師走25日の恋物語 3カップルそれぞれの恋

蔵屋

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第四章

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秋空に眩い太陽の日差しを浴びて流星と美波は滋賀県の比叡山にいた。
比叡山の紅葉の見頃は、例年10月下旬から11月中旬である。丁度紅葉狩りに適した季節であった。
比叡山は標高が高いため、平地よりも早くモミジの紅葉こうようが始まるのだ。
例年10月下旬から見頃を迎える。
美波は紅葉もみじに関する関西日帰りマップの雑誌を購入し紅葉狩りの行き先を検討していたのだ。
数日前、美波は流星に電話をして、その紅葉狩りの行き先を相談していた。
「ねえ。流星、今度の土曜日、紅葉狩りに行かない?」
「ああ。紅葉狩りか。いいね。行こうよ。何処どこにする?」
「今、紅葉狩りマップを見てるんだけど、滋賀県の比叡山はどうかなぁ?」
「比叡山かぁ?いいと思うよ。俺最澄が好きだから(笑い)」
「そうなんだ。」
「最澄の最後の言葉を美波は知ってるかな?」
「知らないわよ。」
「そうなんだ。僕は知ってるよ。勉強したから」
「流星、教えてよ」
「いいよ。最澄の最後の言葉だよ。いい。
「ええ。いいわよ」
「じゃあ、いくね。『私のために仏を作ってはなりません。私のために経を写してはなりません。私のこころざしを述べなさい。」
「それってどういう意味なの?」
「じゃあ、この最澄の尊いお言葉の意味を解説するね。」
「うん。解説して頂戴」
伝教大師でんぎょうだいし最澄さまが、お亡くなりになる少し前に弟子たちにお話になったお言葉です。
それでは大師の志とは一体どのようなものなのかについて解説するね。美波、よく聞いてね。」
「うん。」
「それは、正しい仏教を広め、素晴らしい人材を育て、すべての人が仏さまとなることができる世界を実現するということなんだよ。大師の志は、今でも受け継がれているんだよ」
「素晴らしい。伝教大師でんぎょうだいしの教えって奥が深いね」
「そうなんだよ。良かった。美波に最澄の素晴らしさを知ってもらって良かったよ(笑い)」
さて、比叡山の紅葉狩りの時期である。
マップによると、特に11月上旬から中旬にかけてが最も美しい時期と記載されていた。
紅葉の場所は比叡山延暦寺は東塔、西塔、横川の3つのエリアに分かれており、それぞれで紅葉が楽しむことができる。
特に横川地域は紅葉が最も綺麗な彩りは見事と言われている。
紅葉の見頃に合わせて、横川地域では「比叡山のもみじ祭り」が開催される。
この祭りでは、横川中堂の特別内陣拝観や、抽選会、キッチンカーの出店などが行われるイベントが開催される。
比叡山へは、JR「比叡山坂本駅」や京阪電車「坂本比叡山口駅」からケーブルカーを利用するか、または京都側からは比叡山ケーブルやロープウェイを利用してアクセス出来る。
比叡山の山の中はシャトルバスで移動するのが便利である。
比叡山を観光する時は現在の紅葉の色づき状況やイベントの開催情報などは、お出かけ前に事前に問い合わせ先に確認することをお勧めする。

さて、流星も美波も比叡山の〝モミジ〟の紅葉の美しさに感動していた。

「比叡山の紅葉は平地より一足早く、深山の趣もひとしおなのよね。中でも紅葉祭り「比叡のもみじ」は、紅葉が最も見事な横川地域で行われるのよね。
比叡山へは比叡山ドライブウェイで上ることができるし、このドライブウェイは比叡山の山ひだを縫って走りカーブが多いけど、京都、大津市街、琵琶湖が望める快適な展望コースとなっているんだよ。
また、この終点となる延暦寺根本中堂から横川地域のある奥比叡ドライブウェイに続いているんだ。
そのほか紅葉の時期には、横川中堂内陣特別拝観も出来るんだよ」
美波は嬉しいそうだ。
流星はそんな美波のことが大好きであった。
まるで少女にタイムスリップしたかのように楽しそうにお喋りするからだ。
そんな美波のことが流星は愛おしく、可愛いらしいと思うのであった。
もう美波とはあたかも結婚をしてるような錯覚を覚えていた。
もう、美波と結婚したいと思うのであった。
さて、比叡山の見どころについて、再度おさらいしたい。
紅葉もみじまつりは開催中は横川駐車場にて10時から16時まで無料抽選会を開催している。
また、観光客に対するイベントである。
抽選で「近江米」、「延暦寺オリジナルグッズ」をプレゼントして貰える。
国宝の根本中堂並びに重要文化財の廻廊かいろうが2016年から2030年にわたり大改修されており、屋根の高さから貴重な光景を間近で見ることが出来る。
根本中堂の「修学ステージ」から一般参拝者も屋根の高さまで登って工事の様子が見学できる。ただし期間限定ではあるが。
工事期間中は、国宝や重要文化財の改修ならではの珍しい作業も行われており普段目することのない貴重な光景を間近で見学することが出来る。

読者の皆さんも一度紅葉狩りに比叡山に行かれてはどうだろうか。

流星と美波はお腹が空いていた。
「美波、俺お腹すいたよ。何か食べたいよ」
「そうね。私もお腹空いちゃたわ。あそこに蕎麦屋さんがあるわ。あそこで休憩しましょうよ」
「うん。あそこにしよう。行こう、行こうよ」









二人はお蕎麦を食べて、その日の紅葉狩りは終わったのである。

次の章は高杉勇斗と永野すずの物語である。
どうぞ、お楽しみに。

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