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おじさん♡産みます
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みぃ♡
「いぃィィッたぁい!」
嘘でしょ。
嘘、嘘、嘘、ウソって言って!:(;゙゚'ω゚'):
「視作生、本当ですよ!嘘では無い。今、君は産気付いておられる!」
…アレックス(-_-;)
「~ッ、そんなこたぁ、、、分かってる!」
「!、、はい、…ですが、、信じられぬ、御様子でしたので…」
「~ッッ、、信じるも、何も…」
超!実感してるって、ば~ッ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「…、う、、はい、その様で…」
…?、?、、今度は急に、ゴニョゴニョしだしたね(-_-;)
この子は一体、なんなの?
辻褄の合わない、唐突な発言に戸惑う。
気が動転しているのだろうけれど…
いつにも増して、意味不明だ(-_-;)
「…お、おう?、、」
ふと、お腹の痛みが遠のいていくのを感じる。
「あれ?」
それこそ嘘みたいに、何とも無くなった!
…ちょっとだけ、余裕が出来たかも。
だからつい、ぞんざいにしてしまった愛犬に優しくしてあげたくなったσ(^_^;)
「ふう。もう、とにかく!アレックスは落ち着きなさいよ。君がアタフタしてどうすんのさ」
それで無くとも一年先の予定のまさかの前倒しに、現場は大混乱なんだ。
「全く。君が思い切りジタバタするもんだから、僕はもう…」
ドン引いちゃって、逆に落ち着いちゃったぜ(。-_-。)
…ふむ、まあ、結果的には悪く無かったのかな。
「視作生!未熟者で申し訳ありません」
まあ、そうだよね。
君は十代で、こんな一大事に大人しく落ち着き払える様になるには未だ早い。
「至らぬ事、どうかお許し下さい」
…全く(*´꒳`*)
ガタイの良い青年がシュンとして、いじらしく謝ったりしたら、たまらない。
「アレックス…♡」
こっちこそ、ごめんよ?
いいおじさんが、痛みで我を忘れてました。
人の事は言えないぞ\(//∇//)\
「ふふっ♡おいでアレックス」
可愛い僕のワンコを呼び寄せて、コシの強い艶々の髪をワシャワシャとかき混ぜた。
「いいんだよ。気が動転して当たり前さ。いいさ!いっそ君はジタバタしてなさい」
「うう、、そんなッ、あんまりです…」
反面教師も悪くないさ\(//∇//)\
何せ誰にとっても、初めての“お産”だ。
落ち着いて粛々となんて、どだい無理な話しなんです!(;´д`)
…いや、セスとマックスはそうでもないな。
こんな非常事態にも、二人はガッチリと向き合えている。
僕なんか破水した後、寝台の上でただ呆然と固まってしまったからね。
まさしく茫然自失、でした:(;゙゚'ω゚'):
だんだんと、お尻の辺りの濡れたシーツが冷たくなっていって…
その不快感にようやく気を取り直した始末だった。
「…ね。僕、どうしたらいい?」
それから、忙しく立ち回っている夫達に聞いてみた。
我にかえってはみたものの、何一つ勝手が分からない。
頭ん中、真っ白だったよ(´・_・`)
そんな僕に、セスは力強く言い切った。
「何もしなくて良い。私達に全て委ねなさい」
…ああ。
これは、前にもかけられた言葉だった。
あの時は反感を覚えて、悔しくなったやつだ。
あの頃の僕は、君達にとって“リィリィ”であって“視作生”じゃなかった。
あの頃の僕は心の内が言えなくて、怖くって、寂しくて…
不安でたまらなかったよ。
でも今、この時に!
君がまた同じ様にそう断言してくれて!
僕は今度こそ心底から、嬉しい。
芯から安心したよ?(*´꒳`*)♡
「うん。分かったよ」
君達がいれば、何にも怖くない。
「じゃあ、よろしくお願いします」
君達となら、何だって出来る。
これから先も、どんな事でも、立ち向かっていけるね!\\\٩(๑`^´๑)۶////
そんな決意を胸にした僕は、ずいぶんと興奮して見えたのかな。
マックスがついと手を止め、近寄ると僕の顔を覗き込んだ。
「しーっ、平気だ。深く息を吐いて、楽になさい」
マックスは僕のおでこに口づけながら、低い囁き声で嗜める。
「ふ、、くすぐったいよ♡」
思わず笑ったら、肩の力が抜けて全身がこわばっていた事に気づいた。
本当だ(*´꒳`*)
君達に任せたらば、完璧なんだね。
今となっては僕よりも、君達は僕を理解しているのかもしれない。
それから流れる様な動作で、マックスは僕をお姫様抱っこ♡する。
するとその隙を逃さず、セスとマックスがマットレスごと新品に取替えてくれた。
素晴らしい連携だ~(((o(*゚▽゚*)o)))♡
感心していると、いつもより硬めの寝台にフワリと降ろされた。
「ありがとう♡」
真っ新で気持ちが良い\(//∇//)\
そして僕の直ぐ側に腰掛けたセスが、今後の予定を説明してくれるという。
喜びと興奮で頰を上気させながら、夫は切り出した。
「視作生、此処で分娩する」
…ぶ、ぶん、…べん、、デス、か:(;゙゚'ω゚'):
「…ここで、このまま、する、の?」
ギクシャクと確かめてみたらば、マックスがすまなそうに答える。
「ああ。分娩室の設置が間に合わなかったのだよ」
…そうなんだ、ね:(;゙゚'ω゚'):
余りにも急だったもんね。
そりゃ、仕方ないさ。
…いや、そうかしらん?:(;゙゚'ω゚'):
諸々の事情で、病院やら産院には行くに行けない感じなのは何となく分かる。
だってこれまで自宅出産、の段取りだったもの!
なんと言っても、僕は“女王様”ですからね。
でも、だとしても!
お医者様を、呼ぶんじゃないかな?
普通は!:(;゙゚'ω゚'):
いや、僕は“普通”では無い、かもだけど…
「ご覧、あれは開脚姿勢を保つ器具だ。その時がきたらば、寝台に設置して…」
か、かか、開脚、か~い:(;゙゚'ω゚'):
…うん。
なんか、もはや、いまさら、どうこう、な雰囲気じゃない。
やるしかない、みたいデス!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「、、、、、はぁ、、、」
とはいえ、、、怖ッ(T ^ T)
「いいかい、視作生。案ずる事は何一つ無い」
マックスは僕に言い聞かせるため、ゆっくりと穏やかに話してくれた。
優しく背中を摩り、静かに諭してはドンって構えていてくれる。
だから僕は、焦る気持ちをストンと落とせた。
そうだ。
もっと予期しない状況でも、出産した先人もいるらしいじゃないか!
僕は慣れ親しんだ寝室で、三人もの夫に見守られている。
イケる、ヤレるぞ、僕!\\\٩(๑`^´๑)۶////
とにかく妙な高揚感に飲み込まれた僕は、自分で自分を鼓舞しまくっていた。
その側で、セスは必要な処置をしながら現状を把握しては場を整えている。
それはテキパキと、妙に手慣れたふうなんだ。
淀みない動作に目を引かれて、気が削がれる。
「なんか、ホントの助産師さんみたいだなぁ」
そんな冗談を言う、余裕も出てきたよ╰(*´︶`*)╯♡
「ああ、そうだ」
セスは余裕の笑みを浮かべて乗っかってきた。
「ね♡まるで本職の手際の良さだよ」
な~んちゃって、ね!\(//∇//)\
僕だって初めてなんだから、本当のトコは分からないんだけど…
「それはそうだ。間違いない」
マックスまで乗っかってきたの。
こんな切迫した状況でも、君達ときたらホント、強気…
「俺達は、助産の資格があるからな」
え∑(゚Д゚)
「…そ、、そうなの?」
まさかの“根拠のある強気”でした!∑(゚Д゚)
「ふん、私達の訓練と準備に、余念は無い。君がいつ何時、この日を迎えても良い様に…完璧なる備えをするのは当然だ」
『備えあれば憂なし』とは言うけれど、これは僕の予想を大きく上回る『備え』だ~!∑(゚Д゚)
うわぁ…
僕の旦那様ってば…
すっごく頼りになる♡\(//∇//)\
僕なんか一番の当事者だってのに!
流石にまだまだ先の事だと思い込んで、油断していた。
ここ最近の君達は、打ち拉がれて…
それこそ僕なんかには想像も出来ない位の辛い日々を忍んでいた筈だ。
にも関わらず『余念は無い』なんて、尊敬しかない(*´꒳`*)
「…面目も御座いません、、私なぞは兄上方の後塵を配して、、泥に塗れてのたうち回る、のみ…、、」
うぉーい、アレックス。
君は何でまた、自己嫌悪を始めたの(;´д`)
謎の思考回路だぞ、それは…
…と、思う暇も無くなる!
痛みが強くなった!
これは、これは、この痛みは…
お腹の中身を“雑巾しぼり”されている!
感じだ~ッ_:(´ཀ`」 ∠):
そんなあんまりな痛みに、どうしたって身を固くしてしまう僕を、泣きそうな顔の愛犬が、必死に励まそうとしてくるのだけど…
「大変です!絞られるような痛み、ですか!…どうでしょう。揉み解してみましょうか…」
そう言って考え無しに伸びてきた手を、マックスがピシャッとはたき落とした。
「アレックス、揉むな」
「でも!」
マックスに賛成!
そういう事じゃ、ないからね:(;゙゚'ω゚'):
「アレクサンドール、何もするな」
「ですが!居ても立っても…」
セスが冷たく言い放つのに、ワンコは食い下がる。
「せめて、温めてみては!さすって差し上げたら…」
「ゔぅう、う~」
…アレックス、五月蝿い:(;゙゚'ω゚'):
「!…申し訳ありませんっ…」
…いや、八つ当たり!(;´Д`A
イキナリこんな事になっちゃって!
そりゃ、心配だよね。
こりゃ、あたふたしちゃうさ。
そんな事は、分かってるんだよ。
でも、愛くるしい愛犬の可愛らしいドタバタに、、今はかまってらんない。
だって、痛すぎるんだもん!_:(´ཀ`」 ∠):
「愛くるしい、愛犬…」
アレックスの呟きが聞こえた。
瞳を潤ませ、頬を染めている。
…喜んでいるのかい( ゚д゚)?
また、この子は!
いいのか、犬で!
君は自己評価が低くすぎだぞ!
声にならない叫びが、心中で渦巻いた。
君だって、僕の夫じゃないか。
いつか君も僕の子の、パパになるんだろ。
「!!!…はい。はい!私もパパに、なりたいです!いえ、きっとなります!」
うん♡キラキラしてる、君のまんま、僕の赤ちゃんのパパに…
…って。( ゚д゚)?
「アレ、、僕、言っちゃってた?」
「ハッ!、、…面目も御座いません!盗み聞きなど、あられも無い…」
( ゚д゚)?
「いや、あの、、ええッと、、その、つまり…」
何だろう、このやり取りは( ゚д゚)?
あ。
、、また、キ、キ、キタ…
例のイタい、波、大挙して、キてますぅ_:(´ཀ`」 ∠):
「…いや、、もう、何でも、いいよ、、」
言っちゃってよーが、言っちゃってなかろーが!
もう、何が、どうでも、いいから!
もう、出したぁい!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「視作生、落ち着いて。いきみ過ぎだ」
背中から支えてくれているマックスが、僕の肩を撫でながら言う。
「~、、でも。もう、、」
出したい!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「…未だ充分に子宮口が充分に開いていない様なのだ。もう少し待たねばならない」
セスが膣に指を差し込んで、内部を探りながら言った。
「うぅ、、少しって、、どんくらい?…、もう、ホント、、無理…」
そんな弱音を吐いている間に、なんと痛みが引いてきた。
「あら、、なんか、ちょっと。平気、かも?」
…なるほど、これがウワサの、陣痛の波ってやつか。
高低差が激しいな~(>人<;)
「良かった。よく堪えたね」
おデコにちゅうをくれながら、マックスが褒めてくれる。
「ん♡…でも、これから、コレ、何度もやって来るんでしょ?その度に酷くなるんだよねぇ」
僕が言い終わるや否や、セスが苦し気な顔で応えた。
「おお、視作生。身代わりになれずッ、、許してくれたまえ」
優しい夫につい弱音を吐いたらば、優しい夫がぎゅうっと抱きしめて、謝ってくれました(*´꒳`*)
ああ~、、元気が湧く♡
それにしても、僕の旦那ーズ!
改めて、最高の旦那様だよ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
この非常事態に全く臆することも無く!
なんなら落ち着いて冷静に、予習した事をガッツリ活かして補助してくれる。
予定通りだったらば、出産にはお義母さんを筆頭に、侍女ーズの皆さんが完全無欠の支援をなさる予定だった。
今だって報せを受けた皆さんが、全速力でコッチに向かっている筈だ。
『我が人生で、比類なき悦びのときとなりましょう♡』
『命をかけて、臨みます!』
今でも思い出すだに…
ゾッとするほど、全身全霊で誓って下さった:(;゙゚'ω゚'):
なのに、…ああ、みんな、ごめんよぅ…
も、我慢できないよぉ_:(´ཀ`」 ∠):
あ!
ぁああああ。
…これは、凄いぞ。:(;゙゚'ω゚'):
キタ、キタ、キタ!また!波が来た!
「んゔぅ、んッ、ゔぅゔぅゔぅゔぅ~ゔぅッ、、、ゔぅぁ、、」
…あ。
ちょっと遠のいた。
いや、この波ってあと何回あるの_:(´ཀ`」 ∠):
どうしよう、気絶したい:(;゙゚'ω゚'):
…栄ちゃんは13時間かかった、ってよ:(;゙゚'ω゚'):
しかも痛みに耐えまくった挙句に、帝王切開になった、ってさ:(;゙゚'ω゚'):
もし、僕もそうなったら…
「安心して下さい!兄上方は切開の処置も御出来になります!」
「…は?」
いや、いくら何でもそりゃないぜ。
「…はあ?、、おでき、にって、何。デキ、オデキ、、…吹き出物。じゃ、あるまいに…」
そんな簡単に、お腹は切ったら、イカンだろ:(;゙゚'ω゚'):
僕の旦那ーズが如何に完全無欠であろうと、腹キリはイカン。
いや、何一つ、切除しちゃダメ。
「…はああ、そんな訳、無いでしょうがッ」
「いいえ!こんな事もあろうかと、備えておいでなのです!」
まさか。
いや、そんなまさかも“有り”なのが、僕の旦那ーズ!
「…そう、なの?」
「ああ、俺もセスも助産に纏わる知識はひと通り習得済みだ。安心なさい」
そりゃ、スゴイ、大したもんだ!∑(゚Д゚)
備えあれば、憂いなし!\\\٩(๑`^´๑)۶////
…って、いや、、…
それでも、結局、付け焼き刃でしょう?:(;゙゚'ω゚'):
「まあ、まさかこうも早い出産になるとは思わんでな。実技は未経験だが、心配ない」
不安だし、心配だよ?:(;゙゚'ω゚'):
結局、素人じゃないですか!
なんてこった!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
怖い、怖い、こわ…
…いや。
ソレ所じゃ、な~、、いッ!
第三の波がキタ~ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
これは、痛い。
これは、痛いゾ!((((;゚Д゚)))))))
「ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!」
言葉に、ならない。
「ゔぅ、う~」
…お願い、早く出て_:(´ཀ`」 ∠):
もう、声も出ないくらい、辛いよぉ!
「!、、視作生、頭が、、指に触れた」
「んあ!?、、セス、っほんと?」
「ふむ。通常ならば未だ開口具合が適さぬだろうが、イチローは小さな御子であるが為に、通過が可能な様だ」
そうなんだね、いっ君♡
ママ、頑張る~\\\٩(๑`^´๑)۶////
なら、とにかく!
イキまなきゃ。
雑誌に書いて、あったヤツ!
…って、あれ?
どこに力を入れていいか微妙に分かんない。゚(゚´Д`゚)゚。
「ゔぅあ、あ!ゔぅ、ゔぅ、ゔぅ、ゔぅ…ッ」
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
お腹が引き絞られる!
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
何が、どうでも!
とにかく頑張るしかない!
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
「ゔぅ。出る!」
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
『ズッ、っるん!』
ひぃ。:(;゙゚'ω゚'):
…何か、出たーッ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
…いや、何かって、、…
決まってる♡(*´Д`*)
赤ちゃん♡
だ~!\\\٩(๑`^´๑)۶////♡♡♡
「いぃィィッたぁい!」
嘘でしょ。
嘘、嘘、嘘、ウソって言って!:(;゙゚'ω゚'):
「視作生、本当ですよ!嘘では無い。今、君は産気付いておられる!」
…アレックス(-_-;)
「~ッ、そんなこたぁ、、、分かってる!」
「!、、はい、…ですが、、信じられぬ、御様子でしたので…」
「~ッッ、、信じるも、何も…」
超!実感してるって、ば~ッ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「…、う、、はい、その様で…」
…?、?、、今度は急に、ゴニョゴニョしだしたね(-_-;)
この子は一体、なんなの?
辻褄の合わない、唐突な発言に戸惑う。
気が動転しているのだろうけれど…
いつにも増して、意味不明だ(-_-;)
「…お、おう?、、」
ふと、お腹の痛みが遠のいていくのを感じる。
「あれ?」
それこそ嘘みたいに、何とも無くなった!
…ちょっとだけ、余裕が出来たかも。
だからつい、ぞんざいにしてしまった愛犬に優しくしてあげたくなったσ(^_^;)
「ふう。もう、とにかく!アレックスは落ち着きなさいよ。君がアタフタしてどうすんのさ」
それで無くとも一年先の予定のまさかの前倒しに、現場は大混乱なんだ。
「全く。君が思い切りジタバタするもんだから、僕はもう…」
ドン引いちゃって、逆に落ち着いちゃったぜ(。-_-。)
…ふむ、まあ、結果的には悪く無かったのかな。
「視作生!未熟者で申し訳ありません」
まあ、そうだよね。
君は十代で、こんな一大事に大人しく落ち着き払える様になるには未だ早い。
「至らぬ事、どうかお許し下さい」
…全く(*´꒳`*)
ガタイの良い青年がシュンとして、いじらしく謝ったりしたら、たまらない。
「アレックス…♡」
こっちこそ、ごめんよ?
いいおじさんが、痛みで我を忘れてました。
人の事は言えないぞ\(//∇//)\
「ふふっ♡おいでアレックス」
可愛い僕のワンコを呼び寄せて、コシの強い艶々の髪をワシャワシャとかき混ぜた。
「いいんだよ。気が動転して当たり前さ。いいさ!いっそ君はジタバタしてなさい」
「うう、、そんなッ、あんまりです…」
反面教師も悪くないさ\(//∇//)\
何せ誰にとっても、初めての“お産”だ。
落ち着いて粛々となんて、どだい無理な話しなんです!(;´д`)
…いや、セスとマックスはそうでもないな。
こんな非常事態にも、二人はガッチリと向き合えている。
僕なんか破水した後、寝台の上でただ呆然と固まってしまったからね。
まさしく茫然自失、でした:(;゙゚'ω゚'):
だんだんと、お尻の辺りの濡れたシーツが冷たくなっていって…
その不快感にようやく気を取り直した始末だった。
「…ね。僕、どうしたらいい?」
それから、忙しく立ち回っている夫達に聞いてみた。
我にかえってはみたものの、何一つ勝手が分からない。
頭ん中、真っ白だったよ(´・_・`)
そんな僕に、セスは力強く言い切った。
「何もしなくて良い。私達に全て委ねなさい」
…ああ。
これは、前にもかけられた言葉だった。
あの時は反感を覚えて、悔しくなったやつだ。
あの頃の僕は、君達にとって“リィリィ”であって“視作生”じゃなかった。
あの頃の僕は心の内が言えなくて、怖くって、寂しくて…
不安でたまらなかったよ。
でも今、この時に!
君がまた同じ様にそう断言してくれて!
僕は今度こそ心底から、嬉しい。
芯から安心したよ?(*´꒳`*)♡
「うん。分かったよ」
君達がいれば、何にも怖くない。
「じゃあ、よろしくお願いします」
君達となら、何だって出来る。
これから先も、どんな事でも、立ち向かっていけるね!\\\٩(๑`^´๑)۶////
そんな決意を胸にした僕は、ずいぶんと興奮して見えたのかな。
マックスがついと手を止め、近寄ると僕の顔を覗き込んだ。
「しーっ、平気だ。深く息を吐いて、楽になさい」
マックスは僕のおでこに口づけながら、低い囁き声で嗜める。
「ふ、、くすぐったいよ♡」
思わず笑ったら、肩の力が抜けて全身がこわばっていた事に気づいた。
本当だ(*´꒳`*)
君達に任せたらば、完璧なんだね。
今となっては僕よりも、君達は僕を理解しているのかもしれない。
それから流れる様な動作で、マックスは僕をお姫様抱っこ♡する。
するとその隙を逃さず、セスとマックスがマットレスごと新品に取替えてくれた。
素晴らしい連携だ~(((o(*゚▽゚*)o)))♡
感心していると、いつもより硬めの寝台にフワリと降ろされた。
「ありがとう♡」
真っ新で気持ちが良い\(//∇//)\
そして僕の直ぐ側に腰掛けたセスが、今後の予定を説明してくれるという。
喜びと興奮で頰を上気させながら、夫は切り出した。
「視作生、此処で分娩する」
…ぶ、ぶん、…べん、、デス、か:(;゙゚'ω゚'):
「…ここで、このまま、する、の?」
ギクシャクと確かめてみたらば、マックスがすまなそうに答える。
「ああ。分娩室の設置が間に合わなかったのだよ」
…そうなんだ、ね:(;゙゚'ω゚'):
余りにも急だったもんね。
そりゃ、仕方ないさ。
…いや、そうかしらん?:(;゙゚'ω゚'):
諸々の事情で、病院やら産院には行くに行けない感じなのは何となく分かる。
だってこれまで自宅出産、の段取りだったもの!
なんと言っても、僕は“女王様”ですからね。
でも、だとしても!
お医者様を、呼ぶんじゃないかな?
普通は!:(;゙゚'ω゚'):
いや、僕は“普通”では無い、かもだけど…
「ご覧、あれは開脚姿勢を保つ器具だ。その時がきたらば、寝台に設置して…」
か、かか、開脚、か~い:(;゙゚'ω゚'):
…うん。
なんか、もはや、いまさら、どうこう、な雰囲気じゃない。
やるしかない、みたいデス!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「、、、、、はぁ、、、」
とはいえ、、、怖ッ(T ^ T)
「いいかい、視作生。案ずる事は何一つ無い」
マックスは僕に言い聞かせるため、ゆっくりと穏やかに話してくれた。
優しく背中を摩り、静かに諭してはドンって構えていてくれる。
だから僕は、焦る気持ちをストンと落とせた。
そうだ。
もっと予期しない状況でも、出産した先人もいるらしいじゃないか!
僕は慣れ親しんだ寝室で、三人もの夫に見守られている。
イケる、ヤレるぞ、僕!\\\٩(๑`^´๑)۶////
とにかく妙な高揚感に飲み込まれた僕は、自分で自分を鼓舞しまくっていた。
その側で、セスは必要な処置をしながら現状を把握しては場を整えている。
それはテキパキと、妙に手慣れたふうなんだ。
淀みない動作に目を引かれて、気が削がれる。
「なんか、ホントの助産師さんみたいだなぁ」
そんな冗談を言う、余裕も出てきたよ╰(*´︶`*)╯♡
「ああ、そうだ」
セスは余裕の笑みを浮かべて乗っかってきた。
「ね♡まるで本職の手際の良さだよ」
な~んちゃって、ね!\(//∇//)\
僕だって初めてなんだから、本当のトコは分からないんだけど…
「それはそうだ。間違いない」
マックスまで乗っかってきたの。
こんな切迫した状況でも、君達ときたらホント、強気…
「俺達は、助産の資格があるからな」
え∑(゚Д゚)
「…そ、、そうなの?」
まさかの“根拠のある強気”でした!∑(゚Д゚)
「ふん、私達の訓練と準備に、余念は無い。君がいつ何時、この日を迎えても良い様に…完璧なる備えをするのは当然だ」
『備えあれば憂なし』とは言うけれど、これは僕の予想を大きく上回る『備え』だ~!∑(゚Д゚)
うわぁ…
僕の旦那様ってば…
すっごく頼りになる♡\(//∇//)\
僕なんか一番の当事者だってのに!
流石にまだまだ先の事だと思い込んで、油断していた。
ここ最近の君達は、打ち拉がれて…
それこそ僕なんかには想像も出来ない位の辛い日々を忍んでいた筈だ。
にも関わらず『余念は無い』なんて、尊敬しかない(*´꒳`*)
「…面目も御座いません、、私なぞは兄上方の後塵を配して、、泥に塗れてのたうち回る、のみ…、、」
うぉーい、アレックス。
君は何でまた、自己嫌悪を始めたの(;´д`)
謎の思考回路だぞ、それは…
…と、思う暇も無くなる!
痛みが強くなった!
これは、これは、この痛みは…
お腹の中身を“雑巾しぼり”されている!
感じだ~ッ_:(´ཀ`」 ∠):
そんなあんまりな痛みに、どうしたって身を固くしてしまう僕を、泣きそうな顔の愛犬が、必死に励まそうとしてくるのだけど…
「大変です!絞られるような痛み、ですか!…どうでしょう。揉み解してみましょうか…」
そう言って考え無しに伸びてきた手を、マックスがピシャッとはたき落とした。
「アレックス、揉むな」
「でも!」
マックスに賛成!
そういう事じゃ、ないからね:(;゙゚'ω゚'):
「アレクサンドール、何もするな」
「ですが!居ても立っても…」
セスが冷たく言い放つのに、ワンコは食い下がる。
「せめて、温めてみては!さすって差し上げたら…」
「ゔぅう、う~」
…アレックス、五月蝿い:(;゙゚'ω゚'):
「!…申し訳ありませんっ…」
…いや、八つ当たり!(;´Д`A
イキナリこんな事になっちゃって!
そりゃ、心配だよね。
こりゃ、あたふたしちゃうさ。
そんな事は、分かってるんだよ。
でも、愛くるしい愛犬の可愛らしいドタバタに、、今はかまってらんない。
だって、痛すぎるんだもん!_:(´ཀ`」 ∠):
「愛くるしい、愛犬…」
アレックスの呟きが聞こえた。
瞳を潤ませ、頬を染めている。
…喜んでいるのかい( ゚д゚)?
また、この子は!
いいのか、犬で!
君は自己評価が低くすぎだぞ!
声にならない叫びが、心中で渦巻いた。
君だって、僕の夫じゃないか。
いつか君も僕の子の、パパになるんだろ。
「!!!…はい。はい!私もパパに、なりたいです!いえ、きっとなります!」
うん♡キラキラしてる、君のまんま、僕の赤ちゃんのパパに…
…って。( ゚д゚)?
「アレ、、僕、言っちゃってた?」
「ハッ!、、…面目も御座いません!盗み聞きなど、あられも無い…」
( ゚д゚)?
「いや、あの、、ええッと、、その、つまり…」
何だろう、このやり取りは( ゚д゚)?
あ。
、、また、キ、キ、キタ…
例のイタい、波、大挙して、キてますぅ_:(´ཀ`」 ∠):
「…いや、、もう、何でも、いいよ、、」
言っちゃってよーが、言っちゃってなかろーが!
もう、何が、どうでも、いいから!
もう、出したぁい!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「視作生、落ち着いて。いきみ過ぎだ」
背中から支えてくれているマックスが、僕の肩を撫でながら言う。
「~、、でも。もう、、」
出したい!\\\٩(๑`^´๑)۶////
「…未だ充分に子宮口が充分に開いていない様なのだ。もう少し待たねばならない」
セスが膣に指を差し込んで、内部を探りながら言った。
「うぅ、、少しって、、どんくらい?…、もう、ホント、、無理…」
そんな弱音を吐いている間に、なんと痛みが引いてきた。
「あら、、なんか、ちょっと。平気、かも?」
…なるほど、これがウワサの、陣痛の波ってやつか。
高低差が激しいな~(>人<;)
「良かった。よく堪えたね」
おデコにちゅうをくれながら、マックスが褒めてくれる。
「ん♡…でも、これから、コレ、何度もやって来るんでしょ?その度に酷くなるんだよねぇ」
僕が言い終わるや否や、セスが苦し気な顔で応えた。
「おお、視作生。身代わりになれずッ、、許してくれたまえ」
優しい夫につい弱音を吐いたらば、優しい夫がぎゅうっと抱きしめて、謝ってくれました(*´꒳`*)
ああ~、、元気が湧く♡
それにしても、僕の旦那ーズ!
改めて、最高の旦那様だよ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
この非常事態に全く臆することも無く!
なんなら落ち着いて冷静に、予習した事をガッツリ活かして補助してくれる。
予定通りだったらば、出産にはお義母さんを筆頭に、侍女ーズの皆さんが完全無欠の支援をなさる予定だった。
今だって報せを受けた皆さんが、全速力でコッチに向かっている筈だ。
『我が人生で、比類なき悦びのときとなりましょう♡』
『命をかけて、臨みます!』
今でも思い出すだに…
ゾッとするほど、全身全霊で誓って下さった:(;゙゚'ω゚'):
なのに、…ああ、みんな、ごめんよぅ…
も、我慢できないよぉ_:(´ཀ`」 ∠):
あ!
ぁああああ。
…これは、凄いぞ。:(;゙゚'ω゚'):
キタ、キタ、キタ!また!波が来た!
「んゔぅ、んッ、ゔぅゔぅゔぅゔぅ~ゔぅッ、、、ゔぅぁ、、」
…あ。
ちょっと遠のいた。
いや、この波ってあと何回あるの_:(´ཀ`」 ∠):
どうしよう、気絶したい:(;゙゚'ω゚'):
…栄ちゃんは13時間かかった、ってよ:(;゙゚'ω゚'):
しかも痛みに耐えまくった挙句に、帝王切開になった、ってさ:(;゙゚'ω゚'):
もし、僕もそうなったら…
「安心して下さい!兄上方は切開の処置も御出来になります!」
「…は?」
いや、いくら何でもそりゃないぜ。
「…はあ?、、おでき、にって、何。デキ、オデキ、、…吹き出物。じゃ、あるまいに…」
そんな簡単に、お腹は切ったら、イカンだろ:(;゙゚'ω゚'):
僕の旦那ーズが如何に完全無欠であろうと、腹キリはイカン。
いや、何一つ、切除しちゃダメ。
「…はああ、そんな訳、無いでしょうがッ」
「いいえ!こんな事もあろうかと、備えておいでなのです!」
まさか。
いや、そんなまさかも“有り”なのが、僕の旦那ーズ!
「…そう、なの?」
「ああ、俺もセスも助産に纏わる知識はひと通り習得済みだ。安心なさい」
そりゃ、スゴイ、大したもんだ!∑(゚Д゚)
備えあれば、憂いなし!\\\٩(๑`^´๑)۶////
…って、いや、、…
それでも、結局、付け焼き刃でしょう?:(;゙゚'ω゚'):
「まあ、まさかこうも早い出産になるとは思わんでな。実技は未経験だが、心配ない」
不安だし、心配だよ?:(;゙゚'ω゚'):
結局、素人じゃないですか!
なんてこった!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
怖い、怖い、こわ…
…いや。
ソレ所じゃ、な~、、いッ!
第三の波がキタ~ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
これは、痛い。
これは、痛いゾ!((((;゚Д゚)))))))
「ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!ゔぅ!」
言葉に、ならない。
「ゔぅ、う~」
…お願い、早く出て_:(´ཀ`」 ∠):
もう、声も出ないくらい、辛いよぉ!
「!、、視作生、頭が、、指に触れた」
「んあ!?、、セス、っほんと?」
「ふむ。通常ならば未だ開口具合が適さぬだろうが、イチローは小さな御子であるが為に、通過が可能な様だ」
そうなんだね、いっ君♡
ママ、頑張る~\\\٩(๑`^´๑)۶////
なら、とにかく!
イキまなきゃ。
雑誌に書いて、あったヤツ!
…って、あれ?
どこに力を入れていいか微妙に分かんない。゚(゚´Д`゚)゚。
「ゔぅあ、あ!ゔぅ、ゔぅ、ゔぅ、ゔぅ…ッ」
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
お腹が引き絞られる!
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
何が、どうでも!
とにかく頑張るしかない!
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
「ゔぅ。出る!」
イヤーッ\\\٩(๑`^´๑)۶////
『ズッ、っるん!』
ひぃ。:(;゙゚'ω゚'):
…何か、出たーッ!\\\٩(๑`^´๑)۶////
…いや、何かって、、…
決まってる♡(*´Д`*)
赤ちゃん♡
だ~!\\\٩(๑`^´๑)۶////♡♡♡
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