きたのよ!
やるじゃない!みぃくん!
「良かった来てくれて。つい家出しちゃったけど…もう、どうしていいか…」
家出?
逆玉婚なのよね?
じゃ、出た家って…
それってそもそもあなたの家よね?
…あの野朗!
何があったか知らないけど、みぃくんの癖に生意気じゃない!
冴えないおじさんの分際で何を勘違いしてんだか。
こんなめちゃくちゃに可愛い子を、こんなしゃくりあげるまで泣かすとは、許せん。
「ちょっと!みぃくん!どこに隠れてるの。逃げたって無駄よ」
あの人って肝心な時にやらかすんだから。
トイレでも行ってるのね。
…逃げ込んだのかも。
あのおじさんめ、絶対にグーパンで小突き回してやる。
…だから、可愛い子ちゃん、泣かないで。
可愛いお顔が台無しよ。
「何で泣かせたのよ、みぃくんのくせに」
居ても立っても居られなくて、可愛い子の手をとった。
…まあ、綺麗な手だこと。
あらぁ、この子ったら近くで見ても綺麗さに取りこぼしがない。
もはや凄みすら感じるわ!
生活感もないわね。
何食べたらこんな仕上がりになるの。
何もかも整いすぎてて鳥肌が立つ。
赤ちゃんのお尻みたいなほっぺして。
大きいお目々が涙で潤んでる。
なんだかこぼれて落ちてきそうで、怖いくらいよ。
あら、いやだ。
ついジロジロと観察しちゃったわ。
ところで、みぃくんは?
可愛い子ちゃんの方も怪訝な顔で、何故だか私の事をじっと見つめてくる。
…様子がおかしい。
やっぱり最新のCGとかAIだとかいう…
アレかしら?
何かしらの最先端の技術なんだわ、きっと!
「…栄ちゃん。僕だよ」
「は?」
「僕だよ、視作生です。」
?????
…え?
それってみぃくんの、名前よね。
…なるほど。
「私、なんかどこかで、観察されてるの?やぁだ!テレビに出ちゃうならそれとなく言ってよ。今日はかなり手抜きなんだから!」
それにしても、元夫が元妻をモニタリングって斬新ね。
「栄ちゃん、栄ちゃん!…聞いて。だから、本当に僕なんだよ!」
ずいぶん食い下がるじゃない。
「またまたぁ、ひつこいよ!みぃくんはどこよ。ねぇ、コレはいつから仕掛けてるの?」
ずいぶんと長いスパンで観察したもんね。
「…ダメだ、こりゃ」
可愛い子ちゃんがついに降参して、部屋から出て行った。
そして撮影隊と戻ってくるのね。
それにしても綺麗で可愛い子だった。
新人の女優さんかしらね。
イイね、あれは売れるわよ!
「失礼いたします」
やっぱり、戻ってきたわ。
…あら。
めちゃくちゃカッチリしてる、お役人みたいな人が入ってきた。
可愛い子ちゃんも一緒ね。
でも、みぃくんはいない。
訝しんでいると、お役人風のテレビマンが頭を下げて言った。
「私は外務省職員の大山田と申します」
え、ディレクターじゃなくて?
「今井様がお困りとの事で私の方からご説明させて頂きます。今回は突然の事で驚かれておいででしょう。無理もありません。あまり一般的に知られていない向きの特殊な案件ですので…」
私って、昔から落ち着きが無くて、はやとちりで、人の話しを最後まで聞かない、悪い癖がある。
でも、今回ばかりはちゃんと聞きました。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!」
「え、栄ちゃん!声が、おっきいってば」
この、美しい生き物が
あの、おじさんだって言うの。
何なのよそれ!
あり得ない!
えぇえええぇ♡
面白くなってきたじゃない♡
\\\٩(๑`^´๑)۶////
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる