【完結】騎士団長に言い寄られて困っています

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　それから数か月後に裁判が執り行われた。

　裁判と言っても形式だけで、すでに判決は決定している。

　今回大々的なことをやろうと思ったのはハルのためだ。

　どういうわけかふたなりは軽視され神聖であるはずのものがまさか侮辱されていたと思うと腸が煮えくり返る思いだ。

　「これより、元公爵令嬢による騎士暗殺未遂の裁判を行う」

　「なぜ元なのです。
　わたくしはなにも悪くありませんわ」

　「公爵令嬢だからと人を殺めてもいいのか？」

　「それこそなぜですわ」

　「我々貴族は国民によって成り立っている。
　その国民をないがしろにしようとしたこと自体罪なんだ」

　「それもわからない人は貴族である資格はないよ」

　「後ハルはふたなりなのは知っていると思うが」

　「存じておりますわ、男でも女でもないなど気持ち悪い」

　「私の母もふたなりですよ」

　「俺の母もそうだ」
　
　「えっ」

　「我々王族は妃にふたなりを迎えている。
　お前はふたなりを侮辱したことは我々を侮辱したのも同然なんだよ」

　「そんな…」

　「知らなかったとは言わせませんよ。
　当時の家庭教師に聞きました。
　確かに教えたと、それをあなたは聞いていなかっただけではありませんか」

　「彼は平民ではありませんか！
　平民を妃になどおかしいですわ」

　「ふたなりは貴族からは生まれないよ。
　すべて平民からだよ」

　今だわけがわからないのか呆けていたが、修道院行きを言い渡すと喚き散らしたが、騎士も慣れたもので護送車に素早く入れそのまま護送されていった。