潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

問わず語り 11

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「僕も一年の時、潤と同じクラスだったらよかったのに」

僕は残念な気持ちで言った。

「もしそうだったら、瑤もやられちゃうよ」

潤は答えた。

「瑤『も』って……?」

「うん、瑤のいうように、あれって、別に、俺が勝ったとかじゃないよなって、あらためて思った。その時、そう思ったことは事実だけど。俺は、ああいう勝ちじゃなくて、やっぱり本当に勝ちたいんだよな。俺の運命に勝ちたい」

「そっか」

僕は、足を取られて、水底に引きずりこまれて沈んでしまうかに見えた潤が、自分で自然に、自力で浮上してきてくれたことにほっと胸を撫で下ろした。

「……でも、興奮したんでしょ? あのさ、こんなことダメって思うんだけど、話聞いてて、僕も、すごく興奮しちゃったから」

「うん。好きかも、乱交」

潤は、悪戯っぽい笑いを浮かべた。

「潤ったら」

僕は笑った。

「瑤も好き?」

「え?  僕?  乱交……したことないもん」

潤がクラスメイトにふざけて触られているのを見るのは好きだったけど、自分がされるのは、怖いかも。

だから、潤の、

「したい?」

という問に、

「妄想でしちゃうかも」

とだけ答えた。

「瑤があのクラスにいたら、俺と瑤の公開セックス状態になったと思うよ。だからいなくてよかったんだよ。そんなことになったら瑤、傷ついちゃうと思うから」

潤は、僕をいたわるように、真面目な顔で言った。
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