55 / 117
第一章その3 ~とうとう逢えたわ!~ 鶴ちゃんの快進撃編
駆け下りろ、狙うは敵の大将首!
しおりを挟む
「黒鷹、来るわ!」
鶴の言葉も束の間、青い光が流星のように降り注いだ。
砲撃は天の雷のごとく敵陣を薙ぎ払っていく。巨体の餓霊が逃げ惑い、容易く宙に舞い上がるのだ。
「……す、凄過ぎやろ、艦砲射撃ってこんなにパワーあったんやな」
「た、確かに、属性添加機も弾頭サイズも桁違いだからな……」
難波の言葉に、誠も頷いた。
だがそんな一同をよそに、鶴は大きく伸びをすると、いきなり操縦席から姿を消した。
「えっ!? あれ、いきなり消えた……!?」
誠が周囲を見回すと、鶴は誠の機体の肩に仁王立ちしていた。コマは更に彼女の肩に仁王立ちしている。
鶴はそのまま腰の太刀を引き抜くと、高らかに叫んだ。
「行くわよみんな! 目指すは敵本陣、大将を討ち取るわ!」
「えっ!? おい、まさか生身で戦う気か!?」
誠が止めるのも間に合わず、鶴とコマは宙に身を躍らせた。すると見る間にコマが巨大化し、先ほどの白い巨獣へと変わったのだ。
鶴がコマの背に飛び乗ると、コマは勢いそのままに土の塔を駆け下りていく。
「くそっ、こうなったら行くしかない!」
誠達も人型重機で塔を駆け下り、鶴とコマの後を追う。
コマは土の塔を駆け下りると、大きくジャンプして高速道路の高架に飛び乗る。するとあろう事か、高速道路はたちまち数倍の高さに競り上がった。
地盤が盛りあがったのか、それとも支柱が伸びたのか。理解が追いつかなかったが、カノンが画面上で目を丸くしている。
「ちょ、ちょっと、まさかあの上を走る気なの!? あちこち崩れて傷んでるのよ?」
「平気よ、ちゃんと道を強くしてるから!」
鶴の顔が画面に映ってそう叫んだ。
誠達も機体を操作して跳躍、高速道路に着地したが、道路は青い光に満ち、特に砕ける様子も無い。
「ようし、全機駆け抜けろ!」
所々崩落している高速道路の残骸を、アスレチックのように飛び移りながら、誠は周囲を注視する。餓霊が上って来ないのは、この青い光が魔除けになっているのだろうか?
操縦席には、鶴が使っていた半透明の地図がまだ表示されていて、誠も敵陣の様子を見る事が出来た。このまま丘の傾斜に沿って高速道路を駆け下りれば、敵本陣までもう少しだ。
と、その時、不意に地図上に何かのマークが表示された。マークは激しく点滅し、猛烈なビープ音が鳴っている。
誠は鶴に問いかける。
「すごい警告音だな。これは何の反応だ?」
「ちょっと待ってね……あらっ、これはさっきの面白い顔の敵だわ」
「何やってんだよ、ボスかと思っただろ! てかチェック入れるな!」
「ごめんなさい、大将はこっちね」
誠達は高速道路の終点を飛び越えると、近くの小高い丘へ向かう。かつて芝生の市民広場があった場所である。敵の大将が近いためか、辺りの霧が一気に色濃くなっていた。10メートル先も霞む程だ。
コマは鶴に呼びかける。
「近いぞ鶴、ここら一体の霧を飛ばせ!」
「分かったわ!」
コマの言葉に、鶴が目を閉じて念じる。その身が光に包まれたかと思うと、前方に竜巻が現れた。竜巻は巨大化しながら進み、霧を上空へ巻き上げるのだ。
一気に視界が広がって、誠は敵軍の大将を見据えた。
「いた! 城砦級、厨子王型の亜種か!」
全長はゆうに100メートルを超えるだろう。
胴体はまるでムカデのようで、前方3分の1ほどから伸びる人型の上半身は、鎧武者のごとく硬い外皮に覆われている。八本の腕は先端が刃物状で、その刃は赤い光をまとっていた。
厨子王は頭部の口を開けて咆える。するとその場にいた大型の餓霊……狗王型が、数体同時に襲って来るのだ。
だがコマはものともせず、前足で狗王型の横っ面を叩きつける。相手はもんどりうって吹き飛んで、悲鳴を上げて溶け落ちていく。
コマは更に1体をくわえて振り回し、他の狗王型に投げつける。そのまま猛然と突進すると、まとめて頭突きで吹っ飛ばしてしまった。まさに八面六臂の大活躍だ。
自らの守り手が倒されるのを見て、厨子王は巨体を翻した。
全身をぶるぶると身震いさせると、地響きを立てて広場から駆け下り、道路を北へと走り始めたのだ。
誠は思わず声を上げた。
「この方向……まずい、避難区に突入するつもりか!?」
厨子王は鶴達を強敵と認め、無理せず避ける選択をしたのだ。
誠達は併走しながら射撃で攻撃するも、厨子王の周囲に赤い電磁バリアが輝いて、こちらの攻撃を弾いてしまう。
「黒鷹、私に任せて」
鶴が自信満々に言うと、コマを駆って厨子王の真横につけた。
「鶴、レーザーは駄目だぞ。今の霊力だと、どこまで飛ぶか分からない」
「分かってるわ」
コマの忠告に答えると同時に、鶴の傍に巨大な火球が現れて、厨子王に炸裂したのだ。
やや狙いが外れたものの、幾重にも及ぶ強固な電磁バリアを貫かれ、厨子王の鎧のような上半身は、一部が抉り取られていた。
「効いてるわね、もう1発よ!」
鶴は再び火球を発射するが、今度は厨子王を大きく外れ、火球はあさっての方に飛んでいく。厨子王に追従していた数十体の餓霊が、火球がかすっただけで蒸発した。
「すぐ集中が乱れてるな。ちゃんと修行してないからだぞ!」
コマは反撃する厨子王の爪を避けつつ言った。
「無鉄砲に撃つと明後日に飛んでいく、何か目印を決めて作れ。例えばその銃」
「分かったわ」
鶴が再び何か念じると、青白い稲光が屈曲しながら誠の機体の近くに落ちた。
「うわっ、危なっ!」
辛うじて身をかわした誠だったが、コマがこちらを見て叫んだ。
「黒鷹、その雷を使え!」
「か、雷!?」
誠は機体を走らせながら、モニターを確認する。
機体の持つ銃には、不可思議な光が宿っていた。光は銃身の表面を駆け巡りながら、時折激しく瞬いている。
(何だこれ……さっきの雷がかすったのか?)
理屈は全く分からないが、とにかくやってみるしかない。
誠は厨子王の爪をかわしながら射撃する。先ほどは容易く阻まれた銃撃は、敵の防御魔法を易々と貫き、厨子王の脇腹辺りを貫通する。
厨子王はくぐもった声で叫びを上げた。
銃はみるみるその光を失っていき、第2射は普通に弾かれてしまった。
「……すごいなこれ、使えるぞ! もっかいいけるか?」
「もちろんよ!」
「よし、それならまず、あきしまに連絡して砲撃のチャージを頼む。準備だけだ、まだ撃たないでくれよ」
「分かったわ。ナギっぺ、聞こえる?」
鶴は視線を宙に上げ、あの女神とやらに呼びかけている。どうやら話が通じたらしく、鶴は再びこちらを向いた。
「黒鷹、それじゃもっかい行くわ!」
「分かった!」
誠が銃を鶴の方にさし出した時、厨子王の巨大な腕がこちらに向かって弧を描いた。
アサルトガンは玩具のように切断され、アスファルトの路上に残骸となって転がっていく。
「くそっ、銃が!」
「大丈夫! 黒鷹、太刀抜いて!」
誠が機体の強化刀を掲げると、今度はそこに雷が落ちる。刀身は眩しく輝き、その様はまるで神話の一場面のようだ。
もう一度厨子王の刃物のような腕が迫るが、誠が刀を一閃すると、厨子王の腕は容易く両断されていた。
「すごい、なんて切れ味だよ……!」
誠は感嘆するが、先ほどと同じく、刀の光は次第に弱まっていくようだ。
「ごめん黒鷹、術が切れちゃう。私もまだ、体と霊気が馴染んでないみたい」
「分かった! 全員援護してくれ!」
「了解やで!」
味方の機体が厨子王に集中砲火を浴びせる。無論厨子王の防御は貫けないが、相手の気を散らすためだ。
その隙に誠は機体を加速させ、身を屈ませて大きくジャンプ。
数瞬遅れて気付いた厨子王が、こちらに何かを撃ち込んでくるが、誠は空中で機体を捻って、ぎりぎりでそれをかわした。
誠はそのまま刀を構え、敵の頭部に全力で振り下ろす。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
物凄い咆哮と共に体を傾ける厨子王だったが、刀の光が消えかけていたため、即死級の傷は免れていた。兜部分がざっくりと割れ、血が吹き出しているものの、倒れる事無く爪を振るった。
「ぐうううっ!!!」
誠は爪を刀で受け、双方の武器は砕け散る。
(だめだ、まだ浅い! 致命傷じゃない……)
誠がそう考えた瞬間、機体の目の前を行き過ぎる、巨大で鋭利な物体があった。折れた厨子王の爪である。
誠は機体の腕を伸ばし、目前の爪を掴むと、厨子王の顔面に投げつけた。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
再び放たれる、悲鳴にも似た絶叫、咆哮。
厨子王は完全に動きを止め、巨体をくねらせ、のたうっている。追いついて来た守り手の餓霊達も、厨子王の爪に切り刻まれ、踏み潰されて逃げ惑った。
誠は機体が地に降りる前に叫んだ。
「全機離れろ! 敵が止まった、砲撃要請を!」
「分かったわ! ナギっぺお願い!」
鶴が強く念じて船の女神に連絡すると、誠の機体のモニターに、弾道警告が表示される。
赤い無数の光点は、全て誠達の居る地点……つまり厨子王に集中していく。最早一刻の猶予も無く、味方の機体は迅速に駆け出していた。
誠の機体も着地すると、そのまま大きく前方にジャンプ。
やがて右手の空に、無数の青い光が見えた。見えたと思った瞬間に、たちまちこちらへ殺到してくる。
天を震わせ降り注いだ光の弾は、弱った厨子王の電磁バリアを叩きつけた。5発、6発、まだ続く、まだ続く。
頭部を割られた厨子王は、次第にバリアの維持が難しくなっていく。
そして貫通した一撃が、厨子王の体を射抜いた。更に一撃、また一撃。
幾つかの砲撃は道路に炸裂し、アスファルトの破片を高々と巻き上げた。
誠は衝撃に揺れる画面に目を凝らす。
「くそっ、的が1つだから、どうしても外れるな。仕留め切れるか?」
「任せて!」
鶴が叫ぶと、再びその身に青い光が宿った。
「どうする気だよ……って、うわっ!?」
誠は目の前の光景が信じられなかった。
飛来した砲弾の数発が、空中でその動きを止めていたからだ。青い輝きを放ち、激しく螺旋回転しながら、一寸たりとも進まないのだ。
「う、嘘やん!?」
「砲弾、止めやがったぜ!」
難波と宮島が叫んだその時。
「いいいい、けえええっ!!!」
鶴の叫びと共に、砲弾は弧を描いてその向きを変えると、厨子王の上半身にぶち当たった。
砲弾の貫通系電磁式に、鶴の魔法力も上乗せしたのだろうか。敵のどてっぱらに巨大な穴が開いている。
厨子王は不意にその動きを止めた。
兜のような頭部の外皮が剥がれ落ち、轟音と共に地に落ちた。今度は爪。今度は胴体の外皮だ。
厨子王は力なく項垂れると、どろどろと溶け落ちていく。
誠は呆然とその様を見つめていたが、画面上でカノンが言った。
「ちょっと、敵軍の様子がおかしいわよ?」
誠がモニターを切り替えると、厨子王の周囲に居た餓霊達は、喉笛をかきむしって倒れていく。命を失った肉塊となり、見る間に溶けて蒸発していくのだ。
頭上の曇天はみるみるうちに晴れ渡り、霧は嘘のように消えていった。
難波が呆然と呟いた。
「……う、嘘やん、ほんまに倒せたんか? てか、その一帯の親玉を倒したら、雑魚はみんな消えるんかいな」
「分からない。けど、そうとしか思えない……」
誠もしばらく呆けていたが、その時、傍らに佇むコマがみるみる縮んでいく。
「うわっ、大丈夫か?」
誠が操縦席のハッチを開くと、更に縮んで子犬サイズに戻ったコマは、元気に鶴の肩に飛び乗った。
誠は慌てて機体から飛び降り、この強力な助っ人達に駆け寄った。
「ケガはないか? ていうかほんと凄いな、何だよ最後の」
誠の言葉に、鶴は得意げに胸を張っている。
「ええ、そうでしょうとも。私は本当に凄いんだから。ねえコマ?」
「まだまだだよ。ちょっとだけ、とっさに本来の力が出たけど、もっと修行して、あれを毎回出せるようにしなきゃ」
「でもコマ、出せたんだから修行はいらないんじゃないかしら」
「君ってやつは……」
呆れるコマだったが、そこで仲間達も操縦席から降りてきて、1人と1匹を取り囲んだ。
「いやあ、助かったぜ! 俺、無茶苦茶感動してるもん。オヤジの球団が日本一になった時ぐらい嬉しいかも」
「うちもそうやわ。あんた見所あるで、どや、うちとコンビ組まへん?」
「いやはや、人間業とは思えないな。ひょっとして、弁天様の化身か何かか?」
「確かに凄いは凄いんだけど、あんた達、みんな怪我してない?」
そんな様を眺める誠だったが、ふと思いつき、端末で基地に連絡を取る。
誠の予想通り、霧が晴れたため、長距離通信も問題なく繋がってくれた。
「鳴瀬くん、無事だったのね!?」
雪菜は誠の姿を目にし、必死にこちらに呼びかけている。モニターに映る愛しい人の姿に、誠は体中の力が抜けるのを感じた。
「おかげさまで。敵軍は撃退出来ましたし、隊の面々も無事です。うまく説明出来ないんですけど……その、物凄い助っ人が来てくれて。そっちは大丈夫ですか」
「もちろん無事よ。とにかく早く帰ってきて、動ける?」
「問題ありません。それではこれより帰投します」
誠は満足して通信を切ったのだが、ふいに横から声をかけられた。
「……待て待て、帰る前に話があるのだ」
「えっ? うわっ!?」
誠が傍らを見ると、そこには黒髪を長く伸ばした長身の女性が。つまり、先程の自称女神が立っていたのだ。
誠の混乱をよそに、女は余裕の笑みで一同を見下ろす。
「威勢がいいな。さすがは私が選んだ、神人補助の面子だけある」
「神人……補助?」
不思議そうに呟く誠に、女は尋ねた。
「1つ質問だ。お前達、日本の神話は、古事記は読んだ事があるか?」
誠達は首を振る。
「それは結構」
女は微笑むと、ついと右手を振った。すると光が閃き、白いカーテンとなって彼女を包んだ。
次の瞬間、彼女はあの夢で見た和装の姿へと変わっていた。
彼女は高らかに言い放つ。
「今一度言おう、私の名は岩凪姫。この日の本を守る八百万の神が1柱である。身内の七光りを言わせてもらえば、国家総鎮守の武神たる大山積神の娘であり、日本の最高神である天照大御神の姪でもあるぞ。そしてその子は大祝鶴姫。戦国時代から時を越えてやって来た、私の選んだ聖者である。信じるも信じないもどうでもいいが、やる事だけは決まっているぞ。我々に協力して悪鬼羅刹を追い払い、日の本の国を復興させるのだ!」
「……?」
誠は理解が追いつかなかった。
横目で隊員達を見ると、彼等も一様に動きを止めている。まるでここだけ時の流れが止まったようだ。
誠は辛うじて唇を動かす。
「……ちょ、ちょっと考えさせて下さい……」
鶴の言葉も束の間、青い光が流星のように降り注いだ。
砲撃は天の雷のごとく敵陣を薙ぎ払っていく。巨体の餓霊が逃げ惑い、容易く宙に舞い上がるのだ。
「……す、凄過ぎやろ、艦砲射撃ってこんなにパワーあったんやな」
「た、確かに、属性添加機も弾頭サイズも桁違いだからな……」
難波の言葉に、誠も頷いた。
だがそんな一同をよそに、鶴は大きく伸びをすると、いきなり操縦席から姿を消した。
「えっ!? あれ、いきなり消えた……!?」
誠が周囲を見回すと、鶴は誠の機体の肩に仁王立ちしていた。コマは更に彼女の肩に仁王立ちしている。
鶴はそのまま腰の太刀を引き抜くと、高らかに叫んだ。
「行くわよみんな! 目指すは敵本陣、大将を討ち取るわ!」
「えっ!? おい、まさか生身で戦う気か!?」
誠が止めるのも間に合わず、鶴とコマは宙に身を躍らせた。すると見る間にコマが巨大化し、先ほどの白い巨獣へと変わったのだ。
鶴がコマの背に飛び乗ると、コマは勢いそのままに土の塔を駆け下りていく。
「くそっ、こうなったら行くしかない!」
誠達も人型重機で塔を駆け下り、鶴とコマの後を追う。
コマは土の塔を駆け下りると、大きくジャンプして高速道路の高架に飛び乗る。するとあろう事か、高速道路はたちまち数倍の高さに競り上がった。
地盤が盛りあがったのか、それとも支柱が伸びたのか。理解が追いつかなかったが、カノンが画面上で目を丸くしている。
「ちょ、ちょっと、まさかあの上を走る気なの!? あちこち崩れて傷んでるのよ?」
「平気よ、ちゃんと道を強くしてるから!」
鶴の顔が画面に映ってそう叫んだ。
誠達も機体を操作して跳躍、高速道路に着地したが、道路は青い光に満ち、特に砕ける様子も無い。
「ようし、全機駆け抜けろ!」
所々崩落している高速道路の残骸を、アスレチックのように飛び移りながら、誠は周囲を注視する。餓霊が上って来ないのは、この青い光が魔除けになっているのだろうか?
操縦席には、鶴が使っていた半透明の地図がまだ表示されていて、誠も敵陣の様子を見る事が出来た。このまま丘の傾斜に沿って高速道路を駆け下りれば、敵本陣までもう少しだ。
と、その時、不意に地図上に何かのマークが表示された。マークは激しく点滅し、猛烈なビープ音が鳴っている。
誠は鶴に問いかける。
「すごい警告音だな。これは何の反応だ?」
「ちょっと待ってね……あらっ、これはさっきの面白い顔の敵だわ」
「何やってんだよ、ボスかと思っただろ! てかチェック入れるな!」
「ごめんなさい、大将はこっちね」
誠達は高速道路の終点を飛び越えると、近くの小高い丘へ向かう。かつて芝生の市民広場があった場所である。敵の大将が近いためか、辺りの霧が一気に色濃くなっていた。10メートル先も霞む程だ。
コマは鶴に呼びかける。
「近いぞ鶴、ここら一体の霧を飛ばせ!」
「分かったわ!」
コマの言葉に、鶴が目を閉じて念じる。その身が光に包まれたかと思うと、前方に竜巻が現れた。竜巻は巨大化しながら進み、霧を上空へ巻き上げるのだ。
一気に視界が広がって、誠は敵軍の大将を見据えた。
「いた! 城砦級、厨子王型の亜種か!」
全長はゆうに100メートルを超えるだろう。
胴体はまるでムカデのようで、前方3分の1ほどから伸びる人型の上半身は、鎧武者のごとく硬い外皮に覆われている。八本の腕は先端が刃物状で、その刃は赤い光をまとっていた。
厨子王は頭部の口を開けて咆える。するとその場にいた大型の餓霊……狗王型が、数体同時に襲って来るのだ。
だがコマはものともせず、前足で狗王型の横っ面を叩きつける。相手はもんどりうって吹き飛んで、悲鳴を上げて溶け落ちていく。
コマは更に1体をくわえて振り回し、他の狗王型に投げつける。そのまま猛然と突進すると、まとめて頭突きで吹っ飛ばしてしまった。まさに八面六臂の大活躍だ。
自らの守り手が倒されるのを見て、厨子王は巨体を翻した。
全身をぶるぶると身震いさせると、地響きを立てて広場から駆け下り、道路を北へと走り始めたのだ。
誠は思わず声を上げた。
「この方向……まずい、避難区に突入するつもりか!?」
厨子王は鶴達を強敵と認め、無理せず避ける選択をしたのだ。
誠達は併走しながら射撃で攻撃するも、厨子王の周囲に赤い電磁バリアが輝いて、こちらの攻撃を弾いてしまう。
「黒鷹、私に任せて」
鶴が自信満々に言うと、コマを駆って厨子王の真横につけた。
「鶴、レーザーは駄目だぞ。今の霊力だと、どこまで飛ぶか分からない」
「分かってるわ」
コマの忠告に答えると同時に、鶴の傍に巨大な火球が現れて、厨子王に炸裂したのだ。
やや狙いが外れたものの、幾重にも及ぶ強固な電磁バリアを貫かれ、厨子王の鎧のような上半身は、一部が抉り取られていた。
「効いてるわね、もう1発よ!」
鶴は再び火球を発射するが、今度は厨子王を大きく外れ、火球はあさっての方に飛んでいく。厨子王に追従していた数十体の餓霊が、火球がかすっただけで蒸発した。
「すぐ集中が乱れてるな。ちゃんと修行してないからだぞ!」
コマは反撃する厨子王の爪を避けつつ言った。
「無鉄砲に撃つと明後日に飛んでいく、何か目印を決めて作れ。例えばその銃」
「分かったわ」
鶴が再び何か念じると、青白い稲光が屈曲しながら誠の機体の近くに落ちた。
「うわっ、危なっ!」
辛うじて身をかわした誠だったが、コマがこちらを見て叫んだ。
「黒鷹、その雷を使え!」
「か、雷!?」
誠は機体を走らせながら、モニターを確認する。
機体の持つ銃には、不可思議な光が宿っていた。光は銃身の表面を駆け巡りながら、時折激しく瞬いている。
(何だこれ……さっきの雷がかすったのか?)
理屈は全く分からないが、とにかくやってみるしかない。
誠は厨子王の爪をかわしながら射撃する。先ほどは容易く阻まれた銃撃は、敵の防御魔法を易々と貫き、厨子王の脇腹辺りを貫通する。
厨子王はくぐもった声で叫びを上げた。
銃はみるみるその光を失っていき、第2射は普通に弾かれてしまった。
「……すごいなこれ、使えるぞ! もっかいいけるか?」
「もちろんよ!」
「よし、それならまず、あきしまに連絡して砲撃のチャージを頼む。準備だけだ、まだ撃たないでくれよ」
「分かったわ。ナギっぺ、聞こえる?」
鶴は視線を宙に上げ、あの女神とやらに呼びかけている。どうやら話が通じたらしく、鶴は再びこちらを向いた。
「黒鷹、それじゃもっかい行くわ!」
「分かった!」
誠が銃を鶴の方にさし出した時、厨子王の巨大な腕がこちらに向かって弧を描いた。
アサルトガンは玩具のように切断され、アスファルトの路上に残骸となって転がっていく。
「くそっ、銃が!」
「大丈夫! 黒鷹、太刀抜いて!」
誠が機体の強化刀を掲げると、今度はそこに雷が落ちる。刀身は眩しく輝き、その様はまるで神話の一場面のようだ。
もう一度厨子王の刃物のような腕が迫るが、誠が刀を一閃すると、厨子王の腕は容易く両断されていた。
「すごい、なんて切れ味だよ……!」
誠は感嘆するが、先ほどと同じく、刀の光は次第に弱まっていくようだ。
「ごめん黒鷹、術が切れちゃう。私もまだ、体と霊気が馴染んでないみたい」
「分かった! 全員援護してくれ!」
「了解やで!」
味方の機体が厨子王に集中砲火を浴びせる。無論厨子王の防御は貫けないが、相手の気を散らすためだ。
その隙に誠は機体を加速させ、身を屈ませて大きくジャンプ。
数瞬遅れて気付いた厨子王が、こちらに何かを撃ち込んでくるが、誠は空中で機体を捻って、ぎりぎりでそれをかわした。
誠はそのまま刀を構え、敵の頭部に全力で振り下ろす。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
物凄い咆哮と共に体を傾ける厨子王だったが、刀の光が消えかけていたため、即死級の傷は免れていた。兜部分がざっくりと割れ、血が吹き出しているものの、倒れる事無く爪を振るった。
「ぐうううっ!!!」
誠は爪を刀で受け、双方の武器は砕け散る。
(だめだ、まだ浅い! 致命傷じゃない……)
誠がそう考えた瞬間、機体の目の前を行き過ぎる、巨大で鋭利な物体があった。折れた厨子王の爪である。
誠は機体の腕を伸ばし、目前の爪を掴むと、厨子王の顔面に投げつけた。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
再び放たれる、悲鳴にも似た絶叫、咆哮。
厨子王は完全に動きを止め、巨体をくねらせ、のたうっている。追いついて来た守り手の餓霊達も、厨子王の爪に切り刻まれ、踏み潰されて逃げ惑った。
誠は機体が地に降りる前に叫んだ。
「全機離れろ! 敵が止まった、砲撃要請を!」
「分かったわ! ナギっぺお願い!」
鶴が強く念じて船の女神に連絡すると、誠の機体のモニターに、弾道警告が表示される。
赤い無数の光点は、全て誠達の居る地点……つまり厨子王に集中していく。最早一刻の猶予も無く、味方の機体は迅速に駆け出していた。
誠の機体も着地すると、そのまま大きく前方にジャンプ。
やがて右手の空に、無数の青い光が見えた。見えたと思った瞬間に、たちまちこちらへ殺到してくる。
天を震わせ降り注いだ光の弾は、弱った厨子王の電磁バリアを叩きつけた。5発、6発、まだ続く、まだ続く。
頭部を割られた厨子王は、次第にバリアの維持が難しくなっていく。
そして貫通した一撃が、厨子王の体を射抜いた。更に一撃、また一撃。
幾つかの砲撃は道路に炸裂し、アスファルトの破片を高々と巻き上げた。
誠は衝撃に揺れる画面に目を凝らす。
「くそっ、的が1つだから、どうしても外れるな。仕留め切れるか?」
「任せて!」
鶴が叫ぶと、再びその身に青い光が宿った。
「どうする気だよ……って、うわっ!?」
誠は目の前の光景が信じられなかった。
飛来した砲弾の数発が、空中でその動きを止めていたからだ。青い輝きを放ち、激しく螺旋回転しながら、一寸たりとも進まないのだ。
「う、嘘やん!?」
「砲弾、止めやがったぜ!」
難波と宮島が叫んだその時。
「いいいい、けえええっ!!!」
鶴の叫びと共に、砲弾は弧を描いてその向きを変えると、厨子王の上半身にぶち当たった。
砲弾の貫通系電磁式に、鶴の魔法力も上乗せしたのだろうか。敵のどてっぱらに巨大な穴が開いている。
厨子王は不意にその動きを止めた。
兜のような頭部の外皮が剥がれ落ち、轟音と共に地に落ちた。今度は爪。今度は胴体の外皮だ。
厨子王は力なく項垂れると、どろどろと溶け落ちていく。
誠は呆然とその様を見つめていたが、画面上でカノンが言った。
「ちょっと、敵軍の様子がおかしいわよ?」
誠がモニターを切り替えると、厨子王の周囲に居た餓霊達は、喉笛をかきむしって倒れていく。命を失った肉塊となり、見る間に溶けて蒸発していくのだ。
頭上の曇天はみるみるうちに晴れ渡り、霧は嘘のように消えていった。
難波が呆然と呟いた。
「……う、嘘やん、ほんまに倒せたんか? てか、その一帯の親玉を倒したら、雑魚はみんな消えるんかいな」
「分からない。けど、そうとしか思えない……」
誠もしばらく呆けていたが、その時、傍らに佇むコマがみるみる縮んでいく。
「うわっ、大丈夫か?」
誠が操縦席のハッチを開くと、更に縮んで子犬サイズに戻ったコマは、元気に鶴の肩に飛び乗った。
誠は慌てて機体から飛び降り、この強力な助っ人達に駆け寄った。
「ケガはないか? ていうかほんと凄いな、何だよ最後の」
誠の言葉に、鶴は得意げに胸を張っている。
「ええ、そうでしょうとも。私は本当に凄いんだから。ねえコマ?」
「まだまだだよ。ちょっとだけ、とっさに本来の力が出たけど、もっと修行して、あれを毎回出せるようにしなきゃ」
「でもコマ、出せたんだから修行はいらないんじゃないかしら」
「君ってやつは……」
呆れるコマだったが、そこで仲間達も操縦席から降りてきて、1人と1匹を取り囲んだ。
「いやあ、助かったぜ! 俺、無茶苦茶感動してるもん。オヤジの球団が日本一になった時ぐらい嬉しいかも」
「うちもそうやわ。あんた見所あるで、どや、うちとコンビ組まへん?」
「いやはや、人間業とは思えないな。ひょっとして、弁天様の化身か何かか?」
「確かに凄いは凄いんだけど、あんた達、みんな怪我してない?」
そんな様を眺める誠だったが、ふと思いつき、端末で基地に連絡を取る。
誠の予想通り、霧が晴れたため、長距離通信も問題なく繋がってくれた。
「鳴瀬くん、無事だったのね!?」
雪菜は誠の姿を目にし、必死にこちらに呼びかけている。モニターに映る愛しい人の姿に、誠は体中の力が抜けるのを感じた。
「おかげさまで。敵軍は撃退出来ましたし、隊の面々も無事です。うまく説明出来ないんですけど……その、物凄い助っ人が来てくれて。そっちは大丈夫ですか」
「もちろん無事よ。とにかく早く帰ってきて、動ける?」
「問題ありません。それではこれより帰投します」
誠は満足して通信を切ったのだが、ふいに横から声をかけられた。
「……待て待て、帰る前に話があるのだ」
「えっ? うわっ!?」
誠が傍らを見ると、そこには黒髪を長く伸ばした長身の女性が。つまり、先程の自称女神が立っていたのだ。
誠の混乱をよそに、女は余裕の笑みで一同を見下ろす。
「威勢がいいな。さすがは私が選んだ、神人補助の面子だけある」
「神人……補助?」
不思議そうに呟く誠に、女は尋ねた。
「1つ質問だ。お前達、日本の神話は、古事記は読んだ事があるか?」
誠達は首を振る。
「それは結構」
女は微笑むと、ついと右手を振った。すると光が閃き、白いカーテンとなって彼女を包んだ。
次の瞬間、彼女はあの夢で見た和装の姿へと変わっていた。
彼女は高らかに言い放つ。
「今一度言おう、私の名は岩凪姫。この日の本を守る八百万の神が1柱である。身内の七光りを言わせてもらえば、国家総鎮守の武神たる大山積神の娘であり、日本の最高神である天照大御神の姪でもあるぞ。そしてその子は大祝鶴姫。戦国時代から時を越えてやって来た、私の選んだ聖者である。信じるも信じないもどうでもいいが、やる事だけは決まっているぞ。我々に協力して悪鬼羅刹を追い払い、日の本の国を復興させるのだ!」
「……?」
誠は理解が追いつかなかった。
横目で隊員達を見ると、彼等も一様に動きを止めている。まるでここだけ時の流れが止まったようだ。
誠は辛うじて唇を動かす。
「……ちょ、ちょっと考えさせて下さい……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
