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しおりを挟む「ヴァルゼウス様、おはようございます!」
「・・・おはよう」
「俺、昨日夜更かししすぎて寝坊しちゃって・・・今日から改めて政務に関わることになったのに、すみません」
「いや、今朝は私も遅くなった」
「わ、珍しいですね!ヴァルゼウス様も夜更かしされてたんですか?」
「・・・まぁ」
心なしか肌の輝きが増したエイリと、気まずさに言葉を詰まらせるヴァルゼウス。昨夜の真実を知る者にとってはなんとも可笑しい光景だが、そんな者は存在しない。魔王城にとっては、魔王の寝坊という珍しいイベントが起こっただけのただの日常だった。
昨日までの業務についてエイリに共有し終わり、一息ついたところでヴァルゼウスが小さく咳払いをする。
「ところでエイリ、この後時間を作れるか」
「あーと、ごめんなさい、すぐにザルヴァン様との打ち合わせがあって、その後は来賓の応対の予定です。急ぎだったら今聞きますけど?」
「・・・いや、そこまで急がない」
(仕事中にする話ではないとはわかっているが・・・。)
ヴァルゼウスは自身の下腹部を見ながら小さく息を吐いた。それは昨日散々吐き出し尽くしたというのに、エイリを見た途端にはち切れそうなまでになっている。エイリからはデスクで見えないのが救いだった。
「ゆっくり話せそうな時間に、そうだな、ティータイムの時にでも話す」
「あ、それが・・・」
ティータイムと聞いてエイリが肩を落とす。ヴァルゼウスが続きの言葉を待っていると、困ったというように眉根を下げたままエイリが切り出した。
「統一記念日が近づいている関係で、しばらく祭りの準備に時間が取られそうなんです。だからしばらくティータイムをご一緒できそうになくて・・・。あ、でも、ちゃんとお茶とお菓子は俺が見繕って、可能な限り持ってきますから!」
「そう、か」
そう、魔界最大の祝祭、魔界統一記念日が近づいている。これは式典や出店、花火などの演目が一週間続き、その準備を魔王城が一手に担うのだ。
ヴァルゼウスは眉一つ動かさないまま、心の中でがっくりと肩を落とした。番の話ができないどころか、エイリとのティータイムまで奪われるとは。
「ヴァルゼウス様、その・・・ちょっとでも寂しかったりします?」
少しの期待を滲ませ、こちらを伺うように見つめるエイリに小さく頷いた。
「へへ、俺も寂しいです。ヴァルゼウス様とのティータイムは、俺にとって特別で、大好きな時間なんで」
はにかむように微笑んだエイリを見て下肢がズキズキと痛む。その可愛らしい言葉だけで、今日からの寂しさも乗り越えられるような気がした。
「じゃあ、仕事を終えてから、夜、少し話せるだろうか」
「俺は空いてますけど、ヴァルゼウス様の方が忙しいんじゃ・・・毎年この時期って、統一記念祭のための準備を夜な夜なやってませんでしたっけ」
「・・・そうだな」
多忙なヴァルゼウスは、執務時間中のスケジュールがパンパンに詰まっている。よって、祭りのための準備ーー衣装合わせだとか、スピーチの準備だとかは夜になるのだ。しかも祭りに合わせて各領地から来賓が来る関係で、連日会食になってしまう。
「しばらくお互い忙しくなりますね。でも俺、統一記念祭って大好きなんで、運営としていっぱい関われるのは嬉しいです!ヴァルゼウス様の伝説をばっちり広めないと!」
ファイティングポーズのような姿勢になって意気込むエイリを見ると、落ち込んではいられないという気になってくる。エイリが大好きだというこの祭りを乗り越えたら、改めて想いを伝え、番になってほしいと申し出よう。ヴァルゼウスはそう決心した。
だが、少しだけ。乗り越えるためのやる気がほしい。
「エイリ、こちらへ」
「何ですか、って、ひゃあ!」
「しばらくゆっくり顔も見られなくなるな」
「し、尻尾、やめっ、ひゃっ」
エイリを近くに呼び寄せ、ゆらゆらと揺れる尻尾を優しく掴み、その先端を親指と人差し指で軽く挟んで柔らかさを確かめるように揉む。やはり感じるのかぷるぷると震えた尻尾がぴんと伸びた。昨日の光景が甦り、無意識に手に力が入る。先端まで温かいそれを親指で扱くと、エイリの肩が跳ね上がった。
「や、やめてくださいっ!ヴァルゼウス様、俺、そこ、だめで、ああっ」
「どうした、私は尻尾を撫でているだけだぞ?それとも、私に触られるのは嫌か?」
「嫌じゃないけど、ぁっ、だめ、う、あ!」
エイリの腰が砕けそうになったところを腕で抱き留め、最後に尻尾の付け根をとんとん、と叩いた。びくり、と大きく体を揺らしたエイリがくったりと体を預けてくる。
「ふ、ぁ・・・」
「尻尾をマッサージするのは疲労回復にいいと聞いたんだが、少し効きすぎたか」
「はあっ、そ、うだったんですか・・・ありがとうござい、ます・・・」
素直に礼を言うエイリに、大嘘をついて不埒な真似をしたことを少しだけ反省する。今更ながら、心の声がエイリに聞こえなくなって本当によかったと安堵した。
エイリが立ち上がり、離れた温もりが名残惜しくなる。気づけばもう次の業務の時間が迫っていて、二人はお互いを激励し、慌てて別れた。
「エイリ、無理はするなよ」
「ヴァルゼウス様も!」
離れた二人が向かうのは次の業務・・・だが、その前にこそこそとトイレに篭って欲望を吐き出したのは言うまでもない。
話していたとおり、この日から二人は多忙を極めた。エイリは来賓や出店等の管理という重要業務を担うことになり、日々の業務に追われていたし、ヴァルゼウスはヴァルゼウスで祭りの準備に人手が取られる分普段の政務までも忙しかった。エイリは手元の書類から顔を上げて大きくため息を吐く。
「働いても働いても終わんねー!」
「喧しい。文句を言っている暇があったら手を動かせ」
「ザルヴァン様ぁ・・・」
魔界統一記念祭まであと3日に迫った今日、エイリとザルヴァンは朝から式典に参加する来賓のリストチェックを行っている。
「ドラキュラ族の族長ってもう来られてましたっけ?」
「ああ、昨夜着いて会食にも出席されていたはずだ」
「了解、チェックイン済み、と」
ザルヴァンとの連携も慣れたものである。その時、サクサクとリストに目を通していたエイリが、一つの名前を見て手を止めた。
「この人・・・」
「どうしたエイリ」
ザルヴァンも手を止め、エイリの元へとやってくる。彼に手元のリストを見せながらエイリが声を顰めた。
「ルグラン様は、予定より2日も早く入城してます。しかもお付きの人、事前に申請してた人と違う」
「急な変更などよくあることだ」
「ん~~~、でも今のところこの人だけですよ?なんか気になる」
北方の領地の領主、ルグラン。かつて純血派の領主が治めていた領地を引き継いだ魔王派の一人だ。
「今日はルグラン様に会食の予定はないみたいだし、給仕しながらあの件軽く探ってきてもいいですか?ついでに他の来賓たちの様子も見てきます」
「おい、そんなことはしなくていい」
「まぁまぁ、遠くから聞き耳立てるくらいにしとくんで。そもそも気のせいかもしんないですし」
あの件とは、当然内乱の動きがあるという話だ。魔界全体がお祭り騒ぎになるこの期間、反魔王派にとっては騒動を起こして魔王を陥れるのに最適なタイミングとも言える。
止めるザルヴァンを躱し、エイリは部屋を出た。来客用の部屋が並ぶエリアには、今、百名を超える領主や、種族の長たちといった要人が来賓として寝泊まりしている。とはいえ昼間のこの時間は会議が行われていたり、観光に出ていたりして人気は少ない。
(ルグラン様の部屋は、この先だな。いるといいんだけど。)
足音を立てないようにゆっくりと廊下を進むと、誰かの話し声が聞こえた。エイリは息を呑んで曲がり角で身を隠す。
「・・・は、・・・で・・・」
そっと覗き見ると、ちょうどルグランが何者かと部屋に入っていくところだった。
(さすが俺ってばナイスタイミング!)
エイリは周囲に気をつけながらそっと部屋に近づく。そして扉に耳を近づけ中の物音に耳を澄ませた。
「明るいうちに話などして大丈夫でしょうか・・・?」
「わかっている。手短に報告しろ」
扉の向こうから緊迫した空気が漂ってくる。人目を気にしてする話など碌なことではないだろうとエイリにも緊張が走った。
「決行は記念日当日で変更なしとのことです。時刻は花火の終盤、大玉が打ち上がり始めてすぐです。対象は城の屋上のテラスで来賓と鑑賞の予定で間違いありません」
「警備は」
「要人にはそれぞれ警護がいるでしょうが、対象には手薄のはずです。花火はこの日のメインイベントで、広間はかなりの混雑になるでしょうから、そちらに割かれると思われます」
「わかった。ブツはもう持ち込んでるんだろうな」
「はい、手筈通り。今は警護の者に預けていますが」
「いいだろう。必ず当日対象に摂取させろ。あの膨大な魔力で防御されると手も足も出せんからな」
「はい。私が直接接触します」
「平和ボケした警備など突破は容易い。問題は対象だけだ。必ず仕留めるぞ」
(ビンゴじゃん・・・!)
エイリの顔が険しくなる。ヴァルゼウス襲撃だ。タイミングも方法も、はっきりした。毒で魔力を封じる気か。すぐに報告しなければ。
部屋の中の話が一区切りついた気配がする。エイリは「すぐ報告を」と思い、後ろを振り返ろうとした瞬間ーー。
「盗み聞きとは感心しませんねぇ」
背筋を刺すような冷たい声が響く。切長の目に上がった口角、笑顔の仮面を纏った狐族の男が立っていた。その目は、蛇が獲物を睨むように鋭い。
(しまった・・・!いつの間に!クソ、油断した!)
エイリは慌てて後ずさるが、狐族の悪魔が素早く扉を押し開け、中に押し込んできた。
「話が聞きたいのなら部屋に入りましょう?遠慮しないで、ほらほら」
「やめろ、放せ!」
抵抗も虚しく、エイリはルグランと年配の男の前に差し出され、跪かされる。腕を後ろに捻じ上げられ、肩が軋む音が響いた。
「こいつは!」
「魔王様のお気に入り、ですねぇ」
ルグラン達の険しい視線がエイリに向けられる。狐族の男に拘束され、動きを封じられたエイリの額に汗が滲んだ。
(どうする、どう切り抜ける・・・!)
「ま、待て!俺も魔王反対派だ!やっとここまで懐に入れたんだし、あんたらに協力してやってもいい」
口の端を無理やり引き上げ、悪い笑みを作る。目の前の二人がぴくりと眉を動かしたのが見えた。
「そんな話を誰が信じる。殺せ」
年配の男に一蹴され、エイリが歯を噛み締める。ここで自分が殺されてはヴァルゼウスの命も危ない。どうすればいい。どうすれば生き残れる。エイリの頭の中でぐるぐると思考が回る。
「まぁまぁ。こいつがヤツのお気に入りってのは使えるかもしれないですよ?ねぇあなた、ヤツの弱味とか知りません?」
「よ、わみ?」
(ヴァルゼウス様に弱味なんて・・・でも、ここで何か言わないと、死んじまう!)
一瞬悩みきつく目を瞑った後、覚悟を決めて目の前の男達を見つめ、ニヤリと微笑んだ。
「あの野郎の弱味なんて、俺以外に何がある?」
「なんだと」
「ふふふふ」
狐の男が心底可笑しそうに笑った。
「あいつは完全に俺に惚れてる。最近は祭りの準備で忙しくて会えてないから、俺が二人きりで会いたいって呼び出すだけで、どこでもホイホイやってくるだろうよ」
「それはそれは随分とお熱いことで」
「旦那、マジで信用するつもりですか?!」
ルグランと年配の男が信じられないというように狐の男を見る。それを手で諌めながら、エイリの方に向き直った。
「二人きりになった時に薬まで飲ませられますか?」
「・・・ああ。俺たちは毎日午後3時に二人きりでティータイムを取ってたんだ。廊下にも警備はいない。準備も俺がするし、茶に薬を入れるのは簡単だ」
「あの男がティータイムねぇ・・・ふふふ、可愛らしい」
エイリの背筋に冷や汗が垂れる。もうひと押しだ。
「あんたらの計画だとルグラン様があいつの飲み物や食べ物に近づく必要があるんだろ?それって結構難しいと思うぜ?周りに来賓がうじゃうじゃいるからな。やりたいなら警備の配置表かなんか手に入れてやるけど、俺を使った方がチャンスは多いし、何よりも確実だ」
「ふふふふふふ!」
狐の男の目が一層細くなった。興奮からか尻尾が大きく膨らんでいる。
「あなたのその図太い神経、気に入りました。いいでしょう、あなたの口車に乗って利用してあげます。ただし、任務に失敗したり裏切ったりすれば、あなたは私のものになってください。この前奴隷が何人か壊れてしまって廃棄したので、ちょうど補充したいと思ってたんですよねぇ」
口角は上がっているが、薄く開いた目は笑っていない。舌なめずりをしてそう言った男に、エイリはこくりと頷いた。そうなれば、きっと死ぬより辛い目に遭うだろう。わかっていても、今の状況で拒否できるはずもなかった。
「旦那、いいんですか?こんな直前に変更なんて・・・」
「私がそう決めたのだからいいんですよ。だって、大好きな男に裏切られて死ぬ魔王の顔、ぜひとも見たいじゃないですか」
「承知いたしました。では預けていた薬を手配します」
狐の男が恍惚な表情を浮かべると、年配の男がそれに頷いた。
「俺もこの平和ボケの世界は一度ぶっ壊した方がいいと思ってた。俺のケツが無事なうちにあんたらに会えてよかったよ」
拘束が解かれ、埃を払いながら立ち上がる。ここで狐の男がホウゲツ、年配の男がヴェルドリンだと名乗られたため、エイリも自分の名前を伝えた。ホウゲツがエイリの言葉に尻を撫で上げ、揉みしだいてくる。悪寒に体が震えるのを耐えつつ、触るなとその手を払い除けた。
「で、いつ呼び出せばいいんだよ?」
「そうですね。さっそく今日、午後3時のティータイムにしましょう」
あと4時間を切っている。思ったより急な話にエイリの体が固まった。せめて明日であればなんとかしてヴァルゼウスやザルヴァンにメッセージを送れるかと思ったが、今日と言われると自分一人の力で何ができるというのか。
「・・・せっかちだな。じゃあ、いつも通り執務室で実行するけど、薬はどうすんの」
「実行の直前、ここに来い。その時に渡す」
「わかった」
実行まで時間がない。なんとか薬を飲まないようヴァルゼウスに伝えたいが、小型のマイクとカメラを付けられて叶いそうになかった。絶望感に目の前が真っ暗になりそうになる。
「まずは二人きりでティータイムをしたいと呼び出すところからですね。あ、交尾したいって誘惑してもらうのでも構いませんよ」
「気色悪いこと言うんじゃねえ」
エイリはそう吐き捨て、部屋を出る。ヴァルゼウスの元に向かいながら、どうすれば自分も彼も助かることができるのか頭が一杯だった。
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