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【第二部】第一章
問答 4
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「君のご両親の職業がよく生かされているのはわかるが、まあ、そんなに言い張るなら、君を巻き込んであげるしかないようだね。よそのお子さんだと思って遠慮していたけれども、君が我々に攻撃的な態度をとるというなら、こちらもそれなりの方法で対処しないといけない」
「僕に何かしたら、僕の両親に訴えられますよ」
「そうだろうね。でも証拠がないからね。それに法曹界には、私も知り合いが多くてね。君の訴えが通るかどうか」
「そんな不正、許されませんよ」
「不正ではない。人間関係、人付き合いは大切だからね、ギブアンドテイク、コネクション、いろんな言い方があるが、君みたいに単純な考えで世の中まわっていないということを、君はまだわかっていないようだね、無理もないが」
「正しいことをあざ笑う人は嫌いです」
「君は正木瑤君という名前だろ? 正木、知っているよ。よく知っている。君の親御さんのことはよく知っているんだよ」
おじ様は、薄気味悪い笑いを浮かべた。
「だから、私に逆らおうなんて考えない方がいい」
「僕は負けませんから。僕は潤をここから救い出します」
「ほほう。君は面白い子だね。さすが正木の息子だ。望むところだね」
おじ様は、そう言ってほくそ笑んだ。
「僕に何かしたら、僕の両親に訴えられますよ」
「そうだろうね。でも証拠がないからね。それに法曹界には、私も知り合いが多くてね。君の訴えが通るかどうか」
「そんな不正、許されませんよ」
「不正ではない。人間関係、人付き合いは大切だからね、ギブアンドテイク、コネクション、いろんな言い方があるが、君みたいに単純な考えで世の中まわっていないということを、君はまだわかっていないようだね、無理もないが」
「正しいことをあざ笑う人は嫌いです」
「君は正木瑤君という名前だろ? 正木、知っているよ。よく知っている。君の親御さんのことはよく知っているんだよ」
おじ様は、薄気味悪い笑いを浮かべた。
「だから、私に逆らおうなんて考えない方がいい」
「僕は負けませんから。僕は潤をここから救い出します」
「ほほう。君は面白い子だね。さすが正木の息子だ。望むところだね」
おじ様は、そう言ってほくそ笑んだ。
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