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エピソード2. 星むすめの不思議な力は魔法の力なのか?
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フィンランドの国の、北のほうに
すんでいるラップランド人は、たいてい
髪の毛は黒く、目は茶色ですが、この子
もそうでした。また、ラップランド人の
子ども中には、とても頑固で、おこりっ
ぽい子がいるのですが、星むすめは、
穏やかな、口かずの少ない物静かな
子どもでした。
赤ん坊を雪の中に落とした
ラップランド人たちも子どもは
オオカミに食べられたと思ったの
でしょう。
誰も星むすめを探しに来る人は
ありませんでした。
まえには、貧乏で、病気ばかり
していたシモンの家も、星むすめが
来てからは、牛も羊もどんどん増えて、
しだいにお金持ちになり、幸せになり
ました。
三人の兄弟と星むすめの四人の
子どもたちは、大変仲良く暮らしました。
ときどき、男の子たちがいいあいを
して、髪の毛を掴み合うくらいのことは
ありましだが、兄さんたちは、星むすめ
を大切にしました。
お母さんも、子どもたち、
四人を分け隔てなく、可愛がって、
なにもかも、上手い具合にいきました。
ところが星むすめが三つになったころ
エリザベートは、この子はどうも
おかしい、と思い始めました。
それは、この子の目が不思議な力を
持っているからなのです。
星むすめは、兄さんたちに口答えを
したことは一度もありません。
お兄さんたちがけんか(喧嘩)をしても
星むすめにじっと見つめられると
男の子は、なぜか、つかみかかること
ができなくなるのです。
年をとった黒猫も、星むすめが目を
むけると、こそこそ逃げだしますし、
もしゃもしゃの毛をした犬のケッツも
星むすめがじっと見ると、すぐに
吠えるのをやめてしまいます。
また、ある日、吹雪が山の上で
荒れ狂っていました。
ところが、星むすめが外へ出ていくと
まもなく、嵐は、ぴたっとおさまり
ました。
兄さんたちは、顔を見合わせて、
「きっとあの子が、嵐🌀をしずめたん
だよ。」とささやき会いました。
「ばかなことをいうんじゃない。
あんな小さな娘が嵐をしずめる力なんて
あってたまるものかね」
お母さんは男の子たちを叱りつけ
ました。
しかし、お母さんもある晩、
星むすめの瞳が、暗闇の中でキラキラと
光のを見たことがあります。
お母さんは、星むすめをとても
可愛がっていましたが、こんな不思議な
ことが重なるとイライラしました。
お母さんのエリザベートは
迷信深い人でしたので、この娘は
ひょっとしたら魔法使いかもしれない、
と思ったのです。
それで、星むすめが近くに寄ってくる
とじゃけんにいいました。
「お前、そんなにじいっとわたしを
見ないでおくれ。お前に見つめられ
ると、わたしは、心の中まで見ぬかれ
るようで、嫌な気がする。」
星むすめは、寂しそうに目を
伏せました。
to be continued
すんでいるラップランド人は、たいてい
髪の毛は黒く、目は茶色ですが、この子
もそうでした。また、ラップランド人の
子ども中には、とても頑固で、おこりっ
ぽい子がいるのですが、星むすめは、
穏やかな、口かずの少ない物静かな
子どもでした。
赤ん坊を雪の中に落とした
ラップランド人たちも子どもは
オオカミに食べられたと思ったの
でしょう。
誰も星むすめを探しに来る人は
ありませんでした。
まえには、貧乏で、病気ばかり
していたシモンの家も、星むすめが
来てからは、牛も羊もどんどん増えて、
しだいにお金持ちになり、幸せになり
ました。
三人の兄弟と星むすめの四人の
子どもたちは、大変仲良く暮らしました。
ときどき、男の子たちがいいあいを
して、髪の毛を掴み合うくらいのことは
ありましだが、兄さんたちは、星むすめ
を大切にしました。
お母さんも、子どもたち、
四人を分け隔てなく、可愛がって、
なにもかも、上手い具合にいきました。
ところが星むすめが三つになったころ
エリザベートは、この子はどうも
おかしい、と思い始めました。
それは、この子の目が不思議な力を
持っているからなのです。
星むすめは、兄さんたちに口答えを
したことは一度もありません。
お兄さんたちがけんか(喧嘩)をしても
星むすめにじっと見つめられると
男の子は、なぜか、つかみかかること
ができなくなるのです。
年をとった黒猫も、星むすめが目を
むけると、こそこそ逃げだしますし、
もしゃもしゃの毛をした犬のケッツも
星むすめがじっと見ると、すぐに
吠えるのをやめてしまいます。
また、ある日、吹雪が山の上で
荒れ狂っていました。
ところが、星むすめが外へ出ていくと
まもなく、嵐は、ぴたっとおさまり
ました。
兄さんたちは、顔を見合わせて、
「きっとあの子が、嵐🌀をしずめたん
だよ。」とささやき会いました。
「ばかなことをいうんじゃない。
あんな小さな娘が嵐をしずめる力なんて
あってたまるものかね」
お母さんは男の子たちを叱りつけ
ました。
しかし、お母さんもある晩、
星むすめの瞳が、暗闇の中でキラキラと
光のを見たことがあります。
お母さんは、星むすめをとても
可愛がっていましたが、こんな不思議な
ことが重なるとイライラしました。
お母さんのエリザベートは
迷信深い人でしたので、この娘は
ひょっとしたら魔法使いかもしれない、
と思ったのです。
それで、星むすめが近くに寄ってくる
とじゃけんにいいました。
「お前、そんなにじいっとわたしを
見ないでおくれ。お前に見つめられ
ると、わたしは、心の中まで見ぬかれ
るようで、嫌な気がする。」
星むすめは、寂しそうに目を
伏せました。
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