僕は前世の知識を生かしのし上る……はず？

29

　眠りから覚めると側には王様と第一王子がいた。

　「目を覚ましたか？」

　「今何か食べれるものを用意してくるよ」

　「体につらいところはないか？」

　「大丈夫です、ところで子供は？」

　「子供なら、今ジェーンが見てくれているよ」

　「まだミルクを挙げていないんですけど……」

　「それならそなたが寝ている間に、与えておいたから大丈夫だぞ」

　「そなたもきちんとミルクが出るようになっている。
　子もそれをうまそうに飲んでいたからな」

　いつの間に与えていたかは知らないが、男の体でミルクが出るとは不思議な感覚だ。

　確かに胸が少し大きくなっている気がする。

　「大丈夫ですか？
　今スープとパンを持ってきてくれるように言いましたので、食べてください」

　「ありがとう」

　俺は素直にお礼を言ったが、二人はびっくりしてこちらを見ている。

　「礼を言われるとは思っていなかったから……ごめんな」

　「無理矢理するつもりはなかったんです。
　でも他の誰かの物になるなら、嫌われてもいいから既成事実を付くてしまおうと話して実行しました」

　「俺も男ですから、男に襲われるのはいささか気分がいいものではないです」

　「「すまん」」

　「でも散々快楽を覚えこまされた体です。
　きちんと言ってくれればそれなりの覚悟はできましたよ」

　「ごめんね。
　これからもよろしくね」

　「これからもなんですか？」

　「これからもです。
　エリー以外の人はいりません」

　「私もだよ。
　我らの愛しい花嫁さん」

　「家臣たちとも話しました。
　我々は互いに譲る気がないので、王族の花嫁として迎え入れることになったのです」

　「……話の展開が……」

　「これから徐々にでいいので受け入れてくれればいいです。

　彼らが納得いっているなら俺は別にいいのだが、子供を産んでしまった今今更拒むのも何なのでこれから先受け入れていくしかないのかもしれない。

　俺って、前世は童貞のまま死んだから快楽に弱いのかもしれない。

　俺ののし上がる夢が……