潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十五章 晩餐にて

初めての口淫のように5

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「あっ、ああっ」
潤の喉から、口から、獣の喘ぎ声みたいな変な声が出てしまう。

 瑤が、あきれたように見ていた。

 かわいそうに、裸にされて。裸で食事なんて、瑤にとっては、どんなにか恥ずかしかっただろう。屈辱だよな。俺は、慣れているけど。ごめんな、瑤。
 俺は、こういうことになっているから。別に、逃げても、恨みはしないよ。今までだって、誰も俺たちを救えなかったんだ。
 理由は、わかってる。俺だけが逃げればいいって。でも、俺は、全員が救われてほしいんだ。だから、無理なんだろう。
 何度か、こっそり、匿名の無料の電話相談や、ネットの投稿での相談をしたことがある。みんな、早く逃げろ、離れた方がいい」って答えだった。「無理だ」って言うと、「変態だ、楽しんでるんだろう?」「そういうのが好きなら、勝手にやってれば?」と突き放された。
 そういうわけじゃないんだけどな。
 
 そう、潤は思った。

 叔父様のフォークが肉を抜こうとしていた。
「口を閉じて」
と叔父が言った。
 潤は、口を閉じ、フォークの銀の滑らかなカーブを、唇で味わった。
 フォークが滑って、口腔から出ていった。

 終わった。
 ああ、たまらない。こういう行為がやめられない。他に、誰がこういうことをしてくれるっていうんだ?

 潤は自問自答した。
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