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エピソード5
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星むすめが、この家へ来てから、ちょうど、三度目のクリスマスが近づいていました。
ある日、隣のムッラのお母さんも、迷信深い女でしたので、ラップランド人の魔法の話をしていました。すると下の穴ぐらから星むすめの歌う声が聞こえてきました。
かあさんけいと(毛糸)を編んでいる🎵
シンムはおかねをザアクザク🎵
パルテはれんがをトントントン🎵
マッテはこねことあそんでる🎵
ランランラン🎵
お日さまキラキラひか(光)ってる🎵
「おやぁ、あのラップランドの子は、穴ぐらにいるのに、どうして、ここでしていることが、見えるんだろうね。」ムッラのおかみさんは、驚いて言いました。なるほど、その時、お母さんは、毛糸で手袋を編んでいました。シンムは、お金をおもちゃにして遊んでいましたし、パルテは、レンガを叩き割っていました。マッテは、猫の足に紐を巻きつけて、引っ張り回していたのです。「ほんとに、あの子は、なんと薄気味の悪い子だろう。なんだか、恐ろしくてたまらないのだよ。あの子は、確かに、魔法使いに違いないよ。」と、シモンのおかみさんは、声をふるわせて言いました。「しっかりおしよ、あんた。いくら魔法使いだって、たかがちびっこじゃないか!ビクビクすることはないよ。あの子の目に布切れを七枚当てるのさ。それから、穴ぐらに降りる上げ板の上に、敷き物を七枚重ねてごらん。いくら魔法使いだって、何にも見えなくなるよ。」と、意地悪のムッラのおかみさんが言いました。「じゃぁ、そうしてみようかね。」
と、お母さんは、早速、穴ぐらへ降りて行きました。そして、星むすめの星のような目に、布切れを七枚あてて目隠しをし、穴ぐらの入り口の床に、厚い敷き物を七枚重ねました。まもなく、日が暮れて、星が光り始めました。オーロラがふたつの大きな赤い虹(🌈🌈)のように、空に現れました。すると、また、星むすめの歌う声が聞こえてきました。
青いお星がキラキラ🎵
空いっぱいに光ってる🎵
真っ赤な虹(🌈🌈)がふたあつも🎵
高いお山にかかってる🎵
小さなお星が呼んでいる🎵
ふたつの虹(🌈🌈)も歌ってる🎵
クリスマス🎵
もうじき来るよと歌ってる🎵
「ちょいと、聞いたかね。あの子は、七枚も布切れを当てているのに.オーロラや星が見えるらしいよ。あの子は、確かに今まで聞いたことのないほど、恐ろしい、魔法使いの子だよ。」
さすがのムッラも、顔色を変えて言いました。「そんなことがあるもんかね。穴ぐらへ行って、確かめてみよう。」
お母さんは、七枚の敷き物をあげて、穴ぐらへ降りてみました。星むすめは、七枚の布切れで目隠しをされたままでいます。
「お前、星が見えるのかい?」
「ええ、とてもたくさんの星が、私のほうを見てるわ。母ちゃん、クリスマスが来るのね。」と、星むすめは無邪気に言いました。
お母さんは、驚いてパタパタと上にかけ戻ると、ムッラにこのことを話しました。ムッラは、悔しがってうなりました。
「よーし、こうなったら、仕方がないよ。床下の穴ぐらに、二メートルの深い穴を掘って、魔法使いのあの子を、入れるんだね。その上に砂をかぶせて、埋めてしまおう。そうでもするより、仕方がないよ。そうしておけば、ちっとは効き目があるだろう。」
「そんな無茶なことが、できるもんかね。いけないよ。ひどい罪だよ。そんなことが、お父さんに知れてごらん。大変なことになるよ。」お母さんは、強く反対しました。すると、ムッラは、そんならあの子は私におくれよ。いいようにしてあげるから。」「でも、お願いだから、あの子に、間違いのないようにしておくれよ。頼んだよ。」と、お母さんは、心配そうに言いました。「大丈夫だよ。間違いなんかあるもんかね。あの子が来たところへ、戻してやるだけなんだからね。」
ムッラに引き取られた星むすめは、いったい、どうなるのでしょう?
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️👧⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
to be continued
ある日、隣のムッラのお母さんも、迷信深い女でしたので、ラップランド人の魔法の話をしていました。すると下の穴ぐらから星むすめの歌う声が聞こえてきました。
かあさんけいと(毛糸)を編んでいる🎵
シンムはおかねをザアクザク🎵
パルテはれんがをトントントン🎵
マッテはこねことあそんでる🎵
ランランラン🎵
お日さまキラキラひか(光)ってる🎵
「おやぁ、あのラップランドの子は、穴ぐらにいるのに、どうして、ここでしていることが、見えるんだろうね。」ムッラのおかみさんは、驚いて言いました。なるほど、その時、お母さんは、毛糸で手袋を編んでいました。シンムは、お金をおもちゃにして遊んでいましたし、パルテは、レンガを叩き割っていました。マッテは、猫の足に紐を巻きつけて、引っ張り回していたのです。「ほんとに、あの子は、なんと薄気味の悪い子だろう。なんだか、恐ろしくてたまらないのだよ。あの子は、確かに、魔法使いに違いないよ。」と、シモンのおかみさんは、声をふるわせて言いました。「しっかりおしよ、あんた。いくら魔法使いだって、たかがちびっこじゃないか!ビクビクすることはないよ。あの子の目に布切れを七枚当てるのさ。それから、穴ぐらに降りる上げ板の上に、敷き物を七枚重ねてごらん。いくら魔法使いだって、何にも見えなくなるよ。」と、意地悪のムッラのおかみさんが言いました。「じゃぁ、そうしてみようかね。」
と、お母さんは、早速、穴ぐらへ降りて行きました。そして、星むすめの星のような目に、布切れを七枚あてて目隠しをし、穴ぐらの入り口の床に、厚い敷き物を七枚重ねました。まもなく、日が暮れて、星が光り始めました。オーロラがふたつの大きな赤い虹(🌈🌈)のように、空に現れました。すると、また、星むすめの歌う声が聞こえてきました。
青いお星がキラキラ🎵
空いっぱいに光ってる🎵
真っ赤な虹(🌈🌈)がふたあつも🎵
高いお山にかかってる🎵
小さなお星が呼んでいる🎵
ふたつの虹(🌈🌈)も歌ってる🎵
クリスマス🎵
もうじき来るよと歌ってる🎵
「ちょいと、聞いたかね。あの子は、七枚も布切れを当てているのに.オーロラや星が見えるらしいよ。あの子は、確かに今まで聞いたことのないほど、恐ろしい、魔法使いの子だよ。」
さすがのムッラも、顔色を変えて言いました。「そんなことがあるもんかね。穴ぐらへ行って、確かめてみよう。」
お母さんは、七枚の敷き物をあげて、穴ぐらへ降りてみました。星むすめは、七枚の布切れで目隠しをされたままでいます。
「お前、星が見えるのかい?」
「ええ、とてもたくさんの星が、私のほうを見てるわ。母ちゃん、クリスマスが来るのね。」と、星むすめは無邪気に言いました。
お母さんは、驚いてパタパタと上にかけ戻ると、ムッラにこのことを話しました。ムッラは、悔しがってうなりました。
「よーし、こうなったら、仕方がないよ。床下の穴ぐらに、二メートルの深い穴を掘って、魔法使いのあの子を、入れるんだね。その上に砂をかぶせて、埋めてしまおう。そうでもするより、仕方がないよ。そうしておけば、ちっとは効き目があるだろう。」
「そんな無茶なことが、できるもんかね。いけないよ。ひどい罪だよ。そんなことが、お父さんに知れてごらん。大変なことになるよ。」お母さんは、強く反対しました。すると、ムッラは、そんならあの子は私におくれよ。いいようにしてあげるから。」「でも、お願いだから、あの子に、間違いのないようにしておくれよ。頼んだよ。」と、お母さんは、心配そうに言いました。「大丈夫だよ。間違いなんかあるもんかね。あの子が来たところへ、戻してやるだけなんだからね。」
ムッラに引き取られた星むすめは、いったい、どうなるのでしょう?
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