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エピソード6
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ムッラは、星むすめを受けとると、もとのトナカイの皮に包んで山へ連れて行きました。そして、さびしい雪の山の上に星むすめを置いて帰って来たのです。「あの子は、雪の山から来たんだから、雪の山に帰らせ
たまでさ。」と、ひとり言(ごと)をいいながら‥‥‥。星むすめは、トナカイの皮に包まれて、雪の上に横たわっていました。三年前、ソリ🛷から転げ落ちたときと同じように、クリスマス🎄🤶の前の晩でした。空一面に光っている沢山の星は、可哀想なこの子をじっと見ろしていました。その星の光を受けると、星むすめの瞳(ひとみ)は、ますます不思議な力を持つようになりました。人の心の中ばかりか、ずっと遠くの神様のいらっしゃるところまで、見えるようになりました。そこには、清らかな天使😇たちがいて、神様のお言葉を伝えるために、あちらこちらへ飛んで行くのが見えました。その夜は、明るく静かで、世界中が神様を褒め讃える声で満ち溢れていました。空には、オーロラが赤い火花のように燃えて、山の上の星むすめの枕元に、美しい虹(🌈)をかけていました。あくる朝、クリスマスの鐘🔔🤶が鳴り始めたときに、情け深いシモンが帰ってきました。
シモンは、茶色の髪の毛の雪を落としてから、お母さんに尋ねました。「子供たちは、どうだね。」
「パルテは、麻疹に罹ったけど、もうすっかり回復して良くなりましたよ。シンムとマッテは、元気で、パン菓子のようにまるまる太っていますよ。」「星むすめは、どうしているね。」「元気ですよ。」お母さんは、嘘を言いました。気がとがめたのと、シモンに叱られるのが怖かったからです、シモンは上機嫌で言いました。「あの子は、大事にせにゃならんぞ。ゆうべ、わしは、ソリ🛷に乗ったままで、眠り込んでしまったが、その時、星🌟が、ワシの膝の上に落ちてきた夢を見たよ。「私を拾って、大事にしておきなさい。神様のお恵みで、きっといいことがあるから。」星🌟が、そういったと思うと目が覚めた。あの星むすめは、ほんとに神様の大事な娘さんかもしれない。なぜなら、あの子を拾ってから、三年間というもの、私たちは何をしてもうまくいったじゃないか。それまでは、何一つうまくいかなかった。子供たちは、病気ばかりして、また貧乏だった。畑は凍ってしまうし、牛は熊に食われる。羊も、狼にとられる始末だった。それがどうだ。今は何もかもうまくいく。幸せになったじゃないか。これというのも、神様が、私たちのような情け深いものをくださっているからだよ。」お母さんは、シモンの言葉に、チクチク胸を刺されるようで、一言も答えることができませんでした。そのうち、男の子たちが目を覚ましました。シモンは子供たちを抱いて、「おう、みんな、よく太って、丈夫そうになったなぁ」
と喜びました。「ところで、星むすめは、どこだね。」すると、シンムがそっと言いました。「母ちゃんが穴ぐらに入れたよ。」パルテも低い声で言いました。「母ちゃんが、あの子の目に、布切れを七枚当てて、目隠しをしたよ。そして、穴ぐらの入り口に、敷き物を七枚重ねておいたよ。」おしまいにマッテがいいました。「お父ちゃん。母ちゃんが、星むすめをムッラおばさんにやったよ。」それを聞くと、シモンはかっとなって、お母さんに掴みかかりました。お母さんは、真っ青になって逃げ出しながら叫びました。「だって、あの子は、ラップランド人じゃないか。ラップランド人は、魔法を使うから、恐ろしいよ。」「ばかもの‼️」
「なんて、馬鹿な女だ‼️」シモンは吐き出すように言って、すぐ、馬小屋に行きました。
旅から帰ったばかりで、とても疲れていましたが、また、ソリ🛷に馬をつなぎました。それから、隣のムッラのおかみさんを呼び出して、無理矢理ソリに乗せて、星むすめを捨てたところに案内させました。山に着くと、二人は、ソリから降りてスキーを履き、雪の積もった上を越えていきました。ムッラが星むすめを置き去りにしたところに来てみると、そこには、まだ、星むすめの寝ていた、小さな窪みがありましたが、星むすめの姿は見えません。
星むすめは、一体、どこへ行ったのでしょうか?この雪の舞い散る寒い日に⁉️
🌨️🌨️🌨️🌨️🌨️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️🌨️🌨️🌨️🌨️
to be continued
たまでさ。」と、ひとり言(ごと)をいいながら‥‥‥。星むすめは、トナカイの皮に包まれて、雪の上に横たわっていました。三年前、ソリ🛷から転げ落ちたときと同じように、クリスマス🎄🤶の前の晩でした。空一面に光っている沢山の星は、可哀想なこの子をじっと見ろしていました。その星の光を受けると、星むすめの瞳(ひとみ)は、ますます不思議な力を持つようになりました。人の心の中ばかりか、ずっと遠くの神様のいらっしゃるところまで、見えるようになりました。そこには、清らかな天使😇たちがいて、神様のお言葉を伝えるために、あちらこちらへ飛んで行くのが見えました。その夜は、明るく静かで、世界中が神様を褒め讃える声で満ち溢れていました。空には、オーロラが赤い火花のように燃えて、山の上の星むすめの枕元に、美しい虹(🌈)をかけていました。あくる朝、クリスマスの鐘🔔🤶が鳴り始めたときに、情け深いシモンが帰ってきました。
シモンは、茶色の髪の毛の雪を落としてから、お母さんに尋ねました。「子供たちは、どうだね。」
「パルテは、麻疹に罹ったけど、もうすっかり回復して良くなりましたよ。シンムとマッテは、元気で、パン菓子のようにまるまる太っていますよ。」「星むすめは、どうしているね。」「元気ですよ。」お母さんは、嘘を言いました。気がとがめたのと、シモンに叱られるのが怖かったからです、シモンは上機嫌で言いました。「あの子は、大事にせにゃならんぞ。ゆうべ、わしは、ソリ🛷に乗ったままで、眠り込んでしまったが、その時、星🌟が、ワシの膝の上に落ちてきた夢を見たよ。「私を拾って、大事にしておきなさい。神様のお恵みで、きっといいことがあるから。」星🌟が、そういったと思うと目が覚めた。あの星むすめは、ほんとに神様の大事な娘さんかもしれない。なぜなら、あの子を拾ってから、三年間というもの、私たちは何をしてもうまくいったじゃないか。それまでは、何一つうまくいかなかった。子供たちは、病気ばかりして、また貧乏だった。畑は凍ってしまうし、牛は熊に食われる。羊も、狼にとられる始末だった。それがどうだ。今は何もかもうまくいく。幸せになったじゃないか。これというのも、神様が、私たちのような情け深いものをくださっているからだよ。」お母さんは、シモンの言葉に、チクチク胸を刺されるようで、一言も答えることができませんでした。そのうち、男の子たちが目を覚ましました。シモンは子供たちを抱いて、「おう、みんな、よく太って、丈夫そうになったなぁ」
と喜びました。「ところで、星むすめは、どこだね。」すると、シンムがそっと言いました。「母ちゃんが穴ぐらに入れたよ。」パルテも低い声で言いました。「母ちゃんが、あの子の目に、布切れを七枚当てて、目隠しをしたよ。そして、穴ぐらの入り口に、敷き物を七枚重ねておいたよ。」おしまいにマッテがいいました。「お父ちゃん。母ちゃんが、星むすめをムッラおばさんにやったよ。」それを聞くと、シモンはかっとなって、お母さんに掴みかかりました。お母さんは、真っ青になって逃げ出しながら叫びました。「だって、あの子は、ラップランド人じゃないか。ラップランド人は、魔法を使うから、恐ろしいよ。」「ばかもの‼️」
「なんて、馬鹿な女だ‼️」シモンは吐き出すように言って、すぐ、馬小屋に行きました。
旅から帰ったばかりで、とても疲れていましたが、また、ソリ🛷に馬をつなぎました。それから、隣のムッラのおかみさんを呼び出して、無理矢理ソリに乗せて、星むすめを捨てたところに案内させました。山に着くと、二人は、ソリから降りてスキーを履き、雪の積もった上を越えていきました。ムッラが星むすめを置き去りにしたところに来てみると、そこには、まだ、星むすめの寝ていた、小さな窪みがありましたが、星むすめの姿は見えません。
星むすめは、一体、どこへ行ったのでしょうか?この雪の舞い散る寒い日に⁉️
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