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三章
13. 教授会とあのシャツの使い方② R18
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「それで、火曜1限も授業をすることになったんですね」
「ええ、教授会解散後にはっと我に返りましたが、優秀なTAが手伝ってくれるなら乗り越えられるだろうと思い直しました」
「はい、お役に立てるように頑張ります」
時計の短針が7を差してしばらく経った頃、臨時の教授会は終了となった。
鳴成の金曜日は、一週間の中で最も作業ボリュームのある日だ。
80名分の必修英語と100名分の学部間共通講座の出席確認や採点を行わなければならず、鳴成はそれを翌週に持ち越すことを良しとしていない。
今週分は必ず今週中に終わらせると決めているため、金曜日は毎週残業必須である。
今日は教授会出席のためにいつもよりも気持ちスピードを上げて作業を行ったが、それでもやはり時間内に全員分とはいかなかった。
鳴成が不在の間、研究室に残った月落がTAとして許される範囲の限界まで請け負ったおかげで、鳴成の作業量は想像より遥かに少なかったけれど。
20時をいくらか過ぎてやっと大学を出る。
鳴成の金曜日は、そのほとんどを月落の自宅に泊まっている。
今夜もそのつもりだったので、職員駐車場に停めてある青の車で共に品川へと帰った。
途中で立ち寄った、食べるスープ専門店でテイクアウトした軽めの夕飯をキッチンのスツールに座って食べて後片付けをして、シャワーを浴びてドライヤーをして、ロフトへと上がった23時30分。
クイーンサイズのベッドの両端に設置したウォールライトだけが点いた、あたたかなオレンジのなか。
鳴成と月落は揃いのTシャツを着て会話をしながら、戯れのキスを繰り返している。
「火曜が2限しかなくて幸いでしたね」
「ん……、ええ、そうですね。ただ、そこで作っていた他の曜日の授業用資料を作成、っ…する時間が取れなくなってしまうので、作業の割り振りを見直さ、なくては」
重ねた枕を背もたれにして座る鳴成の脚の間に身体を入れた月落は、鳴成の薄い唇を啄まむ。
何度かそうしていると、くすぐったさで微かに開いた中にも舌を差し入れて、弱いところをなぞる。
唇と口腔の境界線、頬の内側、歯列、上顎を舐めて、舌を捕らえた後は吸って、絡ませて、奥まで探って。
恋人になってから数えきれないほどに重ねたキスは互いのリズムにもやり方にも慣れて、そのぴたりと嵌るようになった安心感が、快感を増幅させる。
いつの間にか首に回されていた鳴成の腕に引き寄せられて、隙間なく寄り添う上半身。
薄目を開けると、睫毛を震わせて夢中になっている最愛の人の麗しい姿に煽られて、月落は背骨をたどっていた両腕を無自覚に腰まで下げた。
肉付きの良い臀部を前に押して鳴成を太腿の上に乗せるようにしながら、自分の下半身をぐっとあてがう。
瞬間、びくんと身体が跳ねた衝撃で結ばれていた唇と唇は離れた。
鳴成の腰を固定したままスウェット越しに自分の腰をグラインドすると、陶器の肌は逃げを打つ。
何もかもを月落に抑えられているため、それは全く叶わないけれど。
腰を掴む手の平に力をこめる。
上半身はどんどん離れていくのに、下半身はもっと密着してしまう。
「ぁ、だ……これ、駄目な気がします…恥ずかしい……」
「恥ずかしいところは全部隠れてるのに、恥ずかしいですか?……ああ、こうやって生地を押し上げちゃうからですか?」
「っっっ……!」
キスと緩い接触で兆し始めた鳴成自身に、服の上から月落の手が触れる。
形を浮かび上がらせるように親指と中指の間で輪郭をたどられ、一定の強さでくしゅくしゅと揉まれる。
いつもならばキスや上半身への愛撫で十分に気持ちを解してから先へと進むのに、今夜はいきなり始まった直接的な刺激。
鳴成の思考は追いつかず、快感だけが二歩も三歩も先を行って訳がわからなくなりそう。
反射で伸ばした手は掴まえられて、上に重ねられた月落の手に主導権を握られる。
そのまま、まるで自慰をするかのように一緒に上下に動かされて、鳴成はいやいやと首を振った。
好き勝手に育てられているのに、それでも確実に質量を増していく自身に切ないため息が漏れる。
興奮で色づいた吐息に、気道が灼けそうに熱い。
「先生、自分で弄るの気持ち快いですね?」
「私がしてるわけじゃ…これは…ぁ、きみがして……ぁ、ゃ…そこは、」
服の上からだというのに的確に探り当てられた先端部分を大きな手の平に覆われて、絶妙な力で握りこまれる。
同じ身体の作りの同性同士というのは、こういう時は厄介以外の何物でもない。
どうすれば快感を拾えるか、本能的に分かられてしまう。
優しく、そして容赦なく虐められた鳴成のそこは、天を向こうして下着とスウェットの中で窮屈そうにしている。
張りつめて、痛いほどだ。
「脱ぎますか?先生」
「そう、します……」
苛んでいた手を止めて唇にひとつキスを落とした月落を下から見上げると、悪い男の視線に貫かれた。
時々閨の中で現れる、好青年の仮面を外した姿に鳴成は少しだけ身構えた。
こういう顔をする時は大概、彼の欲望の箍が外れている証拠だ。
痛いことをされるわけでは決してない。
むしろ、痛くされたほうがマシかも知れないと思いたくなるほどに、触られ、濡らされ、揺さぶられて、啼かされる。
「お手伝いしますね。起きられますか?」
重い熱のわだかまる腰を叱咤して力を入れると、枕にほぼ横たわるように預けていた上半身を起こす。
Tシャツの裾から侵入した長い指がするすると布を捲り上げて、月落は鳴成の上半身を露にする。
青白ささえある首筋にキスをして食みながらベッドの端に置いてあった黒い塊を掴むと、それをふわりと鳴成の肩に掛けた。
「ん、何ですか、これ……?シャツ……?」
首元を舐められるくすぐったさに、耐えるように閉じられていたヘーゼルの瞳が開く。
素早く袖を通された両腕を確かめていると、月落によってボタンが途中まで留められていく。
うなじに触るフリルを指で撫でると、記憶の断片にある光景が浮かんだ。
「あ、これ…、もしかして……」
「思い出しました?そうです、あの時の俺のシャツです」
上半身に気を取られている鳴成の隙を突いて、月落はスウェットと生成りの肌の間に親指を差し入れると、下着ごと下ろして鳴成の下半身を剥いた。
あ、と思う間もなく取り去られた衣類は、非情にもベッドの下へと捨てられて。
身に付けているものはシャツ一枚となる。
けれど。
着ているのに、着ていないよりも恥ずかしさこの上ない。
なぜか。
「全然隠れてないですね、先生。はっきり見えるのとはまた違って、めちゃくちゃそそられるな、これ……」
いま鳴成を包んでいるのは、黒のシルクシフォンシャツ。
滑らかでやわらかい生地は肌にひっかかることなくとても着心地が良いのだが、その極めてシアーな質感は身体のどこもかしこも透けて月落の目に映っていることだろう。
じっと見つめられて、下から上に移動する視線に何度も炙られて、鳴成は思わず両腕を胸の前に持っていった。
もうそれは、一種の防衛本能に近い。
男の胸だ、何もないのに、隠さなければひどいことになる気がして。
くすりと笑う年下の男の前では、些細な抵抗だと分かってはいるけれど。
「こっちは隠さなくていいんですか?秋史さん」
「ひゃ、ん…っ!」
シャツの上から屹立を撫でられて、大きな声が出た。
月落を身の内に収めて、弱い部分を容赦なく抉られた時にしか出ないような、嬌声。
「この前は俺のを触ったから、今日は触られる側になってください」
先月末、日曜日。
月落が親しい友人たちと遊ぶ日には、独特なドレスコードがあると聞いた。
普段はシンプルな格好を好む恋人がどういった装いを選んだのかが気になって、着替えた姿を見せてもらったのだが。
現れた恋人は、直視できないほどに大胆なシャツを着ていた。
ほぼ裸と言っても過言ではない透け感の。
あまりにも驚きすぎて、立ち上がったまま一時停止した鳴成の前まで来た月落は、ソファの肘掛け部分に軽く腰かけたあとすぐに鳴成の手を取って、自分の指と絡ませた。
白い手の平に唇を当てた月落はそのまま、シャツを羽織っているのに見えすぎている自身の上半身をなぞるように動かし始めた。
首筋から肩、二の腕、胸を辿らされた鳴成は、そのあまりのいやらしさに、触っている立場なのに耳も頬も真っ赤に染めた。
形を憶えさせようとするかのような動き。
鍛え上げられた均整の取れた身体を、有無を言わせず記録させるような。
手を取り返そうとするけれど、こういう接触に関しては何枚も上手な年下の男から逃れられるはずもなく、腹筋から背中、腰の下までへも導かれて。
はぁ……と、どちらのものか分からない、温度の高いため息が漏れた。
時間の都合上、その日はそこで終了となったけれど。
鳴成の脳内にはその夜のことが蘇って、あの時の月落の裸体と言っていい姿が今の自分へと投影される。
それはどうしたって、それが己の身体であっても、淫らに映るだろうことは否定できない。
「あの時と一緒で真っ赤ですね。耳も目元も、首まで赤い……綺麗です」
顎の下を人差し指の背で慰められる。
そこから這い上がる甘い電流に、鳴成は首を竦めた。
皮膚が薄いというのは、こういう状況では全くの不利だ。
感情の発露が隠せぬまま、素直に相手に伝わってしまう。
「先生、腕外してください。じゃないと、こっちから可愛がっちゃいますけど、いいですか?」
そう言って月落は、鳴成の下半身へと手を伸ばす。
さきほど一撫でされただけで衝撃の走ったそこを反射で守るように、鳴成は月落を阻む。
胸元からなくなった砦。
無防備になった左胸に黒髪が近づいていく。
あ、と思うけれどもう遅い。
これから何をされるか想像できてしまうのは、肌を敏感にさせる助けにしかならない。
きゅう、とシャツの上からきつく吸われて、背筋が仰け反った。
「あぁ……っ……ひ、…ん……っ」
「痛いですか?」
「んんっ、わからな……擦れて…喋らな、…ぁ……」
「喋るのは嫌?じゃあこうやって、舐めるのと、吸うのと……噛むの、どれが気持ち快いですか?先生、教えてください」
舐めて、吸って、噛んで、の動作と共に尋ねられる。
いつもは素肌に直接行われる行為は、薄布一枚挟んだだけでその刺激の伝え方を随分と変える。
舌のぬるりとした感触は軽くなるけれど、代わりに、無機質な生地が胸の頂に擦れる異質な感覚にぞわりと肌が粟立つ。
やわらかく歯を立てられて、肩が跳ねた。
目を開けていられない。
「噛まないで、渉く……噛むのは、や…ぁ」
「噛まれるのやだ?こうやって?」
「やぁ…っ」
嫌だと言ったのに、確認のためだという無邪気な顔でさらなる愛撫が加えられる。
胸元で好き勝手に動く黒髪を止めたいのに、腕は下の方で月落に捕らえられていて自由が利かない。
未知の快感に悶えて、いつになく上がる声。
そこに、プラスチックの蓋を開ける音が響いた。
何となく不穏な気配がして目を開けた先には、手の平に出した潤滑液を温めている青年の姿。
「渉くん…それ、どうするの……?」
後ずさりしようにも、後ろは枕の壁だ。
むしろ最初から逃げ道なんてない。
「……もちろん、こうします」
「…あっ!んんんっ……!」
ぬめる手で両方の胸全体を覆い隠されて、円を描くようにして動かされる。
唾液とはまた違う濡れた感じ。
潤いの膜がシャツの繊維に絡んで、もったりとした感触に変えてしまう。
滑って摘まみにくくなった胸の頂を執拗に追いかけられては弄ばれて、鳴成は人差し指を噛んで耐える。
「ぁ、ぁ、ぁ……んぅぅっ」
胸の真ん中の窪みをきつく吸われて、腰がひくんと揺れた。
毎週抱かれて作り変えられている最中の身体はこの頃、胸元への愛撫を下腹部へと直結させるようになってしまった。
最後まで果てたあと、力の抜けた身体で月落の太腿の上に座らされて、両胸の色づきに何度も口を寄せられているからだろう。
むずむずと痛痒い刺激にか細く喘ぐ鳴成の痴態に、滾った月落に再び挑まれることもあって。
そんな夜を重ねる内に、身体のあちこちが敏感になってしまっている。
「先生、腰止まんないですね……震えてるの可愛い…」
脇腹や臍の辺りをくすぐりながら下へと移動した手の平に、新しい潤滑液が落とされる。
先ほどよりも量が多い。
「や、やです……渉くん。それは、してはだめ」
「大丈夫です、秋史さん。気持ち快いことだけ考えましょうね」
鳴成が本当に嫌がることならば、絶対にしない。
「嫌だ」と零すその言葉の裏にある気持ちをきちんと選り分けて、加減をしてくれる男だ。
今までその言動や行動に恐怖を感じたことは一切ないし、自分本位に無理やりされたこともない。
思いやりが主成分の男。
言葉になんて出来ないあれやこれやをされて言うことを聞かなくなった身体に得体の知れない怖さを感じたときは、必ず止まってくれる。
だからこそ、鳴成は何もかもを委ねてしまっているけれど。
「脱ぐ、から…これ。もう、脱ぎたい……」
嫌な予感しかしないこの状況からは逃げなければいけない、と頭の中で警告音が鳴る。
「脱ぎますか?直接触った方が気持ち快い?」
「…………」
「先生」
恥ずかしい問いに、羞恥心をおして小さく頷く。
「教えてください、先生」
けれど、頷くだけでは許されない。
「……き、もちいいです」
「そうなんですね……でも、こうやってぬるぬるにしたシャツの上から触られたことはないでしょうから、比較できませんよね?だったら今日、試してみましょうね」
「待っ……!」
見開いた鳴成の目に映るには、悪い大人の顔で笑う青年。
そんな顔をしているのに爽やかさを失わない容貌に見惚れていると、猛った自身に走る衝撃。
「あぁぁぁっ……!」
糸を引くほどのぬめりを纏った両手は、包み込むように、けれど確かな強さで鳴成の屹立を籠絡する。
上から下まで余すところなく湿らせると、天を向いたそこに直接潤滑液を追加してシャツごと扱き始める。
卑猥な音がするほどにぐじゅぐじゅになった布が這う。
まとわりつく生地が貼りつく悪寒にも似た快感と、滑る指で執拗に弄られる甘い責め苦に、鳴成自身も泣く。
もうそれが潤滑液なのか、先走りなのか分からないほどに濡れて濡れて、その全てが月落の動作を円滑なものにしてしまう。
「気持ち快いですね、先生」
「っ……ふぁ、っ……んぅ」
手の甲を覆う袖を噛みながら、何度か小さく頷く。
ひどいことをされているのに、ひどいことをされていると分かっているのに、ひたすらに気持ちが快い。
「直に触るのと、シャツの上からするの、どっちが快いですか?——ああ、今日はまだ直接触ってないから、それも試さないと不公平ですね」
「しないで、待っ……ひ、ゃ……もうイくから、ぁ…」
ひたりと膜のように性器を覆っていた生地が、わざとゆっくりと引っ張られながら持ち上げられる。
ぞくぞく、と背骨が痺れる。
露わになっていく灼熱の表面に触れる空気が冷たく感じられて、ぶるりと腰が震えた。
ぬめりを足した手の平で擦られて、先端から滲み出た雫を親指の腹で押し潰されて、尿道をくじられる。
「わたるく…、イく、だめ、もう……わたるくっ」
そうやって甘く掠れた声で名前を呼ぶから、月落の欲情は滅茶苦茶に刺激されるというのに。
だから、際限なく弄られるというのに。
「イってください、秋史さん。可愛い、すっごく可愛いです……沢山イって」
「…ってるから…指、離してっ…や、ゆび……、ゃん~~~~~」
絶頂を誘う動きをするのに、月落の親指は精液の出口を押さえて離れていかない。
一気に駆け上がる欲望は、けれどその放出を許されなかった。
結果、半ば堰き止められた奔流は長く鳴成の中に留まって、絶頂の快感を長引かせた。
とろとろと勢いのないまま流れ落ちる白濁は下へと伝って、後孔を濡らす。
悪戯な指に、僅かに開いた奥へとその白を塗りこめるようにして遊ばれた。
滲む視界の中で口の端を上げる、年下の恋人。
「ここはシャツで弄るのは危ないので、止めましょうね。その代わり、硬いのでいっぱい、先生の好きなところ何度も触ってあげますから」
微笑んだ唇に、唇を塞がれる。
優しくて、丁寧で、上手で、意地悪な彼に、際限のない切ない疼きを与えられて、鳴成はこの夜も甘く沈んだ。
「ええ、教授会解散後にはっと我に返りましたが、優秀なTAが手伝ってくれるなら乗り越えられるだろうと思い直しました」
「はい、お役に立てるように頑張ります」
時計の短針が7を差してしばらく経った頃、臨時の教授会は終了となった。
鳴成の金曜日は、一週間の中で最も作業ボリュームのある日だ。
80名分の必修英語と100名分の学部間共通講座の出席確認や採点を行わなければならず、鳴成はそれを翌週に持ち越すことを良しとしていない。
今週分は必ず今週中に終わらせると決めているため、金曜日は毎週残業必須である。
今日は教授会出席のためにいつもよりも気持ちスピードを上げて作業を行ったが、それでもやはり時間内に全員分とはいかなかった。
鳴成が不在の間、研究室に残った月落がTAとして許される範囲の限界まで請け負ったおかげで、鳴成の作業量は想像より遥かに少なかったけれど。
20時をいくらか過ぎてやっと大学を出る。
鳴成の金曜日は、そのほとんどを月落の自宅に泊まっている。
今夜もそのつもりだったので、職員駐車場に停めてある青の車で共に品川へと帰った。
途中で立ち寄った、食べるスープ専門店でテイクアウトした軽めの夕飯をキッチンのスツールに座って食べて後片付けをして、シャワーを浴びてドライヤーをして、ロフトへと上がった23時30分。
クイーンサイズのベッドの両端に設置したウォールライトだけが点いた、あたたかなオレンジのなか。
鳴成と月落は揃いのTシャツを着て会話をしながら、戯れのキスを繰り返している。
「火曜が2限しかなくて幸いでしたね」
「ん……、ええ、そうですね。ただ、そこで作っていた他の曜日の授業用資料を作成、っ…する時間が取れなくなってしまうので、作業の割り振りを見直さ、なくては」
重ねた枕を背もたれにして座る鳴成の脚の間に身体を入れた月落は、鳴成の薄い唇を啄まむ。
何度かそうしていると、くすぐったさで微かに開いた中にも舌を差し入れて、弱いところをなぞる。
唇と口腔の境界線、頬の内側、歯列、上顎を舐めて、舌を捕らえた後は吸って、絡ませて、奥まで探って。
恋人になってから数えきれないほどに重ねたキスは互いのリズムにもやり方にも慣れて、そのぴたりと嵌るようになった安心感が、快感を増幅させる。
いつの間にか首に回されていた鳴成の腕に引き寄せられて、隙間なく寄り添う上半身。
薄目を開けると、睫毛を震わせて夢中になっている最愛の人の麗しい姿に煽られて、月落は背骨をたどっていた両腕を無自覚に腰まで下げた。
肉付きの良い臀部を前に押して鳴成を太腿の上に乗せるようにしながら、自分の下半身をぐっとあてがう。
瞬間、びくんと身体が跳ねた衝撃で結ばれていた唇と唇は離れた。
鳴成の腰を固定したままスウェット越しに自分の腰をグラインドすると、陶器の肌は逃げを打つ。
何もかもを月落に抑えられているため、それは全く叶わないけれど。
腰を掴む手の平に力をこめる。
上半身はどんどん離れていくのに、下半身はもっと密着してしまう。
「ぁ、だ……これ、駄目な気がします…恥ずかしい……」
「恥ずかしいところは全部隠れてるのに、恥ずかしいですか?……ああ、こうやって生地を押し上げちゃうからですか?」
「っっっ……!」
キスと緩い接触で兆し始めた鳴成自身に、服の上から月落の手が触れる。
形を浮かび上がらせるように親指と中指の間で輪郭をたどられ、一定の強さでくしゅくしゅと揉まれる。
いつもならばキスや上半身への愛撫で十分に気持ちを解してから先へと進むのに、今夜はいきなり始まった直接的な刺激。
鳴成の思考は追いつかず、快感だけが二歩も三歩も先を行って訳がわからなくなりそう。
反射で伸ばした手は掴まえられて、上に重ねられた月落の手に主導権を握られる。
そのまま、まるで自慰をするかのように一緒に上下に動かされて、鳴成はいやいやと首を振った。
好き勝手に育てられているのに、それでも確実に質量を増していく自身に切ないため息が漏れる。
興奮で色づいた吐息に、気道が灼けそうに熱い。
「先生、自分で弄るの気持ち快いですね?」
「私がしてるわけじゃ…これは…ぁ、きみがして……ぁ、ゃ…そこは、」
服の上からだというのに的確に探り当てられた先端部分を大きな手の平に覆われて、絶妙な力で握りこまれる。
同じ身体の作りの同性同士というのは、こういう時は厄介以外の何物でもない。
どうすれば快感を拾えるか、本能的に分かられてしまう。
優しく、そして容赦なく虐められた鳴成のそこは、天を向こうして下着とスウェットの中で窮屈そうにしている。
張りつめて、痛いほどだ。
「脱ぎますか?先生」
「そう、します……」
苛んでいた手を止めて唇にひとつキスを落とした月落を下から見上げると、悪い男の視線に貫かれた。
時々閨の中で現れる、好青年の仮面を外した姿に鳴成は少しだけ身構えた。
こういう顔をする時は大概、彼の欲望の箍が外れている証拠だ。
痛いことをされるわけでは決してない。
むしろ、痛くされたほうがマシかも知れないと思いたくなるほどに、触られ、濡らされ、揺さぶられて、啼かされる。
「お手伝いしますね。起きられますか?」
重い熱のわだかまる腰を叱咤して力を入れると、枕にほぼ横たわるように預けていた上半身を起こす。
Tシャツの裾から侵入した長い指がするすると布を捲り上げて、月落は鳴成の上半身を露にする。
青白ささえある首筋にキスをして食みながらベッドの端に置いてあった黒い塊を掴むと、それをふわりと鳴成の肩に掛けた。
「ん、何ですか、これ……?シャツ……?」
首元を舐められるくすぐったさに、耐えるように閉じられていたヘーゼルの瞳が開く。
素早く袖を通された両腕を確かめていると、月落によってボタンが途中まで留められていく。
うなじに触るフリルを指で撫でると、記憶の断片にある光景が浮かんだ。
「あ、これ…、もしかして……」
「思い出しました?そうです、あの時の俺のシャツです」
上半身に気を取られている鳴成の隙を突いて、月落はスウェットと生成りの肌の間に親指を差し入れると、下着ごと下ろして鳴成の下半身を剥いた。
あ、と思う間もなく取り去られた衣類は、非情にもベッドの下へと捨てられて。
身に付けているものはシャツ一枚となる。
けれど。
着ているのに、着ていないよりも恥ずかしさこの上ない。
なぜか。
「全然隠れてないですね、先生。はっきり見えるのとはまた違って、めちゃくちゃそそられるな、これ……」
いま鳴成を包んでいるのは、黒のシルクシフォンシャツ。
滑らかでやわらかい生地は肌にひっかかることなくとても着心地が良いのだが、その極めてシアーな質感は身体のどこもかしこも透けて月落の目に映っていることだろう。
じっと見つめられて、下から上に移動する視線に何度も炙られて、鳴成は思わず両腕を胸の前に持っていった。
もうそれは、一種の防衛本能に近い。
男の胸だ、何もないのに、隠さなければひどいことになる気がして。
くすりと笑う年下の男の前では、些細な抵抗だと分かってはいるけれど。
「こっちは隠さなくていいんですか?秋史さん」
「ひゃ、ん…っ!」
シャツの上から屹立を撫でられて、大きな声が出た。
月落を身の内に収めて、弱い部分を容赦なく抉られた時にしか出ないような、嬌声。
「この前は俺のを触ったから、今日は触られる側になってください」
先月末、日曜日。
月落が親しい友人たちと遊ぶ日には、独特なドレスコードがあると聞いた。
普段はシンプルな格好を好む恋人がどういった装いを選んだのかが気になって、着替えた姿を見せてもらったのだが。
現れた恋人は、直視できないほどに大胆なシャツを着ていた。
ほぼ裸と言っても過言ではない透け感の。
あまりにも驚きすぎて、立ち上がったまま一時停止した鳴成の前まで来た月落は、ソファの肘掛け部分に軽く腰かけたあとすぐに鳴成の手を取って、自分の指と絡ませた。
白い手の平に唇を当てた月落はそのまま、シャツを羽織っているのに見えすぎている自身の上半身をなぞるように動かし始めた。
首筋から肩、二の腕、胸を辿らされた鳴成は、そのあまりのいやらしさに、触っている立場なのに耳も頬も真っ赤に染めた。
形を憶えさせようとするかのような動き。
鍛え上げられた均整の取れた身体を、有無を言わせず記録させるような。
手を取り返そうとするけれど、こういう接触に関しては何枚も上手な年下の男から逃れられるはずもなく、腹筋から背中、腰の下までへも導かれて。
はぁ……と、どちらのものか分からない、温度の高いため息が漏れた。
時間の都合上、その日はそこで終了となったけれど。
鳴成の脳内にはその夜のことが蘇って、あの時の月落の裸体と言っていい姿が今の自分へと投影される。
それはどうしたって、それが己の身体であっても、淫らに映るだろうことは否定できない。
「あの時と一緒で真っ赤ですね。耳も目元も、首まで赤い……綺麗です」
顎の下を人差し指の背で慰められる。
そこから這い上がる甘い電流に、鳴成は首を竦めた。
皮膚が薄いというのは、こういう状況では全くの不利だ。
感情の発露が隠せぬまま、素直に相手に伝わってしまう。
「先生、腕外してください。じゃないと、こっちから可愛がっちゃいますけど、いいですか?」
そう言って月落は、鳴成の下半身へと手を伸ばす。
さきほど一撫でされただけで衝撃の走ったそこを反射で守るように、鳴成は月落を阻む。
胸元からなくなった砦。
無防備になった左胸に黒髪が近づいていく。
あ、と思うけれどもう遅い。
これから何をされるか想像できてしまうのは、肌を敏感にさせる助けにしかならない。
きゅう、とシャツの上からきつく吸われて、背筋が仰け反った。
「あぁ……っ……ひ、…ん……っ」
「痛いですか?」
「んんっ、わからな……擦れて…喋らな、…ぁ……」
「喋るのは嫌?じゃあこうやって、舐めるのと、吸うのと……噛むの、どれが気持ち快いですか?先生、教えてください」
舐めて、吸って、噛んで、の動作と共に尋ねられる。
いつもは素肌に直接行われる行為は、薄布一枚挟んだだけでその刺激の伝え方を随分と変える。
舌のぬるりとした感触は軽くなるけれど、代わりに、無機質な生地が胸の頂に擦れる異質な感覚にぞわりと肌が粟立つ。
やわらかく歯を立てられて、肩が跳ねた。
目を開けていられない。
「噛まないで、渉く……噛むのは、や…ぁ」
「噛まれるのやだ?こうやって?」
「やぁ…っ」
嫌だと言ったのに、確認のためだという無邪気な顔でさらなる愛撫が加えられる。
胸元で好き勝手に動く黒髪を止めたいのに、腕は下の方で月落に捕らえられていて自由が利かない。
未知の快感に悶えて、いつになく上がる声。
そこに、プラスチックの蓋を開ける音が響いた。
何となく不穏な気配がして目を開けた先には、手の平に出した潤滑液を温めている青年の姿。
「渉くん…それ、どうするの……?」
後ずさりしようにも、後ろは枕の壁だ。
むしろ最初から逃げ道なんてない。
「……もちろん、こうします」
「…あっ!んんんっ……!」
ぬめる手で両方の胸全体を覆い隠されて、円を描くようにして動かされる。
唾液とはまた違う濡れた感じ。
潤いの膜がシャツの繊維に絡んで、もったりとした感触に変えてしまう。
滑って摘まみにくくなった胸の頂を執拗に追いかけられては弄ばれて、鳴成は人差し指を噛んで耐える。
「ぁ、ぁ、ぁ……んぅぅっ」
胸の真ん中の窪みをきつく吸われて、腰がひくんと揺れた。
毎週抱かれて作り変えられている最中の身体はこの頃、胸元への愛撫を下腹部へと直結させるようになってしまった。
最後まで果てたあと、力の抜けた身体で月落の太腿の上に座らされて、両胸の色づきに何度も口を寄せられているからだろう。
むずむずと痛痒い刺激にか細く喘ぐ鳴成の痴態に、滾った月落に再び挑まれることもあって。
そんな夜を重ねる内に、身体のあちこちが敏感になってしまっている。
「先生、腰止まんないですね……震えてるの可愛い…」
脇腹や臍の辺りをくすぐりながら下へと移動した手の平に、新しい潤滑液が落とされる。
先ほどよりも量が多い。
「や、やです……渉くん。それは、してはだめ」
「大丈夫です、秋史さん。気持ち快いことだけ考えましょうね」
鳴成が本当に嫌がることならば、絶対にしない。
「嫌だ」と零すその言葉の裏にある気持ちをきちんと選り分けて、加減をしてくれる男だ。
今までその言動や行動に恐怖を感じたことは一切ないし、自分本位に無理やりされたこともない。
思いやりが主成分の男。
言葉になんて出来ないあれやこれやをされて言うことを聞かなくなった身体に得体の知れない怖さを感じたときは、必ず止まってくれる。
だからこそ、鳴成は何もかもを委ねてしまっているけれど。
「脱ぐ、から…これ。もう、脱ぎたい……」
嫌な予感しかしないこの状況からは逃げなければいけない、と頭の中で警告音が鳴る。
「脱ぎますか?直接触った方が気持ち快い?」
「…………」
「先生」
恥ずかしい問いに、羞恥心をおして小さく頷く。
「教えてください、先生」
けれど、頷くだけでは許されない。
「……き、もちいいです」
「そうなんですね……でも、こうやってぬるぬるにしたシャツの上から触られたことはないでしょうから、比較できませんよね?だったら今日、試してみましょうね」
「待っ……!」
見開いた鳴成の目に映るには、悪い大人の顔で笑う青年。
そんな顔をしているのに爽やかさを失わない容貌に見惚れていると、猛った自身に走る衝撃。
「あぁぁぁっ……!」
糸を引くほどのぬめりを纏った両手は、包み込むように、けれど確かな強さで鳴成の屹立を籠絡する。
上から下まで余すところなく湿らせると、天を向いたそこに直接潤滑液を追加してシャツごと扱き始める。
卑猥な音がするほどにぐじゅぐじゅになった布が這う。
まとわりつく生地が貼りつく悪寒にも似た快感と、滑る指で執拗に弄られる甘い責め苦に、鳴成自身も泣く。
もうそれが潤滑液なのか、先走りなのか分からないほどに濡れて濡れて、その全てが月落の動作を円滑なものにしてしまう。
「気持ち快いですね、先生」
「っ……ふぁ、っ……んぅ」
手の甲を覆う袖を噛みながら、何度か小さく頷く。
ひどいことをされているのに、ひどいことをされていると分かっているのに、ひたすらに気持ちが快い。
「直に触るのと、シャツの上からするの、どっちが快いですか?——ああ、今日はまだ直接触ってないから、それも試さないと不公平ですね」
「しないで、待っ……ひ、ゃ……もうイくから、ぁ…」
ひたりと膜のように性器を覆っていた生地が、わざとゆっくりと引っ張られながら持ち上げられる。
ぞくぞく、と背骨が痺れる。
露わになっていく灼熱の表面に触れる空気が冷たく感じられて、ぶるりと腰が震えた。
ぬめりを足した手の平で擦られて、先端から滲み出た雫を親指の腹で押し潰されて、尿道をくじられる。
「わたるく…、イく、だめ、もう……わたるくっ」
そうやって甘く掠れた声で名前を呼ぶから、月落の欲情は滅茶苦茶に刺激されるというのに。
だから、際限なく弄られるというのに。
「イってください、秋史さん。可愛い、すっごく可愛いです……沢山イって」
「…ってるから…指、離してっ…や、ゆび……、ゃん~~~~~」
絶頂を誘う動きをするのに、月落の親指は精液の出口を押さえて離れていかない。
一気に駆け上がる欲望は、けれどその放出を許されなかった。
結果、半ば堰き止められた奔流は長く鳴成の中に留まって、絶頂の快感を長引かせた。
とろとろと勢いのないまま流れ落ちる白濁は下へと伝って、後孔を濡らす。
悪戯な指に、僅かに開いた奥へとその白を塗りこめるようにして遊ばれた。
滲む視界の中で口の端を上げる、年下の恋人。
「ここはシャツで弄るのは危ないので、止めましょうね。その代わり、硬いのでいっぱい、先生の好きなところ何度も触ってあげますから」
微笑んだ唇に、唇を塞がれる。
優しくて、丁寧で、上手で、意地悪な彼に、際限のない切ない疼きを与えられて、鳴成はこの夜も甘く沈んだ。
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