最後のキス――最愛の息子が死地の間際にいる両親に、MSW(医療相談員)のボクができたことと、その結果について

ボクは、総合病院でMSW(医療相談員)の職に就き、退院に問題のある患者の支援を行っていた。
そんなボクには忘れられない、忘れてはいけない、新人時代の思い出がある。
それは、医師からの一本の電話から始まった。

HCU(ハイケアユニット)に搬送されたのは、まだ30歳頃の青年。
交通事故で、余命いくばくもない。
悲嘆にくれる両親。
そこに、希望はない――まだMSWとして未熟だった頃の、そんなボクの固定観念を覆すほどの一大プロジェクトを主治医と「鬼軍曹」と呼ばれる看護師長は実行しようとしていた。

これは母親の最後のキスに象徴される、家族の絆と再生の物語り。
そして、そんな家族に寄り添い続けた、医師と看護師、そしてボクの戦記だ。
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