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翔る
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リリス=シャリネア=ヴァオスこと伊武 珠緒は、誰が見ても美少女と評するに値する顔を歪め、眉間に皺を寄せていた。米国など世界の主要国では、愉快な事になっているというのに、日本の首都が大混乱に陥ってる様子が見られなかったからだ。
丑三つ時とも呼ばれる時間、東京都の上空一万メートルの高高度に滞空している飛空艇に、妖しくも惹きつけられる黒のロリータ衣装に身を包んだリリスが、一人操縦フロアで腕を組んでいた。
その瞳が見据えるのは、大型ディスプレイに映し出さしている東京都内の様子であった。どこかのビルの屋上の高さから撮られている映像は、数十秒毎に切り替わっていることから、事前に小型カメラを各所に設置していた事が窺い知れた。
今回リリスは現場の上空にいるだけで、国会議事堂の時とは異なり実質現場に出ている状況ではない。地上から攻撃が届くことはない高高度に居り、索敵範囲外からの文字通り高みの見物である。
先程から苛立ちの為に、落ち着きなく立ち上がっているが、飛行船の操縦フロアは場違いなソファーとテーブルが置いてあり、机の上には食べ散らかしてあるスナック菓子の袋やペットボトル等が散乱していた。
「何故に天衣無縫が如く縦横無尽に駆ける眷属達に、使徒達の刃が疾風迅雷に届くのだ。我の暗黒面に連なる眷属が、百花繚乱の如く咲き乱れる中、光の勇者の使徒達もまた一気呵成に電光石火の動きを見せたというのか」
問いかける相手が誰もいない、たった一人の空間。リリスは大好きな格好良い四文字熟語を無駄に織り交ぜながら独り言を呟いた。基本的に一人で居ることが殆どの彼女は、物に話かけたり、テレビと会話したりと、あたかも誰かに話しかけてるぐらいの声の大きさで、独り言を呟くのが癖になっていた。
そして無理矢理、語感重視の四文字熟語で言葉を紡ぐものだから、聞いているものが居たとしても、何を言っているのか分からない。
「確かに我の“画竜点睛”で創りし眷属は、光の使徒であれば悪戦苦闘せずとも、我が溢れ出る闇の力に抗えるだろうが、敵は女神の力を得ているというのか。天なる真が疑心暗鬼であり合わせ、我の堕天使達を討つ天使は、八咫烏には居ない筈」
全てリリスの独り言である。聞いてくれる人もいなければ、反応してくれる人もいない。黙って心の中で考えても全く問題ないのだが、自らが喋ることが格好良いと思っているから喋るのだ。独りであれば、誰にも聞かれず台詞を吐ける。
だがしかし、ここに最大の問題があった。
彼女は絶望的に中二的台詞のセンスがなかった。容姿を日本人離れした美少女にしたにも関わらず、四文字熟語の語感のみを愛する故に、ただただ言いたいだけなのであった。
しかし彼女は、それで十分満足しているのだった。
本当は左目を隠すように包帯を巻き、右腕も包帯でぐるぐる巻きにしたいのだが、誰かと会うかもしれない今は、我慢している。
此処に正一がいたら、“そんなところが、可愛い”と言うだろうが、当然今は独りしかいないのだ。銀色のツインテールを揺らし、眼の色は青。漆黒のゴスロリに身を包む彼女は、隠れ中二病なのであった。
誰かと一緒にいる時は、魔王の魂を心臓に封印している為、これらの言動は表には出てこない。要するに、ヘタレなのである。
リリスの固有スキル“画竜点睛”は、自らの魔力を素材として設計術式に基づき錬成する錬金術である。創り出す物の構造を把握し、詳細に理解するほどに錬成物の完成度は高くなる。
生物を錬成する場合は、事前に対象を解剖し外見だけでなく内部まで絵に描く必要があった。その為、リリスは異世界“インジェット”にて倒した魔物のみならず、死した魔族や亜人族、そして人族に至るまで解剖を繰り返した為、【狂いの錬金術師】の二つ名を得ていた。
異世界で覚醒した中二心による言動が、現地の異世界人に理解されることがなかったことも、“狂い”の二つ名を獲得した要因であったが、“二つ名”という称号が気に入った珠緒は、由来に関しては気にしなかった。
ただ、二つ名が四文字熟語でないことには不満を持っている。
しかしこの世界に還って来てからは、流石に人前では本心を曝け出すことが出来なかった為、こうして独り空間を創り、お一人様を楽しんでいた訳だが、現状の都心の状態から機嫌が悪かった。
だからこそ、特に意味もなく彼女は飛空艇の甲板に出るために歩き出した。そちらの方が、今の自分の雰囲気を表現するには、格好良いと思ったからだった。
甲板で不機嫌を最大限に表すポーズを決めようと試行錯誤している珠緒の真下には、東京で最大の高さを誇る電波塔があった。
そしてその地上六百メートルを超える高さの頂上には、マントを風でたなびかせながら威風堂々と佇む漆黒の騎士が居たのだった。
「この魑魅魍魎が跋扈する魔都東京、この闇夜に潜む得体の知れない化け物共。我輩の力無くして、この街に平穏が訪れることは、未来永劫ないかも知れぬな」
「良い加減、それやめましょうよ、マスター。それを聞かなきゃならない、私の身になって下さい。正直、もうきっついです。それにこの深夜二時過ぎの真っ暗闇で、しかも雨雲とかあったら、真っ黒なマスターは誰からも見えることないですからね?」
闇を彷彿とさせる全身鎧に身を包む矢那に、今は獄炎の大剣と化しているヤナビが、明らかにイラついた口調で文句を言っていた。そしてその言葉に、マスターと呼ばれた富東 矢那は、呻き声を頭部を覆うフルフェイスの兜の隙間から漏れさせていた。
矢那にとっての誤算は、この頭上、というより自身も既に包まれているような梅雨の雨雲であった。空に輝く月を背景に、都心の光を見下ろしながら、街を守るダークヒーロー的なことをしたかったのだが、現実的に深夜に全身黒の全身鎧等、保護色以外の何物でもなく、気配断ちをしなくても良いくらい闇に紛れて見えなくなっていた。
そして、この高さである。元の世界でリアルヒーローに成れるのではないかと考えた結果、良くあるシーンで高所から街を見下ろすダークヒーローをしたくて考え、東京ブルースカイタワーの頂点にやってきたのである。
当然、その場所は高すぎて誰かに偶然に目撃される等といった事は、皆無であった。
「都心部に出来てきてから、ひたすら数時間かけて火鼠やら火鴉やら飛ばしてましたので、今の状況に対応できているのは、涙ぐましい縁の下から支える者といった感じですが……文字通りに、誰からも気付かれる事なく、終わりそうですね」
「いやぁああぁあ!?」
矢那は頭を抱えながら、雨雲の中で絶叫していた。しかし、当然誰からも見えないし、誰にも聞かれることはない。
一昨日、国会議事堂がテロリストからの襲撃を受けた際に、都内においても多数の珠緒が解き放った錬成魔物の襲撃を受けた。その際に矢那の通う高校も運悪く襲撃を受けたが、運よ良く矢那が鉢合わせた結果、帰還者の力を覚醒させてアイアンゴーレムを破壊したのだった。
そして次の日の夕方、矢那とヤナビが自宅にいる時に、自分以外の家族の全員が、二日連続で家に帰らないとの連絡を受けた。更には自宅にはこれまで“持たぬ者”であった矢那が気付かなかっただけで、魔導具の類が生活に溶け込むように置いてあり、自宅を衛る守護結界と合わせ二人が結論づけたのは、家族が全員魔力を扱える特殊な能力者達だということだった。
世界の変化と家族の事、更には異世界で共に戦った仲間の事、それらを全部背中に背負い込んで、矢那は陽が沈む頃、闇に紛れる様に都心へと移動したのだった。
矢那は異世界『リンカークル』において、“変態の中の変態”と二つ名が付くほどの鍛錬狂いであり、その結果【勇者】に劣らないほどの魔力を得ていた。
彼は自らを追い込み瀕死になりながらも、固有スキル【不撓不屈】により、屈して倒れることはなかった。
そして異世界にて様々な力を得ていくことになるが、その中でも彼の特殊な魔法スキルが【形状変化】であり、それは矢那が使用できる唯一の属性魔法である火魔法で創り出した炎を、彼のイメージ通りに形を変えることが可能するものだった。
形状変化で創ることの出来る物は多岐に渡り、矢那がイメージ出来るものであれば姿形は再現可能であった。しかし、あくまで矢那がイメージ出来る物であるため、外見的なものは一緒でも中身はただの炎であり、それらしく動かしているのは“意思を持ったスキル”【案内者】の“ヤナビ”であった。
ヤナビは、矢那が異世界にて獲得した意志を持ったスキルであり、形状変化で形を持った炎に宿ることが出来た。そして獲得したスキル名が“案内者”だったということもあり、彼が安直にヤナビと名付けたのだ。
ヤナビは、形状変化で形と変えた炎と、矢那が【接続】することにより、更なる形状変化を行ったり、矢那の代わりに情報処理を行う事により多数の炎を同時に操作することも可能だった。
その為ヤナビは、矢那の全てを知る一番の相棒となっていた。そして、ヤナビは自身を人型にする時は、必ず女性型となり、その容姿は全て矢那の好みにわざと合わせている。
東京ブルースカイタワーの上で、漆黒の騎士と化している矢那の背中に背負われた大剣に現在宿っているヤナビは、矢那と軽口を交わしながらも、同時に何千匹という矢那が形状変化で創り出した火鼠や火鴉を操作し、共有している視界からの情報を精査していた。
それ自体が自律して動く訳では無い火鼠や火鴉は、謂わばラジコンのようなものであり、ヤナビというスキルがなければ、矢那はこれほど多くの炎を操ることは不可能だった。
「造り物の魔物は、打ち止めか? 全然湧いて来なくなったな」
「出現位置さえ掴んでしまえば、転送陣らしき魔法陣は【黒衣の天使】達が破壊してまわってますからね。あのような破廉恥な姿のナースを具現化するとは、マスターの妄想力に脱帽です、はい」
「お前のな!? 俺はメタルブラックの戦闘用ロボみたい姿に獄炎を形状変化したのに、ヤナビが接続した途端に、全員をエロナースに変えたんだろうが!」
「嫌だったんですか?」
「嫌だなんて誰が言った!」
「アホですね、マスター」
現状の矢那とヤナビの戦術は、市中に拡散させている火鼠や火鴉が異常を発見したら、獄炎の柱を形状変化した黒炎の人形を向かわせ戦わせるというものだった。
結果、明日以降SNSで黒ガーターを恥ずかしげもなく見せながら、大きなお注射を抱えて戦うお色気ナースが話題となり、矢那の精神がゴリゴリ削られるだろうことは、ヤナビしか予期していなかった。その時、矢那がベッドに突っ伏したのはいうまでも無い。
更には、ヤナビが某アイドルグループばりの人数の黒衣の天使達を矢那に揃えさえ、容姿からボディラインまで一個体ずつ細部まで拘って変形させた結果、色々出会いと切っ掛けを掴み、後に“闇夜の天使達”として不動の人気を得ることになることは、この時の矢那には想像だにしていなかった。
「マスター、先程空へと飛んでいった高魔力体の魔物……というよりは、神獣に近い者達は追わなくても良かったのですか?」
「取り敢えず、今はどっかのバカが仕掛けた召喚陣を発見して潰して回る方が先だな。ぱっと見えただけで判断するのはどうかと思うが、おそらくさっきのアレは十二支を模した姿形だった。確かに一体一体が、簡単に討伐出来るっていうレベルは超えていたが、素直に去っていったんだ。すぐに暴れるってことはないだろ」
深夜でかつ雨雲が空を覆っているいうのに、これでもかというほどに輝きながら去っていった何かは、矢那は脅威があると感じながらも、今すぐの危険という風には感じなかった為、一先ず見逃すことにしたのだった。
「それよりも……だ。お前は誰だ」
咄嗟に矢那はスキル【神出鬼没】の効果の一つである“声変換”により、漆黒の騎士らしい声に変えた上で、自身の背後に現れた気配に向かって声をかけた。
「みんなには、“嗤う男”って呼ばれてるかな」
矢那が振り向くと、そこには高校生ぐらいに見える青年が、矢那と同じ高さの空に立っていた。全身が矢那と同じ黒で統一された服装であるにも関わらず、どういう訳かその黒は周りよりも深く濃く色付いており、周りの背景に溶け込むことなく存在を主張していた。
そして顔は、不気味な笑顔を作っていた。
「マスター」
「分かってる」
矢那とヤナビは短い言葉のやり取りだけで、目の前の青年が異世界で対峙したモノと同様の存在感であった為、内心舌打ちをしながら緊張を高めた。
「……この世界の、神なのか?」
「へぇ……これは、驚いた。憧れでもなく、尊敬でもなく、狂信でもなく、心酔でもなく、表現として“神“と呼ぶのではなく、存在として僕を”神“かどうかを初見で尋ねられたのは、初めてだよ」
矢那の問いに若干の驚きを見せた後、顔は先程よりも口角が吊り上がり弧を描き、瞳もまた同じ形となった。
そこに居たのは、まさに嗤う男だった。
次の瞬間、空から降り落ちる雨粒の動きが止まる。
矢那は、目が見開くと同時に、まるで世界の刻が止まったかのような錯覚を覚えた。しかし、意識だけはこの世界に取り残されたように、目の前の嗤う男が手に刀を出現させたところを見ている。
大太刀よりも長く見えるその刀を、嗤う男は最上段に構えた。
「意識ぐらいは、付いて来れてるかな? 別に、時間を止めた、なんて事は言うつもりはないよ?」
矢那を見ながら、男は顔に三つの三日月を作りながら、嗤っていた。
「実に単純に、君の油断さ。舐めプだよ、舐 め プ。僕から“神核”の存在を感じ取った時点で、考えうる全ての身体強化を図らなかったでしょ。あれが、悪手。僕は君の前に現れる前に、取りうる術を全て取ってから、姿を現したんだよ」
刀を握りしめる嗤う男の腕から、軋むような音が聞こえてくる。今感じているこの時間は、刹那程の時間であり、そんな音が聞こえる筈もない筈である。それにも関わらず、矢那の耳にはしっかりと聞こえてきたのだ。
「名前も知らない君は、おそらくは僕と近しい存在なのだろうね。君の魂に、神核の気配を感じる。だからさ、君はここで退場だよ。君は、存在がチートだからさ」
最上段に構えられた物干し竿とも言える大太刀は、真っ直ぐに矢那に向かって振り下ろされた。
刻が止まっているかのような感覚
それ自体は驚くべきものでもない
命懸けで鍛錬を行う日々で、このような感覚を得ない日などありはしなかったのだから
驚くべきはそこではない
目の前の男が放つのは、魔力と混ざり合う神気であり
この神気の肌触りが、アイツを思い出させた
だからこそ、非常に胸糞が悪いのだ
「だっしゃぁあああ!」
矢那の咆哮と共に空を切る大太刀と、それをみて見開く嗤う男の瞳。体勢が崩れた所へ蹴りを入れると、矢那はその反動で東京ブルースカイタワーの頂点から、地上に背中を向ける様に飛び降りる形となった。
激しい風切り音が矢那の耳を騒がせ、暴れ狂うマントは心を騒つかせる。
「ヤナビ、アレはクソッタレか?」
「はい、マスター。アレはクソッタレと同じ匂いがして、とても臭かったです。鼻が曲がります。汚物は、消毒焼却滅菌するべきです」
「うわぁ、辛辣ぅ。だが……その通りだな!」
空から落ちながら、矢那は両手の拳を強く握りしめる。瞳を閉じ、内なる魔力に精神を集中させる。
ほんの数秒もせず地面が目視出来る高さまで下降するが、矢那は焦ることなく、気負うことなく、そして不敵に嗤いながら、力の込めて叫ぶ。
「我 “天下無双”成りて その姿は一片の怯みなき“威風堂々” 繰り出す業は“正確無比”にて“疾風迅雷” これ即ち“神殺し”に至る武神也!」
その言霊はどこまでも響き轟く、そして深き闇に染まりし強者を神聖なる炎が包み込み、神の炎で染め直す。
光り輝く神の炎で創られし鎧に身を包み、その手に握りし大剣は、神の炎で打ち直された如く、二対一体を思わせる大太刀へと姿を変えた。
そして背より大きく現れた神の翼は、天へとその行き先を決めた。
その瞬間、雨を切り裂き、霞を引き裂き、一筋の光が空へと翔けるのだった。
丑三つ時とも呼ばれる時間、東京都の上空一万メートルの高高度に滞空している飛空艇に、妖しくも惹きつけられる黒のロリータ衣装に身を包んだリリスが、一人操縦フロアで腕を組んでいた。
その瞳が見据えるのは、大型ディスプレイに映し出さしている東京都内の様子であった。どこかのビルの屋上の高さから撮られている映像は、数十秒毎に切り替わっていることから、事前に小型カメラを各所に設置していた事が窺い知れた。
今回リリスは現場の上空にいるだけで、国会議事堂の時とは異なり実質現場に出ている状況ではない。地上から攻撃が届くことはない高高度に居り、索敵範囲外からの文字通り高みの見物である。
先程から苛立ちの為に、落ち着きなく立ち上がっているが、飛行船の操縦フロアは場違いなソファーとテーブルが置いてあり、机の上には食べ散らかしてあるスナック菓子の袋やペットボトル等が散乱していた。
「何故に天衣無縫が如く縦横無尽に駆ける眷属達に、使徒達の刃が疾風迅雷に届くのだ。我の暗黒面に連なる眷属が、百花繚乱の如く咲き乱れる中、光の勇者の使徒達もまた一気呵成に電光石火の動きを見せたというのか」
問いかける相手が誰もいない、たった一人の空間。リリスは大好きな格好良い四文字熟語を無駄に織り交ぜながら独り言を呟いた。基本的に一人で居ることが殆どの彼女は、物に話かけたり、テレビと会話したりと、あたかも誰かに話しかけてるぐらいの声の大きさで、独り言を呟くのが癖になっていた。
そして無理矢理、語感重視の四文字熟語で言葉を紡ぐものだから、聞いているものが居たとしても、何を言っているのか分からない。
「確かに我の“画竜点睛”で創りし眷属は、光の使徒であれば悪戦苦闘せずとも、我が溢れ出る闇の力に抗えるだろうが、敵は女神の力を得ているというのか。天なる真が疑心暗鬼であり合わせ、我の堕天使達を討つ天使は、八咫烏には居ない筈」
全てリリスの独り言である。聞いてくれる人もいなければ、反応してくれる人もいない。黙って心の中で考えても全く問題ないのだが、自らが喋ることが格好良いと思っているから喋るのだ。独りであれば、誰にも聞かれず台詞を吐ける。
だがしかし、ここに最大の問題があった。
彼女は絶望的に中二的台詞のセンスがなかった。容姿を日本人離れした美少女にしたにも関わらず、四文字熟語の語感のみを愛する故に、ただただ言いたいだけなのであった。
しかし彼女は、それで十分満足しているのだった。
本当は左目を隠すように包帯を巻き、右腕も包帯でぐるぐる巻きにしたいのだが、誰かと会うかもしれない今は、我慢している。
此処に正一がいたら、“そんなところが、可愛い”と言うだろうが、当然今は独りしかいないのだ。銀色のツインテールを揺らし、眼の色は青。漆黒のゴスロリに身を包む彼女は、隠れ中二病なのであった。
誰かと一緒にいる時は、魔王の魂を心臓に封印している為、これらの言動は表には出てこない。要するに、ヘタレなのである。
リリスの固有スキル“画竜点睛”は、自らの魔力を素材として設計術式に基づき錬成する錬金術である。創り出す物の構造を把握し、詳細に理解するほどに錬成物の完成度は高くなる。
生物を錬成する場合は、事前に対象を解剖し外見だけでなく内部まで絵に描く必要があった。その為、リリスは異世界“インジェット”にて倒した魔物のみならず、死した魔族や亜人族、そして人族に至るまで解剖を繰り返した為、【狂いの錬金術師】の二つ名を得ていた。
異世界で覚醒した中二心による言動が、現地の異世界人に理解されることがなかったことも、“狂い”の二つ名を獲得した要因であったが、“二つ名”という称号が気に入った珠緒は、由来に関しては気にしなかった。
ただ、二つ名が四文字熟語でないことには不満を持っている。
しかしこの世界に還って来てからは、流石に人前では本心を曝け出すことが出来なかった為、こうして独り空間を創り、お一人様を楽しんでいた訳だが、現状の都心の状態から機嫌が悪かった。
だからこそ、特に意味もなく彼女は飛空艇の甲板に出るために歩き出した。そちらの方が、今の自分の雰囲気を表現するには、格好良いと思ったからだった。
甲板で不機嫌を最大限に表すポーズを決めようと試行錯誤している珠緒の真下には、東京で最大の高さを誇る電波塔があった。
そしてその地上六百メートルを超える高さの頂上には、マントを風でたなびかせながら威風堂々と佇む漆黒の騎士が居たのだった。
「この魑魅魍魎が跋扈する魔都東京、この闇夜に潜む得体の知れない化け物共。我輩の力無くして、この街に平穏が訪れることは、未来永劫ないかも知れぬな」
「良い加減、それやめましょうよ、マスター。それを聞かなきゃならない、私の身になって下さい。正直、もうきっついです。それにこの深夜二時過ぎの真っ暗闇で、しかも雨雲とかあったら、真っ黒なマスターは誰からも見えることないですからね?」
闇を彷彿とさせる全身鎧に身を包む矢那に、今は獄炎の大剣と化しているヤナビが、明らかにイラついた口調で文句を言っていた。そしてその言葉に、マスターと呼ばれた富東 矢那は、呻き声を頭部を覆うフルフェイスの兜の隙間から漏れさせていた。
矢那にとっての誤算は、この頭上、というより自身も既に包まれているような梅雨の雨雲であった。空に輝く月を背景に、都心の光を見下ろしながら、街を守るダークヒーロー的なことをしたかったのだが、現実的に深夜に全身黒の全身鎧等、保護色以外の何物でもなく、気配断ちをしなくても良いくらい闇に紛れて見えなくなっていた。
そして、この高さである。元の世界でリアルヒーローに成れるのではないかと考えた結果、良くあるシーンで高所から街を見下ろすダークヒーローをしたくて考え、東京ブルースカイタワーの頂点にやってきたのである。
当然、その場所は高すぎて誰かに偶然に目撃される等といった事は、皆無であった。
「都心部に出来てきてから、ひたすら数時間かけて火鼠やら火鴉やら飛ばしてましたので、今の状況に対応できているのは、涙ぐましい縁の下から支える者といった感じですが……文字通りに、誰からも気付かれる事なく、終わりそうですね」
「いやぁああぁあ!?」
矢那は頭を抱えながら、雨雲の中で絶叫していた。しかし、当然誰からも見えないし、誰にも聞かれることはない。
一昨日、国会議事堂がテロリストからの襲撃を受けた際に、都内においても多数の珠緒が解き放った錬成魔物の襲撃を受けた。その際に矢那の通う高校も運悪く襲撃を受けたが、運よ良く矢那が鉢合わせた結果、帰還者の力を覚醒させてアイアンゴーレムを破壊したのだった。
そして次の日の夕方、矢那とヤナビが自宅にいる時に、自分以外の家族の全員が、二日連続で家に帰らないとの連絡を受けた。更には自宅にはこれまで“持たぬ者”であった矢那が気付かなかっただけで、魔導具の類が生活に溶け込むように置いてあり、自宅を衛る守護結界と合わせ二人が結論づけたのは、家族が全員魔力を扱える特殊な能力者達だということだった。
世界の変化と家族の事、更には異世界で共に戦った仲間の事、それらを全部背中に背負い込んで、矢那は陽が沈む頃、闇に紛れる様に都心へと移動したのだった。
矢那は異世界『リンカークル』において、“変態の中の変態”と二つ名が付くほどの鍛錬狂いであり、その結果【勇者】に劣らないほどの魔力を得ていた。
彼は自らを追い込み瀕死になりながらも、固有スキル【不撓不屈】により、屈して倒れることはなかった。
そして異世界にて様々な力を得ていくことになるが、その中でも彼の特殊な魔法スキルが【形状変化】であり、それは矢那が使用できる唯一の属性魔法である火魔法で創り出した炎を、彼のイメージ通りに形を変えることが可能するものだった。
形状変化で創ることの出来る物は多岐に渡り、矢那がイメージ出来るものであれば姿形は再現可能であった。しかし、あくまで矢那がイメージ出来る物であるため、外見的なものは一緒でも中身はただの炎であり、それらしく動かしているのは“意思を持ったスキル”【案内者】の“ヤナビ”であった。
ヤナビは、矢那が異世界にて獲得した意志を持ったスキルであり、形状変化で形を持った炎に宿ることが出来た。そして獲得したスキル名が“案内者”だったということもあり、彼が安直にヤナビと名付けたのだ。
ヤナビは、形状変化で形と変えた炎と、矢那が【接続】することにより、更なる形状変化を行ったり、矢那の代わりに情報処理を行う事により多数の炎を同時に操作することも可能だった。
その為ヤナビは、矢那の全てを知る一番の相棒となっていた。そして、ヤナビは自身を人型にする時は、必ず女性型となり、その容姿は全て矢那の好みにわざと合わせている。
東京ブルースカイタワーの上で、漆黒の騎士と化している矢那の背中に背負われた大剣に現在宿っているヤナビは、矢那と軽口を交わしながらも、同時に何千匹という矢那が形状変化で創り出した火鼠や火鴉を操作し、共有している視界からの情報を精査していた。
それ自体が自律して動く訳では無い火鼠や火鴉は、謂わばラジコンのようなものであり、ヤナビというスキルがなければ、矢那はこれほど多くの炎を操ることは不可能だった。
「造り物の魔物は、打ち止めか? 全然湧いて来なくなったな」
「出現位置さえ掴んでしまえば、転送陣らしき魔法陣は【黒衣の天使】達が破壊してまわってますからね。あのような破廉恥な姿のナースを具現化するとは、マスターの妄想力に脱帽です、はい」
「お前のな!? 俺はメタルブラックの戦闘用ロボみたい姿に獄炎を形状変化したのに、ヤナビが接続した途端に、全員をエロナースに変えたんだろうが!」
「嫌だったんですか?」
「嫌だなんて誰が言った!」
「アホですね、マスター」
現状の矢那とヤナビの戦術は、市中に拡散させている火鼠や火鴉が異常を発見したら、獄炎の柱を形状変化した黒炎の人形を向かわせ戦わせるというものだった。
結果、明日以降SNSで黒ガーターを恥ずかしげもなく見せながら、大きなお注射を抱えて戦うお色気ナースが話題となり、矢那の精神がゴリゴリ削られるだろうことは、ヤナビしか予期していなかった。その時、矢那がベッドに突っ伏したのはいうまでも無い。
更には、ヤナビが某アイドルグループばりの人数の黒衣の天使達を矢那に揃えさえ、容姿からボディラインまで一個体ずつ細部まで拘って変形させた結果、色々出会いと切っ掛けを掴み、後に“闇夜の天使達”として不動の人気を得ることになることは、この時の矢那には想像だにしていなかった。
「マスター、先程空へと飛んでいった高魔力体の魔物……というよりは、神獣に近い者達は追わなくても良かったのですか?」
「取り敢えず、今はどっかのバカが仕掛けた召喚陣を発見して潰して回る方が先だな。ぱっと見えただけで判断するのはどうかと思うが、おそらくさっきのアレは十二支を模した姿形だった。確かに一体一体が、簡単に討伐出来るっていうレベルは超えていたが、素直に去っていったんだ。すぐに暴れるってことはないだろ」
深夜でかつ雨雲が空を覆っているいうのに、これでもかというほどに輝きながら去っていった何かは、矢那は脅威があると感じながらも、今すぐの危険という風には感じなかった為、一先ず見逃すことにしたのだった。
「それよりも……だ。お前は誰だ」
咄嗟に矢那はスキル【神出鬼没】の効果の一つである“声変換”により、漆黒の騎士らしい声に変えた上で、自身の背後に現れた気配に向かって声をかけた。
「みんなには、“嗤う男”って呼ばれてるかな」
矢那が振り向くと、そこには高校生ぐらいに見える青年が、矢那と同じ高さの空に立っていた。全身が矢那と同じ黒で統一された服装であるにも関わらず、どういう訳かその黒は周りよりも深く濃く色付いており、周りの背景に溶け込むことなく存在を主張していた。
そして顔は、不気味な笑顔を作っていた。
「マスター」
「分かってる」
矢那とヤナビは短い言葉のやり取りだけで、目の前の青年が異世界で対峙したモノと同様の存在感であった為、内心舌打ちをしながら緊張を高めた。
「……この世界の、神なのか?」
「へぇ……これは、驚いた。憧れでもなく、尊敬でもなく、狂信でもなく、心酔でもなく、表現として“神“と呼ぶのではなく、存在として僕を”神“かどうかを初見で尋ねられたのは、初めてだよ」
矢那の問いに若干の驚きを見せた後、顔は先程よりも口角が吊り上がり弧を描き、瞳もまた同じ形となった。
そこに居たのは、まさに嗤う男だった。
次の瞬間、空から降り落ちる雨粒の動きが止まる。
矢那は、目が見開くと同時に、まるで世界の刻が止まったかのような錯覚を覚えた。しかし、意識だけはこの世界に取り残されたように、目の前の嗤う男が手に刀を出現させたところを見ている。
大太刀よりも長く見えるその刀を、嗤う男は最上段に構えた。
「意識ぐらいは、付いて来れてるかな? 別に、時間を止めた、なんて事は言うつもりはないよ?」
矢那を見ながら、男は顔に三つの三日月を作りながら、嗤っていた。
「実に単純に、君の油断さ。舐めプだよ、舐 め プ。僕から“神核”の存在を感じ取った時点で、考えうる全ての身体強化を図らなかったでしょ。あれが、悪手。僕は君の前に現れる前に、取りうる術を全て取ってから、姿を現したんだよ」
刀を握りしめる嗤う男の腕から、軋むような音が聞こえてくる。今感じているこの時間は、刹那程の時間であり、そんな音が聞こえる筈もない筈である。それにも関わらず、矢那の耳にはしっかりと聞こえてきたのだ。
「名前も知らない君は、おそらくは僕と近しい存在なのだろうね。君の魂に、神核の気配を感じる。だからさ、君はここで退場だよ。君は、存在がチートだからさ」
最上段に構えられた物干し竿とも言える大太刀は、真っ直ぐに矢那に向かって振り下ろされた。
刻が止まっているかのような感覚
それ自体は驚くべきものでもない
命懸けで鍛錬を行う日々で、このような感覚を得ない日などありはしなかったのだから
驚くべきはそこではない
目の前の男が放つのは、魔力と混ざり合う神気であり
この神気の肌触りが、アイツを思い出させた
だからこそ、非常に胸糞が悪いのだ
「だっしゃぁあああ!」
矢那の咆哮と共に空を切る大太刀と、それをみて見開く嗤う男の瞳。体勢が崩れた所へ蹴りを入れると、矢那はその反動で東京ブルースカイタワーの頂点から、地上に背中を向ける様に飛び降りる形となった。
激しい風切り音が矢那の耳を騒がせ、暴れ狂うマントは心を騒つかせる。
「ヤナビ、アレはクソッタレか?」
「はい、マスター。アレはクソッタレと同じ匂いがして、とても臭かったです。鼻が曲がります。汚物は、消毒焼却滅菌するべきです」
「うわぁ、辛辣ぅ。だが……その通りだな!」
空から落ちながら、矢那は両手の拳を強く握りしめる。瞳を閉じ、内なる魔力に精神を集中させる。
ほんの数秒もせず地面が目視出来る高さまで下降するが、矢那は焦ることなく、気負うことなく、そして不敵に嗤いながら、力の込めて叫ぶ。
「我 “天下無双”成りて その姿は一片の怯みなき“威風堂々” 繰り出す業は“正確無比”にて“疾風迅雷” これ即ち“神殺し”に至る武神也!」
その言霊はどこまでも響き轟く、そして深き闇に染まりし強者を神聖なる炎が包み込み、神の炎で染め直す。
光り輝く神の炎で創られし鎧に身を包み、その手に握りし大剣は、神の炎で打ち直された如く、二対一体を思わせる大太刀へと姿を変えた。
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その瞬間、雨を切り裂き、霞を引き裂き、一筋の光が空へと翔けるのだった。
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